コンクリート工学年次論文集 Vol.30

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. 軸力作用時における曲げ耐力基本式の算定 ) ここでは破壊包絡線の作成を前提としているので, コンクリートは引張領域を無視した RC 断面時を考える. 圧縮域コンクリートは応力分布は簡易的に, 降伏時は線形分布, 終局時は等価応力ブロック ( 図 -2) を考えることにする. h N ε f e

FC 正面 1. 地震入力 1-1. 設計基準 準拠基準は以下による 建築設備耐震設計 施工指針 (2005 年版 ): 日本建築センター FH = KH M G KH: 設計用水平震度 KH = Z KS W : 機械重量 FV = KV M G = 機械質量 (M) 重力加速度 (G) KV =

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を 0.1% から 0.5% 1.0% 1.5% 2.0% まで増大する正負交番繰り返し それぞれ 3 回の加力サイクルとした 加力図および加力サイクルは図に示すとおりである その荷重 - 変位曲線結果を図 4a から 4c に示す R6-1,2,3 は歪度が 1.0% までは安定した履歴を示した

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論文新潟県中越沖地震で被災した RC 造煙突の倒壊解析 金裕錫 * 壁谷澤寿海 * 壁谷澤寿一 * * 壁谷澤寿成 要旨 : 本研究では, 年 月 日に発生した新潟県中越沖地震で被災した RC 造煙突の折損および崩落の破壊過程を推測し, その原因を究明する目的で 次元地震応答解析を行った 煙突位置に近い観測点 (Knet, NIG) で得られた地震動記録を用い, 地震動の特徴を示すとともにその地震動による煙突の破壊過程を再現した その結果, 煙突壁板の配筋がダブルからシングルに変化するところに変形が集中し, 曲げ破壊しており, 実際の煙突の折損位置が特定できた なお, 外力分布の種類による Pushover 解析結果および地震応答解析時のせん断力係数分布から地震動による煙突への外力分布は逆三角形であることが推定できた キーワード : 地震被災, 煙突, 倒壊解析, 被害調査. はじめに 年 月 日に発生した新潟県中越沖地震による建物の被害は, 比較的周期の長い木造建物に集中しており, 短周期の鉄筋コンクリート造建物には大きな被害はなかった これは, キラーパルスと呼ばれる卓越周期の長い (~. 秒 ) 今回の地震動の特徴にその原因があると考えられる 一方, 秒前後の固有周期を持つ鉄筋コンクリート造煙突が今回の長周期地震動により折損し, 一部崩落する被害を受けた 本研究では, 著者らにより行われた新潟県中越沖地震の被害調査および行政独立法人建築研究所から報告された煙突の資料 ) を用いて, 被害煙突に対する 次元地震応答解析から煙突の破壊過程を推測し, その倒壊の原因を究明するのを目的とする 約 km 約 km 図 被災煙突の位置. 解析対象概要柏崎市橋場所在の柏崎クリーンセンターの位置を本震震央および Knet 柏崎 (NIG) 観測点の位置とともに図 に示す 解析対象はゴミ処理施設 ( 柏崎クリーンセンター ) にある自立型煙突で,99 年 月に完成されたものである 本煙突は二重筒形式で内筒 ( 鋼製 ) と外筒 ( 鉄筋コンクリート ) から構成されており, 本研究では RC 造である外筒のみを解析対象とする 写真 には煙突の被害状況を示しており, 地上から約 m のところが折損, 崩落し,m ぐらい降下しているのが示されている 外筒は, 高さ m,.m の正方形断面を有しており, 壁板厚および配筋は高さ方向に変化している ( 図, 図 ) 特に, 配筋においてはレベル( 図 ) からダブル配筋からシングル配筋に変化しており, その位置で煙突の破壊が生じている * 東京大学地震研究所助教工博 ( 正会員 ) * 東京大学地震研究所教授工博 ( 正会員 ) * 東京大学工学系研究科大学院生工修 ( 正会員 ) 西 東 約 m 降下 写真 煙突の被災状況 約 m

m X 図 煙突の立面図 (Y 構面 ) および配筋詳細 Y.m Y 壁板番号 9 9 X 節点 9~ 番壁板 X.m 9.m 9.m 9.m 9.m 9.m.m ~ 番壁板 ~9 番壁板.m D D@.9m.tonf D D@.m.tonf D9 D@.m 9.tonf D D@.m.tonf D D@.m.tonf D 9D D@ D@.9m.tonf D D D@ D@.m.tonf 主筋外側主筋内側帯筋外側帯筋内側壁板厚重量.9m ~.m 図 断面図および平面要素番号. 解析方法本解析では, 図 に示すように 枚の壁板を, 配筋量が変化する位置を中心に分け, またそれぞれの壁板を 枚の壁板要素 ( 図 ) でモデル化した したがって, 外筒一面 枚の壁板を 9 枚の isoparametri 要素でモデル化することになり, 合計 枚の平面要素で煙突全体をモデル化した ここで, 煙突 面の壁板に設けられている開口部は無視してモデル化した 平面要素の寸法は, 最上部 (.m.m) と最下部 (.m.m) を除いては, 高さ m, 幅.m であり, 各要素は 節点平面要素 ~ 番壁板 X である 各平面要素の応答は, ガウス積分点でのコンクリートおよび鉄筋おの応力 歪関係から評価されており, 平面要素の自由度は面内変形のみを考慮し, 自由度で表される ( 図 ) D, F D, F D, F 節点 ガウス積分点 D, F D: Displaement D, F F: Fore D, F 図 壁板要素 (Isoparametri element) σ f f σ = f f ε ε ε =. /(..ε t / ε ), =., = σ t f r εr ε r 本解析で用いたコンクリートの構成則を図 に示す ここで, 圧縮モデルでは 軸応力状態での引張歪によるコンクリート圧縮強度の軟化効果が考慮されており ( 図 (a) の ), 耐力劣化を再現することが可能である コンクリートの引張モデルでは, ひび割れ発生後も引張強度を直ちに喪失せず, 鉄筋の存在による tension stiffneing 効果を考慮している ( 図 (b)) また, 面材要素のひび割れモデルとしては分散ひび割れモデル ( 平均歪 平均応力関係 ) と回転ひび割れモデルを採用している コンクリートの構成則および面材要素の詳細については文献 ) を参照されたい 鉄筋の構成則としては bilinear モ ε ε ε ε ε, σ ) (, max, max σ = (a) 圧縮モデル ( ) ( ) ) 図 コンクリートの構成則 σ t = fr ( ε r / ε t ) (b) 引張モデル 9 f ε. ε t D, F D, F ( ε ε ) input data

デルを用いており, 降伏後の剛性低下率を初期剛性の. 倍と設定した 材料特性としては, コンクリート強度を N/mm, 鉄筋の場合は,9 N/mm (D 以下 ) と N/mm (D9 以上 ) の つの強度を用いて解析を行った 解析対象の全節点数は 個であり ( 図 ), 各節点の自由度は X,Y,Z 方向の併進成分のみを考慮した 各節点の質量は, 壁板の重量 ( 図 ) を求め集中質量として振り分けた 自重による各部材の初期応力状態に関しては壁板の軸応力を考慮した 支持条件としては基礎固定の仮定で解析を行った 数値積分法は Newmark β 法 ( β = / ) を用い, 積分の時間刻み, t は. 秒とした 減衰に関しては, 実在する鉄筋コンクリート煙突の入力ロープ加振による振動実験の結果, 減衰定数は各次 ~ % との結果が報告されていることから ) 減衰定数を % と設定し, 瞬間剛性比例型で解析を行った 対する煙突方位のずれ ( ) も示している 地震応答解析では, 図 の EW,NS 成分をそれぞれ煙突の X 軸および Y 軸に対し 回転して入力するとともに, 上下動成分 (UD) も入力して解析を行った 図 には Knet 柏崎の擬似速度応答スペクトルを, 年能登半島地震 ( 穴水 ) と JMA Kobe 地震動のスペクトルと比較しており, 柏崎の両成分は長周期 (~. 秒 ) 成分が卓越しているのが確認できる W N 9 Y E X. 入力地震動図 (a) に Knet 柏崎 (NIG) で観測された加速度の EW 成分と NS 成分を示し, それぞれの速度波形を図 (b) に示す ここで, 速度波形は加速度記録を積分して求めた結果であり, 積分時のフィルターは butterworth, 次のバンドパース.Hz~Hz を用いた EW 速度 (kine) 加速度 (gal) NS (a) 加速度波形 EW NS (b) 速度波形図 KNet 柏崎 (NIG) の時刻歴両速度成分 (EW,NS 成分 ) による煙突に入力される地震動の方向を図 に示しており, 明確な方向性 ( 北西 南東 ) を持っているのが確認できる また, 真北に psv(m/se) 図 煙突への地震動 ( 速度 ) 入力方向 Kasiwazaki (EW) Kasiwazaki (NS) Anamizu (EW) Anamizu (NS) JMA Kobe (EW) JMA Kobe (NS) S... 周期 ( 秒 ) 図 擬似速度応答スペクトルの比較 (h=.). 解析結果. 固有値解析図 9 に煙突の固有周期およびモード形を示す ここで, 式 () の略算式 ) による 次固有周期は.9 秒であり, 固有値解析結果 (. 秒 ) より若干長いもののほぼ同等な結果となっている WH / g T =. () EI

ここで,W : 地上部分の固定荷重と積載荷重の和 (kn), g : 9.m / s, H : 地盤面から煙突の頂部高さ (m), E : ヤング係数 (N/mm ), I : 脚部の断面 次モーメント (m ) 東方向へ集中しているのがわかる また, 最大変位記録時 (.9 秒付近 ) の煙突の変形を図 (b) に表しており, 逆三角形外力分布を用いた Pushover 解析結果と同様に 番目の壁板に変形が集中しているのが確認できる Y 方向頂部変形角 (rad.).... 最大変位 (a) 次 :. 秒 (b) 次 :. 秒 () 次 :. 秒図 9 固有周期およびモード形. Pushover 解析矩形外力分布および逆三角形外力分布を用いて行った Pushover 解析結果を図 に示す 図からわかるように矩形分布の場合は脚部の壁板に変形が集中しているのに対し, 逆三角形外力分布の場合は, 番壁板 ( 図 参照 ) に変形が集中しているのが確認できる 実際の煙突の被害も 番目の壁板に相当する位置で大きかったことから地震動による煙突への外力分布は逆三角形分布に近いと推測される ここで, 番壁板までがシングル配筋であり, 番目から下の壁板はダブル配筋になっている Y Y.... X 方向頂部変形角 (rad.) (a) 頂部の変位オービット 番壁板 北西方向 番壁板 X X (b) 最大変位記録時の煙突変形様子 軸方向変位 (m)...... XY XY XY XY 番壁板 (a) 矩形外力分布 (b) 逆三角形外力分布図 外力分布による煙突の変形. 地震応答解析図 (a) に煙突頂部の変位オービットを示しており, 入力地震動の方向性により煙突の変位応答も北西 南 9 () 各壁板 (,,, 番 ) の鉛直節点間相対軸方向変位図 最大変位記録時の煙突の挙動図 () には変形が集中しているレベル 上の壁板 枚 (,,, 番, 図, 参照 ) の鉛直節点間の相対軸方向変位を示している 最大水平変位が北西方向に生じているので XY 位置で最大引張変位,XY 位置で最大圧縮変位が生じているのがわかる したがって,

この時点で Y 構面の壁板 ( 番壁板 ) と X 構面の壁板 ( 番壁板 ) に引張による曲げ破壊が起こったと推測される 現地の被害調査のとき撮影した写真からも最大変形時引張側となる 番と 番相当の壁板は崩落しており ( 写真 (a)), 圧縮側となる 番と 番相当の壁板は折損しているもののその壁板は崩落していないのが確認できる ( 写真 (b)) 番壁板崩落 (a) 最大変形時引張側 (b) 最大変形時圧縮側写真 煙突の折損状況,,,,,,,, 9,, 9,,,,,,,, 9, 番壁板崩落 最大変位記録時 逆三角形分布 9,, 9,,,,,,,, 9,, 9,,,,,,, 番壁板最大ベースシヤー記録時 せん断力係数 せん断力係数 (a) X 方向 (b) Y 方向 図 せん断力係数分布 ( ベースシヤー係数で基準化 ) 番壁板壁板番号 図 には 番壁板とその上下にある壁板 (, 番 ) の最大変位記録時までの主筋歪を時刻歴で比較している 図からわかるように 番の主筋歪に比べ 番と 番の歪レベルははるかに小さいのがわかり, ダブル配筋からシングル配筋に変化する位置で変形が集中しているのを表している 図 では, 図 で擬似速度応答スペクトルを示した能登半島地震 ( 穴水 ) と JMA Kobe 地震動の 成分 (EW, NS,UD) を煙突へ入力して得られた頂部の変位オービットを表している これらの地震動による変位応答は, 柏崎 (NIG) の地震動入力による変位応答に比べ小さい結果になっているのがわかる ここで, 穴水地震動の場合は, 柏崎地震動入力時の結果と同様に配筋が変化するレベル 付近で変形が集中しているのに対し,JMA Kobe 入力の場合は変形の集中具合が穏やかで, 全高さへ渡り均等に分布している結果となった これは, つの地震動の中で JMA Kobe 地震動の卓越周期がもっとも短いことと関連があると考えられる ひずみ 番壁板 番壁板 番壁板 ガウス積分点番号. 9. 図 隣接壁板のガウス積分点の主筋歪比較 図 には最大変位記録時 ( 図 (a)) および最大ベースシヤー記録時における各壁板の応答せん断力から算出した高さ方向のせん断力係数を逆三角形外力分布とともに示す ここで, 最大変位記録時と最大ベースシヤー記録時のベースシヤーが異なるので両結果を比較するためベースシヤー係数で基準化した値を示した 両時刻 ( 最大変位記録時および最大ベースシヤー記録時 ) におけるせん断力係数分布ともに, 値に差はあるものの, 逆三角形外力分布に近いのがわかる これは逆三角形外力分布を用いた pushover 解析結果と地震応答解析結果において変形集中位置が同じであることを裏付ける結果である Y 方向頂部変形角 (rad.).... Kasiwazaki JMA Kobe Anamizu.... X 方向頂部変形角 (rad.) 図 入力地震動による変位応答

. まとめ新潟県中越沖地震で被災した鉄筋コンクリート造煙突の倒壊過程を推測, 究明する目的で行った 次元地震応答解析から得られた知見を以下にまとめる () 速度スペクトルの特徴の異なる地震動による地震応答解析結果から, 地震動の卓越周期が煙突の破壊部位および損傷分布に影響を与えることが確認できた () ダブル配筋からシングル配筋へ変化するところで折損した実際の煙突の挙動が逆三角形外力分布を用いた Pushover 解析から再現できたことや地震応答解析から求めた応答せん断力係数分布から, 地震動による煙突への外力分布は逆三角形分布であることが推定できた () 柏崎 (NIG) 地震動の 成分を用いた地震応答解析から, 実際の被害状況と同様に配筋の変化部位への変形集中による曲げ破壊過程が再現でき, 煙突の折損部位が地震応答解析から特定できた 参考文献 ) 建築研究所 : 塔状工作物 ( 鉄筋コンクリート造 ) の被害, 独立行政法人建築研究所ホームページ (http://www.kenken.go.jp/),. ) 日本建築学会 : 鉄筋コンクリート煙突の構造設計指針,9 ) 陣少華, 壁谷澤寿海 : 非線形解析における鉄筋コンクリート耐震壁モデル, コンクリート工学年次論文報告集,Vol., No., pp., 999 ) 日本建築学会 : 煙突構造設計指針,