平成 30 年度山口県糖尿病療養指導士講習会第 1 回確認試験 糖尿病の現状と課題 糖尿病の療養指導と療養指導士の役割 1. 正しい組み合わせはどれか (1) 国民健康 栄養調査の推計によると 糖尿病が強く疑われる人は増加しているが 糖尿病の可能性が否定できない人の数は現在減少傾向にある (2) 小児 1 型糖尿病の発症率は我が国と比して北欧諸国の方が高い (3) 国民健康 栄養調査によると高齢になるほど糖尿病受診率は低下する (4) 成人の失明原因の第 1 位は糖尿病網膜症である (5) この 30 年間糖尿病患者が増加した背景には この間エネルギー摂取量が増加し続けたことが背景にある 2. 正しい組み合わせはどれか (1) 糖尿病を増加 悪化させない社会環境を構築するためには 高年期の人ではサルコペニアの予防 進行抑制が重要となってくる (2) 腎症予防プログラム では かかりつけ医と専門医だけが連携をとり 糖尿病患者の重症化を予防する (3) 特定保健指導の実施率は約 50% である (4) 都道府県単位で 腎症予防プログラム を作成することが求められている (5) 高血圧や脂質異常は糖尿病発症の危険因子である a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5) 1
3. 日本糖尿病療養指導士制度に関して誤っているのはどれか (1) 現在 糖尿病患者の療養指導に従事するコメディカルスタッフであれば 誰でも資格を得ることができる (2) 資格を有する看護師が行う予防的フットケアは 糖尿病合併症管理料として保険点数がみとめられる (3) 療養指導の最終目標は 患者の自己管理能力を引き出し それを実行できるようサポートすることである (4) 現在日本糖尿病療養指導士 (CDEJ) 資格を有する人は 約 2 万人である (5)CDEJ の数は 看護師の次に薬剤師が多い 4. 日本糖尿病協会に関して正しいものはどれか (1) 糖尿病の啓発活動をおこなう医療従事者だけで構成される組織である (2) 糖尿病連携手帳 自己管理ノートなどを制作 配布している (3) 年 1 回療養指導学術集会を開催している (4) 全国 50 カ所で毎年小児糖尿病キャンプを行っている (5) 会員には毎週協会誌 糖尿病ライフさかえ が送られる a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5) 5. 糖尿病の療養指導に関して正しいものはどれか (1) チームをつくり 各医療スタッフによる専門性を生かしたチームアプローチが望ましい (2) 一医療機関でチームが形成されない場合 医療連携によりチームを組織することができる (3) 管理栄養士であれば食事処方を行うことは許される (4) 糖尿病の病態や生活習慣は個人個人異なるので ガイドラインは参考としない方がよい (5) 外来初診時にできるだけ多くの患者情報を得なければならない a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5) 2
糖尿病の概念 成因 分類 診断 検査 2018/06/17 6. 糖尿病について誤っているのはどれか (1) 糖尿病はインスリン作用不足に基づく慢性高血糖状態を主徴とする代謝疾患である (2) 高血糖に伴う糖尿病に特有の症状は 過食 体重増加 頻尿である (3) 高血糖の持続による細小血管障害として 神経障害 網膜症 腎症がある (4) 病態は インスリン分泌不全とインスリン作用の障害 ( インスリン抵抗性 ) である (5) 成因は多様で 遺伝因子と環境因子が関与している a.(1) b.(2) c.(3) d.(4) e.(5) 7.1 型糖尿病についての以下の説明のうち正しい組み合わせはどれか (1)18 歳未満の糖尿病患者では 1 型糖尿病に限らず 2 型やその他の糖尿病でも小児慢性特定疾患が申請できる (2) がんの免疫療法に用いられる免疫チェックポイント阻害薬を使用後 劇症 1 型糖尿病を発症することがある (3) 成長期の 1 型糖尿病患者では 年齢にかかわらず標準体重から算出された摂取カロリーを遵守するよう厳格に指導する (4) 寛解期 ( ハネムーン期間 ) の 1 型糖尿病尿病患者では 極力インスリン治療を中断して食事療法に努める (5)1 型糖尿病患者 ( 特に若年者 ) では 早朝の血糖値は低くても食後 ( 特に夕食後 ) の血糖値が上昇することが多く これを暁現象 dawn phenomenon という 8.2 型糖尿病についての以下の説明のうち正しいのはどれか a.2 型糖尿病では インスリン分泌が保たれているため 1 型糖尿病と異なり清涼飲料水の多飲などによってもケトアシドーシスをきたすことはない b. インスリン抵抗性の指標として HOMA-R が有用である c.40 歳までに発症することが多い d.2 型糖尿病を経口血糖降下薬で加療中 様々な理由で経口薬が効かなくなり インスリン治療が必要になるものを緩徐進行 1 型糖尿病という e.2 型糖尿病が疑われる対象者で糖尿病を診断する際は家族歴も加味する 3
9. 糖尿病の成因 病型に関する以下の説明文で 正しい組み合わせはどれか (1) 膠原病などの自己免疫疾患を伴う糖尿病を 1 型糖尿病の 1A 自己免疫性 に分類する (2)GAD 抗体 IA-2 抗体 膵島細胞抗体 (ICA) インスリン自己抗体 (IAA) などは しばしば 2 型糖尿病の患者で認められる膵島関連自己抗体である (3)HLA の DR4 DR9 は日本人の 1 型糖尿病の疾患感受性 DR2 は疾患抵抗性を示す (4)1 型糖尿病では 内因性インスリン分泌は低下しており ケトーシス ケトアシドーシスに陥りやすい (5) 劇症 1 型糖尿病では HbA1c が著しく高値にもかかわらず血糖値が 200mg/dl 以下のことがしばしば認められる 10. 妊娠と糖尿病 耐糖能異常に関する以下の説明文で 正しい組み合わせはどれか (1) 妊娠中に初めて明らかな糖尿病が確認された場合 糖尿病合併妊娠とする (2) 妊婦に対する糖尿病や耐糖能異常のスクリーニングは妊娠初期と 24~28 週に空腹時血糖を測定して行う (3) 妊娠中に明らかな腎障害を認めた場合 糖尿病合併妊娠とする (4) 妊娠中に随時血糖 100mg/dl 以上を認めた際は 75gOGTT を実施する (5) 妊娠糖尿病の判定の際の血糖値は 空腹時 92mg/dl 以上 1 時間値 180mg/dl 以上 2 時間値 153mg/dl 以上のいずれか 1 点以上を満たせば判定される 4
糖尿病の検査 治療総論 11. 糖尿病治療の進め方について正しいのはどれか a.non-hdl コレステロールは 130mg/dl 未満を目標とする b. 体重は BMI 20kg/m2 に相当する標準体重を目標にする c. 血圧は 140/80 mmhg 未満を目標とする d. 冠動脈疾患がない場合 LDL コレステロールを 120mg/dl 未満とする e. 早朝空腹時の中性脂肪は 200mg/dl 未満を目標とする 12. 糖尿病の血糖コントロール目標について正しいのはどれか a. 年齢 罹病期間 低血糖のリスク等を勘案して個別に設定する b. 一般的には 合併症予防の観点から HbA1c の目標値は 6% 未満とする c. 高齢者糖尿病の治療目標とその考え方は 一般成人と同一である d. 低血糖等により治療強化が困難な場合 HbA1c の目標値を 7% 未満とする e. 妊婦の治療目標とその考え方は 一般成人と同一である 13. 1 型糖尿病 の糖尿病治療について誤っているのはどれか a. 最初の 2 か月間は食事と運動指導で経過を観察してもよい b. 膵 β 細胞からインスリン分泌を増強するスルホニル尿素薬は無効である c. 診断と同時にインスリン療法を開始する d.glp-1 受容体作動薬は無効である e. 急性代謝失調が改善した後も インスリンを生涯継続する必要がある 5
14. 次の糖尿病内服薬の内 単独使用で低血糖を生じる可能性が最も高い薬剤はどれか a. スルホニル尿素薬 b.α グルコシダーゼ阻害薬 c. ビグアナイド薬 d.sglt2 阻害薬 e.dpp4 阻害薬 15. 糖尿病の検査 血糖コントロールの指標について正しいのはどれか a. グリコアルブミンは 血清アルブミンにブドウ糖が結合したのもので 過去 1 週間の血糖コントロールの指標である b.1.5- アンヒドログルシトールは 過去数日の血糖コントロールの指標で 高血糖が持続すると高値を示す c. 自己血糖測定 (SMBG) は インスリンや GLP1 受容体作動薬を注射している患者に保険適応されるが 妊娠中の糖尿病患者には保険適応されない d. 連続グルコース モニタリング (CGM) は 皮下組織液のグルコース濃度を連続記録する機械である e.hba1c はヘモグロビンにブドウ糖が非酵素的に結合したもので 過去 2 週間の血糖コントロールの指標である 6
運動療法 16. 運動療法に関して正しい組み合わせはどれか (1) 安静空腹時の筋のエネルギー源はほとんどが糖質である (2) 最大酸素摂取量 40-60% 程度の中等度の運動では 筋肉においてブドウ糖利用促進が起こるが 遊離脂肪酸の利用促進はおこらない (3) 運動療法により血糖値の低下は認めるものの HDL コレステロールの増加は認めない (4) 運動による筋収縮は GLUT4 を活性化させ インスリン非依存性および依存性に糖の取り込みを促進させる (5) 低強度の運動であっても長期間継続することにより 2 型糖尿病で低下しているインスリン感受性を改善させる 17. 運動開始時の検査に関して正しい組み合わせはどれか (1) 血糖コントロール状態を把握する必要があり 特に空腹時血糖が 250mg/dl 以上の血糖コントロール不良症例に対しては 有酸素運動を推奨する (2) 問診では自覚症状や心血管イベント 関節疾患の既往 それと運動との関連について聴取する (3) 心拍変動を検査することにより 糖尿病神経障害の有無もチェック可能である (4) 安静時 12 誘導心電図は虚血性心疾患の鑑別には不向きであり 運動開始時の検査として通常行わない (5)GFR 把握のために血清クレアチニンの測定は必要であるが 尿蛋白や尿アルブミンの有無を調べる必要はない 7
18. 運動療法の指導に関して正しい組み合わせはどれか (1) スクワットトレーニングは筋力 筋量を増加させる有酸素運動である (2) 目標心拍数の算出方法は [(220- 年齢 )-( 安静時心拍数 )] 40~60%+ 安静時心拍数で求める (3) 無酸素性作業閾値を超えるような無酸素運動強度では 血糖値の上昇を招くことがある (4) 自覚運動強度で 楽である と感じる程度では至適運動にはならない (5) 健康づくりのための運動指針 2006 ( エクササイズガイド ) では 身体活動を 運動 と 生活活動 とに区分し 運動 についてのみエクササイズ (METs 時間 ) という単位を用い 生活活動 にはエクササイズという単位は用いていない 19. 運動療法に関して誤っているのはどれか a. 運動中および運動後十数時間での低血糖に注意する b. 薬物療法中の患者は 低血糖を予防するために必ず食後に運動する c. 歩数計 自己血糖測定 体重計測などは 運動の効果を知り 継続するために有効である d. 健康づくりのための身体活動指針 ( アクティブガイド ) では運動の介入方法として 気づく 始める 達成する つながる の 4 つの目標が設定されている e.neat は日常の生活活動としてのエネルギー消費であり NEAT を増やすことは運動療法として評価しない 20. 合併症のある場合の運動療法について誤っているのはどれか a. 単純網膜症を有する場合 バルサルバ型運動を行なっても支障はない b. 早期腎症 ( 第 2 期 ) の場合には原則として運動療法を行う c. 糖尿病神経障害を有する場合 運動前後に足部の皮膚の観察が重要である d. 自律神経障害を有する場合 運動時に心拍数の増加が見られないことがあるので注意が必要である e. 下肢関節疾患を有する場合は十分な鎮痛を行い 装具を作成する場合もある 8