児童は, これらの 読みの観点 を使いながら, 物語のしくみや中心人物の心情の変化を捉える経験を積んできている しかし, 作品の価値や作者の思いに気付いたりすることは十分ではない (2) 教材観本単元で取り扱う教材は, 作者である小林豊氏がアフガニスタンを訪問した際の経験を基に書いた三部作の中から教

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価 がら読んでいる 語句には性質や役割の上で類別 規 文章を読んで考えたこ があることを理解している 準 とを発表し合い 一人 指示語や接続語が文と文との意 一人の感じ方につい 味のつながりに果たす役割を理 て 違いのあることに 解し 使っている 気付いている 学 登場人物の思いを想像し 時代の状況

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

平成23年度第2回学力向上対策会議協議資料  <遠野市立綾織小学校>

Taro-【HP用】指導案.jtd

し, 定期的に評価することで 自己の考え を自覚する場面を意図的に設定している 本教材の学習においては, 様々な情報の中から必要な情報を取り出し, 整理 分析し, それに基づいた自分の考えを表現する活動を通して, 自己の考えの深まりや広がり を実感させることによって, 課題改善につなげたいと考えてい

う言語活動を位置付けた学習をしていくという目的意識を持つ 第 2 次では 注文の多い料理店 について キャッチコピー あらすじ 二人の紳士の人物像 ここがおすすめ ( 話のおもしろさを伝える ) という要件で リーフレットにまとめる 第 3 次では 並行読書してきた宮沢賢治の作品のリーフレットを作り

Microsoft Word - 小学校第6学年国語科「鳥獣戯画を読む」

第1学年国語科学習指導案

Microsoft Word - 第3学年国語科学習指導案 .docx

Microsoft Word - chojugiga_sidoan_new.docx

3 指導観本単元では C 読むこと ウ場面の移り変わりに注意しながら 登場人物の性格や気持ちの変化 情景など について 叙述を基に想像して読むこと の力を身につけさせることをねらいとしているそこで本単元では まず 3 年生の国語の教材 モチモチの木 で物語文の読み取り方を想起させる本学級は情景描写か

第1学年国語科学習指導案

そのために, 児童が感じたおもしろさを分類し, それらを読みの視点として, 物語のおもしろさを見付けながら読むことを通して, より深く登場人物の心情を読み取ったり, 想像豊かに読んだりしながら物語のおもしろさを味わうことができるようにする さらに, 見付けた物語のおもしろさを, で紹介し合う活動を取

第 1 学年国語科学習指導案 日時 平成 27 年 11 月 11 日 ( 水 ) 授業 2 場所 八幡平市立西根中学校 1 年 2 組教室 学級 1 年 2 組 ( 男子 17 名女子 13 名計 30 名 ) 授業者佐々木朋子 1 単元名いにしえの心にふれる蓬莱の玉の枝 竹取物語 から 2 単元

第1学年国語科学習指導案

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国語科学習指導案

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4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

第1学年国語科学習指導案

2 児童への事前調査 調 査 事 項 好き どちらかとどちらかというと好きいうと嫌い 嫌い Q1 国語の学習は, 好きですか Q2 説明文の学習は, 好きですか Q3 物語の学習は, 好きですか Q4 話し合う学習は, 好きですか Q

第○学年○組 学習指導案

たい 単元を貫く言語活動として, ポップカード で友達におすすめの本を紹介するという活動を位置 付ける もうすぐ雨に で習得した学びを活用し, 自分で選んだ本の紹介文を書いていく 作品の テーマを読み取りまとめる言語活動は, 読書に対する興味 関心を広げることにつながると考える (4) 単元の指導計

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3 僕が蝶を一つ一つつぶしたのは償いのためであとすこれらは 生徒の感想や疑問をもとに教師が設定した人物像 行動 結末の意図に焦点を当てて3つに絞ったそれぞれを賛成 反対 2つの視点から読み進めていくには 討論会の形式で提示すことが有効であ討論会の班編成は まず課題に対して自分が肯定か否定かを考えさせ

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自分の経験を重ね合わせるという思考は働いていない よって ここでの学習では 自分の知識 経験 読書体験とを結び付けた感想を求めることとする 本を紹介するにあたり 自己体験を伴う感想を加えた 体けん お話れっ車 とし 学ぶべきことをはっきりさせ 学習に取り組みたい 学校生活の入門期の1~2 年生に対し

単元の学習を進めるに当たっては, 下記の5つの言語意識を明確にする 相手意識 学級の友達や家の人に 目的意識 動物の赤ちゃんの特徴を分かってもらうために 場面 状況意識 どうぶつの赤ちゃんずかん を作る 方法意識 どうぶつの赤ちゃん で読み取ったことをもとに, カードを作る 評価意識 動物の赤ちゃん

さらに自ら調べようと意欲を高めるだろう 2 児童観児童は 文字を50 音すべて学習し 少しずつ読める字や書ける字が増えてきた これまでに音読をしたり 想像したことを話したりしながら ある程度のまとまった文章がよめるようになってきている 5 月の教材 とんこととん では 登場人物のしたことを中心に想像

指導内容科目国語総合の具体的な指導目標評価の観点 方法 読むこと 書くこと 対象を的確に説明したり描写したりするなど 適切な表現の下かを考えて読む 常用漢字の大体を読み 書くことができ 文や文章の中で使うことができる 与えられた題材に即して 自分が体験したことや考えたこと 身の回りのことなどから 相

国語科学習指導案様式(案)

Taro-5年研究のまとめ

問い1, 問い2のどちらも誤答した児童は, しかし や ~が というような逆説の接続詞の意味を読み取ることができずその前に書かれている内容を選択している また, 問い3では, 文章の一部を読んだだけで答えを選択している児童が多かった これらのことから, 本学級の児童は, 接続詞の意味をしっかりと捉え

中学校第 3 学年国語科学習指導案 日時平成 28 年 月 日第 校時対象第 3 学年 組学校名 中学校授業者 1 教材名 故郷 2 単元の目標 情景や人物を描写する語句や表現を読み取り 内容への理解を深めることができる 作品を通して 社会の中での人間の生き方について考え 自分の意見をもつことができ

d 単元について 第 2 学年 5 組国語科学習指導案単元名 : 謎解きインタビュー記事を書こう教材文 : 走れメロス 男子 21 名女子 16 名計 37 名 指導者水田陽子 単元観本単元は, 中学校学習指導要領国語科第二学年, C 読むこと の指導事項 イ文章全体と部分との関係, 例示や描写の効

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

Microsoft Word - 【提言2】④新聞70(最終).doc

4 全体計画 ( 総時数 6 時間 ) 主な学習活動 時数 教師のかかわり 評価の観点 ( 求める子どもの姿 ) 新聞について興味をもち, 投 1 新聞への興味をもつことができるよう 関心 意欲 態度 書の特徴を知る に, 実際の新聞をもとに, 投書の内容 新聞について興味をもち, を取り上げる 投

3 4 すみれちゃんはどこでおねえさんになったのだろうか について考える 前時のカードからすみれちゃんの行動や様子について確認する すみれちゃんがかわったきっかけを読む 行動の変化前後での場面の様子について想像する わたしはおねえさん のすみれちゃんのきらりと光るところ抜き出し 理由

Microsoft Word - 41田中

(2) 児童観児童は1 年生 1 月に おはなしをつくろう で 昔話をもとにして 人物と出来事を考えて簡単に物語を書く学習を行っている また 2 年生の1 学期には じゅんじょよく書こう の学習で はじめ 中 おわり の構成を考え 自分の経験を伝える文章を書く学習をしてきている この学習を通して 順

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

6 年 No.8 You can see Daibutsu! 1/7 単元の目標 主な言語材料 できることを紹介する表現や感情を表す表現が分かる 修学旅行でできることについて具体物などを見せながら伝え合う 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現で書かれたものの意味が分かり できることについ

6 年 No.22 my summer vacation. 1/8 単元の目標 主な言語材料 過去の表し方に気付く 夏休みの思い出について, 楽しかったことなどを伝え合う 夏休みの思い出について, 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現で書かれたものの意味が分かり, 他者に伝えるなどの目的

の一部のみであるしたがって教科書の本文だけから小説 こころ の全体像を浮かび上がらせることは難しいしかし 掲載された部分だけでも 先生 と という二人の青年の揺れ動く こころ を描き 生徒たちを作品の中に引き込む力は群を抜いたものであると考える高校 3 年生である生徒たちは 心の葛藤というものを多く

進めることができる児童の育成のために 学習計画作りと 読みシート を活用した意見交流の設定が有効であることを 実践を通して明らかにする Ⅲ 研究の見通し学習計画作りと 読みシート を活用した意見交流の設定により 学び合いながら叙述を基に想像して読み進めることができる児童を育てることができるであろう

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第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

第5学年国語科学習指導案

第1学年国語科学習指導案

第○学年 ○○科指導計画

*山下小研究誌.indb

国語科第 1 学年熊野町立熊野中学校指導者森島登紀子 単元名 根拠を明確にして書こう 本単元で育成する資質 能力 自ら考え判断する力, 読解力 情報収集能力 1 日 時平成 29 年 11 月 16 日 5 校時 2 場 所 1 年 3 組教室 3 学年 学級第 1 学年 3 組 (27 名男子 1

単元の目標 カレーライスを作ることに興味 関心をもち, 進んで活動する カレーライスの作り方を調べ, 作り方, 材料, 用具を発表することができる カレーライス作りの活動を通して, 食材を知ったり, 道具を使う仕事にふれたりして, 生活経験を豊かにする 人との関わりを通してコミュニケーション能力を身

第4学年国語科学習指導案.doc

るようにしていく 深く考える力教材文で述べられているロボットや, 図鑑や事典などで収集したロボットのそれぞれの違いやよさを比較するために, ベン図 を用いて視覚的に理解を促す また, 自分の既有のロボットについての認識と教材文を結び付けて考えさせることにより, ロボットのよさに気付かせていきたいが,

学習者用デジタル教材リスト 国語 1 年 国語 1 年上コンテンツ上 8 あいさつをしよう 8 関連ページ 内容 趣旨など 場面の様子を想像する ( 音声付 場面や状況に合わせた言葉遣いの確認 ) 国語 1 年上 コンテンツ 上 10 じこしょうかいをしよう 10 場面の様子を想像する ( 音声付

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作品の情景をよりわかりやすく伝える手だてともなる 指導にあたって 1 では まず 俳句は17 音で作ることや季語を入れることと言ったきまりをおさえる そして 教科書の例を読み 想像した情景や作者の思いを想像し 良いと思うところ 工夫されていると思うところを発表できるようにする 2 の俳句を作る場面で

Microsoft Word - 第2学年 国語科「つづき話をプログラミングで表そう」研究指導案.docx

内容 児童 経験したことや調べたことから選んで話す 内容 ( 考え ) を分かりやすく話す はっきりした発音で声の大きさを考えて話す 丁寧な言葉を使って話す 相手の顔を見ながら話す 大事なこと

第4学年  国語科学習指導案

の 問を提示して定着度を確認していく 1 分けて計算するやり方 70 = =216 2 =6 2 筆算で計算する方法 題材の指導計画 ( 全 10 時間扱い ) ⑴ ⑵ ⑶ 何十 何百 1 位数の計算 1 時間 2 位数 1 位数

6. 単元の展開 ( 全 6 間 ) 学習活動 単元の見通しを持つ 2. 学習計画を立てる 3. 本文を読み, 感想を書く 内容に関する感想 書き方に関する感想 4. 感想や疑問を交流する 指導上のポイント ( ) 学習活動に即した評価規準 ( 関 読 言 ) 既習事項を振り返らせ,

主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

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座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

(3) 子どもの実態 本学級の子どもたちが 本単元の学習や本教材に対して, どのような興味 関心をもっているか を調査した結果は, 次のとおりである ( 数字は, 人数を表す ) 初発の感想 ( すごいな, 面白いなと思ったこと )( 複数回答 ) チリンと鳴ってしゃべるのが気になる びっくり おも

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

算数科学習指導案 指導者中野智子 1 日時平成 30 年 10 月 19 日 ( 金 ) 第 6 校時 2 学年第 6 学年 1 組男子 12 名女子 9 名計 21 名 3 単元名資料の調べ方 4 単元について (1) 単元観本単元は, 小学校学習指導要領第 6 学年の内容 [D データの活用 ]

Microsoft Word ~16第1学年1組国語科学習指導案 提出用

平成29年度 中学校国語科教育

全研指導案2.doc

ことが大切である 本単元では, 児童にとってもっとも身近な存在である父親や児童が選んだ相手に手紙や暑中見舞いを出すことで, 気持ちを伝える学習ができるように工夫する この学習を通し, 障害児学級の児童の感情表現を豊かにし, 人とのかかわりを広げることにつながっていくと考える (4) 個に応じた支援に

授業の構成要素 学び合う授業で育つ 3 つの力 資料 2 基礎 基本の力知識 理解 技能 問題解決力思考力 判断力 表現力 想像力 学ぼうとする力学習意欲 自己有用感 身に付けた知識 技能を活用したり その成果を踏まえた探究活動を行う中で学び合う授業を展開する 教師の役割 < 問題提示の工夫 > 多

平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

第 6 学年 2 組国語科学習指導案平成 29 年 2 月 1 日 ( 水 )2 校時単元名 : ぼくのわたしのプロフェッショナルとは プロフェッショナルたち 単元について 指導者渡邉圭 本単元は, 小学校学習指導要領国語科第 5 学年及び第 6 学年 C 読むこと の指導事項 オ本や文章を読んで考

(2) 計画学習課題 学習内容 時間 連立方程式とその解 二元一次方程式とその解の意味 2 連立方程式とその解の意味 ( 本時 1/2) 連立方程式の解き方 文字の消去の意味 加減法による連立方程式の解き方 5 代入法による連立方程式の解き方 連立方程式の利用 問題を解決するために 2つの文字を使っ

自分の考えをもち, 進んで意見を交流して学びを深める子を目指して ~4 年国語 5 年生に物語文 プラタナスの木 の紹介文を書こう ~ 加茂市立須田小学校廣嶋和人 1 目指した子どもの姿 (1) 児童の実態平成 27 年度学習指導改善調査 ( 国語 ) の結果は, 以下の通りである 領域資料選択記述

第 2 学年 3 組国語科学習指導案 単元名 : いろいろなどうぶつのすづくりすごろく を作ろう ビーバーの大工事 単元について 指導者呉市立横路小学校西宮和子 本単元は, 小学校学習指導要領の C 読むこと ( 第 1 学年及び第 2 学年 )(1) イ 時間的な順序や事柄の順序などを考えながら内

第2学年 美術科学習指導案

1 三年とうげ 指導案

第2学年国語科学習指導案1

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る という言葉を使っているが 今までのような明確な心情の変容といったものではなく 今までなかった認識が新たに加わってくるという意味での 変わる ととらえている 児童にとって 中心人物の会話文がなくても 中心人物の視点を通して描かれた叙述を基に 中心人物の心情を想像することが指導できる教材である 指導

本単元における本質的な問い 芭蕉はどのような思いで おくのほそ道 を書いたのだろうか 永続的理解 芭蕉は俳句の芸術性を高めるため旅に出て, 推敲を重ねて虚構を交えることで文学的価値を高めようとした パフォーマンス課題 江戸時代前期, 松尾芭蕉の書いた俳諧紀行文 おくのほそ道 は, 多くの人に愛され,

第 6 学年 1 組国語科学習指導案 単元名 : さすがプロ, ここがすごい!~ 自分の夢を追って ~ プロフェッショナルたち 男子 19 名女子 17 名計 36 名 単元について 指導者松本典子 本単元は, 小学校学習指導要領国語編第 5 学年及び第 6 学年, C 読むこと の言語活動例 ア伝

項目評価規準評価方法状況 C の生徒への対応 関心意欲態度 1 自の考えを持ち 積極的に交流 討論している 2 自らの言葉で 中学生にかりやすく紹介文を書こうとしている 交流 討論で得た仲間の意見を取り入れて 自らの考えを深めるよう促す 参考例を示したり 書き出しを例示したりして 参考にするように指

Microsoft Word - 6年国語「パネルディスカッションをしよう」

Microsoft Word - 社会科

○数学科 2年 連立方程式

第 2 学年国語科学習指導案日時平成 28 年 6 月 29 日 ( 水 ) 第 5 校時場所 2 年 1 組教室授業者岩本佐妃子 1 単元名お話を読んで かんそうを書こう教材名スイミー 2 単元について本作品は 主人公スイミーの行動によって場面が展開していく 文章は スイミーの行動に着目しやすく書

本時では, 鑑賞する際に着目する [ 共通事項 ] を4つ示し, 強弱 を必ず手がかりとすることに加え, 音色 リズム 旋律 のいずれかを生徒自らが選択し着目することとした そうすることで, 個々の生徒のレベルに応じた学習となり, 努力を要する 状況と判断した生徒にも無理のない学習活動となると考える

(3) 文語の決まりや音読の仕方を知り, 古文を音読して古文特有のリズムを味わいながら古典の世界に 触れ, 古典には様々な種類の作品があることを知ることができる ( 伝統的な言語文化と国語の特質 に関する事項 ) 3 本単元における言語活動 昔話とその原典である古典を読み比べ, その内容の違いや古文

具体的な場面を設定し 実際に整理 整頓の計画を立てることで 実生活に繋げていくことができる よう指導していきたい また 第 3 次には環境とのかかわりについても押さえ 広い視野で考えられ るようにしていきたい 3 題材の目標 身の回りの整理 整頓に関心をもち 気持ちよく過ごそうとする 家庭生活への関

国語科学習指導案

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第 4 学年 2 組 本授業の主張点 国語科学習指導案 日時平成 26 年 10 月 11 日 ( 土 )9:00~9:45 場所附属中 1 年 1 組教室指導者荒川尚 世界一美しいぼくの村 と 一つの花 は, 場面や人物設定等において共通点が多い これら二つの 作品を教材として用いることで 比べる という視点が生まれ, 児童が自然に 読みの観点 を使いな がら, 二人の中心人物を比べたり, 物語の展開に目を向けたりする, そのような授業をお見せします 1 単元名 読書発表会 をひらこう 世界一美しいぼくの村 ( 東京書籍 4 年下 ) 2 単元の目標 読みの観点 ( 中心人物, 対人物, 物語のしくみ, 比べるなど ) を使って, 場面の移り変わり や人物の気持ちの変化を読み取ることができる 習得した 読みの観点 を使って, 読んだ本の 紹介カード を作ることができる 3 評価規準 学力デザインレベル 2 より 家族や故郷を思う心を描いた本を読んで, 紹介カード を書こうとしている 関 読みの観点 を使って, 場面の移り変わりや人物の気持ちの変化を読み取っている 読 4 単元とその指導 ( 読みの観点 ) (1) 児童観 本学級の児童は, 以下の学習を通して 読みの観点 を習得している 走れ では, 時を表す言葉に着目して場面が分けられること, 山場 の前後で中心人物の気 持ちが大きく変わること, 中心人物の心情の変化に関わる対人物がいること, などを読み取る学 習を行っている また, 一つの花 と比べて読む学習を通して, 二つの物語の場面の違い, 登場 人物の関係性の違い, 中心人物の変容の違いを捉える学習を行った さらに, ごんぎつね では, ショーウィンドウで紹介する 学習を通して, あらすじ しくみ テーマ の視点から作品の 価値に迫らせた このような学習を通して習得した主な 読みの観点 を以下に示す a: 物語には場面があり, 紙芝居のように何枚かの絵で表せること b: 時 場 人物 を基に場面が分けられること c: 物語は 設定 展開 山場 結末 の四つで構成されていること d: 時 場 人物 の紹介は 設定 に多いこと e: 物語には大きな変化をもたらす 事件 が必ず起きること f: 起きた事件を ~ した とすると小さな題名になること g: 小さな題名だけを読むと, あらすじがわかること h: 物語の山場に, 中心人物の気持ちや考えがで大きく変わる クライマックス 場面があること i: 物語には, 中心人物の心情の変化に関わる 対人物 がいること j: 物語の 設定 と 結末 を比べると, 人物の成長や変化が分かること k: 題名はテーマにつながるキーワードであること l: 二つの作品を比べて読むと, 作品の心 ( 主題 テーマ ) が分かること - 小 4 年国語科指導案 1-

児童は, これらの 読みの観点 を使いながら, 物語のしくみや中心人物の心情の変化を捉える経験を積んできている しかし, 作品の価値や作者の思いに気付いたりすることは十分ではない (2) 教材観本単元で取り扱う教材は, 作者である小林豊氏がアフガニスタンを訪問した際の経験を基に書いた三部作の中から教科書用に書き下ろした物語である 本教材は, 主人公である ヤモ の, 家族や町の人々との交流, 家族や自分の村である パグマン に対する思いが描かれており, 児童は ヤモ の家族愛やふるさとを思う気持ちに寄り添い, 共感しながら読み進めるであろう しかし, ヤモ が待ち望んでいる春が来る前に, 自然に囲まれた美しい村が戦争により一瞬で破壊されてしまうことが, 最後の一文に描かれている ヤモ の気持ちに寄り添い, 共感しながら読み進めてきた児童にとっては, 衝撃を受けるとともに, 戦争 に対しての恐怖感や嫌悪感を抱くであろう 本教材では以下の点から, 場面の移り変わりや人物の気持ちの変化を読み取る学習をするのに適した教材であるといえる 1 ヤモ と家族, ヤモ と町の人々との交流, ふるさとの村 パグマン を思う気持ちがやさしく描かれており, ほほえましさを感じたり, ヤモ の気持ちに共感したりしながら読み取ることができる 2 設定 展開 山場 結末という物語の典型的な構成に慣れた児童にとって, 最後の一文は衝撃的である しかし, この一文について思いを巡らし, 交流することで, 感じ方の違いや作者の思いを感じることができる 以上のことから, 本教材は 読みの観点 ( 中心人物, 対人物, 物語のしくみ, 比べるなど ) を使って, 場面の移り変わりや人物の気持ちの変化を捉えさせることが可能であると言える また, 同一作者の作品を用いた読書発表会をすることで, 幅広い読書にとどまらず, 目的意識を持った読書活動への広がりが期待できるとともに, ものの見方や考え方の広がりへとつながっていく ( 学力デザインレベル3) (3) 指導観指導にあたっては, 読書発表会 に向けての 紹介カード を作る活動を通して, 読みの観点 を基に自力で作品に向かい読み進める力を身に付けさせたい そのために, 読みの観点 を 1 知って,2 使って,3 使えるようにして,4 共に使う 四つのステップに分けて段階的な指導を行う 単元の導入において, 教師作成の 紹介カード を用いて 読書発表会 のモデルを示し, 児童に学習の目的意識を持たせる そして以下の 読みの観点 を使って 紹介カード 作りに取り組ませる 1 設定 場面で, 時 場 人物 を確かめる 2 設定 展開 山場 結末 の四つに分ける 3 場面に名前を付け, あらすじをつかむ 4 人物マップ を作り, 登場人物同士の関係を捉える 5 作品に表れている 心 を紹介する 第一次では, まず既習教材の 一つの花 を使ってモデルを示し, 学習活動に見通しを持たせる 紹介カード に何が書いてあるのかを考えることで, 本教材を読んでいく際の 読みの観点 を確かめさせる 第二次では, まず 時 場 人物 に着目しながら場面分けをし, 各場面に名前を付けることで物語のあらすじを捉えさせる (1 知って,2 使って ) 次に 人物マップ 作りをしながら, ヤモ と家族, ヤモ と町の人々, ヤモ とふるさと パグマン の関係を捉えさせていく これまでのように見つけたことをすべて書き込んでいくのではなく, どれを残して書けばよいのかを精選させることで, ヤモ の家族愛, ふるさとへの思いを焦点化させたい (2 使って,3 使えるようにして ) 本時では, 同じ戦争を扱った作品である 一つの花 と比べて読み, 共通点, 相違点を見つけさせる どちらも悲しい話であるが, どちらがより悲しいお話か と問うことで物語の結末に目を向けさせ, 本教材の最後の一文について考えを深めさせる その後, 紹介する観点を確かめて 紹介カード にまとめさせる(3 使えるようにして,4 共に使う ) 第三次では, 同シリーズの本等を紹介したブックリストを参考に読書を進めさせ, 紹介カード 作り, 読書発表会 での交流を通して, 相互の感じ方のよさや違いに目を向けさせたい - 小 4 年国語科指導案 2-

5 指導計画 ( 全 11 時間 ) ゴシックは視点に関わる部分 次時学習者指導者 一 1 二 3 意識学習活動意図指導及び支援 評価の観点 学習課題を知る 2 学習の見通し発表会の方法を持つ が分かった 4 5 6 本時 三 8 9 物語の場面に名前をつけることで, あらすじをつかむ 世界一美しいぼくの村 の 人物マップ を作る 世界一美しいぼくの村 と 一つの花 を比べて読む 7 世界一美し 紹介カーいぼくの村 のド が書けた 紹介カード ぞ を書く 10 11 読書発表会を やってみたい 世界一美し いぼくの村 がどんなお話 かわかった ヤモ はと ても家族思 い, ふるさと 思いの男の子 なんだね 作者の小林豊 さんが伝えた かったことは 何かな 他にふるさと を思う気持ち を描いた物語 がないかな みんなはどん な物語を読ん だのかな 関連図書を読み, 紹介カード を書く 読書発表会をする 学習に見通しを持たせる 世界一美しいぼくの村 での学習のねらいを確かめさせる 中心人物の動きを追い, 物語のあらすじをとらえさせる 1 知って 2 使って 4 共に使う 人物マップ を作り, ヤモ の家族やふるさとを思う気持ちをとらえさせる 2 使って 3 使えるようにして 一つの花 と比較することで, 結末に着目させる 紹介カード に書く観点を確かめさせる 紹介カード で紹介する項目を意識した読書に取り組ませる 発表会での交流を通して, お互いの感じ方の良さや違いに目を向けさせる 学習の見通しを持たせるために 一つの花 を使って, 人物マップ 紹介カード 読書発表会 のモデルを提示する 関 物語を通読させ, 設定と登場人物をとらえさせる 読 課題を持たせるために, 初発の感想を交流する場を設定する 関 時, 場を表す言葉に着目して場面をとらえさせるために, 挿絵を効果的に用いる 場面の名前を考えることで, 出来事の大体をおさえさせる 読 人物マップ 作りを通して, ヤモ の父の対する気持ち, 兄に対する気持ちを, 場面や叙述に戻りながら考えさせる 読 ヤモ のふるさと パグマン に対する思いを ヤモ の言動を基に読み取らせる 読 二つの物語の共通点, 相違点を見つけさせることで, どちらも戦争が題材であること, 結末が大きく違うことに気付かせる 悲しさという観点で比較させ, 物語の結末に着目させることで筆者が伝えたい思いを想像させる 読 一つの花 の 紹介カード のモデルを参考にさせることで, 紹介する観点を確かめさせ, 世界一美しいぼくの村 の 紹介カード 作りにつなげる 読 事前にブックリストを作成したり, 教室にコーナーを設置したりして読書環境を整えておく 一つの花 世界一美しいぼくの村 の 紹介カード を振り返らせながら作成させる 関 紹介カード を使いながら, 自分が読んだ本について紹介させる 発表会の中に, 質問したり, 自分の考えを伝えたりする時間を設定する 関 - 小 4 年国語科指導案 3-

6 本時の目標 (6/11 時間 ) (1) 目標 指導目標 二つの作品を比較しながら, 二人の中心人物の様子や展開の違いを読み取らせる 評価規準 悲しさ という観点で, 二つの作品の人物設定や展開の違いを読み比べることができる 読むこと (2) 展開 ゴシックは視点に関わる部分学習活動教師の働きかけ ( ) と形成的評価 ( ) 見通す / 1 前時までの学習を振り返る 2 本時のめあてをつかむ 既習教材で戦争を扱った作品である 一つの花 の 人物マップ を提示し, これまでの学習を想起させる 二つの作品の作者が伝えたいことを考えよう 深 3 二つの作品を比較する (1) 共通点を見つける (2) 相違点を見つける 二つの作品の比較の視点を持たせるために, の人物 出てくるもの 場面の雰囲気等を比べさせ, 板書で整理する 二枚の人物マップ, 教材文への書き込みを参考にさせて, 共通点と相違点を見つけさせる まず共通点を, 次に似ているけれども違うところはと問い, 相違点を見つけさせることで, 比較する観点を絞らせる め 予想される発言内容 1( 共通点 ) 中心人物が子ども 人物 戦争中のお話である 設定 かかわりの深い人物がいなくなる 対人物 予想される発言内容 2( 相違点 ) 中心人物の思いが描かれている( 世界一 ~), いない ( 一つの花 ) 人物 日本( 一つの花 ) と外国 ( 世界一 ~) のお話 物語の設定 結末の雰囲気が楽しそう( 一つの花 ) 悲惨( 世界一 ~) 展開 る / 4 二つの作品の結末を比較する 予想される発言内容 3 一つの花 ゆみ子が何も知らずに成長してい ることが悲しさを感じさせる 直接的ではないが, 悲しさがじわ じわと伝わってくる 戦争に負けない強さを感じる 世界一美しいぼくの村 展開と結末場面の違いが激しい 衝撃的な終わり方である 戦争はひどいということが分か る 教師作成の 一つの花 の 紹介カード を提示する 話の終わり方を比較させるために, 二作品の結末だけを提示する 中心人物の様子や展開の違いに着目させるために, 初発の感想から どちらのお話がより悲しい結末か と問い, 考えを導き出させる 二つの作品を読み比べることで, 作者の創作意図を読み取ることができている か ( ノートへの記述, 発表 ) A: 人物や展開の違いを根拠にして, 両方の作品の作者の思いを想像するができる B: 人物や展開の違いを根拠にして, より悲しいと思う方の作者の思いを想像する ことができる なぜ一方は穏やかな, もう一方は衝撃的な結末で書いたの かを問い, 作者の思いを想像させる C: 二つの作品の雰囲気の違いを捉えることができない もう一度, 結末場面に着目させ, どちらが, なぜ悲しい感じがするのかを考え させる 児童の考えが一方の作品に集中する場合は, もう一方の作品の立場で発言することで, 両方の立場から児童に考えさせたい 広げる 5 本時の学習を振り返る 世界一美しいぼくの村 の結末がなぜこんな描かれ方をしているのか, 作者の思いを想像させる 比べて読んだから分かった, 比べて読んでよかったという内容の振り返りを取り上げ, 紹介する - 小 4 年国語科指導案 4-