物価指数研究会(第2回) 2015年基準 モデル式の検討「授業料」・「保育料」

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資料 1 子ども 子育て支援新制度における利用者負担について 1 設定が必要な利用者負担額 1 号認定 認定区分対象該当施設 事業 3 歳以上保育が必要ない 2 号認定 ( 標準時間 ) 3 歳以上 2 号認定 ( 短時間 ) 保育が必要 3 号認定 ( 標準時間 ) 0~2 歳 3 号認定 ( 短

平成29年度「幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」報告書

2.調査結果の概要

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2. 子ども人口の推計について 人口推計は 今後の教育 保育の量の見込みを算出する上で非常に重要であるため 改めて平成 30 年度及び平成 31 年度の人口推計値を算出しました 当初計画値と実績値を比較すると 人口は計画値ほど減少しないことから平成 30 年度以降も人口減少は緩やかなものとして見直し

幼児期の教育 保育の需給計画 ( 平成 28 年度実績 ) の点検 評価結果について 資料 2 1 需給計画の策定 かながわ子どもみらいプラン においては 待機児童の解消を図り 子育て家庭のニーズにあった就学前児童の教育 保育の提供体制の充実を計画的に進めるため 各年度 ( 平成 27 年度 ~ 平

2.調査結果の概要

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1 国の動向 平成 17 年 1 月に中央教育審議会答申 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について が出されました この答申では 幼稚園 保育所 ( 園 ) の別なく 子どもの健やかな成長のための今後の幼児教育の在り方についての考え方がまとめられています この答申を踏まえ

改正要点マニュアル

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3 保育の必要性の認定の対象とはならない場合 ( 例 : 専業主婦家庭等 ) どのような施設の利用が無償化の対象になりますか 3 歳から5 歳までの子供について 幼稚園 認定こども園 (4 時間相当分 ) は無償化の対象となります なお この場合 預かり保育は無償化の対象となりません このほか 就学

甲府市私立幼稚園就園奨励費補助金交付規則について

( 趣旨 ) 第 1 条この規則は, 私立幼稚園 ( 学校教育法 ( 昭和 22 年法律第 26 号 ) に基づいて設置された幼稚園で私立の幼稚園をいう 以下同じ ) の設置者が保護者から徴収する保育料及び入園料 ( 以下 保育料等 という ) を減額又は免除 ( 以下 減免 という ) する場合に

教育 保育の量の見込み及びその提供体制 1 号認定及び 2 号認定 (3~5 歳児 ) について 利用児童数は 1 号及び 2 号認定の利用児童数と私学助成を受ける私立幼稚園の園児数より算出 1 号認定の利用児童数は 施設型給付費等の基礎資料に関する調査 による ( 時点は各年 4 月 1 日 )

加須市職員の懲戒の手続及び効果に関する条例の一部を改正する条例をここに公布する

流山市子ども・子育て会議

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幼児教育 保育の無償化の実施について 1 子ども 子育て支援新制度の趣旨に沿った無償化の実施を! 子ども 子育て支援新制度 では 一人ひとりの子どもが健やかに成長することができる社会 子どもの最善の利益が実現される社会を目指しています まずこの目指すべき姿に沿った幼児教育 保育の無償化を図るべきです

幼児教育の効果に関する代表的な研究成果 ~ ペリー就学前計画 ~ ペリー就学前計画は 1960 年代のアメリカ ミシガン州において 質の高い幼児教育プログラムに参加したグループ と 参加しなかったグループ を対象に その後長期にわたり追跡調査を実施しているもの 質の高い幼児教育プログラムへの参加は

 


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子育て支援事業要件事業例就学前の子どもに関する教育 保育等の総合的な提供の推進に関する法律施行規則(内閣府 文部科学省 厚生労働省令)第2条第1号に掲げる事業第2号に掲げる事業第3号に掲げる事業第4号に掲げる事業第5号に掲げる事業取扱基準別表 ( 第 7 条関係 ) 地域の子ども及びその保護者が相互

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多様な関係機関を巻き込んだ 包括的な質向上システムの構築が必要 長野県幼児教育振興基本方針 ( 仮称 ) の策定 幼児教育の質向上推進の中心的機能を担うセンターの立ち上げを視野に入れる センターの機能 ( 想定 ) 〇幼児教育関係課 団体 大学等をつなぐ 既存の枠組みを超え 幼児教育に関わる教育 行

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発育状態調査 身長 身長 ( 平均値 ) を前年度と比較すると 男子は 5~8,10,11,16 歳で 女子は 7~12,15,17 歳で前年度を上回っている (13 年齢区分中 男子は増加 7 減少 4 女子は増加 8 減少 3) 全国平均と比較すると 男子は全ての年齢で 女子は 9~11 歳を除

栃木市幼稚園等第三子以降就園する園 第三子以降就園する園 第 3 項に規定 私立幼稚園 私立幼保 第三子以降支援児の保育料軽減による 児の保育料に要する経 する就園する 連携型認定こども園又 保護者負担の緩和 費 園児と生計を は私立幼稚園型認定こ 一にする者の ども園の設置者 市町村民税の 課税状

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ポイント 〇等価尺度法を用いた日本の子育て費用の計測〇 1993 年 年までの期間から 2003 年 年までの期間にかけて,2 歳以下の子育て費用が大幅に上昇していることを発見〇就学前の子供を持つ世帯に対する手当てを優先的に拡充するべきであるという政策的含意 研究背景 日本に

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(4) 教員数 [ 表 3] 教員数 は 1,295 人で 前より 43 人減少しました そのうち 女性教員の占める比率は 95.9% となっています (5) 小学校第 1 学年児童数に対する幼稚園修了者数の比率 [ 表 4] 当該の奈良県内の小学校第 1 学年の児童数に対する その年の 3 月の県

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居宅介護支援費Ⅰの算定上限(40件)の範囲

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各委員提出資料

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前橋育英高等学校 生徒募集要項 2017

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事例検証 事例 1 37 歳の会社員の夫が死亡し 専業主婦の妻と子ども (2 歳 ) が遺される場合ガイドブック P10 計算例 1 P3 事例 2 42 歳の会社員の夫が死亡し 専業主婦の妻と子ども (7 歳 4 歳 ) が遺される場合 P4 事例 3 事例 3A 事例 3B 53 歳の会社員の夫


資料 7 1 人口動態と子どもの世帯 流山市人口統計資料 (1) 総人口と年少人口の推移流山市の人口は 平成 24 年 4 月 1 日現在 166,924 人で平成 19 年から増加傾向で推移しています 人口増加に伴い 年尐人口 (15 歳未満 ) 及び年尐人口割合も上昇傾向となっています ( 人

ほか 両親を亡くした子供を祖父母やおじ おばが保護者として監護しており 成年に達した場 合も該当します < 子どもの数え方 > 第 3 階層区分まで ( 兄 姉の年齢制限なし ) 補助対象となる園児の世帯内の兄 姉がいる場合 兄 姉を第 1 子とし 園児は第 2 子と数えます また 兄 姉が 2 人

(2) 設備について 認可基準 ( 下線 : 必須 ) 幼保連携型 建物及び附属施設の設置場所 同一敷地内又は隣接する敷地内 ( 公道を挟む程度 ) 既存幼稚園 保育所からの移行の場合の特例 1~3 をすべて満たせば 同一敷地内にない場合も設置可 1 教育 保育の適切な提供が可能 2 子どもの移動時

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3. 量の見込み 算出の手順 (1) 量の見込みの算出方法量の見込みの算出にあたっては 利用希望把握調査の結果を基礎データとして用います 算出方法は 国が平成 26 年 1 月に提示した 市町村子ども 子育て支援事業計画における 量の見込み の算出等のための手引き を基本としつつ 子育て安心プラン

第50回人口・社会統計部会結果概要

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幼稚園年額 75,600 5,650 2 前項に規定する市内生とは市内に住所を有する者をいい 市外生とは市内生以外の者をいう ( 以下同じ ) 3 次に掲げる者の授業料の額は 第 1 項の規定にかかわらず その者が当該学年において現に在学又は在園した月数に応じて 同項に規定する授業料の年額を月割計算

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第 3 章 保護者との関わり 子育て支援 に来園する親子の平均組数は 国公立で 14.1 組 私立で 19.2 組だった ( 図 表 3-3-1) では どのようなことを親子は体験しているのだろうか 実施内容について複数回答で聞いたところ 私立幼稚園と国公立幼稚園で違いがみられた (

目 次 1 実施方針策定の趣旨 P. 1 2 振興計画に基づく取組みと求められる対応 P. 1 (1)Ⅰ 期期間中の取組み (2) 新制度のもと求められる対応 3 当面の実施方針 P. 2 (1) 基本となる考え方 (2) 当面の実施方針 4 新制度のもとでの市立幼稚園 P. 3 (1) 市立幼稚園

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1. 平成 7 年度保育料の概要 1 保育所保育料について 国の保育所保育料の徴収基準額に対して 平成 7 年度は % 程度の水準とし 県内で中位の水準とすることを目標とする 目標を設定している多くの市町が 70% としており 高い市では 7% としている 階層の区分の仕方が 30 年前の国の徴収基

1 幼稚園教育の意義と成果幼稚園教育は 生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児期における重要な教育であり 小学校以後の発達に少なからぬ影響を及ぼすものである 特にも よりよい教育環境の中で 教師との信頼関係に基づき 幼児期の特性を踏まえて展開される活動や指導が その後の学力や意欲 勤勉性や協調性などに

第17回税制調査会 資料1-3

広域利用の実態が異なる場合の考え方 保育整備計画との関係項目内容 6) 広域利用の実態が異なる場地域型保育事業の認可の際に行われる需給調整の判合の考え方断基準となること等から 学校就学前子どもの区分 ( 認定区分 ) ごと 地域子ども 子育て支援事業の事業ごとに教育 保育施設等及び地域子ども 子育て

Transcription:

書類番号 2 平成 26 年 11 月 14 日 物価統計室 2015 年基準モデル式の検討 授業料 保育料 1. 背景教育 保育関係費用については 政府 自治体が補助金等により世帯負担額を軽減 免除することがある この場合 C では 補助金等により支払われた部分を除いた実際の世帯負担額の変動を指数に反映するのが原則である (1) 授業料近年 公立高校授業料については 2010 年 4 月に無償化 2014 年 4 月には無償化の対象を年収 910 万円未満の世帯に限定する制度改正が実施され 価格が大幅に下落 上昇した このため 中学 高校授業料 の上位類指数へのより適切な反映を図る観点から ウエイトの精度を向上させる必要が生じている (2) 保育料幼児に係る教育 保育関係費用については 2015 年 4 月実施予定の制度改正により教育 保育の総合的推進が図られるほか 幼児教育 保育費用の一部を無償化する検討が行われている また 家計調査収支項目分類と一部不整合が生じていることから 品目区分見直しの必要が生じている 1

2. 考察及び見直し方針 (1) 中学 高校授業料の価格指数の変動 総合指数への影響及び見直し方針 例として ある品目で以下のような価格推移があった場合を考える 年 ~13 年 14 年 ~15 年 16 年 ~ 価格 ( 円 ) 1 ここで 価格が下落した後に基準改定でウエイトが縮小し その後価格が再上昇するものと する このとき 基準改定後のウエイトの大きさによる総合指数に対する寄与度の違いをみる 1 1 回目の価格変動後に基準改定でウエイトが 1になった場合 ( 価格が 1/ となったのに連動して ウエイトも 1/ となると仮定 ) 基準年 :10 年 年 ~12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 ( ウエイト ) 品目指数 1 1 00 基準年 :15 年 前年比 - 0.0 99.0 0.0 9900.0 ( ウエイト 1) 寄与度 - 0.00 0.99 0.00 0.99 2 1 回目の価格変動後に基準改定でウエイトが 2 になった場合 基準年 :10 年 年 ~12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 ( ウエイト ) 品目指数 1 1 00 基準年 :15 年 前年比 - 0.0 99.0 0.0 9900.0 ( ウエイト 2) 寄与度 - 0.00 0.99 0.00 1.98 1の例では 価格下落時のウエイトは とし 価格再上昇時のウエイトは 1 としている 2では 価格再上昇時のウエイトを 2 としている 価格再上昇時の寄与度は1では 0.99 2では 1.98 となる ウエイトがわずか 1 異なるだけで 寄与度が 0.99 も変動することになる このように 価格が大幅に下落した後 基準改定等によるウエイト変動を経て価格が再上昇する場合 基準改定後のウエイトのわずかな違いが価格再上昇時の寄与度に大きく影響する このため 基準改定後のウエイト算出において非常に高い結果精度が必要となる なお C における授業料のウエイトは他の品目と同様 家計調査における消費支出に基づいているが 同調査における収支項目は 授業料等 として把握されており 授業料 入学金のほか修学旅行費等の関連費用も含まれている これを C では授業料 入学金について C の品目 授業料 に配分した後に 残りを類内に比例配分している そこで 中学 高校授業料 の上位類指数へのより適切な反映を図り 更なるウエイトの精度向上に資するため 1ウエイトに 全数調査であり正確性の高い学校基本調査の生徒数を利用することで ウエイ 2

トの精度向上を図る 2これにより家計調査と品目レベル ( 私立中 公立高 私立高授業料 ) でウエイトの対応関係が取れなくなるため 対応関係が維持可能なレベルまで前述 3 品目を統合し1 品目とする ただし 統合後も前述 3 品目の価格指数は表章する ( ウエイトは表章しない ) (2) 幼児に係る教育 保育関係費用の品目区分の整理現在 保育所の保育料額は公立 私立を問わず市町村が設定しているのに対し 幼稚園の保育料額は設置者 ( 私立は学校法人 公立は市町村 ) がそれぞれ設定している 一方 2015 年 4 月からは 子ども 子育て関連 3 法の施行により 市町村は幼児に対する教育 保育の両方のサービス給付主体と位置付けられ 私立幼稚園の保育料額も市町村が設定することになる ( 現行制度の適用を希望する私立幼稚園を除く ) また 教育 保育の両方の機能を併せ持つ 認定こども園 についても制度改善が図られる これらにより 幼児期の学校教育 保育の総合的推進が図られる さらに この制度改正を前提に 教育再生実行会議が 3~5 歳児の幼児教育について 財源を確保しつつ 無償化を段階的に推進し 希望する全ての子供に幼児教育の機会を保障する体制を整える よう提言 (2014 年 7 月 3 日 ) している また 家計調査収支項目分類では ( 教育 ) に3 歳以上の幼稚園保育料と保育所保育料の両方を含め 保育費用 ( その他の消費支出 ) に3 歳未満の保育所保育料等を含めている 家計調査で3 歳以上の保育所保育料を 教育 に分類しているのは 保育所においても3 歳以上の子どもに対して 幼稚園教育要領との整合を図った保育所保育指針に基づき教育を行うという運用がなされていることや 認定こども園への支出を家計簿記入に基づいて教育と保育に分割するのが困難であることが理由である これに対し 現行基準の C では 保育所保育料 ( 諸雑費 ) のウエイトに3 歳以上の保育所保育料相当分も含めた上で ( ウエイトを分割統合 ) 2 歳児 の価格で指数を作成しており 家計調査の収支項目分類とは不整合となっている また 3~5 歳児の無償化が行われる場合 高校授業料無償化と同様に ウエイト推計の精度を担保する必要がある そこで 1C の品目区分を見直し家計調査との整合性を向上させることで 推計精度を低下させる原因になるウエイト分割統合を避ける 2 内部ウエイトに 全数調査であり正確性の高い学校基本調査及び社会福祉施設等調査の児童数を利用する 3

3. 対応案 2015 年基準では以下のとおり対応する 授業料 1 中学校 高校 3 品目を1 品目に統合 統合後のウエイトは 家計調査の 私立中学校 + 国公立高校 + 私立高校 の授業料 等への支出金額の合算を使用 内部ウエイトは 学校基本調査( 文部科学省 ) の生徒数を使用 生徒数の変化を反映する ため 毎年内部ウエイトを更新し 連鎖算式で合成 現行 2015 年基準 対応案 C 家計調査 C 家計調査 私立中学校授業料 私立中学校 中学 高校授業料 私立中学校 公立高校授業料 国公立高校 ( 私立中学校授業料 ) ( 公立高校授業料 ) 国公立高校 私立高校授業料 私立高校 ( 私立高校授業料 ) 私立高校 ( ) 内の品目は価格指数のみ表章し ウエイトは表章しない 保育料 2 幼稚園 幼稚園 2 品目と保育所の一部を1 品目に統合 統合後のウエイトは 家計調査の を使用 内部ウエイトは 学校基本調査の在園者数を使用 児童数の変化を反映するため 毎年内部ウエイトを更新し 連鎖算式で合成 所得区分別価格を調査し 所得区分別世帯割合を内部ウエイトとして合成 3 保育所 3 歳以上 と 3 歳未満 に分割する 3 歳以上 は に統合 3 歳未満 のウエイトは 家計調査の 保育費用 を使用 における 保育所保育料(3 歳以上 ) の内部ウエイトは 社会福祉施設等調査 ( 厚生労働省 ) の利用児童数を使用 児童数の変化を反映するため 毎年内部ウエイトを更新し 連鎖算式で合成 3 歳以上 については 所得区分別価格を調査し 所得区分別世帯割合を内部ウエイトとして合成現行 2015 年基準 対応案 C 家計調査 C 家計調査 公立幼稚園保育料 私立幼稚園保育料 保育所保育料 ( 公立幼稚園保育料 ) ( 私立幼稚園保育料 ) ( 保育所保育料 (3 歳以上 )) 保育費用保育費用保育費用 ( ) 内の品目は価格指数のみ表章し ウエイトは表章しない 4

中学 高校授業料 品目銘柄詳細単位 中学 高校授業料授業料 入学金学校指定 1 か年 ( 入学金は 1 回 ) 価格選定 ( 銘柄 ) (1) 上記銘柄の価格を選定する (2) 銘柄ごとに授業料と入学金を選定する (3) 入学金は, 各学年の生徒が入学した当時の金額を用いる 価格選定 ( 詳細 ) (4) 学校の種別により 私立中学校授業料, 公立高校授業料及び私立高校授業料の3 区分に分類する 私立中学校授業料 私立中学校公立高校授業料 公立高等学校, 全日制, 普通課程私立高校授業料 私立高等学校, 全日制, 普通課程 (5) 調査市町村別に学校を所定数指定する (6) 公立高校授業料及び私立高校授業料においては, 就学支援金を控除した価格とし, 複数の所得区分を選定する 指数算出方法 Ⅰ 調査市町村別, 区分別平均価格の算出 1 学校 () 別に学年数 (A) で単純平均し, 授業料及び入学金を算出する なお, 公立高校授業料及び私立高校授業料においては, 所得区分別世帯割合 (s) を用いて加重平均する 授 Y M a s Y : 当年,M: 当月,,,,, 0: 基準時授 a, < 授業料 > Y, M,, : 区分 A s : 学校 a : 学年入 : 所得区分 Y, M,,, a s : 所得区分別世帯割合 ( 区分別に全国一律 ) : 学校別在籍人員 ( 平成 27 年 4 月現在 ) 入 a A < 入学金 > Y, M,, A : 学年数 Q : 区分別生徒数 ( 都道府県内一律 ) 2 授業料と入学金を合算し, 学校別の平均価格を算出する 授入 Y, M,, Y, M,, + Y, M,, A 3 学校別在籍人員 () を用いて加重平均し, 調査市町村別, 区分別の平均価格を算出する Y, M, Y, M,, 0,, 0,, Ⅱ 4 基準時価格で除して, 調査市町村別の区分別価格指数を算出する Y, M, Y, M, 0, Ⅲ 5 区分別平均価格を区分別生徒数 (Q) を用いて加重平均し, 前年 12 月を とする調査市町村別の品目別連環指数を算出する Y, M, Y 1, Y, M Y 1,12月, QY 1, Q 5

6 前年 12 月の指数に当年当月の連環指数を乗じて, 調査市町村別の品目別価格指数を算出する Y, M Y, M Y 1,12月 価格指数の適用 調査市町村別 品目銘柄詳細単位 保育料 入園料幼稚園 ( 保育所 ) 指定 1 か年 ( 入園料は 1 回 ) 価格選定 ( 銘柄 ) (1) 上記銘柄の価格を選定する (2) 銘柄ごとに保育料と入園料 ( 幼稚園のみ ) を選定する (3) 入園料は, 各保育年の園児が入園した当時の金額を用いる 価格選定 ( 詳細 ) (4) 施設の種別により 公立幼稚園保育料, 私立幼稚園保育料及び保育所保育料 (3 歳以上 ) の3 区分に分類する 公立幼稚園保育料 公立幼稚園 ( 認定こども園 ( 幼保連携型又は幼稚園型 ) を含む ),2 年保育私立幼稚園保育料 私立幼稚園 ( 認定こども園 ( 幼保連携型又は幼稚園型 ) を含む ),3 年保育保育所保育料 (3 歳以上 ) 公立保育所,3 歳児,4 歳児及び5 歳児,1 人が入所 (5) 調査市町村別に幼稚園 ( 保育所 ) を所定数指定する (6) 複数の所得区分を選定する なお, 私立幼稚園のうち就園奨励費の支給対象園については, 就園奨励費を控除した価格とする 指数算出方法 Ⅰ 調査市町村別, 区分別平均価格の算出 ( 幼稚園 ) 1 幼稚園 (), 所得区分 () 別に保育年数 (A) で単純平均し, 保育料及び入園料を算出する さらに, 所得区分別世帯割合 (s) を用いて加重平均する Y : 当年,M: 当月保 Y M a s 0: 基準時,,,,, : 区分保 a, < 保育料 > Y, M,, : 幼稚園 ( 保育所 ) A s a : 保育年 : 所得区分入 s : 所得区分別世帯割合 ( 区分別に全国一律 ) Y, M,,, a : 幼稚園別在籍人員 ( 平成 27 年 4 月現在 ) A : 保育年数入 a A < 入園料 > Q : 区分別児童数 ( 都道府県内一律 ) Y, M,, 2 保育料と入園料を合算し, 幼稚園別の平均価格を算出する A 保入 Y, M,, Y, M,, + Y, M,, 3 幼稚園別在籍人員 () を用いて加重平均し, 調査市町村別, 区分別の平均価格を算出する Y, M, Y, M,, 0,, 0,, 6

Ⅱ 調査市町村別, 区分別平均価格の算出 ( 保育所 ) 4 所得区分 () 別に保育年数 (A) で単純平均し, 保育料を算出する さらに, 所得区分別世帯割合 (s) を用いて加重平均し, 調査市町村別, 区分別の平均価格を算出する a, Y, M, Y, M,,, a, A s s Ⅲ 5 基準時価格で除して, 調査市町村別の区分別価格指数を算出する Y, M, Y, M, 0, Ⅳ 6 区分別平均価格を区分別児童数 (Q) を用いて加重平均し, 前年 12 月を とする調査市町村別の品目別連環指数を算出する Y, M, Y 1, Y, M Y 1,12月, QY 1, 7 前年 12 月の指数に当年当月の連環指数を乗じて, 調査市町村別の品目別価格指数を算出する Y, M Y, M Y 1,12月 価格指数の適用調査市町村別 Q 保育費用 品目銘柄詳細単位 保育費用保育料保育所指定 1 か年 価格選定 ( 銘柄 ) (1) 上記銘柄の価格を選定する 価格選定 ( 詳細 ) (2) 公立保育所,2 歳児,1 人が入所 (3) 調査市町村別に保育所を所定数指定する (4) 所定の所得区分を選定する 指数算出方法 Ⅰ 1 基準時価格で除して, 調査市町村別の品目別価格指数を算出する t t 0 価格指数の適用 調査市町村別 t : 比較時,0: 基準時 7