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水中の河床地形の面的計測とその活用方策について ( 続報 ) こうえいフォーラム第 26 号 / 28. 3 UTILIZATION OF RIVERBED SURFACE MEASUREMENT DATA FOR RIVER MANAGEMENT 秋田麗子 * 西口亮太 * 野間口芳希 * 佐藤隆洋 ** Reiko AKITA, Ryota NISHIGUCHI, Yoshiki NOMAGUCHI and Takahiro SATO Conventionally, riverbed topography has been measured for each cross-section by 2 m pitch. In recent years, due to the improvement of measuring technology, two-dimensional surface measurement has become possible. The spatial density of measured topography data has become several to, times higher than conventional measurement. In this paper, we review specific examples of strategies and general considerations to utilize surface measurement data of riverbed topography for river management. As a specific example, we analyzed the result of riverbed topography by swath-type sounder at the downstream of Shonai River. The case study of detection and monitoring of the deformation, to grasp the amount of change from the temporal variation of the measurement, and to grasp the bars and dunes. We also complied the spatial resolution and measurement cost. Keywords : river bed topography, river management, A high-resolution side scan imaging with bathymetry. はじめに近年 3 次元サイドスキャンソナーに加え ALB 測深 ),2) や写真画像を用いた SfM 技術 3)~6) が実用化され始め 水中の河床地形を様々な手法で面的に計測することが可能となった 筆者らは 25 年 9 月に庄内川下流域において河床地形の面的計測を行ったが この計測データをうまく可視化処理することで これまで未知であった現地河川の水中下の状況が 見える ことを確認した このような河床のビッグデータが 河川管理の実務にも有効に役立てられることを示すため 前報 7) において河川管理への活用事例に関するケーススタディを示した 本稿では これに調査手法の選定にあたっての留意事項を追加し より実務での活用に資するよう整理し直したものである センサを固定し 水深 平面位置 船の動揺を同時に計測した また 5 地点で水位計測を行った 計測区間は 8 ブロックに区切り ブロックごとに 計測値が相互にラップし 空白域が生じないよう縦断的に往復することで計測を行った ( 図 - ) 結果的に 一断面あたりの測線は平均 2 本 測線間隔は平均 7m となった 水深を平均.5m とすると 水深の 5 倍の河床幅を計測でき 一般的なマルチビーム測深 ( 水深の 3 倍程度 ) に比べて効率的であることを再確認した 現地計測に要した時間は 潮位の低い時の作業ができないといった制約もあり 準備 片付けを含めて 9 日間であった 計測日 2km 2. 現地観測概要 新川 計測範囲は庄内川の距離標 7 ~ 2km の区間 ( 延長約 5km) である ( 図 - ) 河床勾配は約 /2, 水面幅は約 5m 平均潮位時の水深は ~ 3mである 感潮域であり 一日の中で最大 2m 程度の水位変動がある 計測にはスワス式測深機 ( 製品名 C3D-LPM) を用いた 本機種はセンサー部から 8 度の広い範囲の情報が得られるという特性がある ゴムボートにスワス式測深機 GPS 動揺 7km 庄内川 計測範囲 L=5km 拡大図 背景左 : 航空写真 (22 年撮影 ) 右 : 管理基図平面図 ( 庄内川河川事務所提供 ) * コンサルタント国内事業本部流域 都市事業部河川 水工部 ** コンサルタント国内事業本部社会システム事業部 CIM 推進センター 図 - 計測範囲 および計測軌跡 ( 右 ) 67

水中の河床地形の面的計測とその活用方策について 続報 3 観測データの処理および加工 2k 河床標高データの作成 計測時水位から測深データを差し引いて河床標高を算出し 測線ごとに繋ぎ合わせ m 2 に 点の密度で 河床高の三 km 付近より上流 直線区間で河床は平坦 交互砂州が確認できる 次元座標値データを作成した 図 2 k 湾曲部が連続している 7 km 区間では横断方向に起 T.P.+.5以上 伏が見られる 一方 河道が直線的な 2km 区間では +. 横断方向の起伏が 7 km に比較してあまり見られない -.5 k -. 2 河床形状の可視化 -.5 とから この可視化の方策について試行を行った 陰影図は 地形の形状を表現する際によく用いられるが 9k 片方からの光源を使用するため光源位置により影になる部分 が生じ 光源位置を変化させると見え方が変化し 起伏を網 羅的に把握できない このため 傾斜図 起伏図 によって 急崖部 平坦部を表現することとした 傾斜図の表現に際し km 付近より下流 湾曲部が連続 横断方向に複雑に 傾斜した地形 標高 T.P.m 標高分布図では河床の起伏や凹凸の形状を把握しにくいこ -2. -2.5-3. -3.5-4. -4.5 地形図や陰影図の表現方法を参考に 傾斜がきつくなるほど 色が濃くなるように工夫した さらに 高さ関係を可視化する -5. 8k ため 標高データより作成した DEM データに 作成した傾斜 図 ラスター を貼りつけ 鳥瞰図とすることで 河床形状も T.P.-5.5未満 視認できるようにした 河床の凹凸が小さいことから 高さ方向 7k を 3 倍程度に強調することで 河床波スケールの凹凸も際立 つことが分かった 背景 管理基図平面図 庄内川河川事務所提供 図 2 河床の標高分布図 作成した河床形状図を図 3 に示す 橋脚周辺の洗掘 7.km 付近 水制工周辺の局所地形がはっきりと視認できる また 河床 波形状として うろこ状の模様と 縦断方向の筋状の模様の 2 種類の河床の凹凸模様が確認された 可視化処理の試行において 複数の関係者が実際に 見 やすいかどうか を判断できるよう 専門ソフトウェアがなくと も また PC 環境に よらず取扱いで き るデータ型式が必要で あった これについては GIS ソフト QGIS の Qgis2threejs プラグインを用いて ウェブブラウザで確認できる WebGL 形 橋脚部の深掘れ 式の 3 次元モデルを用い 任意の場所を様々なアングルで確 認できるようにした 9.4km 付近.km 付近 掘削工区の端部 筋状の河床模様 うろこ状の河床模様 水制工間の堆積 水制工下流の浸食 河床の深掘れ 図 3 河床形状図 図 3 河床形状図 68 背景 航空写真 22 年撮影 庄内川河川事務所提供

こ う えいフ ォ ー ラ ム 第 26 号 / 28. 3 4 河川管理への活用に向けたケーススタディ. 洗掘等の変状の発見および状況把握 -. であれば 問題を発見しても 再計測することなく すぐさま 任意地点の地形を把握できる利点がある 河床高[T.P.+m] 面的に漏れのない河床情報が得られると 洗掘などの変状 の発見に役立てられる また 空間解像度 精度の高い計測 -.5-2. -3. B-B' -3.5-4. では洗掘が生じていることが確認できた 図 3 図 4 の -4.5 現在の洗掘深は 設計時に使用する最大洗掘深の実験式 8 上流側勾配 実態 29 実験式 25 29-2.5 今回の計測範囲には複数の橋梁が横過しており 橋脚周り ように 2 本の橋脚における洗掘部の縦断地形を計測すると 洗掘深 実態.8 m 実験式 3.75m -.5 C-C' 5 5 2 25 上流からの距離[m] 3 35 4 図 4 A 橋の橋脚 2 基 の洗掘部の縦断図 の半分程度であること 上流側勾配はほぼ実験式どおりである ことが分かった さらに 知見の少ない縦断方向の洗掘延長 についても把握することができ 洗掘実態の把握において有 用であることを確認した 9.4km 付近より上流の工区 全面的に再堆積が確認 掘削後 2 4 年経過 2 面的な地形変化の把握 面的な河床情報が複数時期で蓄積されると 差分をとること で 変動高の分布が把握でき 任意の領域における正確な変 動ボリュームが得られる 洪水前後の計測ができると 平面二 背景 管理基図平面図 庄内川河川事務所提供 次元河床変動計算の検証材料として 精度向上に役立てるこ 河床変化高 m とも可能である また 一時期のデータしかない場合でも 例 堆積 えば 管理河床高との比較により 問題箇所を漏れなく合理 的に抽出するといった活用も考えられる 今回の計測範囲では 4 年前から複数年度に渡って掘削 工事が行われているが これらの工事の完成断面形状が縦断 9.2km 付近より下流の工区 堆積 侵食区間が混在 掘削後 4 年 2m ピッチで得られることから 掘削直後の地形はある程度面 的に把握できた このため 計測値との差分をとり 掘削直後 から計測時点までの変化高を算出した 図 5 その結果 侵食 必ずしも全工区で堆積している訳ではなく また堆積高にもば らつきが見られた 図 5 C3D による計測河床高と掘削敷高の差分図 次に 堆積を規定する要因分析を行ったところ 工区ごとの 掘削時期との関係性が見られ 掘削直後から約 年は堆積が 顕著であるが その後は徐々に鈍化し 3 年程度で一定値に 収束するという実態が把握できた これより 堆積速度を把握 する上で 3 年以上のモニタリングが必要であるという知見を 得ることができた 9.k 付近 7.k 付近 図 6 平常時の現地状況 3 中規模河床形態の把握 砂州に代表される中規模河床形態は 洪水時の水衝部の 形成や水位上昇に関連するため 治水上 その位置や高さ 移動状況を把握することが重要である 一般的には空中写真 砂州 波長 22m 砂州 波長 5m 砂州 波長 5m で砂州前縁線を読み取る場合が多いが 水深の大きい河川で やや不明瞭 な砂州 は必ずしも容易ではない 面的な河床情報を活用することで 水没している砂州の実態を把握でき 河道計画への反映と高 やや不明瞭な砂州 波長 25m 砂州 波長 2m 度化が期待できる 図 7 交互砂州の形成箇所 標高別に彩色 69

水中の河床地形の面的計測とその活用方策について ( 続報 ) 庄内川下流域でも 図 - 6 のように低水路は常時湛水しており これまで砂州全体の面的な実態は不明であったが 今回計測において km 付近より上流では 掘削を行ってきた箇所を含めて 図 - 7 のように交互砂州が形成されている状況を確認した 砂州の波長は 2 ~ 25m 程度 波高は m 程度であるが 砂州形状はやや不明瞭であった 図 - 8 の枇杷島水位 流量観測所における流量時系列をみると 現地計測を実施した 25 年 9 月の直近の洪水は 24 年 9 月の 45m 3 /s ( 年間に平均的に 時間程度発生する規模 ) であり 近年大きな洪水は生じていない このため砂州形状が不鮮明になっていることが推察され 今後 比較的大きな洪水後に計測することで より明瞭な砂州地形が把握できるものと期待される (4) 小規模河床形態の把握砂河川では洪水規模によって小規模河床形態が変化し これが河床粗度となって洪水疎通能力にも大きく影響を及ぼすことから 治水上 その実態把握が重要である 密な河床地形データの処理方法を工夫すると 図 - 3 のように河床の凹凸模様が可視化され 小規模河床波の定量的な把握や分析に役立てられると考えられる ) 砂堆スケールの計測図 - 3 で示したうろこ状模様の範囲について 縦断図を作成すると図 - 9 のとおりである 地形の凹凸が規則的に並び そのスケールは波高 (Δ) ~ 3cm 横断波長 ~ 2m 縦断波長 (λ) 5 ~ 2m となっていた 非対称な縦断形状からは 砂堆であることが推察された 2) 水理量との比較による同定次に 砂堆かどうかの同定のため水理量との比較を行った 一次元不等流計算を用い 2m ピッチ横断データを地形条件とし 直近洪水ピーク時の下流端水位と上流端流量を与えることで全体的な流況把握を行った 芦田ら 9) は砂堆のスケールλ Δを水深 H で無次元化して示し 砂漣のそれとは大きく異なることを示している 今回計測したうろこ状模様のスケールは このうち砂堆の範囲におさまった 山本 ) は 相対水深 H/d と無次元掃流力 τ* を評価軸として小規模河床波の形成領域図を作成している 図 - のとおり今回の計測箇所における水理量を流量規模別にプロットすると うろこ状模様が確認された範囲では 直近洪水で砂堆領域となる また これより流量規模が小さい場合や 縦筋模様が確認された箇所では砂漣領域となっている なお 今回の検討領域は 実験領域ではなく 現地河川の資料分析や外挿による領域のプロットにあたり 貴重な実態データであるともいえる 以上の 2 つの既往知見との比較を踏まえ うろこ状模様は砂堆であると同定した 流量 (m3/s) 河床高 [T.P.+m] 無次元掃流力 τ* 2 8 6 4 2 平均年最大流量 小規模出水 24 年 9 月 計測実施 25 年 9 月 月 3 月 5 月 7 月 9 月 月 月 3 月 5 月 7 月 9 月 24 年 25 年 図 - 8 枇杷島観測所の流量時系列 (24 ~ 25 年 ) -. -.5-2. -2.5-3. 縦筋状模様の範囲 -3.5 8 6 4. U 砂堆 ~2k 付近 7~k 付近 交互砂州 (bar) と似た地形 2 実験値に基づく曲線河川資料に基づく曲線外挿法により推定される線 T L 砂堆 縦断距離 [m] 反砂堆 平坦 砂漣 平坦河床 砂堆 (dune) と似た地形 うろこ状模様の範囲 8 移動無しの平坦河床 6 ( 右 ) 4 2. 水深 [m] 7 6 5 4 3 2 図 - 9 小規模河床波の縦断図 相対水深 H/d 平坦 砂堆 うろこ状模様の範囲直近洪水の水理量 砂堆領域 砂漣 縦筋模様の範囲 砂漣領域 砂漣 遷移河床 年 日 年 3 日.2.3.4.5.6.7.8.9.2 マニングの粗度係数 平水 粗度係数 ( 形状抵抗あり ) 粗度係数 ( 形状抵抗なし ) H23.9 洪水時 (Q=3,5) H3 洪水 (Q=2,2m) H2 東海豪雨 (Q=3,6) S58 洪水 (Q=,93) ( 右 ) 砂堆平均年最大 平水 直近最大 平均年最大 直近最大 図 - 小規模河床波領域区分 (d=.5cm) のプロット 図 - 砂堆のスケールからの粗度係数の推定 年 日 年 3 日 7

2... 粒径(mm).k.k.k.k.8k.8k.8k.8k.8k.8k.8k.8k 夏 2夏 3夏 4夏 夏 2夏 3夏 4夏 冬 2冬 3冬 4冬 こ う えいフ ォ ー ラ ム 第 26 号 / 28. 3 3 粗度係数の把握に向けた活用事例 較したところ 洪水規模によっては形状抵抗の生じないフラット ベッドが形成されている状況が把握でき その移行する目安と しては 2,m /s 程度ではないかと推定された このような知 3 8.k.k 代表粒径.6mm 程度 6 5-4 3-2 2-3 36 38 4 42 44 46 48 5 52 54 56 58 6 62 64 66... 粒径(mm) 考えられる H.k 左岸 H.k 中央 H.k 右岸 H2.k 左岸 H2.k 中央 H2.k 右岸 H25.k 左岸 H25.k 中央 H25.k 右岸 H26.8k 夏 H26.8k 2夏 H26.8k 3夏 H26.8k 4夏.8k 夏.8k 2夏.8k 3夏.8k 4夏.8k 冬.8k 2冬.8k 3冬.8k 4冬.k 夏.k 2夏.k 3夏.k 4夏.8k 夏 68.8k 7 2夏 72.8k 3夏.8k 4夏.8k 冬.8k 2冬.8k 3冬.8k 4冬 代表粒径.6mmが移動しない であるため 砂堆がそのままの形状で維持されていたことにつ いての考察を加え 砂堆スケールと比較する水理量の妥当性 を参考までに確認した 6.k 8.k 2.k 4.k 6.k 8.k.k.6mm. -2. -3.6mm -2 36 36 mm 38 4 42 44 46 48 5 52 54 56 58 5. 9 2.k 4.k. 4. 3 -. 2 4. 42 44.k 3 考となる知見もなく不可解であったが 横断方向に傾斜した箇 7 72 7 72 46. 48 5 52 54 56 58 6 H.k 左岸 H.k 中央 H 4.k.k 右岸 H2.k 左岸 H2.k 中央 H2.k 右岸 H25.k 左岸 移動限界摩擦速度 H25.k 中央 2mm H25.k 右岸 H26.8k 夏 H26.8k 2夏 H26.8k 3夏 mm H26.8k 4夏.8k 夏.6mm.8k 2夏.8k 3夏.8k 4夏.8k 冬.8k 2冬.8k 3冬.8k 4冬.k 夏.k 2夏.k 3夏.k 4夏.6mm.8k 夏.8k 2夏 mm.8k 3夏.8k 4夏.8k 冬 64 66 68 7 72.8k 2冬.8k 3冬.8k 4冬 62 2.k 4.k 6.k 8.k.k 2.k 4.k 2 所に限って見られることが分かり 図 4 のとおり 縦筋模様 流量 m3/s - -2-3 36 38 4 42 44 46 48 5 52 54 56 58 6 62 64 66 68 7 72 代表粒径.6mmが移動しない 5 さらなる活用に向けて 河床の質的状況の把握 5. 河床の地形計測にあわせてサイドスキャン画像が得られる 4. が ここから 大まかにではあるが礫 砂 泥の区分や 根 図.k4 河床形状と計測時航跡との重ね合わせ 2.k 2.k 4.k 6.k 8.k.k 2. 4.k 移動限界摩擦速度 3. 摩擦速度 cm/s 別途解析することで 河床表層の質的状況を推測する試みを 68 図 3 砂堆の形成されている箇所の河床材料粒度分布 最後に 図 3 で確認された縦筋状模様については 参 は 同じく計測で得られる反射強度を 66 2.k 代表粒径.6mm 程度 的にも説明がつくと判断した 2.k 5 粒径(mm) 固ブロックなどの構造物の状況を読み取ることができる また 8.k 6-3.. 36 38 で 計測誤差を踏まえる重要性を再認識した 6.k 2. 通過百分率(%) 摩擦速度 cm/s 7 3. れた砂堆が 年近く経ってもそのまま残っていることは水理 データ処理上の問題を含んでおり 現地観測結果を用いる上 64 4. 8-2. おいてこのような段差が表現された理由は 図 5 のとおり 62 代表粒径.6mmが移動しない 庄内川. km.k 摩擦速度は生じない このことから 直近洪水によって形成さ ぎ目に生じる計測誤差が表現されたものと同定した 傾斜地に 6 4 422 44 潮位変動に伴う水理量履歴の推定 46 48 5 52 54 56 58 6 62 64 66 68 図 上 流量 下 摩擦速度 38 にも方向にも働くが 河口に近いほど大きく 上流に行く の形状が計測時の航跡とほぼ一致することから 測線間の繋 mm -. - 示す 流量および摩擦速度は 潮位変動に伴って方向 5 縦筋状模様に関する検討 2mm 4.k によって生じる水理量分布を推定した 計算結果を図 2 に の 代表粒径.6mm 図 3 の移動限界を上回るような 2.k. 上流端流量は平水流量の一定通水とし 平水時に潮位変動 れた km 付近でも の交互の流れが生じるもの 4.k 2. 2 形条件とし 下流端水位は実績の潮位変動 72 時間 を ほど小さくなり方向に卓越する傾向となる 砂堆が確認さ 2.k.k -3. 一 次 元 不 定 流 解 析 を 用 い 2m ピ ッ チ 横 断 デ ー タ を 地 4.k 移動限界摩擦速度.k 3. 3 流量 m3/s 摩擦速度 cm/s あり 潮位変動に応じて の流れが常に生じる場所 2.k 4. ここまでの検討は 砂堆が 年前の直近洪水によって形成 されたことを前提に進めているが 庄内川下流域は感潮域で.k 5. 4 砂堆の形成時期の推測 行っている 4.k 7 見は 解析精度の向上や河川管理の高度化に役立てられると 塩見 鈴木 山本ら 2.k 8 流量 m3/s 通過百分率(%) のように推定できる 既往洪水で検討された逆算粗度と比 4.k 6.k 庄内川. km 2.k 9 2 係性を理論的に整理している 同関係式を用いることで 砂 堆のスケールλ Δから 水深 H に応じた粗度係数を図.k 3 吉川 石川 は 河床波の形状特性と水流の抵抗との関 2mm 平坦地の場合 mm 測線 測線2.6mm 測線3.. 傾斜地の場合 -. 音波は円形に拡がる 平地では 隣接測線との重複箇所の鉛直方向の差はわずかであり 補正で対応可.6mm -2. 傾斜地では 隣接測線との重複箇所の鉛直方向の差が大きくなり 補正後でも差が残る mm (数 cm オーダー) -3. 36 38 4 42 44 46 48 5 52 54 56 58 6 62 64 66 68 7 72 図 5 傾斜地におけるデータ処理上の誤差 模式図 7

水中の河床地形の面的計測とその活用方策について ( 続報 ) 5. 活用にあたっての留意事項 () 空間分解能今回計測 (m に 点の標高点 ) は 定期横断測量 ( 縦断間隔 2m 横断間隔 5m の空間密度 ) に比べると 単位面積あたりの情報量が単純に, 倍となる ALB 測深 ( 高度や現地条件にもよるが ~ 5m に 点 ) の場合には 定期横断測量の数 倍の情報量である 一般には分解能が高いほど高コストとなることから 面的計測にあたっては 把握したい事象の平面スケールに応じて空間分解能を定め その要求性能を満たすよう適切な計測手法を選定することが重要である 図 - 6 に示すように 例えば 局所洗掘等の変状や中規模河床形態の把握であれば 5 ~ m の分解能が必要で ALB 測深等が望ましいが 大まかな土量変化の把握であれば ~ 2m 精度でよいため横断測量等で対応できる 小規模河床波 ( 砂堆 ) の把握を行う場合は 粒径にもよるが ~ 5m の分解能が目安となり 本調査のような詳細な地形計測が必要となる (2) 計測精度今回計測では 別途 音響測深機による横断測量を 測線で行い 推定精度が cm 以内に収まることを確認した上で用いた 特に 新技術を用いる際は 別の計測手法による精度検証を行い 結果の信頼性を担保することは重要である また 今回計測結果では 本来は平坦と思われる傾斜地上に 一定周期で数 cm の段差地形が縦筋状に残る結果となり 計測原理や計測仕様 データ処理手法によって生じる計測誤差があることを把握した このような計測誤差の存在により 高さ数 cm の砂堆は明瞭に視認できたが それより小さいであろう数 cm の砂漣を視認することはできなかった なお 計測範囲の下流側 7 ~ km は 水理条件上は砂漣形成領域である 以上を踏まえると 計測手法を選定する際には 把握したい事象の鉛直スケールが 計測精度に対して数倍以上あることを確認することが重要である (3) 計測コスト計測手法の選定においてはコストが制約となる場合も多い 今回計測と同様のスワス測深と 一般的な定期横断測量のコストを比較した事例 3) によると スワス式の方が 2.3 倍のコスト増となる ただし この比較は両者の空間密度に, 倍の差異がある中での比較であるため 横断測量を密に行うと仮定して試算すると 表 - のとおり 5m ピッチより密な横断測量を行う場合には スワス式の方がコストの面でも得られる情報量の面でも有利となることが確認できる 5 4 3 2 - -2 横断測量の縦断ピッチ 蛇行 ( 水路幅 ) 砂州 ( 水路幅 ) 定期横断測量 構造物周辺の河床変動 ( 構造物の大きさ ) 砂堆 ( 水深 ) 反砂堆 ( 水深 水面波 ) 砂漣 ( 粒径 ) 河道縦横断形状 ( 土砂供給 地形 ) 大規模河床変動一次元的取扱い 中規模河床変動三次元的取扱い ALB 測量 C3D 計測 小規模河床変動二次元的取扱い 図 - 6 河床変動のスケール 4) に加筆 C3D/ 横断測量コスト比 2m 2.3, m.2 5 5m.6 25 2m.3 (4) 適用範囲 表 - 測量ピッチとコスト 情報量の試算 C3D/ 横断測量情報量比 本稿は水中の河床把握を取り扱ったものであるが どのような現地にも適用できるものではなく 調査目的や現地条件に応じた適切な調査手法の選定が重要となる ) 水深との関係性今回計測では 計測機器を有人ボートに搭載するため 喫水深として 5 ~ 7cm が必要であった このため 水面から 5 ~ 7cm の範囲は計測できず 例えば 水面に近い河岸や平瀬等の浅場は把握できない 今回計測では 計測場所が感潮域である特性を活かし 河岸付近の浅い場所は大潮の満潮時をねらって調査する等により 極力 広い範囲を計測できるよう工夫した なお 本計測機器 (C3D) の場合 水深数 m までは計測できるため 国内河川において 水深の上限に関する制約はない このように 河川水位の変化や計測機器の特性を総合的に判断して目的に適った計測計画を立てることが肝要である なお 適用事例のまだ少ない新技術であるが 今回計測機器を無人ボートに搭載することも可能となっており この場合 喫水深は 3 ~ 5cm まで抑えることができる ただし 遠隔操作となるため やや作業効率は劣る 複数の手法を組み合わせるものとして 満潮時に水深計測を行い 干潮時には陸部から MMS や地上レーザ計測 ある 72

こうえいフォーラム第 26 号 / 28. 3 いは UAV 写真測量等による計測を行うことで 両者を組み合わせて漏れなく地形を把握することが可能である この場合 ラップ点を設けて 適切に合成するような工夫が必要である 近年は ALB 測深に際し 近赤外線レーザ計測も同時に行うことで 回の計測でシームレス地形を得られる技術も実用化されている ),2) また UAV 写真測量においても 従来は陸部のみが対象であったが 水中の屈折率の補正や水中ターゲットの設置等により 水深数 m 程度は地形計測が可能であることが報告されている 5),6) このような近年の計測手法は 非接触で場を乱さずに調査でき かつ 従来の測深技術が不得手としていた浅場の計測ができるため 今後の実用化の拡充が期待される なお 留意点として ALB 測深や水中の UAV 写真測量の場合は 計測可能な水深に上限値があり 現在は濁り等にもよるが 水深にして数 m が限界とされる 2) 植生との関係性今回の計測現場では 沈水植生が密生するような場所はなく フィルタリングに苦慮する箇所は少なかったが 一般に 河床上に植生や立木 ゴミ等が覆っている場合には 河床まで透過して到達する点数を多く得るため 密な計測点数が必要となる 3) 流速との関係性今回の計測現場は 平常時の流速がm/s 未満であり ボートが上下流に航行することに問題はなかったが 流速が 2m/s を超える場合には ボートによる遡上が難しく 往復できないため調査が非効率となり また安全上の問題も生じる このような現場では ALB 測深や UAV 写真測量など 非接触による計測が望ましい 4) 水質や流れ等との関係性上記のような水深 植生影響 流速等の現地条件に加え 濁り ( 透視度 ) や塩分濃度といった水質条件 気泡の状況といった流れの条件についても 調査の精度を左右する場合があるため 事前に留意しておく必要がある 5) その他の現地条件との関係性ボートによる計測の場合 床固工や沈水橋など ボートの往来を遮るものがないか 坂路等の進入路 係留場所や駐車スペースがあるか 港湾区域や水上レジャーエリア 漁場 公園など配慮が必要な場所かどうかについても事前の調査が必要である UAV による計測の場合には 近傍の飛行場 周辺の DID 地区 橋梁の位置 河川利用状況等を把握した上でのフライト計画や安全計画を立てる必要がある 6. おわりに近年の計測技術の躍進ぶりは目覚ましいが 一方で 河川管理の実務にはなかなか取り込みが進んでいない この理由として 何ができるのかが具体的にイメージできない コスト増が心配 という実態があるものと考え 本報において 水 中の河床面的情報を河川管理に活用する上での具体例を示した また 調査および検討を通して得た留意事項や計測コスト 適用範囲についても極力具体的に整理した 本報が計測技術と管理技術の間を繋ぐ一助となり 今後の河川管理の高度化 省力化に寄与することを祈念する 謝辞 : 調査結果の考察に関して 名古屋工業大学の冨永晃宏教授 河川財団の山本晃一所長には 丁寧に指導を賜りました 庄内川河川事務所の方々には データ提供等の面で多大な協力をいただきました ( 株 ) アーク ジオ サポートの方々には現地観測において尽力いただきました ここに記して謝意を表します 参考文献 ) 山本一浩ほか : グリーンレーザ (ALB) を用いた河川測量の試み 河川技術論文集 第 23 巻 27 2) 岡部貴之 坂下裕明ほか : ALB の河川縦横断測量への適用性の研究 河川技術論文集 第 2 巻 24 3) 掛波優作 神野有生 赤松良久ほか : UAV-SfM 手法を用いた高解像度かつ簡便な河道測量技術の検証 河川技術論文集 第 22 巻 26 4) 原田守啓ほか : UAV と水域可視化処理による河川地形計測手法の検討 河川技術論文集 第 22 巻 26 5) 齋藤正徳ほか : UAV 写真測量による簡易な河川地形把握手法を活用した河道管理の検討 河川技術論文集 第 23 巻 27 6) 神野有生ほか : UAV と SfM-MVS を用いた河道水面下測量技術における水面屈折補正の高度化 河川技術論文集 第 23 巻 27 7) 秋田麗子ほか : 水中の河床地形の面的計測とその活用方策について 河川技術論文集 第 23 巻 27 8) 治水上から見た橋脚問題 土木研究所資料第 3225 号 pp.33-37 995 9) 芦田 江頭 中川ほか :2 世紀の河川学 京都大学学術出版会 p.4 ) 山本晃一 : 沖積河川 技報堂出版 p.27 ) 吉川秀夫 石川忠晴 : 砂漣 砂堆上の流れの抵抗について 土木学会論文報告集 第 28 号 979 2) 塩見真矢 鈴木克尚 山本晃一ほか : 3 次元サイドスキャンソナーを用いた鬼怒川下流部における泥岩 沖積粘性土層露出河床の侵食特性の検討 河川技術論文集 第 22 巻 26 3) 坂角淳一 保坂裕 : 信濃川下流域のスワス測深計測について 北陸地方整備局 22 4) 河床形状小委員会 : 移動床流れにおける河床形態と粗度 土木学会論文報告集 第 2 号 973 73