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第 13 回岡山医療センター市民公開講座 NHO 岡山医療センター 呼吸器内科柴山卓夫 2018 年 9 月 1 日岡山県医師会館

今日のお話 1. 統計からみる 肺がん 2. 肺がんの治療 3. 薬物療法の歴史 4. 殺細胞性抗がん剤の副作用 5. 分子標的薬の副作用 6. 免疫チェックポイント阻害薬の副作用

1. 統計からみる 肺がん 2. 肺がんの治療 3. 薬物療法の歴史 4. 殺細胞性抗がん剤の副作用 5. 分子標的薬の副作用 6. 免疫チェックポイント阻害薬の副作用

1. 肺がんの統計 1 罹患数 死亡率 2 肺癌の種類 ( 組織型の変化 ) 3 治療の種類 ( 治療法の進歩 ) 4 初診時病期

肺がんの罹患数 胃がん 大腸がん 肝臓がん 3 肺がん 前立腺がん 4 肺がん胃がん大腸がん乳がん 子宮がん がんの統計 17 部位別がん罹患数 (2013 年 )

死亡率の年次推移 1995 年死亡診断書様式改正等 がんの統計 17 主要死因別粗死亡率年次推移 (1947 年 ~2016 年 )

肺がん死亡数 胃がん 大腸がん肝臓がん膵臓がん 1 肺がん 胃がん大腸がん 膵臓がん 2 肺がん 乳がん がんの統計 17 部位別がん死亡数 (2016 年 )

1. 統計からみる 肺がん 2. 肺がんの治療 3. 薬物療法の歴史 4. 殺細胞性抗がん剤の副作用 5. 分子標的薬の副作用 6. 免疫チェックポイント阻害薬の副作用

肺がんの特徴 (60%) 最近増えている (25%) (5%) (10%)

肺がん組織型 100% 組織型の比較 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 腺がん 20% 10% 0% 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 腺がん扁平上皮がん大細胞がん小細胞がんその他 不明 岡山医療センターがん登録データ (2008-2017 年 )

肺がんの進行度 100% ステージ別の比較 90% 80% Ⅳ 期 70% 60% 50% 40% 30% 20% Ⅲ 期 Ⅱ 期 Ⅰ 期 10% 0% 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 不明 Ⅰ 期 Ⅱ 期 Ⅲ 期 Ⅳ 期 岡山医療センターがん登録データ (2008-2017 年 )

肺がんの治療法 薬物療法 薬物療法 薬物療法 限局型 進展型 薬物療法 薬物療法 薬物療法 がん情報サイト オンコロ より改変

1. 統計からみる 肺がん 2. 肺がんの治療 3. 肺がんの薬物療法 4. 殺細胞性抗がん剤の副作用 5. 分子標的薬の副作用 6. 免疫チェックポイント阻害薬の副作用

3. 肺がんの薬物療法 1 抗がん剤の変遷 2 分子標的薬とは 3 免疫チェックポイント阻害薬とは

細胞障害性抗がん剤の変遷 抗がん剤の変遷

細胞障害性抗がん剤の変遷 抗がん剤の変遷 第 1 世代抗がん剤 第 2 世代抗がん剤 第 1 世代ナイトロジェンマスタード, シクロフォスファミド,5-FU, メソトレキセート (MTX), シタラビン (Ara-C), ブレオマイシン, マイトマイシンC, ビンクリスチン, etc 第 2 世代シスプラチン, カルボプラチン, エトポシド, イホスファミド,UFT, ビンデシン, ドキソルビシン, etc 第 3 世代抗がん剤の登場 第 3 世代イリノテカン (CPT-11), ビノレルビン, ゲムシタビン, パクリタキセル, ドセタキセル,S-1, アムルビシン, ペメトレキセド,etc 分 標的薬の変遷 分子標的薬ゲフィチニブ エルロチニブ ベバシズマブ クリゾチニブ アレクチニブ アファチニブ オシメルチニブ トラメチニブ 免疫チェックポイント阻害薬ダブラフェニブニボルマブ ペンブロリズマブ アテロリズマブ デュルバルマブ

細胞障害性抗がん剤による標準治療 非小細胞肺がん プラチナ製剤と第 3 世代以降の細胞障害性抗がん剤の併用療法 シスプラチン / カルボプラチン + イリノテカンビノレルビンゲムシタビンパクリタキセルドセタキセルティーエスワンペメトレクスド 小細胞肺がん プラチナ製剤とエトポシド / イリノテカンの併用療法 シスプラチン / カルボプラチン + エトポシドイリノテカン

3. 薬物療法の歴史 1 薬物療法の変遷 2 分子標的薬とは 3 免疫チェックポイント阻害薬とは

分子標的薬の登場 EGFR-TKI の臨床導入 肺がん領域では 上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤 (EGFR-TKI) が 2002 年に世界に先立ってわが国で切除不能または再発非小細胞肺がんに対する適応を取得した 2002 年イレッサ ( ゲフィチニブ ) 第 1 世代 EGFR-TKI 2007 年タルセバ ( エルロチニブ ) 第 1 世代 EGFR-TKI 2014 年ジオトリフ ( アファチニブ ) 第 2 世代 EGFR-TKI 2016 年タグリッソ ( オシメルチニブ ) 第 3 世代 EGFR-TKI EGFR-TKI は EGFR 蛋白をターゲットとして開発された分子標的薬

ドライバー遺伝子とは 2004 年イレッサで効果があった肺癌細胞から EGFR タンパク質をつくる遺伝子に変異が発見された この変異した遺伝子が細胞を癌化させ 増殖させていることがわかり このような遺伝子をドライバー遺伝子と呼ぶようになった Kobayashi and Mitsudomi. Cancer Sci 2016

分子標的薬の開発 このドライバー遺伝子を抑制するとがんの増殖が止まることがわかり ドライバー遺伝子に関する研究が進んだ

Precision Medicine とは 個人の遺伝素因 環境素因に合わせた個別医療 これまでの治療法の多くは 平均的な患者 向けにデザイン 遺伝子 環境 ライフスタイルに関する個人ごとの違いを考慮した予防や治療法を確立することを目標 がんドライバー遺伝子 # の発見とより効果的ながん治療法の開発に向けた取り組みを強化することを宣言 # 発がんやがん悪性化の直接的な原因となるような遺伝

新たなドライバー遺伝子の発見 : 未分化リンパ腫キナーゼ (ALK ) 融合遺伝子 セリ千ニブ 2015-2016 2007 年わが国でALK 融合遺伝子が発見 2012 年 ALK 阻害剤のザーコリがALK 遺伝子転座陽性の切除不能進行 再発非小細胞肺がんの適応を取得 2014 年 9 月アレセンサ 2016 年 3 月ジカディア

その他ドライバー遺伝子 : 1.ROS-1 融合遺伝子 ザーコリ 2.BRAF V600E 遺伝子変異 BRAF 阻害薬タフィンラーと MEK 阻害薬メキニストの併用療法 3.RET 融合遺伝子 バンデタニブが申請中

血管新生阻害剤 血管新生阻害剤 アバスチン 血管新生阻害剤 名医が語る最新 最良の治療 2012 年 3 月 24 日初版発行 肺がん アバスチン : VEGF-A に対する抗体 血管上皮成長因子 アバスチン サイラムザ サイラムザ : VEGFR-2 に対する抗体 血管上皮成長因子受容体

血管新生阻害剤を併用した治療 非小細胞肺がんの 1 次治療 プラチナ製剤と第 3 世代以降の細胞障害性抗がん剤の併用レジメン シスプラチン / カルボプラチン + イリノテカンビノレルビンゲムシタビンパクリタキセルドセタキセルティーエスワンペメトレクスド + アバスチン 非小細胞がんの 2 次治療 ドセタキセル + サイラムザの併用レジメン ドセタキセル + サイラムザ

3. 薬物療法の歴史 1 薬物療法の変遷 2 分子標的薬とは 3 免疫チェックポイント阻害薬とは

がん免疫療法の歴史 1893 年 1970 年 William B Coley による Coley s toxin Frank M Burnet の免疫監視機構理論 がんに挑むイノベーションの最前線より改変

Frank M Burnet 博士の免疫監視機構理論

免疫監視機構からの逃避 ( がん免疫.jp Immuno-Oncology より引用 )

免疫チェックポイント 免疫細胞の PD-1(Programmed cell death-1) とがん細胞の PD-L1 が結合すると 免疫細胞からの攻撃を回避する 免疫チェックポイント ( がん免疫.jp Immuno-Oncology より引用 ) 免疫チェックポイント阻害薬は がんによる免疫抑制状態を解除して免疫力を回復させ がん細胞を破壊し 増殖を抑制する

免疫チェックポイント阻害薬 従来のがん免疫療法 免疫の活性化を促すものだった サイトカイン療法 ( インターフェロン (IFN) IL-2) 抗体療法ペプチドワクチン療法養子免疫療法 免疫チェックポイント阻害療法 免疫にブレーキをかける仕組み ( チェックポイント ) を解除する 免疫チェックポイント阻害薬 抗 CTLA-4 抗体抗 PD-1 抗体抗 PD-L1 抗体 : ヤーボイ : オプジーボ キイトルーダ : テセントリク イミフィンジ

肺がん領域における免疫チェックポイント療法 2015 年 12 月オプジーボが 切除不能な進行 再発の非小細胞肺癌 に対して承認を取得した 2017 年 2 月キイトルーダが PD-L1 陽性の切除不能な進行 再発の非小細胞肺癌 に対して承認を取得した 2018 年 1 月テセントリクが 切除不能な進行 再発の非小細胞肺癌 に対して承認を取得した 2018 年 7 月 ( がん免疫.jp Immuno-Oncology より引用 ) イミフィンジが 切除不能な局所進行の非小細胞肺癌 に対して承認を取得した

CA209003 試験 : 非小細胞肺がんの 2 次治療以降のオプジーボの効果 Gettinger SN, et al. J Clin Oncol 2015; 33: 2004-2012.

Ⅳ 期非小細胞肺がんの 1 次治療 分子標的薬 免疫チェックポイント阻害剤 細胞障害性抗がん剤 分子標的薬 免疫チェックポイント阻害剤 細胞障害性抗がん剤 肺癌診療ガイドライン 2017 年版 IV 期非小細胞肺がん薬物療法 / 日本肺癌学会

1. 統計からみる 肺がん 2. 肺がんの治療 3. 薬物療法の歴史 4. 細胞障害性抗がん剤の副作用 5. 分子標的薬の副作用 6. 免疫チェックポイント阻害薬の副作用

細胞障害性抗がん剤 細胞障害性抗がん剤の副作用 一般的に細胞障害性抗がん剤は 細胞が分裂 増殖する過程に働きかけて 細胞の増殖を抑制する がん細胞は活発に分裂 増殖している細胞なので 細胞障害性抗がん剤の効果が現れる しかし 腸の細胞や 髪の毛を造る細胞 血液を造る細胞なども活発に分裂 増殖しているため 影響を受けやすく 様々な副作用があらわれる 頻度の多い副作用 悪心 嘔吐骨髄抑制便秘下痢脱毛口内炎肺障害薬剤アレルギー腎障害静脈炎末梢神経障害

細胞障害性抗がん剤による主な副作用の発現時期 投与日 : アレルギー反応 吐き気 嘔吐 ( おうと ) 血管痛 発熱 血圧低下 2~7 日 : 疲れやすい だるい 食欲不振 吐き気 嘔吐 下痢 7~14 日 : 口内炎 下痢 食欲不振 胃もたれ 骨髄機能の抑制 ( 白血球減少 血小板減少 ) 14~28 日 : 脱毛 皮膚の角化やしみ 手足のしびれ 膀胱炎 骨髄機能の抑制 ( 貧血 )

口内炎 〇抗がん剤の粘膜に対する直接的な障害〇抗がん剤による骨髄抑制時の局所感染が引き起こす二次性障害 < 口内炎の症状 > しみる感じ 痛み できもの 舌や頬の内側の粘膜 歯ぐきの赤い腫れ ただれ 潰瘍 ( かいよう ) 出血 < 口内炎の治療 > 抗がん剤の治療前に歯科を受診し 入れ歯の点検やブラッシング うがいの指導を受けておくことが勧められる 痛みが強い場合には 消毒作用や痛み止めの作用のあるうがい薬を使用する さらに 炎症を抑えたり 鎮痛効果のある塗り薬 貼り薬も使用する

口内炎 < 日常生活上の注意 > 口内炎ができたときの食事の工夫料理は熱いものを避け 冷まして食べると炎症部位への刺激が少ない 塩分や酸味 香辛料の強いものは避ける やわらかい料理 ( お粥や やわらかく煮込んだうどんなど ) を多めにし とろみをつけたり 裏ごしすると食べやすくなる 牛乳や卵豆腐などは 口にしみにくく食べやすいです 予防うがい薬でこまめにうがいをしたり 食後あるいは寝る前にうがいをし 歯磨きなどで口のなかを清潔にする 口のなかを乾燥させないように心がける ( 口を開けて寝る癖のある方はマスクをつけて寝る アルコール分を含んだうがい薬や洗浄剤は使用しないなど ) 歯ぐきの傷つきを防止するため 歯ブラシは小さめの柔らかいブラシのものを使う また 刺激の弱い歯磨き粉を用いるとよい

1. 統計からみる 肺がん 2. 肺がんの治療 3. 薬物療法の歴史 4. 殺細胞性抗がん剤の副作用 5. 分子標的薬の副作用 6. 免疫チェックポイント阻害薬の副作用

分子標的治療 ( 名医が語る最新 最良の治療肺がん 2012 年 3 月 24 日初版発行 ) 分子標的薬 と呼ばれる抗がん剤は がん細胞だけに存在する分子 ( または非常に多い分子 ) を標的にして がん細胞を狙い撃ちにするため 副作用が少なくなると期待されていたが 実際には 今までなかったタイプの副作用が現れた 例えば 上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤 (EGFR-TKI) は がん細胞の表面にある EGFR というたんぱく分子が標的だが 皮膚の細胞にも EGFR が比較的多く 皮膚にニキビのような皮疹や乾燥 炎症など副作用が現れやすかった

細胞障害性抗がん剤と分子標的薬の副作用は異なる? 細胞障害性抗がん剤で頻度が多い 脱毛 血液毒性 吐き気 生殖細胞への副作用などが少なかったが 特有の副作用が発生した 分子標的治療の主な副作用 分子標的薬による副作用は薬の種類によってさまざま 多くの分子標的薬では 下痢 皮疹のほか 発熱 吐き気 寒気 だるさなどの副作用が現れる 薬によっては 頻度は少ないものの重篤な副作用が報告されている アレルギー症状 ( インフュージョンリアクション ) 間質性肺炎 心毒性 出血 消化管穿孔 ( 穴があくこと ) 塞栓症 ( 血管がつまること ) 皮膚炎など 細胞障害性抗がん剤では 強い副作用症状が出たら薬を止める というのが基本的な考え方だったが 一部の分子標的薬 ( イレッサなど ) では 症状が強い患者さん程 がんの治療効果が高いというデータ もあり 副作用によっては 何とかして症状の悪化を防ぎながら治療を続けるのが目標になる場合もある

分子標的薬の副作用の種類 EGFR- チロシンキナーゼ阻害薬 (EGFR-TKI) イレッサ タルセバ ジオトリフといった EGFR-TK I で特に出やすい副作用は 皮膚障害 下痢 薬剤性肺障害 ( 間質性肺炎 ) 皮膚障害は軽いケースも含めると 70~90% の患者さんに発生し 投与から 1~2 週間後をピークとして顔 胸 背中など上半身に ざ瘡様皮膚炎と呼ばれるニキビのような湿疹が出現し かゆみを伴うことも多いのが特徴 3 週間目以降は 皮膚の乾燥が強くなり 6 週くらいたってから爪の周りが腫れる爪囲炎が起こりやすくなる 薬剤性肺炎は薬の投与から 4 週以内に起こることが多く 発症した場合には命に関わることがあるので 注意が必要 ALK 阻害薬ザーコリで多くの人に出現するのが 吐き気 嘔吐 下痢 便秘といった消化器症状 約 60% の人に 物がかすむ 二重に見える 欠けて見える 視力の低下といった視覚異常などがあるが 同じ ALK 阻害薬であるアレセンサにはつらい副作用が少ない場合が多い 血管新生阻害薬アバスチン サイラムザなどの血管新生阻害薬では 鼻や口の中 消化管といった粘膜からの出血 喀血 高血圧 たんぱく尿の頻度が高い 出現しやすい副作用や症状の強さ 出現時期は薬によって異なり 個人差あり

EGFR- チロシンキナーゼ阻害剤に多い副作用 イレッサ タルセバ ジオトリフ タグリッソ 頻度 重い副作用 頻度 重い副作用 頻度 重い副作用 頻度 重い副作用 下痢 42.6% 2.2% 51.1% 3.3% 100.0% 37.1% 36.3% 2.5% 悪心 19.4% 1.1% 22.1% 1.1% 35.5% 1.6% 発疹 74.7% 2.2% 92.4% 18.1% 83.9% 25.8% 25.0% 0.0% 爪囲炎 N A 0.4% N A 4.3% 67.7% 11.3% 32.5% 0.0% 倦怠感 28.9% 4.0% 30.8% 4.3% 8.1% 0.0% 肝機能障害 50.9% 13.0% 34.5% 3.3% 7.4% 9.4% 10.0% 2.5% 間質性肺炎 4.5% 2.4% 4.5% 1.6% 3.7% N A 6.3% 3.8% 好中球減少 15.0% 5.0% 貧血 13.8% 3.8% N A : not assessed イレッサ :OLCSG タルセバ :PMS ジオトリフ :LUX-Lung 3 タグリッソ :AURA+AURA2

EGFR- チロシンキナーゼ阻害剤に多い副作用 イレッサ タルセバ ジオトリフ タグリッソ 頻度 重い副作用 頻度 重い副作用 頻度 重い副作用 頻度 重い副作用 下痢 42.6% 2.2% 51.1% 3.3% 100.0% 37.1% 36.3% 2.5% 悪心 19.4% 1.1% 22.1% 1.1% 35.5% 1.6% 発疹 74.7% 2.2% 92.4% 18.1% 83.9% 25.8% 25.0% 0.0% 爪囲炎 NA 0.4% N A 4.3% 67.7% 11.3% 32.5% 0.0% 倦怠感 28.9% 4.0% 30.8% 4.3% 8.1% 0.0% 肝機能障害 50.9% 13.0% 34.5% 3.3% 7.4% 9.4% 10.0% 2.5% 間質性肺炎 4.5% 2.4% 4.5% 1.6% 3.7% NA 6.3% 3.8% 好中球減少 15.0% 5.0% 貧血 13.8% 3.8% N A : not assessed イレッサ :OLCSG タルセバ :PMS ジオトリフ :LUX-Lung 3 タグリッソ :AURA+AURA2

イレッサによる急性肺障害 間質性肺炎 イレッサによる ILD: 海外 イレッサによる ILD: 日本

分子標的薬内服中の注意 〇出現しやすい副作用や症状の強さ 出現時期は薬によって異なり 個人差がある 〇特に 下記のような症状が現れたときには命に関わる危険性があり 主治医 担当医へ連絡が必要 < 薬剤性肺障害 > 38 度以上の発熱 悪寒 呼吸困難 動悸や息苦しさ 空咳が続く < 下痢 > 下痢がひどく水分もとれない < 出血 > 喀血 吐血や下血があった

1. 統計からみる 肺がん 2. 肺がんの治療 3. 薬物療法の歴史 4. 殺細胞性抗がん剤の副作用 5. 分子標的薬の副作用 6. 免疫チェックポイント阻害薬の副作用

免疫チェックポイント阻害剤の副作用 免疫関連有害事象 非小細胞癌の適正使用ガイドより引用

免疫チェックポイント阻害剤の作用機序 T 細胞 :T リンパ球 MHC 分子 抗原ペプチド : がん細胞の切れ端 MHC 分子 : 主要組織適合遺伝子複合体 がん免疫 TCR:T 細胞受容体 PD-1:Programmed-cell death-1 MHC 分子 免疫チェックポイント PD-L1:Programmed-cell death ligand-1/2 がん免疫逃避 MHC 分子 がん免疫の回復 免疫の活性化免疫の過剰反応 免疫関連有害事象 非小細胞癌の適正使用ガイドより引用

免疫関連有害事象 免疫チェックポイント阻害薬には免疫関連有害事象 (immune-related adverse events: irae) という独特な副作用があり 全身のあらゆる臓器に出現する 70 80% 程度に出現し 特に 間質性肺炎 大腸炎 甲状腺機能低下症 肝障害 発疹 白斑 下垂体炎 I 型糖尿病 腎機能障害 重症筋無力症 末梢神経障害 筋炎 ぶどう膜炎などがよく知られている irae はおおよそ数ヶ月後に生じることが多いが 出現時期には大きなばらつきがある また 部位別の発症時期の差はあまり明確ではないが 発疹 消化管障害 甲状腺機能低下症が比較的早期に出現する

免疫チェックポイント阻害薬 ( オプジーボ ) と細胞障害性抗がん剤 ( ドセタキセル ) の副作用の違い 副作用の種類 ニボルマブドセタキセル全副作用頻度重い副作用頻度全副作用頻度重い副作用頻度 全副作用 69% 10% 88% 54% 全身倦怠感 16% 1% 29% 5% 嘔気 12% 1% 26% 1% 食欲不振 10% 0% 16% 1% 衰弱 10% <1% 18% 2% 下痢 8% 1% 23% 1% むくみ 3% 0% 10% <1% 筋肉痛 2% <1% 11% 0% 貧血 2% <1% 20% 3% 脱毛 <1% 0% 25% 0% 好中球減少性発熱 <1% 0% 31% 27% 好中球減少性発熱 0% 0% 10% 10% 白血球減少 0% 0% 10% 8% 非小細胞癌の適正使用ガイドより引用

免疫関連有害事象の出現頻度 と発現時期 ( 本邦 ) 免疫関連有害事象 出現率 (%) 全副作用頻度重い副作用頻度 出現時期 ( 月 ) 間質性肺疾患 5.4% 1.8% 7.2 重症筋無力症心筋炎, 筋炎, 横紋筋融解症 1 % 未満 1 % 未満 ー 大腸炎, 重度の下痢 6.3% 0.9% 2.7 I 型糖尿病 (1/3 程度が劇症 1 型糖尿病 ) 1 % 未満 1 % 未満 ー 免疫性血小板減少症性紫斑病 1 % 未満 1 % 未満 ー 肝機能 肝炎硬化性胆管炎 7.2% 0.9% 7.8 甲状腺機能障害 ( 機能低下症, 機能亢進症, 甲状腺炎 ) 11.7% 0% 2.9 下垂体炎 1 % 程度 ー 神経障害, ギランバレー症候群 11.7% 0.9% 7.2 腎障害 4.5% 0% 1.5 副腎障害 1 % 未満 0% ー 脳炎 1 % 未満 1 % 未満 ー 重度の皮膚障害 ( 中毒性表皮壊死融解症, 皮膚粘膜眼症候群, 多型紅斑, 類天疱瘡 ) 1 % 未満 1 % 未満 ー 静脈血栓塞栓症 0.9% 0% ー インフージョンリアクション 4.5% 0% ー 溶血性貧血 1 % 未満 1 % 未満 ー 心臓障害 ( 不整脈 ) 8.3% 0% ー 非小細胞癌の適正使用ガイドより引用

免疫関連有害事象のうち 頻度は低いが致死的な副作用 大腸炎, 消化管穿孔 間質性肺障害 アナフィラキシー性ショック 劇症型 1 型糖尿病 重度の皮膚障害 血小板減少症 脳炎 脳症 ギランバレー症候群 心筋炎 心不全 急性副腎不全 腎炎 急性腎不全 非小細胞癌の適正使用ガイドより引用

お疲れ様でした ご清聴有難うございまし た