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第22回規制改革会議 資料3

Microsoft PowerPoint - 2の(別紙2)雇用形態に関わらない公正な待遇の確保【佐賀局版】

短時間 有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針 について ( 同一労働同一賃金ガイドライン ) 厚生労働省雇用環境 均等局有期 短時間労働課職業安定局需給調整事業課

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今後 この政府のガイドライン案をもとに 法改正の立案作業を進め 本ガイドライン案については 関係者の意見や改正法案についての国会審議を踏まえて 最終的に確定する また 本ガイドライン案は 同一の企業 団体における 正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差を是正することを目的としているため

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1 なぜ 同一労働同一賃金 が導入されるのか? 総務省統計局労働力調査 ( 詳細集計 ) 平成 30 年 (2018 年 )7~9 月期平均 ( 速報 ) によると 非正規労働者数は 2,118 万人 ( 前年同期比 68 万人増加 ) 正規労働者数は 3,500 万人となっています 役員を除く雇用


2 賞与 3 手当 4 福利厚生 5 その他 第 4 派遣労働者 1 基本給 2 賞与 3 手当 4 福利厚生 5 その他 第 5 協定対象派遣労働者 1 賃金 2 福利厚生 3 その他 第 1 目的 この指針は 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 ( 平成 5 年法律 -

2018年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果

日韓比較(10):非正規雇用-その4 なぜ雇用形態により人件費は異なるのか?―賃金水準や社会保険の適用率に差があるのが主な原因―

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

3. 無期労働契約への転換後の労働条件無期労働契約に転換した後の職務 勤務地 賃金 労働時間等の労働条件は 労働協約 就業規則または個々の労働契約等に別段の定めがない限り 直前の有期労働契約と同一になるとされており 無期転換に当たって職務の内容などが変更されないにもかかわらず 無期転換後の労働条件を

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多様な働き方 時代の賃金設計 図表 1: ランク型賃金表を用いた勤務地限定社員の取り扱い ( 例 ) 基本給表 役割責任 号数ランク月額 Ⅰ 等級 Ⅱ 等級 Ⅲ 等級 Ⅳ 等級 Ⅴ 等級 14 S=14 点 13 S=13 点 A=13 点 12 S=12 点 A=12 点 B=12 点 11 S=

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Microsoft Word - H29 結果概要

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労働時間の適正な把握のために.indd

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規定例 ( 育児 介護休業制度 ) 株式会社 と 労働組合は 育児 介護休業制度に関し 次 のとおり協定する ( 対象者 ) 育児休業の対象者は 生後満 歳に達しない子を養育するすべての従業員とする 2 介護休業の対象者は 介護を必要とする家族を持つすべての従業員とする 介護の対象となる家族の範囲は

共通事項 1 キャリアアップ 管理者情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 印 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 奨励金対象労働者数 ( 全労働者数 ) 9 企業規模 ( 該当

働き方改革推進の基本方針 平成 29 年 9 月 22 日 一般社団法人日本建設業連合会 政府は 平成 29 年 3 月 28 日に 働き方改革実行計画 を策定した 本計画では 同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善 賃金引上げと労働生産性向上 罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是

女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

平成 27 年改正の概要 ( サマリー ) 一般労働者派遣事業 ( 許可制 ) 特定労働者派遣事業 ( 届出制 ) 26 業務 期間制限なし 26 業務以外 原則 1 年 意見聴取により最長 3 年まで 規定なし 規定なし 1. 許可制への統一 2. 派遣契約の期間制限について すべての労働者派遣事

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調査結果 1. 働き方改革 と聞いてイメージすること 男女とも 有休取得 残業減 が 2 トップに 次いで 育児と仕事の両立 女性活躍 生産性向上 が上位に 働き方改革 と聞いてイメージすることを聞いたところ 全体では 有給休暇が取りやすくなる (37.6%) が最も多く 次いで 残業が減る (36

Ⅲ コース等で区分した雇用管理を行うに当たって留意すべき事項 ( 指針 3) コース別雇用管理 とは?? 雇用する労働者について 労働者の職種 資格等に基づき複数のコースを設定し コースごとに異なる配置 昇進 教育訓練等の雇用管理を行うシステムをいいます ( 例 ) 総合職や一般職等のコースを設定し

ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)  レベル診断チェックシート

2 継続雇用 の状況 (1) 定年制 の採用状況 定年制を採用している と回答している企業は 95.9% である 主要事業内容別では 飲食店 宿泊業 (75.8%) で 正社員数別では 29 人以下 (86.0%) 高年齢者比率別では 71% 以上 ( 85.6%) で定年制の採用率がやや低い また

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主な論点 資料 4 1. ワーク ライフ バランスの推進 生産性向上等の観点から 働き方とともに休み方を見直すことの必要性 重要性 (1) 有給休暇取得状況と長時間労働の国際比較 (2) 休暇取得と生産性との関係 (3) 仕事と仕事以外の生活の充実 2. 秋の連休の大型化等を実現する上での課題 (1

4 子育てしやすいようにするための制度の導入 仕事内容への配慮子育て中の社員のため以下のような配慮がありますか? 短時間勤務ができる フレックスタイムによる勤務ができる 勤務時間等 始業 終業時刻の繰上げ 繰下げによる勤務ができる 残業などの所定外労働を制限することができる 育児サービスを受けるため

働き方の現状と今後の課題

- 調査結果の概要 - 1. 改正高年齢者雇用安定法への対応について a. 定年を迎えた人材の雇用確保措置として 再雇用制度 導入企業は9 割超 定年を迎えた人材の雇用確保措置としては 再雇用制度 と回答した企業が90.3% となっています それに対し 勤務延長制度 と回答した企業は2.0% となっ

報告書の要点 人事管理の進むべき方向 (3 頁参照 ) グローバル化の進展 社員の働くニーズと働き方の多様化等 経営環境の変化や多様性への対応が企業の競争力を左右 企業の進むべき方向は 社員の多様化をいかして 経営の高付加価値化 グローバル化に対応できる人材を確保し活用する 人事管理を構築すること

職場環境 回答者数 654 人員構成タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % % 質問 1_ 採用 回答 /654 中途採用 % 新卒採用 % タ

(3) 始業 終業時刻が労働者に委ねられることの明確化裁量労働制において 使用者が具体的な指示をしない時間配分の決定に始業及び終業の時刻の決定が含まれることを明確化する (4) 専門業務型裁量労働制の対象労働者への事前通知の法定化専門業務型裁量労働制の導入に当たり 事前に 対象労働者に対して 1 専

Microsoft Word - 様式第1号 キャリアアップ計画書 記入例

本調査へのコメント ( 独立行政法人労働政策研究 研修機構労働政策研究所副所長荻野登氏 ) 無期転換ルールに基づく申し込み権が本格的に発生するまで一年を切るなか 連合調査によるとまだ半数の有期雇用労働者がこのルールを知らないままでいる まず この周知が残された期間での最大の課題になるのではないか 当

参考資料No.7 参議院における附帯決議

制度名 No. 1 ( 働 1) フレックスタイム制度 対象者: 営業職の正社員 労働時間の清算期間: 毎月 1 日から末日までの1か月 1 日の所定労働時間は 8 時間 清算期間内の総労働時間: 1 日あたり8 時間として 清算期間中の労働日数を乗じて得られた時間数 ただし 清算期間内を平均し1

佐藤委員提出資料

図表 1 人口と高齢化率の推移と見通し ( 億人 ) 歳以上人口 推計 高齢化率 ( 右目盛 ) ~64 歳人口 ~14 歳人口 212 年推計 217 年推計

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改正労働基準法

Microsoft Word - 21教育訓練の考え方について(更新)_

等により明示するように努めるものとする ( 就業規則の作成の手続 ) 第 7 条事業主は 短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し 又は変更しようとするときは 当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする ( 短時間労働者の待遇の原

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

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期間雇用社員の 未来を切りひらく訴訟 労働契約法 20 条 ( 雇用 ) 期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止 第 20 条有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が 期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の内容である労

制度見直しに関する主な方向性については 次の通り考えるものとする 1. ビッグデータ時代におけるパーソナルデータ利活用に向けた見直し 個人情報及びプライバシーの保護に配慮したパーソナルデータの利用 流通を促進するため 個人データを加工して個人が特定される可能性を低減したデータに関し 個人情報及びプラ

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( 様式第 1 号 ( 共通 )) 共通事項 1 キャリアアップ管理者 情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 印 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 企業全体で常時雇用する労働

Microsoft Word 建議と要綱の対応表

Microsoft Word - ①(様式第1号)キャリアアップ計画書

企業 メリット : 1 労働者が社内では得られない知識 スキルを獲得することができる 2 優秀な人材の獲得 流出の防止ができ 競争力が向上する 3 労働者が社外から新たな知識 情報や人脈を入れることで 事業機会の拡大につながる 留意点 : 1 必要な就業時間の把握 管理や健康管理への対応 労働者の職

あおもり働き方改革推進企業認証制度 Q&A 平成 29 年 12 月 14 日 Vol.1 目次 1 あおもり働き方改革推進企業認証制度全般関係 Q1 県外に本社がある場合はどのように申請できるのか P1 2 あおもり働き方改革宣言企業関係 Q2 次世代法に基づく一般事業主行動計画とはどういうものか

資料9

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個人情報保護法の3年ごと見直しに向けて

本調査へのコメント ( 独立行政法人労働政策研究 研修機構労働政策研究所副所長荻野登氏 ) 労働契約法第 18 条の無期転換ルールが本格的に実施された今年 4 月以降 直近の状況を知るうえで 貴重なデータを提供している それによると 転換申込権の対象者 (175 人 ) のうち 4 人に 1 人が

2 職務専念義務 秘密保持義務 競業避止義務を意識することが必要である 3 1 週間の所定労働時間が短い業務を複数行う場合には 雇用保険等の適用がな い場合があることに留意が必要である 企業 メリット : 1 労働者が社内では得られない知識 スキルを獲得することができる 2 労働者の自律性 自主性を



Microsoft Word - 様式第1号 キャリアアップ計画書記入例(全国版)

(2) 労働者人口の減少 一方労働人口は減少しつつあり 推計値では 2025 年には 6300 万人まで減少見込みとなっております 問題点 以下のような状況の中で今後どのように労働者を確保して 企業を活性化させるか? 条件 1 労働者人口が減少する 2 フルタイム労働者が減る 3 未熟練従業員が増え

( 様式第 1 号 ( 共通 )) 共通事項 ( 事業所情報欄 ) 1 事業主名 ( - ) 2 事業所住所 3 電話番号 ( ) 5 雇用保険適用 - 事業所番号 4 事業所の 担当者 - 都道府県所掌管轄基幹番号枝番号 6 労働保険番号 - ( 代理人 社会保険労務士による提出代行者または事務代

目次 1. 派遣事業の役割とキャリア形成の必要性について 2. 派遣労働者の意向をふまえたキャリア形成のありかた - 派遣スタッフ web アンケート調査結果 ( 速報値 ) より 3. ジョブカード制度の活用による派遣労働者のキャリア形成支援について 1

結果概要 Ⅰ 働き方改革に係る各制度改正について 時間外労働の上限規制等について. 新たな時間外労働の上限規制が導入された場合の影響について 社 % 直近 年を振り返って新たな時間外労働の上限規制に抵触する労働者がいる 0. 直近 年を振り返って新たな時間外労働の上限規制に抵触する労働者はいない,0

2018年度の雇用動向に関する道内企業の意識調査

目次. 独立行政法人労働政策研究 研修機構による調査 速報値 ページ : 企業調査 ページ : 労働者調査 ページ. 総務省行政評価局による調査 ページ

企業ブランディング計画

様式第1号 職場定着支援計画

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

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ための手段を 指名 報酬委員会の設置に限定する必要はない 仮に 現状では 独立社外取締役の適切な関与 助言 が得られてないという指摘があるのならば まず 委員会を設置していない会社において 独立社外取締役の適切な関与 助言 が十分得られていないのか 事実を検証すべきである (2) また 東証一部上場

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採用者数の記載にあたっては 機械的に採用日の属する年度とするのではなく 一括 採用を行っている場合等において 次年度新規採用者を一定期間前倒しして雇い入れた 場合は 次年度の採用者数に含めることとしてください 5 新卒者等以外 (35 歳未満 ) の採用実績及び定着状況採用者数は認定申請日の直近の3

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法第 20 条は, 有期契約労働者の労働条件が期間の定めがあることにより無期契約労働者の労働条件と相違する場合, その相違は, 職務の内容 ( 労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度をいう 以下同じ ), 当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して, 有期契約労働者にとって不合

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改正要綱 第 1 国家公務員の育児休業等に関する法律に関する事項 育児休業等に係る職員が養育する子の範囲の拡大 1 職員が民法の規定による特別養子縁組の成立に係る監護を現に行う者 児童福祉法の規定により里親である職員に委託されている児童であって当該職員が養子縁組によって養親となることを希望しているも

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について

均衡待遇・正社員化推進奨励金 支給申請の手引き

女性の活躍促進や仕事と子育て等の両立支援に取り組む企業に対するインセンティブ付与等 役員 管理職等への女性の登用促進 М 字カーブ問題の解消には企業の取組が不可欠 このため 企業の自主的な取組について 経済的に支援する 経営上のメリットにつなぐ 外部から見えるようにし当該取組の市場評価を高めるよう政

調査結果のポイント 従業員採用状況について 平成 28 年度 (H28.4 ~ H29.3) は 計画どおり もしくは計画より多く採用した と回答した企業が69% 採用計画について 29 年度 (H29.4 ~ H30.3) は 28 年度実績と比較し 増やす と回答した企業と 減らす と回答した企

厚生労働省発表

第36号

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内閣府令本文

「組織マネジメントに関する調査」結果(概要)

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Taro-別紙2

女性活躍による中小企業の生産性向上の余地

労働法制の動向

いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

別添 同一労働同一賃金に関する法整備について ( 報告 ) 1 基本的考え方〇我が国の非正規雇用労働者は 現在 全雇用者の 4 割を占めるに至っている 昨今の雇用情勢の回復等により いわゆる 不本意非正規 である労働者の割合は低下傾向にあるが 一方で 30 歳代半ば以降を中心に 子育て 介護等を背景

士業PDF

Transcription:

働き方改革 に関する基本的な考え方 2017 年 1 月 27 日 一般社団法人新経済連盟

はじめに 趣旨 : 本ペーパーは 今般の政府による 働き方改革 について 会員企業の意見や理事 幹事による議論を踏まえ 新経済連盟としての考えをまとめたもの 今後 政府での議論の進展等も踏まえ 追加で意見を提出していくことがあることを申し添える 2

基本的な考え方 1. 多角的な観点からの議論の必要性 賃金格差是正や長時間労働是正といったことだけでなく 第 4 次産業革命 AI ロボティクス オートメーション化等による時代の大変革の中で 働き方の多様性をどう確保し 雇用の流動性をどう高めていくのかという議論が必要とされている 日本再興戦略 で述べられた成長戦略 ( 起業率アップ シェアリングエコノミー促進 デジタルファースト AI 利活用等 ) と働き方改革の連関性をわかりやすく示すことが必要である 当連盟としては 世界中から優秀な人 モノ カネ データを日本に集める インテリジェント ハブ化構想 を提唱している 外国人材の受入れについても その推進のための幅広く国民的な議論が必要である 3

基本的な考え方 ( つづき ) 2. 制度設計の方向性 歴史上でも類を見ない少子高齢社会に真っ先に突入する日本においては イノベーション こそが極めて重要な成長要素であり イノベーション を生み出す働き方を促進することを大前提とすべきである 成果志向のプロフェッショナルな働き方 脱時間給 の働き方をさらに促進する枠組みが必要とされている 一律的な規制強化だけでは 国際競争力が衰退するおそれがある 業務内容や業種 実態等に応じたルール作りでのきめ細かい対応が必要である 時間 場所にとらわれず ひとりひとりがどれだけクリエイティブな仕事ができるか そこにこれからの日本がグローバルな戦いができるかどうかがかかっている 参考 働き方に関する当連盟の基本的な考えを示すものとして以下の資料がある 2015 年 2 月 12 日規制改革会議 公開ディスカッション 資料 http://jane.or.jp/topic/detail?topic_id=328 4

同一労働同一賃金 について 5

同一労働同一賃金 について ガイドライン案について ( 総論 ) 企業における個々人に対する基本給 手当といった待遇については さまざまな要素 基準の組み合わせによって総合的に決定されている そのうえで 今回のガイドラインは 経験 能力 業績 成果 勤続年数 といったそれぞれの評価基準に照らしたときに いわゆる 正社員 とそのほかの雇用形態の間で不合理な差があってはならないことを示したものと理解している 企業側が働く個人との対話を続け 客観性 透明性のある形で待遇 賃金の決定に関する評価の基準 方法を提示していく努力は引きつづき必要と考える 同時に 皆が 無期雇用フルタイム という正社員としての雇用を望んでいるわけではなく 派遣や有期契約社員など多様な働き方を求めていることも重要である それぞれの多様なニーズに応えられる 柔軟な制度設計が認められるべきと考える 政府が一律的な 同一労働同一賃金 を求めることは 働き方 雇用のあり方をかえって硬直化させるリスクも伴うため 制度の立案にあたっては 企業実態や働き方の実態を充分に踏まえたバランスが必要である 6

同一労働同一賃金 について ガイドライン案について ( 各論 ) 手当 _ 賞与について 中途採用の場合 有期雇用で賞与という形で支給が無かったとしても 賞与を含めた年収ベースで月額設定をされているケースがある 一律に賞与支給の有無で判断されるべきではなく 年収もしくは月額給与の決定背景等も含めて判断されるべきと考える 手当 _ 各種手当について 通勤交通費については 複数期間の定期代を支給している場合 有期であることによって過払いリスクがあるため 契約期間に応じた支払いは認められるべきと考える 病気休職について 有期雇用労働者については その雇用契約の本旨が文字通り 予め定められた期間における労務提供を約する ものであることを踏まえると 疾病により労務提供できない場合に 病気休職の付与を適用しないこと自体が即不合理と言い切れない場合もありうることに十分留意し 画一的な運用がなされるべきではないと考える 7

同一労働同一賃金 について ガイドライン案について ( その他 ) 同一労働同一賃金 の結果生まれる処遇について 不合理な待遇差については当然解消されるべきである 一方で 同一労働同一賃金 に基づく処遇のテーブルを作り 公正に人材を評価し 処遇を決定した結果 現状よりも低い処遇をせざるを得ない場合について これまでの判例等によれば企業側が不利となる可能性もある 同一労働同一賃金 によって結果的に生じた不利益についてどう扱うのかについても十分な検討が必要である 解雇規制について ガイドラインでは欧州との比較および 非正規 という言葉の一掃が述べられているが 欧米諸国は日本と比較して雇用関係の解除が比較的に容易と指摘されている 解雇することに大きなハードルがある日本の法制下では 雇用の流動性が低く 古い産業から新しい産業への人材の移動が起こりづらい 衰退産業に多くの人材が滞留すれば国の競争力が低下する状況を招くため 解雇に対する柔軟性の問題もあわせて検討されるべきと考える 8

長時間労働の是正について 9

長時間労働の是正について 法的な上限規制の導入について 36 協定で定めた上限は 当然ながら守られなければならない 一方で 一律的な上限の設定は日本の競争力を失わせかねない 現行の 時間外労働の限度基準 においても 例えば 新技術 新商品等の研究開発 等については適用除外とされている これは仕事の内容等によっては一律的な時間規制がなじまないことが社会的な共通認識であるものと理解する 新技術 新商品を含め 新サービス 全般を創造することは企業にとって根幹である そういった現場を支えるため 十分な健康管理等の措置を講ずることを前提に 一律的な時間規制としないことが求められる インターバル制度については 働き方の実態と合わない画一的な導入は成長を阻害する要因となりうるため 健康の確保を前提として 業種や業態ごとの実態等を充分に踏まえた柔軟な時間管理ができる環境を実現するべきである 10

長時間労働の是正について 時間にとらわれない働き方の拡大について ベンチャー企業 知識社会型対応企業 等の企業類型を設定し これらに該当する企業は 企業単位で 労働時間 休日 休憩 割増賃金がいずれも適用されない新たな労働時間制度の創設についても検討するべきである その際には 一定の時間 日数を超えた労働時間については複数年単位で積み立て有給休暇に振り替えられる 労働時間貯蓄制度 やリフレッシュや自己啓発のための長期休暇を取得できる サバティカル制度 の導入 あわせて健康管理の枠組みの整備についての検討が必要である 参考 2015 年 2 月 12 日規制改革会議 公開ディスカッション 資料 ( 前掲 ) において 個別の対応が必要な例として スタートアップの事例 クリエイティブワークの事例 グローバル対応 テレワーク等の事例を説明している 11

長時間労働の是正について 時間にとらわれない働き方の拡大について ( つづき ) 裁量労働制は実際の労働時間は個人の裁量に任せられる制度だが 適用対象となっているのは全労働者のうち数パーセントに過ぎない 対象業務の拡大や手続の簡素化 高度プロフェッショナル制度の創設については 早期の実現とともに実態に合わせた不断の見直しが必要である 現在は裁量労働制等は例外的な働き方だが 長期的にはこれが逆転し 時間で管理される働き方や業種が縮小されていく可能性がある そのため裁量労働制の対象業務については 例外的に認める業務を列挙する形 ( ポジティブリスト ) から 裁量労働を認めない業務を列挙する形 ( ネガティブリスト ) へ転換することも検討が必要と考える あわせて 社員の職務範囲の明確化や決定権限の付与 裁量の拡大などの職務の見直しが不可欠である さらに 社員の創造性を高めるための社内施設や座席配置のあり方の見直しなどの環境整備も 各企業において行なっていくことが重要である 12

AI の発展と労働の変化について 13

AI の発展と労働の変化について AI が急速に発展していく中で 働き方の問題は以下のような点も踏まえて検討していく必要がある 代替可能性 定型的な業務や高度な判断を必要としない業務については AI による代替の可能性が高いといわれる また従来は専門的な職能が求められていた分野であっても今後は代替の可能性があり その分野で必要な人員は減少する可能性がある 教育 人材育成の重要性 代替される職業があったとしても それに代わる新たな産業 職業も創出されるため これへの労働力の円滑なシフトが求められる その際に必要とされる公的な措置は 単なる所得補償ではなく 教育 職業訓練など 将来につながる人的な投資であることが重要である 職業の再定義 AI によって代替される 仕事 があったとしても それは 職業 そのものではなく部分的なものであることも考えられる それは 職業 がいったん分解され再定義されるということであり そのとき人には何が求められるのかを問い直すことが必要となる 14

AI の発展と労働の変化について ( つづき ) 個人に求められるもの 人が単純労働から解放されるとすれば より創造的な業務を担うことが求められる 働く個人には創造的な力 AI を活用する力 自身の力を最大限に発揮できる仕事を選択していく力が必要になる 企業に求められるもの AI の活用に成功した場合 単純労働 長期労働 重労働が減少し 高付加価値な労働への移行が起こりうる 企業は雇用の再配置や テレワーク等による時間や空間に制約されない働き方を進める必要がある 政府に求められるもの 労働の本質的な変化に対して 従来の法律の解釈で対応が十分か 修正が必要か 新しい法律が必要か あるいは法律の概念自体を変えて抜本的に再編成する必要があるか等々 従来の法体系や制度の根本的な見直しが必要となる 15

( 参考 ) 本件と関連する当連盟の調査レポートは以下の通り : 少子化 人口問題検討 PT 少子化 人口減少とこの国の未来 (2017 年 1 月 11 日 ) http://jane.or.jp/pdf/20170111jinkoumondai.pdf 働き方におけるダイバーシティ実現 PT パートナーシップ型新たな働き方研究 WG 研究レポート 1 (2016 年 12 月 28 日 ) http://www.jane.or.jp/upload/topic574/topic_1.pdf 16

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