税制改正要望

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税制改正要望

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

4. 土地 住宅用建物に係る不動産取得税の特例の延長土地や住宅に対する投資を促進し 都市や地域の活力を高める観点から 土地及び住宅用建物に係る軽減税率 3%( 本則 4%) 及び宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準の特例 ( 固定資産税評価額の 1/2) の適用期限 ( 平成 27 年 3

平成23年度税制改正の主要項目

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(0830時点)PR版

税制改正要望

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

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契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税

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法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

平成16年版 真島のわかる社労士

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

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土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

スライド 1

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

(4) 宅地建物取引士の欠格要件について定める第十八条第一項の五号の二の次に次の号が 付け加えられました 五の三暴力団員等 ( 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規 定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者 ) (5) 更新日前でも手数料を

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

平成 30 年度の税制改正に関する要望 一般社団法人全国建設業協会会長近藤晴貞 平素は 建設業界に対し一方ならぬご配慮を賜り 厚く御礼申し上げます 平成 29 年度公共事業関係の当初予算は ほぼ横ばいながら 5 年連続の微増となりました また 国土交通省関係予算では 当初予算で初となる ゼロ国債 を

#210★祝7500【H30税法対策】「登録免許税ほか」優先暗記30【宅建動画の渋谷会】佐伯竜PDF

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

税制改正要望

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

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土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

平成18年度地方税制改正(案)について

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平成23年度都市・土地・PFI税制改正に対する要望

消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置

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1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

「経済政策論(後期)《運営方法と予定表(1997、三井)

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

所得税確定申告セミナー

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

「経済政策論(後期)」運営方法と予定表(1997、三井)

【表紙】

の範囲は 築 20 年以内の非耐火建築物及び築 25 年以内の耐火建築物 ((2) については築 25 年以内の既存住宅 ) のほか 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第三章及び第五章の四の規定又は地震に対する安全上耐震関係規定に準ずるものとして定める基準に適合する一定の既存

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N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

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[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

「経済政策論(後期)《運営方法と予定表(1997、三井)

税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

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投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

平成20年2月

CONTENTS 第 1 章法人税における純資産の部の取扱い Q1-1 法人税における純資産の部の区分... 2 Q1-2 純資産の部の区分 ( 法人税と会計の違い )... 4 Q1-3 別表調整... 7 Q1-4 資本金等の額についての政令の規定 Q1-5 利益積立金額についての政

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この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与

る 1 減価補償金を交付すべきこととなる被災市街地復興土地区画整理事業において 公共施設の整備改善事業の用に供するために土地等が地方公共団体等に買い取られる場合 2 第二種市街地再開発事業の用に供するために土地等が地方公共団体等に買い取られる場合 (3) 特定住宅被災市町村の区域内にある土地等が 国

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iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

の各種税制優遇を受けやすくする見直しが行われ 入居までに耐震基準に適合するという証明があれば 1 住宅ローン減税 2 住宅取得資金に関する贈与税の非課税措置 3 中古住宅に関する不動産取得税の特例措置の適用が可能となる 耐震基準に適合しない中古住宅を取得し 耐震改修工事を実施した後に入居するような場

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

PowerPoint プレゼンテーション

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平成 28 年度税制改正の概要 1. 復興特区関係 * (1) 機械等に係る特別償却等の特例措置の5 年延長及び要件の緩和 * 要件緩和 : 建築物整備事業 ( テナント建物 ) の構造要件について まちなか再生計画に位置付けられた場合には 非耐火構造でも対象となるよう緩和 (2) 被災雇用者等を雇

2. 中小企業のための主な優遇制度 注 : 各項目に付記している番号は 関連する参考資料です 番号に対応する資料名などは 5~6 ページに掲載していますのでご参照ください [1] 中小法人等 に適用される主な優遇制度 紙面の都合により ここでは制度の種類と それに関連する参考資料の番号を紹介していま

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

住宅税制の概要 1 住宅の取得に係る税制 ( 注 ) を付した部分は 平成 22 年度税制改正により改正されたもの ( 1) 所得税 住宅ローン減税 ( 租 41) ( 国税 ) 住宅の新築 取得又は増改築等をした場合 10 年間 住宅ローン等の年末残 個人住民税 高の1.0%( 長期優良住宅につい

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平成26年度税制改正及び土地住宅政策に関する提言書(案)

3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

消費税率引上げを踏まえた住宅取得対策 1 住宅取得については取引価格が高額であること等から 消費税率引上げの前後における駆け込み需要及びその反動等による影響が大きいことを踏まえ 一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和するとともに 良質な住宅ストックの形成を促し響国民の豊かな住生活を確保する

⑷ 納税猶予の打ち切り P. 49 Q. 納税猶予の対象の農地を売却する場合 納税猶予が打ち切られてしまうのですか ⑸ 市町村合併と納税猶予 P. 54 Q.B 町が平成 3 年 1 月 1 日現在特定市であるA 市に合併される場合 旧 B 町の農地等は生産緑地の指定を受けていないと納税猶予の特例は

やさしい税金教室

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相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

基本資料1-平成25年税制改正ポイント(表紙).pdf

Ⅰ 法人関連税制 1 減価償却制度 2 年連続の大改正になった背景 減価償却制度については 平成 19 年度税制改正により 残存価額および償却可能限度額の取扱いが廃止される大改正が行われ 定率法はいわゆる 250% 定率法 と呼ばれる従来にない新しい計算の仕組みが採用されました そして平成 20 年

1 各調整方式の比較 前提 : 法人実効税率 % 金融所得の税率 20% ( 配当軽課の場合の配当分の法人税率は 30%) 比較のポイント 適用税率 法人税率か所得税率か 金融所得課税一元化にマッチするか( 税率 損益通算 ) 簡素な制度か 特定口座への対応はか 法人の税負担は軽減されるか

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

法人税 結婚 子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設教育資金贈与の見直し非上場株式等に係る贈与税 相続税の納税猶予制度の見直し法人税率の引き下げについて 個人 (20 歳以上 50 歳未満の者に限る 以下 受贈者 という ) の結婚 子育て資金の支払に充てるためにその直系尊属 ( 以下

4. 平成 27 年度税制改正の概要 (1) 住宅の取得に関わる税制 登録免許税 不動産取得税 改正項目ヘ ーシ 改正内容 所有権保存登記 所有権移転登記 所有権の信託 抵当権設定の登記の軽減措置 税率の軽減措置 宅地評価土地の課税標準の軽減措置 軽減税率の適用期限を平成 27 年 3

事業用資産の買換え等 用資産を譲渡し あらた 中小企業 適用実積の 8 の場合の課税の特例措 に事業用資産を取得し 割以上が地方関連であ 置の延長 ( 法人税等 ) た場合 譲渡した事業用 り 中小企業の設備投資 29.4~32.3 資産の譲渡益について 等の促進による生産性 80%( 一部 75%

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Microsoft Word - H30 市税のしおり最終版


海運関係事項

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平成 2 7 年度税制改正要望 平成 26 年 9 月 19 日 一般社団法人日本建設業連合会

目 次 1. 法人課税の見直し (1) 法人実効税率の引下げと課税ベースの拡大について 1 (2) 法人地方税の改善 2 (3) 貸倒償却の要件緩和 3 (4) 工事損失引当金の損金算入の見直し 4 (5) 法人税における損金算入の改善 4 (6) その他 4 2. 都市 住宅対策促進税制の恒久化等 PFI 事業促進税制の整備等 (1) 都市 住宅対策を促進するための税制 5 (2)PFI 事業を促進するための税制 7 (3) 大深度地下法の認可事業に係る区分地上権等の設定対価に対する課税の見直し 8 3. 印紙税等の廃止 (1) 印紙税の廃止 9 (2) 創設当初の意義 ( 土地への投資抑制等 ) を逸している税制の廃止 10 参考資料 11

1. 法人課税の見直し (1) 法人実効税率の引下げと課税ベースの拡大について 法人税 法人地方税 1 近隣諸国並みの水準への引下げ 我が国において 経済の成長及び雇用の増加を図るには 民間設備投資の促進を図ることが不可欠であり 法人実効税率の水準は企業の立地 投資選択の重要な要素である しかしながら 我が国の法人実効税率は 依然として 他の主要国に比べて高い水準にあり 我が国企業の国際競争力を弱めているとともに 外国企業を含めた企業の投資にも大きな影響を及ぼしている したがって 我が国企業の国際競争力の強化 海外への資本流出の抑制 さらには内外の企業による国内設備投資の促進の観点から 早急にアジア近隣諸国並みの水準 ( 約 25%) にまで引き下げるべきである 国 地方合わせた法人税率の国際比較 (2014 年 3 月現在 ) 資料出所 : 財務省他資料を基に日建連作成 2 代替財源法人実効税率の引下げに伴う代替財源については 税制の公平性 透明性 簡素化を念頭にした議論が必要であり 単純な課税ベースの拡大には反対である 1

特に 以下のような課税ベースの拡大については 中小企業が多く裾野が広い建設業界にとって影響が大きいため 慎重に議論願いたい 欠損金の繰越控除制度の見直し 受取配当金の益金不算入制度の見直し 外形標準課税の対象拡大 租税特別措置の見直し中でも 次の3 点は特に重要な課題として問題意識を持っており より慎重に検討すべきである ⅰ. 欠損金の繰越控除制度の見直し欠損金の繰越控除制度は 繰戻還付制度が凍結される中 控除額が8 割に制限されているだけでなく 繰越期間も9 年しかなく 主要国やアジア諸国に比較し 現状でも納税者に不利になっている 欠損金の繰越控除制度の国際比較 (2014 年 1 月現在 ) 繰越期間 控除制限 日本 9 年 所得の80%( 大法人のみ ) アメリカ 20 年 代替ミニマム税 (AMT) の計算において AM T 課税所得の90% イギリス 無期限 - 中国 5 年 - シンガポール 無期限 -( 発行済株式の50% 以上が変更していないこと ) 韓国 10 年 - 資料出所 : 財務省他資料を基に 日建連作成 ⅱ. 受取配当金の益金不算入制度の見直し関係会社以外からの国内受取配当金は現状でも二重課税されているが 本来は二重課税を排除する制度とすべきである また 海外子会社からの受取配当金は平成 21 年度税制改正により 95% 非課税とされたが これを早々に見直すのは拙速に過ぎると考える ⅲ. 外形標準課税の対象拡大建設業界は重層下請構造により 就業者数 500 万人を抱えている典型的な労働集約型産業であり 建設業許可業者数 47 万社のうち 99% が資本金 1 億円以下の中小企業である 賃金課税の性格を持つ外形標準課税の適用範囲が拡大された場合 利益率が極めて低い中小企業にとって実質的に大幅な増税となる また 法人地方税における課税ベースの拡大を行う場合には 複雑な現行制度を大幅に簡素化されたい (2) 法人地方税の改善 法人住民税 法人事業税 地方法人特別税 地方法人税 償却資産税 ( 固定資産税 ) 事業所税 1 地方法人課税の抜本的改革法人住民税及び法人事業税については 国 地方を通じた税制抜本改革の中で 他の税目との整理 統合も視野に検討されるべきであり 地方法人特別税 2

の廃止 国が一括徴収し 各地方自治体へ配分するような制度への移行等を含め その抜本的な改革を図られたい 2 納税制度等の簡素化現行の地方法人課税は制度が複雑であり 特に 建設業においては全国多数の現場事務所が短期間で設置 廃止され 他産業に比べて事務負担が大きいことから 本店所在地の都道府県への一括申告 納付等による申告 納付手続の簡素化を図られたい また 現行の法人事業税の制度 ( 課税所得計算及び外形標準課税制度 ) は 煩雑な集計作業を必要としているので 簡素な税制となるよう改正されたい 3 償却資産税 ( 固定資産税 ) の廃止償却資産税については 平成 19 年度税制改正における減価償却制度の見直しにより残存価額や償却可能限度額が廃止されたにもかかわらず 償却資産の評価方法については改正が行われず 一物二価の状態を生んでいる また 固定資産と償却資産の区分についての判定や抽出作業が難解で税の明確性に欠けており 申告手続に要する労力並びに税金の負担も大きいので 廃止されたい 4 事業所税の廃止事業所税は 都市計画税との関係が曖昧であり また 都市部の活性化に貢献している大企業により多く課税されるという公平感に欠けるものであるので 廃止されたい (3) 貸倒償却の要件緩和 法人税 貸倒引当金の損金算入が廃止されたため 回収不能の金銭債権を損金算入するには基本通達 9-6-2( 回収不能の金銭債権の貸倒れ ) を適用することになるが その基準が厳格に過ぎることから 不良債権の処分が進まず また 債権者の管理コストも増大しているため 貸倒償却の要件を以下のとおり緩和していただきたい.. 1 基本通達 9-6-2では 債権の全額が回収できないことが明らかな場合しか貸倒償却を認めていないが 担保物の処分以外に回収できる見込みのない金銭債権については 当該担保物の ( 見積 ) 価値までの貸倒償却を可能とすること 2 過去 3 年以上回収できず 今後も回収が見込まれない債権については 貸倒償却を可能とすること 特に 海外における大規模なインフラ整備プロジェクト等においては 途上国特有のカントリーリスク ( 政策変更 政情不安 グローバル経済動向の急変 予算不足 法制度の不備 商習慣の違い等 ) に加えて 事業が長期にわたるという特色を持つインフラ整備事業特有のリスク ( 為替変動 度重なる設計変更 地質 天候 環境問題等 ) が存在し 工事代金はもちろん V AT( 日本の消費税に相当 ) 等の本来還付されるべき現地税金ですら回収 3

が大幅遅延し 最終的に回収不能となるケースが多発している このため 工事引渡し後 工事代金や VAT 等の全部または一部が未回収のまま 3 年以上経過した場合には 損金算入を認めていただきたい (4) 工事損失引当金の損金不算入の見直し 法人税 工事契約に関する会計基準 の制定に伴い 平成 20 年度税制改正において 工事進行基準についての取扱いが変更されたが 当該会計基準で定められたもののうち 工事損失引当金については税制上の所要の措置が講じられていない 工事損失引当金については 会計基準に則って工事収益及び工事原価を計上する限りにおいて恣意性の入る余地はなく 損金算入できるよう改正されたい (5) 法人税における損金算入の改善 法人税 1 交際費の損金不算入の見直し全企業を対象として 接待飲食費以外の支出においても一定限度内での損金算入 2 法人住民税の損金不算入の見直し均等割税額を法人税の所得計算上で損金算入 3 寄附金の損金不算入制度の改善寄附金の損金算入限度額の未使用部分を一定の期間 ( 例えば欠損金の繰越控除制度と同様に 9 年 ) の中で繰越可能とする控除制度の創設 (6) その他 1 外国税額控除の拡充 法人税 法人住民税 外国税額控除の計算で生じる 控除余裕額 及び 控除限度超過額 については 現在 3 年間の繰越控除が可能であるが 法人税繰越欠損金と同様に 9 年間まで延長されたい 2 企業年金等の積立金に係る税制の廃止 特別法人税 企業年金等の積立金に係る特別法人税の廃止 4

2. 都市 住宅対策促進税制の恒久化等 PFI 事業促進税制の整 備等 (1) 都市 住宅対策を促進するための税制 1 適用期限が到来する各種特例制度の恒久化等平成 26 年 12 月 31 日または平成 27 年 3 月 31 日に適用期限が到来する 以下の各種特例制度について 優良な住宅ストック形成並びに良好な市街地環境整備の観点から恒久化または拡充 延長を図られたい 租税特別措置 ⅰ 事業用資産の買換特例 所得税 法人税 各種事業用資産の買換特例や所有期間が 10 年超の土地 建物等の買換 ( 交換 ) 特例による圧縮割合 80% ⅱ 土地等の取得に関する不動産取得税の特例措置 不動産取得税 住宅及び住宅用地 商業地等の取得に係る不動産取得税の標準税率を本則 4% 3% 宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準の価格を 1/2 ⅲ 住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る特例措置等 登録免許税 個人の居住用住宅に係る登録免許税の軽減所有権保存 1.5/1000( 本則 4/1000) 所有権移転 3/1000( 本則 20/1000) 抵当権設定 1/1000( 本則 4/1000) ⅳ 住宅取得等資金の贈与に係る特例 贈与税 直系尊属からの住宅取得等資金の贈与の特例非課税限度額の 3,000 万円までの拡充 現行 [ 省エネ ]H24:1500 万円,H25:1200 万円,H26:1000 万円 [ その他 ]H24:1000 万円,H25: 700 万円,H26: 500 万円 相続時精算課税選択の特例 65 歳未満の者からの贈与による住宅取得等資金も相続時精算課税制度の選択が可能 適用期限 要望 H26 年 12 月 31 日恒久化 H27 年 3 月 31 日恒久化 H27 年 3 月 31 日恒久化 H26 年 12 月 31 日拡充 3 年延長 5

ⅴ 都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域における認定事業に係る課税の特例措置 所得税 法人税 登録免許税 固定資産税 都市計画税 不動産取得税 所得税 法人税の割増償却特定都市 5 年間 50% 割増都市 5 年間 40% 割増 所有権保存登記 ( 本則 4/1000) に係る登録免許税の軽減特定都市 1.5/1000(H24.3.31 以前認定 ) 特定都市 2/1000(H24.4.1 以後認定 ) 都市 3/1000 不動産取得税の課税標準の特例特定都市 1/2 控除都市 1/5 控除 固定資産税 都市計画税の課税標準の特例特定都市 5 年間 1/2 控除都市 5 年間 2/5 控除 ⅵ 特定目的会社に対する特例措置 登録免許税 不動産取得税 不動産取得等の所有権移転登記 ( 本則 20/1000) に係る登録免許税の軽減 13/1000 不動産取得税の課税標準の特例 2/5 ⅶ 市街地再開発事業等促進税制 所得税 法人税 固定資産税 所得税 法人税の割増償却 市街地再開発法の施設建築物の取得者 5 年間 10% 割増 ( 対象建築物 : 地上階数 4 以上の中高層の耐火建築物 ) バリアフリー法に基づく認定特定建築物 5 年間 10% 割増 ( 床面積要件 :50000 m2未満 ) 市街地再開発事業によって新築された施設建築物の権利床に係る固定資産税の軽減従前権利者居住用住宅 5 年間 1/3 従前権利者非居住用住宅及び非居住用家屋 5 年間 2/3 ⅷ 特定住宅地造成事業等に係る土地等の譲渡所得の特別控除 所得税 法人税 特定住宅地造成事業のために土地等を譲渡した場合 譲渡所得から 1500 万円特別控除 H27 年 3 月 31 日 2 年延長 H27 年 3 月 31 日 2 年延長 H27 年 3 月 31 日 2 年延長 H26 年 12 月 31 日 3 年延長 6

ⅸ サービス付き高齢者向け住宅に対する特例措置 所得税 法人税 固定資産税 不動産取得税 所得税 法人税の割増償却賃貸住宅の取得または賃貸の用に供した場合 5 年間 40% 割増 ( 耐用年数が 35 年未満は 28%) 固定資産税の軽減賃貸用住宅を新築した場合 当初 5 年間 1/3 不動産取得税の課税標準の特例賃貸用住宅を新築した場合 課税標準から 1200 万円控除 / 戸 ⅹ 都市再生安全確保施設 ( 備蓄倉庫 ) を有する建築物に対する固定資産税等の特例 固定資産税 都市計画税 ( 地方税法附則第十五条 34) 都市再生特別措置法に規定する都市再生安全確保計画に基づき整備する都市再生安全確保施設のうち 同法に規定する管理協定の対象となった備蓄倉庫の用に供する家屋課税標準の軽減課税標準を 1/2 以上 5/6 以下の範囲内として 2/3 を乗じる (5 年間 ) ⅺ 関西文化学術研究都市建設促進法に基づいて整備される文化学術研究施設に係る特別償却 法人税 ( 租税特別措置法第四十四条 六十八条の十九 ) 初年度の特別償却普通償却に加え初年度の特別償却を認める 建物及び附属設備 6/100 機械及び装置 12/100 要件 : 研究所用の資金額 2 億円以上要件 : 機械等の取得額 240 万円以上 H27 年 3 月 31 日 2 年延長 H27 年 3 月 31 日 2 年延長 H27 年 3 月 31 日 2 年延長 (2) PFI 事業を促進するための税制 政府では PPP/PFI 事業について今後 3 年間 ( 平成 26 年度 ~28 年度 ) を集中強化期間に位置付け 特に公共施設等運営権方式の事業規模 2~3 兆円を目標に 空港 水道 下水道 道路の事業分野毎に数値目標を掲げる取り組み方針を決定したところである 民間事業者が公共施設を整備 運営する PFI 事業においては 事業スキームが通常の公共事業と異なることにより 結果として民間事業者に課税される部分が出てきており 通常の公共事業とのイコールフッティングの観点からも税制上の手当てが必要であると考えている 7

政府の方針に従って PFI 事業を推進していくためには 下記のような税制改正が必要と考え要望するものである 1 公共施設等運営権の登録等に係る登録免許税の免除 ( 軽減 ) 措置の拡充 登録免許税 公共施設等運営権制度を活用した事業の円滑な施行及び事業者負担の軽減を図るため 公共施設等運営権に対する抵当権の設定の登録に係る登録免許税について免除措置を創設されたい 2 公共施設等運営権者の株式購入に対する優遇措置の創設 法人税 一般事業法人への投資 ( 株式購入 ) では 法人税支払い後の利益を原資として投資家に配当され 投資家個々の納税の段階でも再度 課税が行われる コンセッション事業に幅広く多様な資金を集めるためには こうした二重課税を回避する仕組みとすることが効果的である 例えば 不動産の証券化に当たって 特定目的会社や投資法人に係る税制上の優遇措置が与えられたように コンセッション事業においても新たな政策的な措置を手当てされたい 3 BOT 方式の PFI 事業における固定資産税等の特例措置の拡充 固定資産税 都市計画税 不動産取得税 BOT 方式による民間と競合しない PFI 事業について 税のイコール フッティングの観点から BTO 方式による PFI 事業と同様に 事業の用に供する資産に係る固定資産税 都市計画税及び不動産取得税を非課税とされたい 4 大規模修繕等に備えた修繕積立金制度の創設 法人税 PFI 事業におけるサービス対価は 5 年 10 年といった一定期間毎の大規模修繕等に備えた費用を含め 事業期間にわたって均等に支払われている 通常の公共事業であれば 大規模修繕の度に工事の発注が行われるため 民間事業者が内部留保しておく必要がないが サービス対価を事業期間中 均等に受け取る PFI 事業者は 大規模修繕に備え 毎年 一定額を積み立てて内部留保している こうした大規模修繕等に備えた内部留保に対する課税は PF I 事業であるが故の税負担であると理解できる したがって 公共事業との税のイコールフッティングの観点から PFI 事業における事業期間全般に渡る修繕積立金制度等の特例措置を創設されたい (3) 大深度地下法の認可事業に係る区分地上権等の設定対価に対する課税の見直し 所得税 住民税 大深度地下法の対象地域内で 地下使用の公益性が認められた大深度地下法の認可を受けた事業においては 地権者間の不公平感を解消して円滑な用地取得が実施されるよう 区分地上権等が設定される場合の設定対価に対する課税の見直しを図られたい 8

3. 印紙税等の廃止 (1) 印紙税の廃止 印紙税 平成 25 年度税制改正により 平成 26 年 4 月から 工事請負契約書に係る印紙税 の大幅な負担軽減措置 が導入されたが より基本的には 工事請負契約書に係 る印紙税は 以下のような理由から速やかに廃止されるべきである 消費税との二重課税印紙税は ひとつの請負契約等に関連して消費税とともに課税されており 二重課税である 業種による税負担の不公平工事請負契約書や不動産譲渡契約書等の一部の文書のみに課税されている ( 建物賃貸借契約書や物品売買契約書等については平成元年の改正により課税が廃止 ) 重層請負構造による多重負担建設業においては 重層請負構造により多重に課税されるので 他業種に比して負担が重い 書面契約に対する阻害要因建設業において電子的手段による契約の普及が進んでいない中にあって 印紙税の負担が契約変更を含め 書面による契約の締結 ( 建設業法第 19 条 ) の阻害要因となり得る 文書課税という課税根拠の不合理金額等の契約内容が同じでも電子契約の場合には課税されない 諸外国との課税状況の比較欧米主要国の経済取引に係わる文書への課税状況を見ても わが国の印紙税のように請負契約書に対して課税する制度はない 建設工事における重層請負構造のイメージ 請負契約書に係る印紙税に関する欧米主要国との比較 国名 印紙税制度の有無 請負契約書に係る印紙税 日本 アメリカ ドイツ イギリス フランス 三次以下の下請会社 9

租税特別措置法による工事請負契約書に係る印紙税の軽減措置税額 平成 26 年 4 月 1 日から平成 30 年 3 月 31 日まで 契約金額本則税額軽減後税額契約金額本則税額軽減後税額 100 万円超 200 万円以下 200 万円超 300 万円以下 300 万円超 500 万円以下 500 万円超 1000 万円以下 1000 万円超 5000 万円以下 4 百円 2 百円 1 千円 5 百円 2 千円 1 千円 1 万円 5 千円 5000 万円超 1 億円以下 1 億円超 5 億円以下 5 億円超 10 億円以下 10 億円超 50 億円以下 6 万円 3 万円 10 万円 6 万円 20 万円 16 万円 40 万円 32 万円 2 万円 1 万円 50 億円超 60 万円 48 万円 (2) 創設当初の意義 ( 土地への投資抑制等 ) を逸している税制の廃止 土地譲渡益重課税 地価税 特別土地保有税 土地譲渡益に対する追加課税制度の廃止 地価税の廃止 特別土地保有税の廃止 以上 10

参考資料 11