( ) 項目 医薬品 特定保健用食品 (GCP) ( 疫学調査の倫理指針 ) 企業 依頼者 モニタリング 監査 規定なし規定なし 医療機関 病院長の責務 責任医師の責務 手順書の作成 規定なし 審査委員会試験実施計画書インフォームド コンセント資料の保存研究結果の公表規制当局の調査 臨床研究試験委員

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より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

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本日の内容 1. 未承認対照薬等の取り扱い別添の 4.(3) ウ.( ア ) 2. 対象疾患の悪化等を評価項目にする試験別添の 7.(3) イ.( ア ) 3. 承認取得者以外の治験国内管理人が治験 依頼者となる場合別添の7.(3) オ. 4. 医師主導治験との情報共有別添の7.(3) カ. 5.

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1カップ 74gあたり エネルギー (kcal) 57 ビタミンE(mg) 14 ブイ クレスゼリーカップタイプりんご水分 (g) 59 ビタミンB1(mg) 2.1 たんぱく質 (g) 0.5 ビタミンB2(mg) 2.1 脂質 (g) 0 ナイアシン (mg) 10.5 炭水化物 (

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

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目次 C O N T E N T S 1 下痢等の胃腸障害 下痢について 3 下痢の副作用発現状況 3 最高用量別の下痢の副作用発現状況 3 下痢の程度 4 下痢の発現時期 4 下痢の回復時期 5 下痢による投与中止時期 下痢以外の胃腸障害について 6 下痢以外の胃腸障害の副

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具体的論点 1( 栄養成分 ) ( 案 ) 平成 28 年 2 月 16 日第 2 回検討会資料 2 から抜粋 1 栄養成分を機能性表示食品制度の対象とする意義 2 安全性の確保 対象となる食品 成分の範囲 摂取量の在り方 3 機能性の表示 適切な機能性表示の範囲 消費者に誤解を与えないための情報の

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会長 日本製薬団体連合会会長 日本一般用医薬品連合会会長 米国研究製薬 工業協会会長 欧州製薬団体連合会会長及び一般社団法人日本医薬品卸業連合 会会長あてに発出することとしているので申し添えます

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薬事法における病院及び医師に対する主な規制について 特定生物由来製品に係る説明 ( 法第 68 条の 7 平成 14 年改正 ) 特定生物由来製品の特性を踏まえ 製剤のリスクとベネフィットについて患者に説明を行い 理解を得るように努めることを これを取り扱う医師等の医療関係者に義務づけたもの ( 特

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第2回特定保健用食品等の在り方に関する専門調査会資料2-2-1

胚乳細胞中のタンパク質顆粒 I(PB-I) に改変型 Cry j 1タンパク質 及びCry j 2タンパク質を蓄積させたものです 2 スギ花粉ペプチド含有米( キタアケ ) スギ花粉が有する主要アレルゲンタンパク質 2 種 (Cry j 1 Cry j 2) の7 種類の主要 T 細胞エピトープを連

Transcription:

4 Q&A 健康食品と医薬品相互作用 健康食品とは健康食品とは法律上の定義は無く 広く健康の保持増進に資する食品として販売 利用されるもの全般を指す そのうち 保健機能食品制度 には国が定めた安全性や有効性に関する基準等が設定されている 特定保健用食品とは 製品ごとに食品の有効性や安全性について審査を受け 表示について消費者庁の許可を 受けた健康食品をさす ( 国の許可あり ) 医薬品 特定保健用食品 栄養機能食品 健康食品 取締法 薬事法 食品衛生法 食品衛生法 食品衛生法 臨床試験の実施 承認 厚生労働省 消費者庁 消費者庁 医薬品と食品の臨床試験の実施体制について医薬品または食品の臨床試験を実施する場合には 被験者の倫理性を確保する必要があり その原則は ヘルシンキ宣言 に示されている それを国内の規制として示したのが 医薬品では GCP 省令 ( 医薬品の臨床試験の実施に関する基準 ) であり 特定保健用食品では 疫学研究に関する倫理指針 である 以下の表は 両者で規定される項目を比較したものである 30

( ) 項目 医薬品 特定保健用食品 (GCP) ( 疫学調査の倫理指針 ) 企業 依頼者 モニタリング 監査 規定なし規定なし 医療機関 病院長の責務 責任医師の責務 手順書の作成 規定なし 審査委員会試験実施計画書インフォームド コンセント資料の保存研究結果の公表規制当局の調査 臨床研究試験委員会倫理審査委員会 依頼者が作成 研究者が作成 文書説明文書同意 文書説明文書同意 規定なし 公表 総合機構が実施体制なし ( 引用 : 新規機能性食品の臨床試験による保健機能評価について ) (GCP: 医薬品の臨床試験の実施に関する基準 ) 栄養機能食品とは栄養機能食品とは 国が定めた規格基準に合致し 製造業者の責任のもとで消費者庁が定めた栄養成分に関する効果を表示できる健康食品である 栄養機能食品は以下の栄養素のいずれかの下限量以上 上限量未満の成分量を含む必要がある ( 国の許可なし ) 栄養機能食品に必要なミネラル類 亜鉛 カルシウム 鉄分 銅 マグネシウム - 上限 15mg 600mg 10mg 5mg 300mg - 下限 3mg 250mg 4mg 0.5mg 80mg - 栄養機能食品に必要なビタミン類 ナイアシンパントテン酸 ビオチン ビタミン A ビタミン B 1 ビタミン B 2 上限 15mg 30mg 500ug 600ug 25mg 12mg 下限 5mg 2mg 10ug 180ug 0.3mg 0.4mg ビタミン B 6 ビタミン B 12 ビタミン C ビタミン D ビタミン E 葉酸 上限 10mg 60ug 1000mg 5ug 150mg 200ug 下限 0.5mg 0.8ug 35mg 0.9ug 3mg 70ug 31

特定保健用食品と薬の相互作用特定保健用食品 ( 以下 トクホと明記する ) は身体の生理学的機能に影響を与える成分を含有する食品である トクホと医薬品の併用により医薬品の作用が増強または減弱し 副作用が生じる可能性がある またトクホは健康に関心のある消費者を対象とした食品であり 疾病の治療を行う医薬品とは異なるということを理解し トクホが医薬品と類似した作用を持つ場合は使用を中止することが望ましい 以下にトクホと主な医薬品との相互作用を示す 特定保健用食品 医薬品 相互作用 血圧が高めの方のトクホ 高血圧治療薬 (ACE 阻害薬 ) 似た作用を持つため 併用により降圧作用が増強する ラクトトリペプチド カリウム保持性利尿薬カリウム製剤 カリウム貯留作用の増強により血清カリウム値が上昇する サーデンペプチド杜仲茶 血糖値が気になる方のトクホ グアバ茶ポリフェノール ( 番爽麗茶 ) 難消化性デキスト 糖尿病治療薬 ( スルホニル尿素剤 α グルコシダーゼ ) 両者ともに糖の分解を抑制する作用があり 薬の作用が増強され低血糖を生じる可能性がある 未消化の糖質が腸内で発酵し ガスが発生するため腹部膨満感が生じる リン小麦アルブミン コレステロールが高めの方のトクホ 高脂血症治療薬 ( イオン交換樹脂製剤 ) トクホに含まれる成分が胆汁酸と結合することで 胆汁酸により吸収される脂溶性薬剤が吸収されにくくなる 大豆タンパク質キトサン低分子化アルギン酸ナトリウム グリセオフルビンイトラコナゾール 虫歯になりにくいトクホ パラチノースマルチトースキシリトール 糖尿病治療薬 (α グルコシダーゼ阻害薬 ) 高アンモニア血症治療薬 ( ラクツロース ) 下剤 トクホに含まれる糖アルコールは難消化性であり 大量に摂取すると軟便 下痢が発現する可能性がある そのため薬と併用すると更に下痢が起こりやすくなる 32

おなかの調子を整える特定保健用食品 各種オリゴ酸ポリデキトロール乳酸 強心薬 ( ジゴキシン ジギトキシン メチルジゴキシン ) 薬剤の吸収が遅れ薬効の発現遅延や作用減 弱の可能性がある 特定保健用食品の健康被害についてトクホは医薬品のように身体の生理機能に影響を与える成分を含んでいるため 過剰に摂取した場合 健康被害が生じた事例がある 例えば茶カテキンが含まれているヘルシアを 1 日に何本も摂取した結果 肝障害が起きたという報告があり 特定保健用食品を使用する場合でも用法 用量を守ることが必要である 栄養機能食品との相互作用について栄養機能食品は ある一定の量 ( 表 ) のビタミン及びミネラルを含有する食品である そのため 過剰摂取による健康被害が報告されている 1 日の耐容上限量が定められているのは ビタミンでナイアシン ビタミン A ビタミン B 6 ビタミン D ビタミン E 葉酸であり ミネラルでは亜鉛 鉄 銅 カルシウム マグネシウムがある そのため これらを含有する医薬品を使用する際には注意が必要となる また 過剰投与以外にも栄養機能食品と医薬品の相互作用に注意が必要なものがある 以下に栄養機能食品と主な医薬品との相互作用を示す 栄養機能食品ビタミン A 医薬品 ( 薬効分類 ) レチノール ( ビタミン A 製剤 ) ミノサイクリン ( テトラサイクリン系抗生物質 ) ワルファリン ( 抗凝固剤 ) トレチノイン ( 抗がん剤 ) エトレチナート ( 角化症治療剤 ) パクリタキセル ( 抗がん剤 ) 相互作用 ビタミン A 過剰症 ( 頭痛 吐き気 疲労 皮膚の乾燥など ) が現れる可能性がある 頭蓋内の血圧が上昇し 激しい頭痛を引き起こすことがある ワルファリンの作用を増強させる可能性がある 併用禁忌 ビタミン A に似た作用を示すため ビタミン A 過剰症と似た副作用症状が現れることがある 併用により パクリタキセルの骨髄抑制の副作用が増強される恐れがある 33

ビタ ミン B 6 ビタ ミン C ビタ ミン D ビタ ミン E フェニトイン ( 抗てんかん薬 ) レボドパ ( 抗パーキンソン病薬 ) イソニアジド ( 抗結核薬 ) アセタゾラミド ( 利尿薬 ) エストロゲン ( 卵胞ホルモン薬 ) ジギタリス製剤 ( 強心薬 ) アスピリンワルファリンカリウム ( 抗凝血薬 ) フェニトインの代謝を促進して 作用が減弱する可能性がある レボドパの分解を促進して 脳の中に入る量を減らして作用を弱める イソニアジドの副作用であるビタミン B 6 欠乏による末梢神経障害を緩和する 大量のビタミン C の摂取により尿路結石ができる可能性がある エストロゲンの代謝が阻害され 血中エストロゲン濃度上昇の可能性がある ジギタリスの作用を増強させる可能性あり ジギタリス中毒の症状 ( 嘔気 嘔吐 不整脈等 ) があらわれることがある 大量のビタミン E 摂取で出血傾向が強まる 葉酸 フェニトイン ( 抗てんかん薬 ) フェニトインの代謝を促進して 作用が減弱する可能性がある フルオロウラシル ( 抗腫瘍薬 ) フルオロウラシルの排泄を延長させる可能性がある カル エチドロン酸二ナトリウム アレ 骨粗鬆症治療薬の吸収が阻害されるため 効 シウム レンドロン酸ナトリウムは 30 分以上間隔をあンドロン酸ナトリウム水和物 ( 骨果が減弱する 粗鬆症薬 ) エチドロン酸二ナトリウムは 2 時間以上 ア けて服用する 鉄 テトラサイクリン ミノサイクリンなど ( テトラサイクリン系抗生物質 ) エノキサシン オフロキサシン ガチフロキサシンなど ( ニューキノロン系抗菌薬 ) アルファカルシドール カルシトリオール ( 活性化ビタミン D 3 製剤 ) エチドロン酸二ナトリウム アレンドロン酸ナトリウム水和物 ( 骨粗鬆症薬 ) カルシウムと薬剤が結合して 吸収が阻害されるため 効果が減弱する 2 時間以上間隔をあけて服用する 活性化ビタミン D 3 製剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させるため 高カルシウム血症があらわれるおそれがある 骨粗鬆症治療薬の吸収が阻害されるため 効果が減弱する エチドロン酸二ナトリウムは 2 時間以上 アレンドロン酸ナトリウムは 30 分以上間隔をあけて服用する 鉄が結合して薬剤の吸収が低下するため 同時に服用しないこと レボチロキシンナトリウム ( 甲状腺ホルモン剤 ) セフジニル ( セフェム系抗生物質 ) 鉄が結合して薬剤の吸収が低下するため 3 時間以上間隔をあけて服用する テトラサイクリン ミノサイクリンなど ( テトラサイクリン系抗生物質 ) エノキサシン オフロキサシン 鉄と薬剤が結合して 吸収が阻害されるため 効果が減弱する 2 時間以上間隔をあけて服用する 34

マグ ネシ ウム ガチフロキサシンなど ( ニューキ ノロン系抗菌薬 ) エチドロン酸二ナトリウム アレンドロン酸ナトリウム水和物 ( 骨粗鬆症薬 ) テトラサイクリン ミノサイクリンなど ( テトラサイクリン系抗生物質 ) エノキサシン オフロキサシン ガチフロキサシンなど ( ニューキノロン系抗菌薬 ) 骨粗鬆症治療薬の吸収が阻害されるため 効果が減弱する エチドロン酸二ナトリウムは 2 時間以上 アレンドロン酸ナトリウムは 30 分以上間隔をあけて服用する マグネシウムと薬剤が結合して 吸収が阻害されるため 効果が減弱する 2 時間以上間隔をあけて服用する 健康食品の有害事例 健康食品やサプリメントの服用に際し 健康被害が報告されている 以下に主な有害事例を示す 健康食品素材または製品クロレラ L-トリプトファンゲルマニウムアマメシバ加工品アリストロキア属の植物 症状被害報告原因物質 顔 手の皮膚炎 好酸球増多筋痛症候群 ( 死亡例あり ) 腎機能障害 ( 死亡例あり ) 閉塞性細気管支炎 腎障害 尿路系のがん 1978-1994 1981 年に厚生労働省から注意喚起 光過敏症の皮膚炎を起こすフェオフォルバイドが製品中に多量に含まれていたことが関連 1990 年 ( 米国 ) トリプトファン製品中の不純物 過剰摂取ならびに利用者の体質が被害に関連したと想定される 1982-1994 年 1988 年に厚生労働省から注意喚起 1996-1998 年 ( 台湾 ) 2003-2004 年 2004 年に厚生労働省から注意喚起 1993 年 ( ベルギー ) 1998-2005 年 2000 年に厚生労働省から注意喚起 腎障害を起こす酸化ゲルマニウムを濃縮したソフトカプセルとして過剰に摂取したことが関連 海外では食材としての摂取経験はあったが 過剰摂取したことが被害に関連したと想定されている アリストロキア属の植物 ( 関木通 広防已など ) には有害なアリストロキア酸が含まれている 35

コンフリータピオカ入りダイエットココナッツミルク中国製のダイエット茶 雪茶 スギ花粉含有製品 DHC 社のメリロートサプリメント 肝静脈閉塞性疾患など 1978 年 -1985 年 ( 米国 ) 1976-1990 年 ( 米国 ) 1983 年 ( 香港 ) 2003 年に厚生労働省から注意喚起 海外での被害発生を受けて 2004 年に注意喚起情報が出された 有害なアルカロイドが含まれている 下痢 2003 年 甘味料の D-ソルビトールの過剰摂取 が関連 肝障害 2003 年 本来の中国茶の飲用方法とは異なっ た利用法が被害に関連したと想定さ れている アナフィラキシー 2007 年 スギ花粉患者が 自己判断で花粉症の症状を緩和する目的でスギ花粉含有製品を利用 肝障害厚生労働省より 2 件の健康被害が報告 メリロートに医薬品で定められている服用量 ( 最大 4.0mg/ 日 ) の 2 倍を超えるクマリンが含まれていた α リポ酸自発性低血糖 2004 年 2010 年に厚生労働省から注意喚起 インスリン製剤を用いたことがない人がインスリンに対する自己抗体を産生し 低血糖が引き起こされた この他にも 中国など海外から輸入された健康食品の中に医薬品成分が添加され 有害事象が生じた例も報告されている しかし これらの健康食品の中には 有害事象が生じたにもかかわらず いまだに販売され続けているものもある そのため これらの健康食品を服用している患者がいるおそれがあり 健康食品の使用を確認することが必要である ( 参考 ) 厚生労働省 ( 食品安全情報 ) http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/hokenkinou/ind ex.html 社団法人沖縄県薬剤師会 ( 一部改変 ) http://www.okiyaku.or.jp/datafile/supl.html 国立医薬品食品衛生研究所 http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/index.html 東京都健康局食品医薬品安全部 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/anzen/supply/index.html 36