資料4-4 抗HBs人免疫グロブリン

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未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類

要望番号 ;Ⅱ-286 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 33 位 ( 全 33 要望

要望番号 ;Ⅱ-183 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者学会 ( 該当する ( 学会名 ; 日本感染症学会 ) ものにチェックする ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 1 位 ( 全 8 要望中 ) 要望する医薬品

要望番号 ;Ⅱ 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1) 1. 要望内容に関連する事項 要望 者 ( 該当するものにチェックする ) 優先順位 学会 ( 学会名 ; 日本ペインクリニック学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 2 位 ( 全 4 要望中 )

生後 1 カ月 HB ワクチン 0.25ml 皮下注射生後 6 カ月 HB ワクチン 0.25ml 皮下注射 2013 年 11 月 1 日 日本産科婦人科学会周産期委員会未承認薬検討小委員会担当委員日本周産期 新生児医学会副理事長 社保委員会副委員長久保隆彦

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会社名

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要望番号 ;Ⅱ-24 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 8 位 ( 全 33 要望中

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ロタウイルスワクチンは初回接種を1 価で始めた場合は 1 価の2 回接種 5 価で始めた場合は 5 価の3 回接種 となります 母子感染予防の場合のスケジュール案を示す 母子感染予防以外の目的で受ける場合は 4 週間の間隔をあけて2 回接種し 1 回目 の接種から20~24 週あけて3 回目を接種生

1. 今回の変更に関する整理 効能 効果及び用法 用量 ( 添付文書より転載 ) 従来製剤 ( バイアル製剤 ) と製法変更製剤 ( シリンジ製剤 ) で変更はない 効能 効果 用法 容量 B 型肝炎の予防通常 0.5mL ずつ4 週間隔で2 回 更に 20~24 週を経過した後に1 回 0.5mL

(別添様式)

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<4D F736F F D2082A8926D82E782B995B68F E834E838D838A E3132>

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<4 種ウイルス疾患 ( 麻疹 風疹 水痘 流行性耳下腺炎 ) フローチャート> 医療機関の記録または母子手帳でワクチンを接種したことが A B C 2 回確認できる 1 回確認できる全く確認できない D E 前回接種より少なくとも 1 ヶ月以上あけて さらに 1 回ワクチン接種を受ける 抗体検査を

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の状態により適宜減量する 成人 A 法 : 他の抗悪性腫瘍剤との併用において ブスルファンとして 1 回 0.8 mg/kg を生理食塩液又は 5% ブドウ糖液に混和 調製して 2 時間かけて点滴静注する 本剤は 6 時間毎に 1 日 4 回 4 日間投与する なお 年齢 患者の状態により適宜減量す

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1. ウイルス性肝炎とは ウイルス性肝炎とは 肝炎ウイルスに感染して 肝臓の細胞が壊れていく病気です ウイルスの中で特に肝臓に感染して肝臓の病気を起こすウイルスを肝炎ウイルスとよび 主な肝炎ウイルスには A 型 B 型 C 型 D 型 E 型の 5 種類があります これらのウイルスに感染すると肝細胞

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第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

2016 年 12 月 7 日放送 HTLV-1 母子感染予防に関する最近の話題 富山大学産科婦人科教授齋藤滋はじめにヒト T リンパ向性ウイルスⅠ 型 (Human T-lymphotropic virus type 1) いわゆる HTLV-1 は T リンパ球に感染するレトロウイルスで 感染者

2008年10月2日

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D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

C 型慢性肝炎に対するテラプレビルを含む 3 剤併用療法 の有効性 安全性等について 肝炎治療戦略会議報告書平成 23 年 11 月 28 日

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料 情報の提供に関する記録 を作成する方法 ( 作成する時期 記録の媒体 作成する研究者等の氏名 別に作成する書類による代用の有無等 ) 及び保管する方法 ( 場所 第 12 の1⑴の解説 5に規定する提供元の機関における義務 8 個人情報等の取扱い ( 匿名化する場合にはその方法等を含む ) 9

DRAFT#9 2011

< HTLV 1 ウイルスについて > HTLV 1 ウイルスはヒト T 細胞白血病ウイルス 1 型と呼 ばれ 成人 T 細胞白血病などの原因であることが分かっています 日本は先進国の中でHTLV 1 抗体の陽性者が最も多く 100 万人を越えています 西日本に多くみられましたが 人口の移動とともに

試験デザイン :n=152 試験開始前に第 VIII 因子製剤による出血時止血療法を受けていた患者群を 以下のい ずれかの群に 2:2:1 でランダム化 A 群 (n=36) (n=35) C 群 (n=18) ヘムライブラ 3 mg/kg を週 1 回 4 週間定期投与し その後 1.5 mg/k

医師が問診 検温および診察の結果から 接種できるかどうか判断します 次の人は このワクチンの接種を受けることはできません 明らかに発熱 ( 通常 37.5 以上 ) している人 重篤な急性疾患にかかっている人 過去にこのワクチンに含まれている成分でアナフィラキシーをおこしたことがある人 上記以外に医

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モビコール 配合内用剤に係る 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 モビコール 配合内用剤 有効成分 マクロゴール4000 塩化ナトリウム 炭酸水素ナトリウム 塩化カリウム 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 10 月 1.1. 安全

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医療上の必要性の高い未承認薬 適応外薬検討会議公知申請への該当性に係る報告書 抗 HBs 人免疫グロブリン 乾燥抗 HBs 人免疫グロブリン 新生児の B 型肝炎予防 ( 原則として 沈降 B 型肝炎ワクチンとの併用 ) 1. 要望内容の概略について 要望され た医薬品 一般名 :12 乾燥抗 HBs 人免疫グロブリン 34 抗 HBs 人免疫グロブリン 販売名 :1 ヘブスブリン筋注用 200 単位 ヘブスブリン筋注用 1000 単位 2 乾燥 HBグロブリン筋注用 200 単位 ニチヤク 乾燥 HB グロブリン筋注用 1000 単位 ニチヤク 3 抗 HBs 人免疫グロブリン筋注 200 単位 /1mL 日赤 抗 HBs 人免疫グロブリン筋注 1000 単位 /5mL 日赤 4ヘパトセーラ筋注 200 単位 /ml(1ml) ヘパトセーラ筋注 200 単位 /ml(5ml) 会社名 :13 一般社団法人日本血液製剤機構 2 日本製薬株式会社 4 一般財団法人化学及血清療法研究所 要望者名 日本産科婦人科学会 要望内容効能 効果新生児の B 型肝炎予防 ( 原則として 沈降 B 型肝炎ワクチンと の併用 )( 既承認効能 効果 ) 用法 用量 初回注射量は 0.5~1.0mL を筋肉内に注射する 初回注射の時 期は生後 5 日以内とする なお 生後 12 時間以内が望ましい また 追加注射には 体重 1 kg 当たり 0.16~0.24mL を投与す る 効能 効果及び なし 用法 用量以外 の要望内容 ( 剤 形追加等 ) 備考 要望者間の調整により Ⅱ-290.1( 日本小児栄養消化器肝臓学会 ) 及び Ⅱ-290.2 ( 公益社団法人日本産科婦人科学会 ) の要望内容が統一されたことにともな い 本要望内容が修正された 2. 要望内容における医療上の必要性について (1) 適応疾病の重篤性についての該当性医療上の必要性の高い未承認薬 適応外薬検討会議 ( 以下 検討会議 ) は 母子感染による B 型肝炎ウイルス感染は容易にキャリア化し 肝炎から肝硬変 肝細胞癌といった致死的な疾患に至る場合があるため 適応疾病の重篤性は ア生命に重大な影響がある疾患 ( 致 1

死的な疾患 ) に該当すると判断した (2) 医療上の有用性についての該当性既承認用法 用量の範囲内ではあるが 米国等のガイドラインで推奨されているプロトコルであり 国内の医療実態に沿った用法用量であるため 接種漏れが少なくなることが期待できる したがって B 型肝炎の母子感染予防における当該記載内容変更の医療上の有用性は認められ ウ欧米等において標準的療法に位置づけられており 国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性が期待できると考えられる に該当すると判断した 3. 欧米等 6カ国の承認状況等について (1) 欧米等 6カ国の承認状況及び開発状況の有無について下線部分 : 要望内容に関連する箇所 1) 米国 1) 効能 効果新生児の B 型肝炎予防用法 用量母親が HBs 抗原陽性の場合 分娩後 12 時間以内に新生児に抗 HBs 人免疫グロブリンを筋肉内に 0.5mL 投与する また 妊娠期間中に HBs 抗原検査を受けていない母親は 検査を受けるべきである 検査により HBs 抗原が陽性と分かれば直ちに ( 遅くとも 1 週間以内に ) 抗 HBs 人免疫グロブリンを新生児の筋肉内に 0.5mL 投与する しかしながら出生 48 時間後に抗 HBs 人免疫グロブリン投与を行った場合の効果は不明である なお B 型肝炎ワクチンと同時使用が可能であるが離れた場所に投与する 承認年月 ( または米国 2006 年 1 月 (HepaGam B) における開発の有無 ) 1999 年 3 月 (Nabi-HB) 備考販売名 :HepaGam B Nabi-HB 2) 英国 2) 効能 効果新生児の B 型肝炎予防用法 用量 B 型肝炎のキャリアの母親から生まれた新生児に対しては 分娩後可能な限り速やかに抗 HBs 人免疫グロブリン ( 以下 HBIG )30~100 単位 /kgを筋肉内に投与する HBIG 投与は B 型肝炎ワクチン接種により抗体陽性となるまで継続して投与することになるかもしれない なお HBIG と B 型肝炎ワクチンは同時に使用することが可能である 承認年月 ( または英国 1992 年 2 月 (Human Hepatitis B Immunoglobulin) における開発の有無 ) 2010 年 4 月 (Hepatect CP) 備考販売名 :Human Hepatitis B Immunoglobulin Hepatect CP 3) 独国 3) 2

効能 効果用法 用量承認年月 ( または独国における開発の有無 ) 備考 4) 仏国 4) 効能 効果用法 用量承認年月 ( または仏国における開発の有無 ) 備考 5) 加国 5) 効能 効果用法 用量承認年月 ( または加国における開発の有無 ) 備考 6) 豪州 6) 効能 効果用法 用量承認年月 ( または豪州における開発の有無 ) 備考 新生児の B 型肝炎予防出産直後に抗 HBs 免疫グロブリン 30~100 単位 /kg を投与する 2000 年 4 月 (Hepatect CP) 1992 年 9 月 (Hepatitis-B-Immunglobulin Behring) 販売名 :Hepatect CP Hepatitis-B-Immunglobulin Behring 新生児の B 型肝炎予防 B 型肝炎のキャリアの母親から生まれた新生児に対しては 分娩後可能な限り速やかに HBIG 30~100 単位 /kg を投与する B 型肝炎ワクチンによるワクチネーション後に セロコンバージョンになるまで HBIG を投与する 2012 年 6 月販売名 :IMMUNOGLOBULINE HUMAINE DE L HEPATITE B LFB 新生児の B 型肝炎予防母親が HBs 抗原陽性の場合 分娩後 12 時間以内に新生児に HepaGam Bを筋肉内に 0.5mL 投与する また 妊娠期間中に HBs 抗原検査を受けていない母親は 検査を受けるべきである 検査により HBs 抗原が陽性と分かれば直ちに ( 遅くとも 1 週間以内に )HepaGam Bを新生児の筋肉内に 0.5mL 投与する しかしながら出生 48 時間後に HepaGam B 投与を行った場合の効果は不明である なお B 型肝炎ワクチンと同時使用が可能であるが離れた場所に投与する 2007 年 8 月販売名 :HepaGam B 新生児の B 型肝炎予防 HBs 抗原陽性の母親から生まれた新生児に対し 100 単位の抗 HBs 人免疫グロブリン (HBIG) を筋肉内に投与する なお HBIG と B 型肝炎ワクチンは同時に使用することが可能である 2006 年 11 月販売名 :Hepatitis B Immunoglobulin-VF 3

4. 要望内容について企業側で実施した海外臨床試験成績について 企業により実施された海外臨床試験はない 5. 要望内容に係る国内外の公表文献 成書等について (1) 無作為化比較試験 薬物動態試験等の公表論文としての報告状況 代表的な公表論文の概略について 以下に示す < 国内における報告 > 1)HB ワクチン早期接種による B 型肝炎母子感染防止効果の研究. 厚生労働科学研究費補助 金 ( 肝炎等克服緊急対策研究事業 ) 分担研究報告書 ( 平成 24 年 3 月 ) 7) 全国 7 施設において HBs 抗原陽性母体より出生した児を対象に HBIG 1mL を生後 12 時間以内に 1 回接種し 遺伝子組換え HB ワクチン 0.25 ml(5μg) を生後 6 日以内 1 ヵ月時 3 ヵ月時の計 3 回接種した 平成 23 年 3 月に登録を終了し 79 例の症例が登録され 報告時点で 77 例がワクチン接種を完了し 53 例で観察期間の 36 ヵ月が経過した 接種後 1ヵ月である生後 4 ヵ月では抗体獲得率 ( 抗体価が 10mIU/mL 以上の症例の割合 ) は 100% であり 抗体価 100mIU/mL 以上の症例は 84.1% であった HBs 抗体価は多くの症例では生後 4 ヵ月に頂値を取り 以後の抗体価は低下に転じるが 生後 36 ヵ月時点において抗体価 10mIU/mL 以下になったのは 1 例であった さらに 従来接種方法との比較では 生後 4 12 24 36 ヵ月での平均 HBs 抗体価に有意な差は認められなかった また周産期以降の感染例はみられなかった 2)B 型肝炎母子感染全国実態調査アンケート (2). 厚生労働科学研究費補助金 ( 肝炎等克服 緊急対策研究事業 ) 分担研究報告書 ( 平成 24 年 3 月 ) 8) 2009 年 1 月 ~12 月に B 型肝炎母子感染予防処置を行った施設は 537 施設であり 計 2473 例の予防措置が実施されていた 2473 例の母子感染予防措置例のうち 36 例で持続感染が成立し 持続感染例の 43% で予防措置に問題があった その内容として HBIG 投与漏れ 投与遅滞は 小児科医でそれぞれ 7 例と 9 例 産科医でそれぞれ 5 例 2 例であり 産科医と小児科医の連携不足が挙げられる HBV 感染者は無症候性キャリアの割合が多い 母親以外の HBV キャリアから家族内や施設内で水平感染が報告されている 新生児への HBIG 投与はほとんどの予防措置が 48 時間以内に行われているが ( 約 99.5%) そのうち約 30% 強が生後 12 時間以内に投与されている 3) 国際方式による B 型肝炎母子感染予防効果の検討 1991 年から 2008 年にかけて出生した児 81 例に対し HBIG を 1 回のみ出生後 12 時間以内 9) 4

に接種し 以後 HB ワクチン ( ビームゲン ) を生後 5 日以内 1 ヵ月時 3 ヵ月時の計 3 回接種した その結果 当接種スケジュールにおいて母子感染予防不成功例は一例も無く また重篤な副反応は認められなかった さらに同時期に現行の方式で実施した 60 例の結果と比較し HBs 抗体価の protective levels と考えられる 100mIU/mL 以上の陽性率は各採血時期で有意差はなく 同等の感染予防効果が得られた 4)HBV 母子感染予防対策の比較検討 - 厚生省方式 千葉大方式 獨協医大方式 - 10) HBs 抗原陽性母体より出生した児 135 名に対し HBIG と HB ワクチンを出生後 24 時間以内に接種し その後 2 回目の HB ワクチン接種を 1ヵ月時に 3 回目の接種を 3 ヵ月時に行った その結果 HBs 抗体獲得率 キャリア化率 有害事象発生率において 同時期に現行の方式で実施した 372 例と比較し 有意差はなかった 5) 遺伝子組み換え HB ワクチン早期投与による HBV 母子感染防止の検討. 厚生省心身障害研究分担研究報告書 ( 平成 9 年度 ) 11) 1992 年 7 月から 1997 年 6 月までに HBs 抗原陽性の母親から出生した症例に対し 生後 24 時間以内に HBIG 1mL を大腿部に筋注し 生後 6 日から組換え HB ワクチン 0.25 ml の皮下注射を行い 生後 1 ヵ月に 2 回目投与 生後 3 ヵ月に 3 回目の投与を行った HBs 抗原陽性 /HBe 抗原陰性の母親から出生した 51 例では 充分な抗体が獲得され 少なくとも 1 歳まで従来法より高い抗体価が維持されていた HBs 抗原陽性 /HBe 抗原陽性の母親から出生した 8 例のうち 5 例は抗体価が充分上昇したが 2 例は 1 歳までに抗体価が 2 3 未満になり HBIG 2 回投与を必要とした (2)Peer-reviewed journal の総説 メタ アナリシス等の報告状況 なし (3) 教科書等への標準的治療としての記載状況 < 海外における教科書等 > VACCINE (Plotkin Orsenstein Offit) fifth edition, 2008 12) HBs 抗原陽性の母親から生まれた児に対して 生後 12 時間以内にワクチンと HBIG を投与する ワクチンは 1~2ヵ月後に 2 回目 6 ヵ月後に 3 回目を接種する < 日本における教科書等 > 予防接種の手びき第 13 版 13) B 型肝炎ウイルス母子感染の予防 (HBIG との併用 ) 通常 0.25mL を 1 回 生後 2~3 ヵ月に皮下に注射する 更に 0.25mL ずつを初回注射の 1 ヵ月後及び 3 ヵ月後の 2 回 同様の用法で注射する 5

(4) 学会又は組織等の診療ガイドラインへの記載状況 < 海外におけるガイドライン等 > 1)WHO position paper on hepatitis B 14) HBs 抗原陽性の母親から生まれた児に対し ワクチンを生後 24 時間以内に HBIG と同時に投与するべきである ワクチンの 2 回目は 1 回目の 1 か月後 3 回目は生後 6 か月に投与する 2) 米国ガイドライン 15) 母親が HBs 抗原陽性の場合 : 生後 12 時間以内にワクチンとグロブリンを接種部位を変えて投与する ワクチンの 2 回目は 1-2 ヵ月時 3 回目は 6 ヵ月時に投与する 母親の HBs 抗原状態が不明の場合 1 回目は生後 12 時間以内 回目は 1~2 ヵ月時 3 回目は 6 ヵ月時に投与する 3) 英国ガイドライン 16) ハイリスクの新生児に対しては出生後速やかに 200 単位の HBIG を筋肉内に投与する 投与は 48 時間より遅くなってはいけない ハイリスクとは母親の血清学的検査で以下の場合である HBs 抗原及び HBe 抗原陽性 HBs 抗原陽性で HBe 抗原 / 抗 HBe 陰性 HBs 抗原陽性で HBeマーカーが不明 妊娠中に急性 B 型肝炎になった HBs 抗原陽性で新生児の体重が 1500g 以下なお HBs 抗原陽性の母親から生まれた体重が 1500g 以上の新生児はローリスクと考えられ ワクチンを単独使用すべき ワクチン使用時期は 出生直後 出生 1 ヵ月後 2 ヵ月後 及び 12 ヵ月後 4)National Health Service のガイダンス ( 英国 ) 17) 5) 独国ガイドライン 18) HBsAg 陽性の母親から生まれた児には生後 12 時間以内にワクチンと HBIG を投与する 母親の抗原状態が不明な場合にも生後ワクチンを投与する 抗原の状態が判明し HBs 抗原陽性だった場合は生後 7 日以内に HBIG を投与する 1 ヵ月後に 2 回目 6ヵ月後に 3 回目のワクチンを投与する 6) 仏国ガイドライン 19) HBsAg 陽性の母親から生まれた新生児にワクチンと HBIG を投与する 1 ヵ月後に 2 回目 7 ヵ月後に 3 回目のワクチンを投与する 6

8) 加国ガイドライン 20) HBs 抗原陽性の母親から生まれた新生児に対して 12 時間以内にワクチンを投与する 2 回 目は 1 ヵ月後 3 回目は 6 ヵ月後に投与する HBIG0.5mL を生後すぐに筋肉内に投与する 9) 豪州ガイドライン 21) HBs 抗原陽性の母親から生まれた新生児に対し 24 時間以内にチメロサールフリーワクチンと HBIG を投与する HBIG の投与は生後 12 時間以内が望ましい ワクチンは HBIG と同時接種されるべきである 同時投与の場合は 接種部位を HBIG を投与した部位とは反対側の大腿前外側部に接種する 可能な限り 24 時間以内 最低でも 7 日以内に投与されるべきである 同時投与ができない場合には ワクチンは生後 7 日以内に投与されなければならない 多価または混合ワクチンを 2ヵ月 4ヵ月 6 ヵ月か 12 ヵ月の合計 4 回の B 型肝炎ワクチンが含まれているワクチンスケジュールにしたがって投与する < 日本におけるガイドライン等 > 10) 産婦人科診療ガイドライン- 産科編 2011 22) 出生直後 ( できるだけ早く 遅くとも 48 時間以内 ) 抗 HBs ヒト免疫グロブリン (HBIG) 1.0 ml を児に筋肉内注射を行う 生後 2ヵ月 HBIG1.0 ml を児に筋注 生後 2 ヵ月 B 型肝炎ワクチン (HB ワクチン )0.25 ml を児に皮下注射 HBIG と同時投与は可能 生後 3 ヵ月 HB ワクチン 0.25 ml を児に皮下注射 生後 5ヵ月 HB ワクチン 0.25 ml を児に皮下注射 11) B 型肝炎母子感染防止対策の手引き. 日本産婦人科医会母子保健部会 1 母子感染防止のための HBIG 投与は 出生直後と生後おおむね 2 か月 (8~9 週 ) の 2 回実施される 2HBIG 投与の時期ア初回の HBIG 投与初回の HBIG 投与は 生後できるだけ早く おそくとも 48 時間以内に行う ただし この期間内に行えなくとも HBIG の用法及び用量では 新生児の B 型肝炎予防のための初回注射時期は生後 5 日以内となっているので この間に行う イ第 2 回目の HBIG 投与第 2 回目の HBIG 投与は 母親が HBe 抗原陽性の場合には必ず行うが HBe 抗原陰性の場合には これを省略することができる 第 2 回目の HBIG 投与を行う場合は おおむね生後 2か月とされているが 1 回目のグロブリンの効果 ( 児の血中の抗体持続 ) のあるうちに 2 回目が追加投与されないと感染予防に成功しないおそれがあるので あまり遅れることは望ましくない したがって 生後 2 か月 (60 日 ) をめどに投与するようにあらかじめ予定しておく ただしこれより遅れることがあっても あきらめることなく予防措置を継続することが望 23) 7

ましい 3HBIG 投与の方法 HBIG 投与の方法としては 用量は第 1 回目は 0.5ml~1.0ml となっているが 体重等に問題がなければ通常 1.0ml が適当である この場合 0.5ml ずつ 2 回にわけて筋肉内注射することになっている 第 2 回目の HBIG 投与については 用量は体重 1kg 当たり 0.16ml~0.24ml となっているが 新生児同様体重等に問題がなければ通常少なくとも 1.0ml は投与したい 注射部位についての統一的見解はないが 上述の第 1 回目の筋注の考え方に準じて判断していただきたい 6. 本邦での開発状況 ( 経緯 ) 及び使用実態について (1) 要望内容に係る本邦での開発状況 ( 経緯 ) 等について 国内開発なし (2) 要望内容に係る本邦での臨床試験成績及び臨床使用実態について 企業により実施された国内臨床試験はない 7. 公知申請の妥当性について (1) 要望内容に係る外国人におけるエビデンス及び日本人における有効性の総合評価について本要望内容は 本剤の望ましい初回投与時間を生後 48 時間以内 ( 既承認 ) から生後 12 時間以内に変更するものであり 既承認の用法 用量の範囲内である 医療上の必要性の高い未承認薬 適応外薬検討会議 ( 以下 検討会議 ) は 現時点で本要望内容を含めた現行の用法 用量について注意を要する情報はないことから 現時点で有効性の問題はないと考える (2) 要望内容に係る外国人におけるエビデンス及び日本人における安全性の総合評価について検討会議は 本要望内容は既承認の用法 用量の範囲内であり 現時点で本要望内容を含めた現行の用法 用量について注意を要する情報はないことから 現時点で安全性の問題はないと考える 8

(3) 要望内容に係る公知申請の妥当性について要望内容である抗 HBs 人免疫グロブリンの新生児への投与に関する用法 用量は 既承認の範囲内である また 欧米等の 6 ヵ国において標準的な初回投与時間として広く実施されており その有効性及び安全性は確立されている さらに 国内の複数の厚生労働科学研究においても 類似した投与法による有効性及び安全性に問題はないことが報告されている 以上より 検討会議は 公知申請によらず 承認用法 用量の記載整備を行うことで対応可能と考える 8. 効能 効果及び用法 用量等の記載の妥当性について (1) 効能 効果について 効能 効果 ( 今回の要望内容に関連する部分のみ抜粋 ) 新生児の B 型肝炎予防 ( 原則として 沈降 B 型肝炎ワクチンとの併用 ) 既承認の内容から 効能 効果について変更はない (2) 用法 用量について 用法 用量については 以下のとおり設定することが妥当と考える その妥当性について 以下に記載する 用法 用量 ( 下線部 : 追加予定箇所 取消線部 : 削除予定箇所 ) ( 今回の要望内容に関連する部分のみ抜粋 ) 初回注射量は 0.5~1.0mL を筋肉内に注射する 初回注射の時期は生後 5 日以内とする なお 生後 4812 時間以内が望ましい また 追加注射には 体重 1 kg 当たり 0.16~0.24mL を投与する 設定の妥当性について 本要望における望ましい本剤の初回注射の時期は生後 12 時間以内であり 本邦の既承認内容である生後 48 時間以内の範囲内である 本要望の用法 用量は欧米 6カ国で広く実施されており 有効性及び安全性が確立された用法 用量である また 国内においても 複数の厚生労働科学研究等で本要望の用法 用量に類似した投与法に関する有効性及び安全性が報告されており 新生児のB 型肝炎予防 ( 原則として 沈降 B 型肝炎ワクチンとの併用 ) に対する用法 用量を要望の通りに記載整備することは可能と考える また 以下の理由から 望ましい初回投与の時間として生後 12 時間以内を記載することとした B 型肝炎感染予防のためには 可能な限り生後早期の投与が重要と考えられるため 海外ガイドラインの推奨内容のうち 最も早期の 12 時間以内 を 初回投与の目安と 9

なる時間として選択することが適当と考える B 型肝炎母子感染予防では投与対象児の出生前に投与準備を整えることが可能であり 出生児に特に問題がなければ 生後数時間以内の投与は実施可能である したがって 実施可能性の観点からも 初回投与は12 時間以内を目安とする旨の記載は適切であると考える 9. 要望内容に係る更なる使用実態調査等の必要性について (1) 要望内容について現時点で国内外のエビデンスまたは臨床使用実態が不足している点の有無についてなし (2) 上記 (1) で臨床使用実態が不足している場合は 必要とされる使用実態調査等の内 容について なし (3) その他 製造販売後における留意点について なし 10. 備考 なし 11. 参考文献一覧 1) 米国添付文書 2) 英国添付文書 3) 独国添付文書 4) 仏国添付文書 5) 加国添付文書 6) 豪州添付文書 7) 石井勉 今村孝.HBワクチン早期接種による B 型肝炎母子感染防止効果の研究. 厚生労働科学研究費補助 ( 肝炎等克服緊急対策研究事業 ) 分担研究報告書 ( 平成 24 年 3 月 ) 8) 森嶋恒夫.B 型肝炎母子感染全国実態調査アンケート (2). 厚生労働科学研究費補助金 ( 肝炎等克服緊急対策研究事業 ) 分担研究報告書 ( 平成 24 年 3 月 ) 9) 小松陽樹 乾あやの 十河剛 藤澤知雄. 国際方式による B 型肝炎母子感染予防効果の検討. 肝臓 2010; 51:92-4. 10) 林田志峯 稲葉憲之 大島教子 西川正能 岡崎隆行 庄田亜紀子 他.HBV 母子感染予防対策の比較検討 - 厚生省方式 千葉大方式 獨協医大方式 -. 日産婦関東連会誌 2008; 10

45:381-4. 11) 多田裕 三科潤. 遺伝子組み換え HB ワクチン早期投与による HBV 母子感染防止の検討. 厚生省心身障害研究分担研究報告書 ( 平成 9 年度 ) 12) Plotkin, Orsenstein, Offit, et al. VACCINE fifth edition, 2008 13) 木村三生夫他 B 型肝炎. 予防接種の手引き< 第 12 版 >. 近代出版 14) WHO position paper 2009 15) Recommended Immunization Schedules for Persons Aged 0 Through 18 Years --- United States, 2011 16) Policy on the use of passive immunization with hepatitis B immunoglobulin (HBIG) for infants born to hepatitis B infected mothers. Immunoglobulin Handbook. Health Protection Agency, HPA 17) Hepatitis B antenatal screening and newborn immunisation programme. National Health Service 18) Empfehlungen der Standigen Impfkomission(S I O) am Robert Koch-Institut/Stand: Juli 2010 19) Bulletin epidemiologique hebdomadaire 22 mars 2011/n 10-11 La calendrier des vaccinations et les recommandations vaccinales 2011 selon l'avis du Haut Conseil de la sante publique 20) Canadian Immunization Guide 2006 21) The Australian Immunization Handbook 22) Plotkin SA, Orenstein WA, Offit PA. VACCINES. 6 th ed. 2012. 22) 日本産科婦人科学会 / 日本産婦人科医会編. 産婦人科診療ガイドライン産科編 2011 p250-252. 23) 日本産婦人科医会母子保健部会.B 型肝炎母子感染防止対策の手引き. 11