相続税の大増税に備える! 不動産による最新節税対策

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2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

配偶者の税額軽減特例の有利な受け方 配偶者がいる場合の 相続税の具体的な計算例は以下の通りです 1. 設例 自宅 預貯金等の相続財産の遺産額 =2 億円 法定相続人 = 配偶者 + 子 2 人の合計 3 人 実際の遺産分割は 法定相続分の通りとする 未成年者控除 外国税額控除 生命保険金の非課税枠金

税金の時効 税務では 時効のことを更正 決定処分の期間制限 = 除斥期間 といいます その概要は 以下の通りです 1. 国税側の除斥期間 ( 通則法 70) 1 期限内申告書を提出している場合の所得税 相続税 消費税 税額の増額更正 決定処分の可能期間 : 法定申告期限から 3 年 2 無申告の場合

平成19年12月○日

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改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

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平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税務上の措置 ( 手続 )FAQ 平成 30 年 7 月広島国税局 平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税制上の措置 ( 手続 ) 等につきまして 照会の 多い事例を取りまとめましたので 参考としてください 目次 Ⅰ 災害にあった場

はじめに どんな効果があるの? 新書面添付制度とはどんな制度? この制度の実際がよく分からないから こんな声が聞こえるよね いわく 余分な仕事のようで煩わしい 書面を添付した結果 思いもよらない責任を追及されたら 申告書に書面を添付する制度は今までもあったよね 平成 13 年の税理士法改正では 必要

4.更正の請求書を作成する場合の共通の手順編

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土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

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審査請求書の記載に当たっては 別紙 審査請求書の書き方 を参照してください 付表 1 号様式 ( 次葉 ) 正本原処分に係る異議申立ての状況 9 異議申立てをした場合 ( 該当する番号を で囲む ) 10 異議申立てをしていない場合 ( 該当する番号を で囲む ) 審査請求書 ( 次葉 ) 審査請求

資料3

はじめに中小企業は日本の企業数の約 99% 従業員数で言えば約 70% を占め 地域経済 社会を支える存在 雇用の受け皿として重要な役割を担っています 国税庁の資料によれば 法人税申告の約 90% に税理士が関与しています 今回 税理士の業務 特に中小企業支援に係る業務を紹介するとともに 日本税理士

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問 10 調査担当者から 提出した帳簿書類等の留置き ( 預かり ) を求められました そ の必要性について納得ができなくても 強制的に留め置かれることはあるのですか 問 11 留置き ( 預かり ) に応じた場合でも 申し出れば直ちに返還してもらえますか また 返還を求めたにもかかわらず返還されな

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1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

第 6 講更正の請求 Q1 更正の請求と修正申告は どのような点で違いがあるか? Q2 通常の更正の請求 ( 通則法 23 条 1 項 ) はどのような場合に認められるか? Q3 特別の更正の請求 ( 通則法 23 条 2 項 ) はどのような場合に認められるか? Q4 通常の更正の請求と特別の更正

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受講につきましてのお願い 携帯電話は電源を切るかマナーモードに設定をお願い致します 本セミナーでの録画 録音はご遠慮下さい 本セミナー内でのご質問は 一切受付けておりません ご了承下さい 2

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議案用 12P

第 5 章 N

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海外財産の相続 : 事例研究 ~ 米国の財産の相続手続き ( 第 4 回 ) 三輪壮一氏三菱 UFJ 信託銀行株式会社リテール受託業務部海外相続相談グループ米国税理士 これまで 海外に財産を保有する場合の 海外相続リスク の存在 特にプロベイト手続き等の相続手続きの煩雑さについて 米国の例を基に説明

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給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

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5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

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自力執行権 ( 徴 47など ) が特別に認められる点を除けば 私債権と同様に取り扱うことが妥当である ( 通 723) 国税の徴収権及び納税者の国に対する還付請求権は 私債権と同様に時効制度が採られている ( 通 ) 徴収権及び還付請求権と私債権との消滅時効における違いは 次表のとお

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試験研究費 9,, 7,, Check7 14,, 14,, Check8 7,, 2,, 14,, 6,, 6,, 税務弘報

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

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税金読本(16-2)税務署への財産債務の申告と国外転出時みなし譲渡益課税

に限る ) は その追徴すべき不足税額 ( 当該減額更正前に賦課した税額から当該減額更正に基因して変更した税額を控除した金額 ( 還付金の額に相当する税額を含む ) に達するまでの部分に相当する税額に限る 以下この項において同じ ) については 次に掲げる期間 ( 令第 4 8 条の9の9 第 4

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法人による完全支配関係下の寄附金 1.100% グループ内の法人間の寄附 ( 法法 372) 現行税制上では 寄附金は支出法人では損金計上限度額を超える部分が損金不算入 受領法人では益金算入です 平成 22 年度税制改正により 100% グループ内での支出法人では寄附金全額を損金不算入とし 受領法人

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Q3. 資本金 500 万円で豊中市内の従業員が 60 人の法人です 均等割の金額を教えてください 豊中市の税率 ( 市町村によって違います ) 資本金等の額 * 従業者数 ( 豊中市内 ) 税額 ( 年額 ) * 50 億円超 10 億超 ~50 億円以下 1 億超 ~10 億円以下 1 千万超

消費税申告書の計算式

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東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

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セミナー開始までページを めくらないでください 相続税申告の 書面添付制度の効果の実態 税理士法人チェスター 代表公認会計士 税理士 荒巻善宏

概要と目次 税理士法人チェスターでは 99% の相続税申告書で書面添付を行っています 本セミナーでは 書面添付制度を利用するメリットや効果 そして実際に過去税理士法人チェスターで経験した税務署の相続税の意見聴取の現場を解説します < 目次 > 1. 相続税の書面添付制度を利用することで税務調査率は本当に軽減されるか? 2. 書面にどのようなことを記載すればいいのか? 3. 書面添付制度を利用することで納税者にも大きなメリットがある 4. 実際に意見聴取でどんなことを聞かれるのか? 対応の方法 1

書面添付制度とは? 書面添付制度の概要書面添付制度とは 税理士 税理士法人 ( 以下 税理士 とする ) が作成した申告書について 作成した税理士がどのような項目について どの資料を どの程度確認して どのように検討 判断 調整したのかを記載した書面を添付するものです さらに 相談を受けた事項等も記載します 書面添付はあくまでも税理士の権利により提出するもので その責任は税理士にあります 2

書面添付制度の税理士の責任とは? 答えは税理士法第 46 条に税理士法第 46 条では 税理士が法第 33 条の 2 に規定する書面に虚偽の記載をした場合 戒告 1 年以内の税理士業務停止 税理士業務の禁止のいずれかの処分を受けることを特に明記しています この懲戒規程によって法第 33 条の 2 に規定する書面の信憑性が担保されているということができます しかし そもそも税理士には 法第 1 条に規定された納税義務の適正な実現を図るという使命があり 脱税相談等の禁止や故意による真正の事実に反した税理士業務の禁止等遵守すべき規程があるので 法第 46 条もこの延長線上にあるといえます ( 近畿税理士会資料より ) 3

1. 相続税の書面添付制度を利用することで税務調査率は本当に軽減されるか? 税理士法人チェスター実績 年度 前年申告件数 意見聴取実施数 税務調査移行数 否認数 2014 年 228 件 19 件 11 件 3 件 2015 年 264 件 13 件 3 件 2 件 2016 年 472 件 16 件 7 件 6 件 4

1. 相続税の書面添付制度を利用することで税務調査率は本当に軽減されるか? 税理士法人チェスター実績 年度 意見聴取率税務調査率 2014 年 8.3% 4.8% 2015 年 4.9% 1.1% 2016 年 3.3% 1.4% 5

1. 相続税の書面添付制度を利用することで税務調査率は本当に軽減されるか? 調査官との雑談 ( 雑談と見せかけた内偵活動 ) とある税務調査立ち合い時のシーン 荒巻 実際 相続税で書面添付すると調査率って軽減されるんですかね? 調査官 A 正直 軽減されると思いますよ 結局 私たちも数ある申告書の中から調査先を選定する必要がありますんで 書面添付されていると慣れている先生なのかなって思っちゃいますし あとはぶっちゃけ意見聴取って面倒くさいじゃないですか 6

2. 書面にどのようなことを記載すればいいのか? 記載内容が良好ではない添付書面とは 2. 添付書面全体に共通する良好ではない添付書面の記載 1 空欄が多いもの 2 特になし や 特段なし などの記載が多いもの 3 毎期ほとんど定型的な文章が記載されているもの 4 どの関与先についても記載内容がほぼ同一のようなもの 5 その関与先固有の内容が記載されていないもの 6 業種 業態 経営状況の中味を評価 分析していないもの 7 決算の修正事項に関し全く記載がないもの 8 記載している項目について明らかに不備があるもの 9 記載内容が具体的でないもの 参考リンク http://www.nichizeiren.or.jp/suggestion/siryo-4/15.pdf( 日税連 ) 7

2. 書面にどのようなことを記載すればいいのか? 記載内容のコツは 量より質 調査官の立場になって考えてみましょう 金融資産の生前贈与 名義預金がメイン 8

2. 書面にどのようなことを記載すればいいのか? 妻 名義の 銀行 支店の定期預金 (8,000 万円 ) は 妻の親からの相続財産を原資として 作成されたものであり 確認したところ 当時の相続税申告書から定期預金相当額の原資の相続を確認することができた このため妻固有財産であることが確認されたため 今回の相続財産としては計上していない 9

3. 書面添付制度を利用することで納税者にも大きなメリットがある 1. いきなり税務調査とならない安心感 2. 加算税がかからないことで実質的にもメリット 国税庁事務運営指針 ( 問 4) 事前通知前の意見聴取の際に非違事項が指摘されることはあるのですか また その指摘を受けて修正申告書を提出した場合には 加算税が賦課されることになるのですか ( 答 ) 意見聴取における質疑等は 調査を行うかどうかを判断する前に行うものであり 特定の納税義務者の課税標準等又は税額等を認定する目的で行う行為に至らないものであることから 意見聴取における質疑等のみに基因して修正申告書が提出されたとしても 当該修正申告書の提出は更正があるべきことを予知してされたものには当たらないので 加算税が賦課されることはありません 解説 従前の国税庁事務運営指針 ( 平成 21 年 7 月廃止 ) においては 個別 具体的な非違事項の指摘に至った場合には 加算税の問題が生じ得ることに留意する とされていましたが 平成 25 年 1 月の改正国税通則法の施行に伴い 意見聴取における質疑等のみに基因して修正申告書が提出されたとしても 国税通則法第 65 条第 5 項でいう 調査があったことにより という要件を満たさないことから 当該修正申告書の提出は更正があるべきことを予知してされたものには当たらないと整理されました これにより 事前通知前の意見聴取と調査の境界線が整理され 意見聴取という行為の位置づけがより一層明確化されました 平成 28 年度税制改正で国税通則法が改正され 過少申告加算税 無申告加算税の取り扱いが下記の通りとなりました ( 改正前 ) 事前通知後 税務調査前に自主的に修正申告をした場合には 更正があるべきことを予知していた場合 には該当せずに 加算税は課されない ( 改正後 ) 事前通知後 税務調査前に自主的に修正申告した場合には 過少申告加算税 5% 又は10% 無申告加算税 10% 又は15% を課す 10

4. 実際に意見聴取でどんなことを聞かれるのか? 対応の方法 原則 : 意見聴取では個別具体的事項の指摘はない 国税庁事務運営指針 意見聴取における質疑等は 調査を行うかどうかを判断する前に行うものであり 特定の納税義務者の課税標準等又は税額等を認定する目的で行う行為に至らないもの 荒巻印象 : 肩透かしの時と明らかに特定の論点に興味を持っているときがあります 違いは鮮明です 理由 : 1 意見聴取の実績稼ぎのために意見聴取をすることがある ( やめてほしい ) 2 すでに事前調査を進めていて 特定の論点に疑義がある ( 有意義 ) 聞かれること : 事実認定をされることはなく どんな作業をしたか? を細かく聞かれる 例えば 預貯金の通帳確認においてどのような調査を行ったか? 等 11

本日は 以上となります 12