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相模原市住宅基本計画 概要版

四国中央市住宅マスタープラン 概要版 平成 30 年 3 月四国中央市 Since

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住まい まちづくりの基本目標と基本的施策の展開方向 1. 住まい まちづくりの理念と基本目標 だれもが安心して住み続けたいと感じる魅力ある とだ の住まい まちづくり を政策の基本理念とし これを実現するために次の 3 つを基本目標として総合的な施策を図るものとします 基本目標 -Ⅰ 多様なニーズに

(2) 金沢市の世帯数の動向 350, , ,000 ( 人 世帯 ) ( 人 / 世帯 ) 世帯数 世帯人員 , , , , ,1

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(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

大規模住宅団地の現状と活性化・再生の進め方

1 防災機能 東海地震防災対策強化地域 東南海 南海地震防災対策推進地域に指定され 大規模地震の危険性の高い地域となっています 平成 19 年度の住宅の耐震化率は 77% です 4m 未満の狭あい道路に接する住宅は 概ね 40% 前後で推移しています 近隣市と比較すると西尾市に次いで高く 2m 未満


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定住意向で 今後も住み続けたい が過半数 ( 約 60%) を占めている 高齢者 障がい者対策で 身近なデイサービスの拡充 道路 公共施設のバリアフリー 相談窓口 等を求める意見が多い 子育て支援では 公園 保育所 児童館の整備 が多い 3) 周辺環境について より広い 地区単位の区分では以下のよう

建設の施工企画 特集 5 長寿命化 維持管理 リニューアル 住宅の長寿命化への取組 国土交通省住宅局住宅生産課 今後の住宅政策においては これまでの つくっては壊す フロー消費型社会から いいものをつくっ て きちんと手入れして 長く大切に使う という ストック重視型への転換を図ってい

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①基本計画_ xbd

表紙

地域住宅計画 計画の名称高岡地域 (H27-31) 都道府県名富山県作成主体名高岡市 計画期間 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 平成 27 年度 ~ 31 年度 高岡地域は富山県の西部に位置し 人口約 17 万 6 千人 世帯数約 6 万 6 千世帯 (H26.12 月住民基本台帳 ) の地域で

2

( 新 ) 藤沢都市計画住宅市街地の開発整備の方針 平成年月 神奈川県 藤沢 住宅 -1

地域住宅計画 計画の名称地域住宅計画都道府県名三重県作成主体名計画期間平成 17 年度 ~ 22 年度 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 当該地域は 三重県の南部に位置し 人口約 25,000 人 世帯数約 8,400 世帯の地域である は伊勢志摩国立公園の玄関口として 観光及び水産業を中心に発展

スライド 1

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2-1 沖縄県の住宅事情 (1) 人口 世帯数及び住宅ストックの状況 1 平成 22 年 ~42 年に人口 2.7% 増 ( 全国 :8.9% 減 ) 世帯数 13.0% 増 ( 全国 :5.9% 減 ) 推計によると 本県は人口 世帯数ともに平成 37 年まで増加する ( 全国では人口 H22 世

4. 都市づくりの目標と方針 4-1 都市づくりの基本理念 地域の個性が輝く生活快適都市 上田 ~ 魅力あるふるさと活気ある交流風格ただようまち ~ 基本理念の意味あい 上田市は 歴史 文化 自然 産業などに恵まれた特色ある地域から成り立っており 各地域が個性を発揮し 連携し合い 交流を促進しながら


第 2 章市の住宅 住環境をとりまく現状 人口増減 (H17 H22) 千里ニュータウンの建替団地のある町丁目で顕著に人口増加 ( 新千里西町 2 丁目 新千里東町 2 丁目等 ) 新規住宅地開発 ( 建替含む ) が行われた町丁目で 顕著に人口増加 ~-30% 減少 -30%~-5% 減少 -5%

[ 概要版 ] 倉吉都市計画 マスタープラン素案 鳥取県倉吉市

PowerPoint プレゼンテーション

平成25年住宅・土地統計調査 集計項目別統計表一覧

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マンション棟数密度 ( 東京 23 区比較 ) 千代田区中央区港区新宿区文京区台東区墨田区江東区品川区目黒区大田区世田谷区渋谷区中野区杉並区豊島区北区荒川区板橋区練馬区足立区葛飾区江戸川区


1 章計画の目的と方法 計画の目的 小樽市住宅マスタープラン( 住生活基本計画 ) は 安全で快適に暮らせる住環境づくりを推進するために 官民含めた住宅施策の方針を示すものであり 本市の住宅施策は 第 6 次小樽市総合計画及び本プランに基づき展開していきます 平成 16 年度に現行プランを策定後 第

北見市総合計画.indd

( 資料 3) 比較検討した住宅 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資料 4) 住宅の選択理由 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資

地域住宅計画 計画の名称千葉市地域 (3 期 ) 都道府県名千葉県作成主体名計画期間平成 27 年度 ~ 31 年度 千葉市 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 千葉市は千葉県のほぼ中央部に位置し 人口は約 96 万人 世帯数は約 42 万世帯の地域で地域面積は k m2である 本市では

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部門別方針 / 住宅 住環境整備の方針 Ⅲ-6 3) 住環境の状況全市の土地利用に占める住宅系土地利用の割合は 約 32% となっています ( 平成 22 年度都市計画基礎調査 ) 本市の住宅地は 地形や市街化の経緯 土地利用状況等により 鎌倉地域の戸建住宅地 大船 深沢 腰越の既成市街地の住宅地

平成 29 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) 制度名既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充 税目所得税 ( 国土交通省 ) 既存住宅流通 リフォーム市場の活性化に向けて 耐震性 省エネ性 耐久性に優れた良質な住宅ストックの形成を促進するため 既存住宅の耐震 省

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第3章 住宅政策上の課題(基本的課題)

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栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 二期計画 ) 概要版 1 計画の目的と背景 高齢化が急速に進行する中 平成 24 年 3 月に県土整備部と保健福祉部が連携のもと高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく 栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 以下 現計画 という ) を策定し 高齢者が安心して快適に暮


新設 拡充又は延長を必要とする理由(1) 政策目的 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備する観点や低炭素化 循環型の持続可能な社会の実現の観点から 中古住宅取得や増改築等工事の適用要件の合理化や増改築等工事の対象を拡充することにより 中古住宅の流通促進 住宅ストックの循環利用に資する (

用への助成を除くと 住宅に関する融資や助成制度等の情報提供の充実 との回答割合が高い( 子育て住み替え意識調査 ) 以上のことから 住宅が手狭であることを理由に市外へ転出する若い世代が相当数存在し また その傾向が強まっていることがうかがえる また 住み替え後は4LDKの間取りを中心とした持ち家 (

目次 1. 市街化調整区域の土地利用方針について... 1 (1) 策定の目的... 1 (2) 方針の位置付け 市街化調整区域の課題 土地利用の方針... 3 (1) 土地利用の基本的な方針... 3 (2) 地区ごとの土地利用方針 開発計画等の調整

1 計画の目的と位置づけ 1 計画の目的 本県では 平成 17 年度に 福井県住宅 宅地マスタープラン を策定 平成 23 年度に改定して ゆとりある豊かな住生活の実現に取り組んでいます 今回 本計画の上位計画となる住生活基本計画 ( 全国計画 ) が平成 28 年 3 月に改定されたことや 人口減

Microsoft Word - 【資料3】表紙

共同住宅の空き家について分析-平成25年住宅・土地統計調査(速報集計結果)からの推計-

地域住宅計画の名称 大崎地域住宅計画第 Ⅲ 期 ( 第 2 回変更 ) 作成主体 大崎市 計画期間 平成 28 年度 ~ 平成 32 年度 1. 地域の住宅施策の経緯及び現況 大崎市は, 市西部の奥羽山脈を源とする鳴瀬川, 江合川が東流する肥沃な耕土として形成された大崎平野に位置し, 田園と水資源豊

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(3) 住宅ストック の概況 1 住宅総数と空家率住宅総数は一貫して増加傾向にあり 昭和 63 年の 38,100 戸から平成 20 年の 58,570 戸へと 20 年間で 20,470 戸増加しています 空家数は昭和 63 年の 3,500 戸 ( 空家率 9.2%) から バブル後の平成 5

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目次 I. 転入者 転出者転出者アンケート実施概要 調査の目的 調査の内容 調査の方法等... 3 II. 調査の結果 回収の状況 転入者調査... 4 (1) 回答者の属性について... 4 (2) 転入前 転入後のお

7-3 上田城南地域 (1) 将来像 ( 将来像 ) 水と緑と多様な都市機能が調和し快適な暮らしの環境が整ったまち ( 基本目標 ) 千曲川をはじめ産川や浦野川 小牧山や上田原古戦場 半過岩鼻など奇景や原風景の残る豊かな自然や農地を大切に保全するとともに 秩序ある都市空間づくりを進めます 良好な住環

北部大阪都市計画彩都地区計画 ( 案 ) 北部大阪都市計画彩都地区計画を 次のとおり変更する 1. 地区計画の方針 名称彩都地区計画 位 置 茨木市大字粟生岩阪 大字宿久庄 大字清水 大字佐保 大字泉原 大字千提寺 大字大岩 大字福井 大字大門寺 大字生保 大字安威 山手台一丁目 山手台三丁目 山手

Taro-全員協議会【高エネ研南】

目 次 1 基本方針 再開発を促進すべき地区等の整備又は開発の方針... 2 別表再開発促進地区の整備又は計画の概要... 3 都市再開発方針図 ( 総括図 )... 6 都市再開発方針附図

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市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

イメージ図 ( 医療施設の場合 ) イメージ図 ( 誘導施設 : 地域医療支援病院の場合 ) 5 届出を要しない軽易な行為などについて都市再生特別措置法第 108 条並びに都市再生特別措置法施行令第 35 条 第 36 条の規定により 以下の行為は届出の対象となりません 軽易な行為その他の行為で政令

高齢者住宅施策の現状と今後の方向性

問 2. 現在 該当区域内に居住していますか 1. 居住している % 2. 居住していない % 無回答 % % 単位 : 人 1.9% 32.7% 65.4% 1. 居住している 2. 居住していない無回答 回答者のうち 居住者が約 65

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⑴ 政策目的 市街地再開発事業の推進により 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るとともに コンパクトシティの推進及び密集市街地の解消を図る 新設 拡充又は延長を必要とする理由 ⑵ 施策の必要性 以下の施策の推進のため 本措置の延長により 民間事業者による早期かつ着実な保留床の取得を促

地域住宅計画 計画の名称地域住宅計画 (Ⅲ 期 ) 都道府県名鳥取県作成主体名計画期間平成 28 年度 ~ 32 年度 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 1 の概要は鳥取県西部に位置する地方商業都市で 北側に日本海 東側に秀峰大山と自然豊かなまちである 気象に関しては 降雨日数 曇天日数が多い山陰

78 成蹊大学経済学部論集第 44 巻第 1 号 (2013 年 7 月 ) % % 40%

総合計画及び国土利用計画アンケート調査結果 平成 20 年度 地域別構想 土地利用の方向性について 上位3つ ①無秩序な開発を抑制し 農地等は極力保全する ②主要な沿道等への店舗の立地を進め 利便性を高める ③身近な公園 生活道路 下水道などの生活環境基盤を整備する 住みよい 25.6% 22.9%

目次 第 1 章 : この計画について 1 (1) 舞鶴市住生活基本計画とは (2) 国 府の住宅政策の動向 (3) 舞鶴市住生活基本計画策定の考え方 第 2 章 : 舞鶴市の住宅 住環境に係る課題 2 (1) 地域生活の 安心基盤 としての住宅 住環境づくり (2) 居住魅力の向上に資する 良質な

地域住宅計画 計画の名称鳥取市地域都道府県名鳥取県作成主体名計画期間平成 22 年度 ~ 26 年度 鳥取市 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 1 鳥取市の概要鳥取市は鳥取県東部に位置する県庁所在地で 平成 16 年 11 月 1 日に国府町 福部村 河原町 用瀬町 佐治村 気高町 鹿野町 青谷町

共同住宅の空き家について分析-平成25年住宅・土地統計調査(確報集計結果)からの推計-

地域住宅計画 計画の名称地域都道府県名大阪府作成主体名計画期間平成 21 年度 ~ 24 年度 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 は東西 16km 南北 4.8km 面積は 43.99k m2を有し 大阪市中心部 和歌山市中心部よりそれぞれ約 30km の位置にある 市域では寺社仏閣の歴史的資源

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市街化調整区域の土地利用方針の施策体系 神奈川県 平塚市 神奈川県総合計画 神奈川県国土利用計画 平塚市総合計画 かながわ都市マスタープラン 同地域別計画 平塚市都市マスタープラン ( 都市計画に関する基本方針 ) 平塚都市計画都市計画区域の 整備 開発及び保全の方針 神奈川県土地利用方針 神奈川県

公的な住宅改修制度について

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

. 調査概要 清里町住生活基本計画の策定にあたり 清里町民の住宅に関する意識や意向などを把握する ため 住宅アンケート調査を実施しました 調査の目的 対象 方法等は以下の通りです () 調査の目的 住宅アンケート調査は 清里町住生活基本計画策定のための基礎調査として 町民の居住意識や意向などの把握を


4 住宅購入 名称住宅購入に対する各種税金と給付金に関する支援 担当部課 概要新築または中古の住宅を取得するとかかる税金があります また 所得税控除や給付金が支払われる制度もあります 1. 不動産取得税 ( 県税 ) 土地や家屋などの不動産の取得時に 県が課税する税金です お問い合わせ先 神奈川県藤

山手地区の概要 面積 約50ha 用途地域 工業地域 建ぺい率 60 容積率 200 高さの限度 第一種高度地区 最高限20m 2

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計画的な再開発が必要な市街地 特に一体的かつ総合的に再開発を促進すべき地区 市町名 名称 再開発の目標 土地の合理的かつ健全な高度利用及び都市機能の更新に関する方針 特に整備課題の集中がみられる地域 ( 課題地域 ) 地区名 西宮市 C-4 浜脇 ( 約 175ha) 居住環境の向上 良好な都市景観

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市町合併という基本的枠組みの変更に対応した 市全域を対象とした計画の見直し 少子高齢化をはじめとする本市を取り巻く社会経済情勢の変化に対応した計画づくり 総合計画や都市計画区域マスタープランなど 上位関連計画との整合 調整の必要性 都市計画マスタープランは 都市計画法第 18 条の 2 に基づいて策

大阪府営門真住宅まちづくり基本構想 平成 25 年 6 月 大阪府 門真市

1章 静岡市住生活基本計画の目的

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第 3 章住宅に関する現況特性と課題 1 安全で安心な住まい まち (1) 災害に強い住まい まち 市内に位置する糸魚川 静岡構造線の地震発生確率は この 30 年以内に 14% と予想されており 1 いつ地震が起きてもおかしくない状況にあります 本市は 平成 16 年度から住宅耐震診断及び改修事業を実施しており 引き続きそれらの施策を促進するとともに 耐震化に関する情報提供を続けていく必要があります 特に 木造密集市街地では 耐震化だけでなく燃えにくい構造の建築物への建替えや 燃えにくい建材を使用するなどの工夫が必要です 平成 19 年度に実施した意向調査では 現在住んでいる住宅の地震や火災に対する備えについて 不満 やや不満 を半数以上の回答者が選んでいます 多くの市民が住宅の防災性について不安に感じていることからも 災害に強い住まい まちづくりを進めていくことが課題です 図松本市の住宅の耐震性平成 10 年及び 15 年の住宅土地統計調査より推計 耐震性を満たさないもの又は耐震性が不明なもの, 19,050 戸 24% 不満, 20.8% やや不満, 35.4% 耐震性を満たすもの, 60,300 戸 76% 図現在住んでいる住宅の地震や火災に対する備え平成 19 年度松本市住宅マスタープラン意向調査より 満足, 9.5% ほぼ満足, 34.3% (2) 健康にやさしい住まいアスベスト 等の建築物に使用される材料は人体に悪影響を及ぼす可能性があり 全国的な問題とされています 本市では 一定規模以上の建築物等の解体時にアスベスト 含有建材の有無を確認し 適切な解体施工を指導助言しています しかし 建築物の解体によるアスベスト 2 の排出量が今後ピークを迎えるとの予測もあり アスベスト 対策の徹底が必要です 1 平成 18 年 1 月地震調査研究推進本部による 2 船坂邦弘他 (2006): アスベスト問題の現状と課題 生活衛生 Vol.50 No.5 9

2 高齢者や障害者 子育て世帯にやさしい住まい まち (1) ユニバーサルデザインを導入した住まい まち 本市は 高齢化が徐々に進み 社会で活動する高齢者が増えつつあります また 障害を持つ方の積極的な社会参加もみられます さらに 多くの外国人が松本城や上高地等の観光地を訪れ あるいは市内で暮らしています こうした様々な特徴を持つ人たちが できるだけ不自由なく暮らせるようなまちを目指すために 本市では平成 17 年に 松本市ユニバーサルデザイン基本方針 を策定し ユニバーサルデザイン 導入の方針を示しました その中で 住宅については新築や増改築の際にユニバーサルデザイン を採用することを課題としてあげています また 平成 19 年度に実施した市民意向調査では 行政が図行政が行うべき住宅やまちづくりに関する施策 ( 上位の5つ ) 平成 19 年度松本市住宅マスタープラン意向調査より行うべき住宅やまちづくりに関する構成比施策 について 4 人に 1 人が 高 0% 10% 20% 30% 40% 齢者や障害者等のための住環境の整中心市街地における高齢者や障害者等の 29.8% 備 を選んでおり 高齢者や障害者ための住環境の整備が暮らしやすい環境づくりに関する郊外部における高齢者や障害者等の 26.3% ための住環境の整備問題意識の高さが窺えます 本市では まち全体のユニバーサ安全 安心な住宅地に向けての 25.7% 市民と行政の協働の取り組みルデザイン 化を進めるとともに 自然エネルギーを活用した住宅のユニバーサルデザイン 環境と共生できる化を 24.0% 住宅整備に対する支援普及させていく必要があります 郊外部における新婚世帯や子育て世代が快適に住むことができる住環境の整備 (2) 誰もが安定した住まいを確保できる仕組み本市には 収入が少なく生活に困窮している方 外国人や障害者 子育て世帯等 それぞれの立場により生活面で支援を必要としている人達がおり そうした人たちが安定した住まいを確保できるための仕組みを充実させることが重要です 特に 本市では 14 歳以下の年少人口の割合が減少し続け 少子化が進展しています 平成 19 年度に実施した市民意向調査で 行政が行うべき住宅やまちづくりに関する施策 について質問したところ 回答者の 23.4% が 郊外部における新婚世帯や子育て世代が快適に住むことができる住環境の整備 を選んでいます そのため 子育てをする若年世帯への 支援が課題となっています また 市内の住宅について最低居住面積水準未満のものをみると 持ち家はほぼ表旧松本市の居住面積水準未満の住宅に居住する世帯数平成 15 年度住宅 土地統計調査より作成 水準は第八期住宅建設五箇年計画のもの全てが水準以上です 世帯最低居住面積水準未満誘導居住面積水準未満住宅の種類 ( 所有別 ) が 借家には一部水総数世帯数構成比世帯数構成比持ち家 42,510 70 0.2% 10,620 25.0% 準未満のものがあり借家 35,840 1,400 3.9% 21,870 61.0% ます 特に公営の借公営の借家 4,960 300 6.0% 3,210 64.7% 公団 公社の借家 370 20 5.4% 270 73.0% 家が 6.0% と多く 民営借家 ( 木造 ) 8,650 340 3.9% 5,750 66.5% 民営借家 ( 非木造 ) 18,350 620 3.4% 10,670 58.1% 今後改善を図ってい給与住宅 3,510 120 3.4% 1,970 56.1% く必要があります 世帯総数 79,350 1,480 1.9% 32,490 40.9% 23.4% 10

3 住宅 宅地ストックの活用と流通 (1) 住まいの長寿命化 図旧松本市の平成 10 年 ~15 年に滅失した住宅の築年数平成 10 年度及び 15 年度住宅 土地統計調査より推計 本市の滅失住宅の築年数を見ると 約 30 年 未満が約 6 割となっています 平均築後年約 7.5 年, 数はアメリカ 44 年 イギリス 75 年であり 3 8.7% 本市の住宅は短い期間で壊されています 住宅約 30 年以上, を長期に渡って使用することにより 住宅の解約 15 年, 37.5% 27.3% 体や除却に伴う廃棄物の排出を抑制し 環境への負荷を軽減させることができると考えられる約 25 年, ため 住宅の長寿命化が課題となっています 4 26.4% また マンションの建替えや改修には多大な費用を要します 特に分譲マンションにおいて 所有者の費用負担や合意形成の難しさ等により 円滑に進まない可能性が指摘されています 5 これからは 住宅ストック を長い期間に渡って活用するため 環境への配慮やユニバーサルデザイン 化 耐震化等 住宅の質をさらに高めていくことが必要です (2) ライフスタイルに応じた住替えがしやすい住宅市場の仕組み平成 19 年度に実施した市民意向調査によると 転居先として新築の一戸建てを望む人が多いことが分かります 一方で 世帯人員が少なくなるほど多様な種類の住宅を転居先として希望しています 価値観やライフスタイルの多様化が進む中 個々の暮らしに適した住宅に住めるように 住替えがしやすい住宅市場の仕組みを整えることが重要です そのために 賃貸住宅の居住面積水準等の住宅品質に関する課題解決や 転居希望者が適切な情報に基づいて転居先を決めることができる仕組みづくりが必要です 図住替える場合に希望する住宅の種類平成 19 年度松本市住宅マスタープラン意向調査より 世帯 単身 [n=71] 夫婦のみ [n=78] 親と子 (2 世帯 ) [n=155] 祖父母と親と子 (3 世帯 ) [n=39] N=352 その他 [n=9] 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 21.1% 構成比 9.9% 8.5% 7.0% 21.1% 16.9% 9.9% 2.8% 1.3% 2.8% 48.7% 14.1% 11.5% 6.4% 5.1% 9.0% 3.8% 2.6% 53.5% 12.3% 11.6% 7.1% 6.5% 2.6% 3.9% 84.6% 5.1% 7.7% 2.6% 55.6% 11.1% 33.3% 新築の一戸建て 新築のマンション ( 共同住宅 ) 中古の一戸建て 中古のマンション ( 共同住宅 ) 民営の賃貸住宅 ( 一戸建て ) 民営の賃貸住宅 ( 共同住宅 ) 公営住宅 ( 市営住宅 県営住宅 ) 公社等の公共賃貸住宅 その他 3 国土交通省 (2005): 住宅事情について 国土交通省住宅局ホームページ (http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/index.html) データは American Housing Survey(1987 年 1998 年 ) 及び Housing and Construction Statistics(1981 1991 年 ) から推計したもの 4 長期に渡り良好な状態で使用するための措置が構造及び設備に講じられた優良な住宅の普及を促進することを目的とし 平成 20 年に 長期優良住宅の普及の促進に関する法律 が制定された 5 米山秀隆 (2009): 図解よくわかる住宅市場 日刊工業新聞社 11

4 まちなかや中山間地等の地域特性に応じた定住 (1) 集約型の都市構造への転換とまちなかにおける定住促進 本市の中心市街地である松本駅周辺地区は 中央西土地区画整理事業等の実施により 中 心市街地にふさわしい街並み整備が進んでいます しかし 中心市街地における人口減少や 郊外部への大規模商業施設の立地等により 中心市街地の活力の低下が問題となっています 急速に進みつつある超少子高齢型人口減少社会への対応や 地球環境への負荷の低減を図 るため 集約型のまちづくりが求められています 駅周辺等の拠点に都市機能を集中させ 利便性が高く効率的なまちづくりが求められています 中心市街地の定住人口確保を図るためには 表長野県内主要都市の家賃相場 ( 平成 20 年 6 月 5 日付 単位 : 万円 ) 大手不動産情報検索サイト HOME S ホームページ (http://yachin.homes.co.jp) より作成 利便性が高く 暮らしやすい環境の整備を進 地域 1K/1DK 1LDK/2K/2DK 2LDK/3K/3DK める必要があります しかし 中心市街地の家賃は長野県の主要都市の中で最も高く 住 長野市上田市 4.38 (34) 5.28 (18) 5.47 (10) 6.04 (12) - 松本市飯田市 5.13 (27) 4.18 (23) 6.77 (12) 5.03 (11) 6.65 (13) - 6 みづらい状況です 塩尻市 5.08 (16) 6.46 (15) - 本市のまちなかは 松本城を始めとした豊かな歴史的資源や商業施設 街路 公園 公 共交通機関等 これまでの長い歴史の中で整えられてきた質の高い都市基盤施設を備えて います こうした都市基盤施設を活かして より豊かな生活をするために まちなかに住 みたくなる住環境づくりが必要です (2) 中山間地における都市部との交流と定住促進全国的な少子高齢化社会 人口 世帯減少社会の到来を目前に控え また 豊かな住生活 7 を実現するため 平成 18 年度に住生活基本法が制定されました 価値観やライフスタイルが多様化する中で 市内はもちろん 市外からの転居を積極的に受け入れる必要がある本市では 従来よりも柔軟に 個人のライフスタイルに最も適した住まいを選べるような環境づくりが必要です そのために 中心市街地や郊外部 中山間地のそれぞれの地域特性を活かした住まい まちづくりを進めていくことが重要です 特に中山間地である四賀や奈川等では過疎化が進んでおり 定住促進が課題となっています 現在 都市部との交流の試みの1つとして 四賀と奈川では滞在型市民農園のクラインガルテン を運営しており 市外から多くの利用者が訪れ 滞在しています この地区への転入者数をみると 約 72.6%( 平成 16 年 住民基本台帳 ) が市外から移住してきており 一定の成果をあげています 中山間地の定住化を目指すために 転居希望者が転居し やすい環境づくりを充実させていく必要があります 図四賀クラインガルテン 6 平成 19 年度に実施した意向調査では 中心市街地の人口減少の理由として 住宅費 ( 土地代や家賃 ) が高い を 44.0% の回答者が選んでいる 7 国土交通省住宅局 (2006): 豊かな住生活の実現に向けて 国土交通省住宅局ホームページ (http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/index.html) 12

5 近所づきあいや地域の魅力を活かしたまち 平成 19 年度に実施した意向調査で 現在住んでいる場所に住み続けたいと考える理由 について 近所づきあいがしやすい を3 人に1 人が選んでおり 多くの市民が暮らしをする上で大切な要素と考えていると言えます 同じ地域に住む人たちが お互い暮らしやすい住環境や人間関係を育くむような施策を実施していく必要があります 図現在住んでいる地域にこれからも住み続けたい理由 ( 上位 5つ ) 平成 19 年度松本市住宅マスタープラン意向調査より 周辺の緑や空気の自然環境がよいから 買い物が便利だから 近所づきあいがしやすいから病院や福祉施設などが近くにあるから地震 水害 火災などの災害の不安が少ないから 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 24.3% 35.5% 30.9% 27.7% 構成比 63.8% 6 美しい自然環境を大切にする住まい まち (1) 風土に根ざした住まい本市は 西部に北アルプス 東部に美ヶ原高原が広がっており また市域の中心部には松本平と呼ばれるのどかな田園があります こうした豊かな自然環境は 松本市に住む人や訪れる人にとって とても大きな魅力となっています こうした魅力を守るため 本市は平成 20 年に景観計画を策定しました より良い環境をつくっていくために 風土に根ざした伝統的な木造建築技術や 地場産の木材を使用した住宅の普及等を進めていく必要があります 図東山北部地域の住宅 (2) 地球環境にやさしい住まい地球環境問題に対応するため 住宅の建設 使用 維持管理 解体の各段階において 環境負荷の軽減が求められています 本市の住宅における省エネルギー設備平成 15 年度住宅 土地統計調査より作成等を備えた住宅の割合は 全体的に低い構成比状況です 全国平均と比較すると 二重サッシの設置については概ね上回ってい太陽熱を利用した 4.9% 持ち家温水機器等の設置 0.3% 借家るものの 太陽熱及び太陽光を利用した太陽光を利用した 0.8% 設備については 全て下回っています 発電機器の設置 0.2% 地球温暖化対策の1つとして 省エネ二重サッシ又は 12.9% 複層ガラスの窓 5.1% ルギー住宅の普及や太陽光などの新エネの設置 ( 全部 ) ルギー 二重サッシ又はの住宅への活用が課題となって 18.8% 複層ガラスの窓 5.6% の設置 ( 一部 ) います 図旧松本市における省エネルギー設備等を備えた住宅の割合 0% 5% 10% 15% 20% 25% 13

7 施策推進の仕組みづくり (1) 住まいづくりにかかわる各主体の役割分担と連携住まいづくりには国や長野県 市 市民 事業者など 多くの主体がかかわっています よりよい住まいづくりを目指すためには それぞれの立場からの積極な取組みが必要になります 具体的には お互いが情報交換し 議論できるような話し合いの場を設けることや 市民や事業者がより積極的に取組みを行えるよう 専門家の派遣や育成が必要です (2) 施策の進捗確認と継続的な改善前回の住宅マスタープラン ( 平成 10 年度策定 ) で掲げた住宅施策の達成状況をみると 目標に到達していないものがあります 目標を実現するために 数値目標をできるだけ設定し 達成度を確認できる仕組みが必要です また 現在行政の複数の部署が住宅施策を担当していますが 包括的に担当する体制は整備されていないため 施策の推進方法に組織的な改変を行う必要があります 14