尋常性乾癬 薬剤師のためのイブニングセミナー 乾癬 アトピー性皮膚炎の治療戦略 厚い雲母様の鱗屑を伴った紅斑局面が, 物理的刺激を受けやすい場所に好発する. 欧米では 50 人に 1 人と高頻度. 日本では 600 人に 1 人. 厚い鱗屑をはがすと下床に点状出血がみられる ( アウスピッツ現象 ). 無疹部皮膚に摩擦, 外傷, 日光などの刺激が加わると, その部位に乾癬の皮疹が生じる. ( ケブネル現象 ) 京都府立医科大学 益田浩司 皮膚科 乾癬を発症しやすい遺伝的素因が基盤にあると考えられている. マンローの微小膿瘍 Munro s microabscess 乾癬治療のピラミッド 水疱内容が膿性 ( 好中球主体 ) であった場合は膿疱と呼ばれる. 角層下に現れた小さな膿疱をマンローの微小膿瘍と呼び, 尋常性乾癬に特徴的である. 生物学的製剤 シクロスポリン エトレチナート 光線療法 (PUVA UVB NB-UVB) 外用療法 ( ビタミン D ステロイド ) 尋常性乾癬 飯塚一 : 乾癬治療のピラミッド計画, 日皮会誌 :109(6) 1285-1293,2006 1
簡易版アトピー性皮膚炎治療ガイドライン 2012 簡易版アトピー性皮膚炎治療ガイドライン 2012 2
PUVA 療法 光反応を増強する物質ソラレン (psoralen) を外用または内服後 UVA を照射する 表皮細胞 リンパ球の DNA 合成阻害 色素細胞刺激などの紫外線の作用により効果を発揮 乾癬 白斑 掌蹠膿疱症などに有効 3
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乾癬とその併存疾患には TNF が深く関与していることが示唆されています ブドウ膜炎 Eyes Nervous System 抑うつ 疲労感 睡眠障害 認知症 心血管系疾患 心血管系疾患 慢性閉塞性肺疾患 睡眠呼吸障害 Vascular System Pulmonary System TNF Heart Metabolic Syndrome メタボリック症候群 ( 糖尿病 脂質異常 ) 関節症性乾癬 クローン病 Joints Gastrointestinal Tract 乾癬 Skin Nijsten T, et al. J Invest Dermatol 2009; 129:1601 3. より作図 5
生物学的製剤の対象患者 1 2 3 4 皮疹が BSA の 10% に及ぶ患者 ( 広く使用されているのが rule of 10s で BSA10% 以上 または PASI スコア 10 以上 または DLQI(Dermatology Life Quality Index) スコア 10 以上のいずれかを満たす患者 ) 既存の全身療法で満足のいく効果が得られない患者 既存治療抵抗性の難治性皮疹または関節症状を有し QOL が高度に障害されている患者 紫外線療法 内服の全身療法で (ⅰ) 満足のいく治療効果が得られない患者 (ⅱ) 副作用が発現しており 十分な用量の内服または照射ができない患者 (ⅲ) 治療は有用であるが減量や中止により容易に再燃を繰り返すため減量中止が困難で 長期にわたる蓄積性副作用が強く懸念される患者 (ⅳ) 治療禁忌となるような合併症などの存在により治療が困難な患者 乾癬における生物学的製剤の使用指針および安全対策マニュアル (2011 年版 ) 薬剤名 Adarimumab Infliximab Ustekinumab Secukinumab 商品名ヒュミラレミケードステラーラコセンティクス 構造 ヒト型モノクローナル抗体 キメラ型モノクローナル抗体 ヒト型モノクローナル抗体 ヒト型モノクローナル抗体 標的 TNF-α TNF-α IL-12/23p40 IL-17A 注射形態皮下注射静脈注射皮下注射皮下注射 投与間隔 乾癬における国内での承認状況 国内における他の適応疾患 2 週間 尋常性乾癬関節症性乾癬 関節リウマチ強直性脊椎炎クローン病潰瘍性大腸炎ベーチェット病 0,2,6 週以後 8 週間隔 尋常性乾癬関節症性乾癬乾癬性紅皮症膿疱性乾癬 関節リウマチ強直性脊椎炎クローン病潰瘍性大腸炎ベーチェット病 0,4 週以後 12 週間隔 尋常性乾癬関節症性乾癬 なし 0,1,2,3,4 週以後 4 週間隔 尋常性乾癬関節症性乾癬 なし 投与禁忌 活動性結核を含む重篤な感染症を有する患者 NYHA 分類 III 度以上のうっ血性心不全を有する患者 現在 悪性腫瘍を治療中の患者 脱髄疾患 ( 多発性硬化症等 ) 及びその既往歴がある患者 6
乾癬患者における心筋梗塞の調整相対リスク ( 年齢別 ) TNFα 阻害療法 (RA) と心血管系イベントの発生率の関係 10 相対リスク(95 %信頼区間)1.0 0.5 30 歳の乾癬患者は, 心筋梗塞のリスクが軽症の場合 1.29 倍重症の場合 3.10 倍! 重症乾癬患者群軽症乾癬患者群 20 30 40 50 60 70 80 ( 歳 ) 調整相対リスク ( 対数グラフ ) 年齢 Gelfand J, et al. JAMA 2006 ; 296(14) : 1735 1741. TNFα 阻害療法 施行 未施行 件数 人 年 件数 人 年 男性 ( 年齢層 ) 20-39 0 13.1 1 19.4 40-49 0 14.7 0 54.2 50-59 2 58.1 4 126.7 60-69 1 43.5 9 176.9 70-79 0 11.4 12 137.3 女性 ( 年齢層 ) 20-39 0 89.9 1 136.4 40-49 1 102.1 1 235.6 50-59 3 165 14 402.8 60-69 3 97.5 19 406.5 70-79 3 60.5 24 370.9 合計 13 655.6 85 2066.7 年齢 性別調整 / 1000 人 年 (95%Cl) 14.0(5.7-22.4) 35.4(16.5-54.4) Jacobsson LT, et al. J. Rheumatol 2005; 32 (7): 1213-1218. 乾癬治療のピラミッド * アトピー性皮膚炎とは 生物学的製剤 シクロスポリン 皮膚のバリア機能低下 ( 乾燥肌 ) による刺激に対する敏感さ ( 敏感肌 ) に アトピー型アレルギーなどさまざまな増悪因子が加わることによって 皮膚炎が悪化と軽快を繰り返す疾患 エトレチナート 光線療法 (PUVA UVB NB-UVB) 外用療法 ( ビタミン D ステロイド ) アトピー性皮膚炎 アレルギーアトピー性皮膚炎 一つの原因 飯塚一 : 乾癬治療のピラミッド計画, 日皮会誌 :109(6) 1285-1293,2006 7
アトピー性皮膚炎のできるしくみ 1 表皮のバリア機能低下 ( 乾燥肌 ) 乾燥肌 ( 敏感肌 ) アトピー性皮膚炎 刺激 * 角質細胞間脂質セラミドが主成分 * 皮脂膜 トリグリセリドが主成分. 思春期に増加 * 天然保湿因子 フィラグリンなど * 皮膚の保湿因子 アトピー性皮膚炎では 表皮のバリア機能低下によって 汗 衣服との摩擦などの軽微な刺激に反応して 皮膚炎を起こしやすい アトピー性皮膚炎患者の乾燥肌と敏感肌 * 乾燥皮膚の角層構造 健常な角層 角質細胞間脂質を除去した角層 アトピー性皮膚炎患者は 表皮からの水分蒸散量が多く ( 乾燥肌 ) さまざまな刺激に過敏に反応して皮膚炎を起こしやすい ( 敏感肌 ) バリアの改善が重要 保湿 角質細胞間脂質が減ると 皮膚の表面が粗くなり すき間がたくさんできてくる ( モルモット皮膚の走査電顕写真 ) 8
アトピー性皮膚炎のできるしくみ 2 アレルギーの合併 アトピー性皮膚炎患者の年齢別特異 IgE 抗体陽性頻度 乾燥肌 ( 敏感肌 ) 刺激 100 ヒョウヒダニ アレルギー アトピー性皮膚炎 刺激 陽性頻度 (%) 80 60 40 20 卵白 アトピー性皮膚炎では アレルギー反応によってさらに皮膚炎が悪化することがある 0 0 2 4 6 8 10 12 14 16 年齢 ( 歳 ) アトピー性皮膚炎の定義 診断基準 アトピー性皮膚炎の定義 診断基準 アトピー性皮膚炎は増悪 寛解を繰り返す 瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患であり 患者の多くはアトピー素因を持つ. アトピー素因 :1 家族歴 既往歴 ( 気管支喘息 アレルギー性鼻炎 結膜炎 アトピー性皮膚炎のうちいずれか あるいは複数の疾患 ) または 2IgE 抗体を産生しやすい素因 1. 瘙痒 2. 特徴的皮疹と分布皮疹は湿疹病変分布は左右対側性 ( 好発部位 : 前額 眼囲 口囲 口唇 耳介周囲 頸部 四肢関節部 体幹 ) 3. 慢性 反復性経過 ( しばしば新旧の皮疹が混在する ) 乳児では2ヶ月以上 その他では6ヶ月以上を慢性とする 9
血中好酸球数 検査値による評価 治療目標 1. 症状はない あるいはあっても軽微であり 日常生活に支障が無く 薬物療法もあまり必要としない 血清総 IgE 値 LDH 血清 TARC 正常値の場合もある 肝機能障害でも上昇 短期的な病勢マーカー 2. 軽微ないし軽度の症状は持続するも 急性に悪化することはまれで悪化しても遷延することはない 悪化因子の検索 生活指導 薬物療法 アトピー性皮膚炎の発症 悪化因子 生活指導 2 歳未満 2-12 歳 13 歳以上 食物 汗乾燥掻破 物理化学的刺激 ダニ ほこり ペット 細菌 真菌 汗乾燥掻破 物理化学的刺激 細菌 真菌 ダニ ほこり ペット ストレス 食物 入浴やシャワーにより皮膚を清潔に保つ 室内を清潔に保ち 適温適湿の環境を作る 規則正しい生活を送り 暴飲 暴食は避ける 刺激の少ない衣服を着用する 爪は短く切り 搔破による皮膚障害を避ける 顔面の症状が高度な例では眼科医の診察を定期的に受ける 皮膚感染症を生じやすいので 皮膚を良い状態に保つよう留意する 10
* * 卵や小麦といった分子量の大きなアレルゲン 通常は透過しない 透過して感作成立 ピーナッツアレルギーを発症した児は ピーナッツから抽出したオイルの使用頻度が有意に高い (P=0.02 χ 2 検定 ) 英国では新生児から入浴後にオイルを塗布している Lack G et al :N Engl J Med. 2003 13;348(11):977-85 ピーナッツアレルギーを発症した乳幼児は 乳幼児と母親以外の他の家族のピーナッツ摂取量が有意に多く (P<0.0001 Wilcoxon rank-sum 検定 ) 妊娠 授乳中の母親の摂取量とは関連性はない また 生後 12 ヵ月までに摂取を開始した乳幼児が 12 ヵ月以降に開始した乳幼児よりもピーナッツアレルギーになりにくい (P =0.0012 Wilcoxon rank-sum 検定 ) Fox AT et al : J Allergy Clin Immunol 123(2):417-23, 2009 乳児期の湿疹をしっかり治療することは アレルゲンの経皮感作やアトピー性皮膚炎の発症予防につながる 監修 : 国立成育医療研究センター生体防御系内科部アレルギー科医長大矢幸弘先生 乳幼児期に湿疹のある児は 湿疹のない児に比べて その後の食物抗原に対する感作の頻度が有意に高い (P<0.001 trend test) 重度な湿疹があるとピーナッツ特有 IgEを保有する 監修 : 国立成育医療研究センター Du Toit G et 生体防御系内科部 al : J Allergyアレルギー科 Clin Immunol 医長大矢幸弘先生 * 二重アレルゲン曝露仮説 アトピー性皮膚炎の治療 乾燥肌 ( 敏感肌 ) 保湿剤 アレルゲンの侵入 アレルギー刺激 掻破バリア機能低下抗アレルギー剤痒み アトピー性皮膚炎 ステロイドプロトピック Lack G, J Allergy Clin Immunol, 121(6), 1331-1336, 2008 一部改変 11
アトピー性皮膚炎の診療の手順 塗り薬の使用量の目安 ( 診療ガイドラインより引用改変 ) 剤形による使い分け 軟膏 皮膚表面を覆い 蒸散する水分を貯留させる ベタつくため使用感が悪い クリーム 直接の保湿作用 ローション 個人により使用感に差季節により使い分け ベタつかず使用感がよい皮膚刺激性が強い 12
スキンケア ( 異常な皮膚機能の補正 ) 本症患者にはさまざまな皮膚機能異常があり それらが皮膚炎の発症および増悪に深く関わることが知られている これらの皮膚機能異常の補正のために適切なスキンケアが必要である アトピー性皮膚炎における主な皮膚機能異常 水分保持能 バリア機能の低下 : アトピー性皮膚炎の皮膚では角層の天然保湿因子の減少 細胞間脂質の主な成分であるセラミドの低下がみられる このため 角層の水分保持能 皮膚バリア機能の低下がみられ 抗原の侵入が容易な状態にある 痒みの閾値の低下 : アトピー性皮膚炎では知覚神経の表皮内への侵入 伸長がみられ 軽微な刺激でも痒みが生じやすい 易感染性 : 伝染性膿痂疹 単純ヘルペス 伝染性軟属腫など皮膚の感染症に罹患しやすい スキンケア ( 異常な皮膚機能の補正 ) 1. 入浴 シャワーによる皮膚の清潔 汗や汚れは速やかにおとす しかし 強くこすらない 石けん シャンプーを使用するときは洗浄力の強いものは避ける 石けん シャンプーは残らないように十分にすすぐ 痒みを生じるほどの高い温度の湯は避ける 入浴後にほてりを感じさせる沐浴剤 入浴剤は避ける 患者あるいは保護者には皮膚の状態に応じた洗い方を指導する 入浴後には 必要に応じて適切な外用薬を塗布する スキンケア ( 異常な皮膚機能の補正 ) 付表 2. 保湿 保護を目的とした主なスキンケア外用薬 ( 医薬部外品を含む ) 2. 外用薬による皮膚の保湿 保護 ( 付表 2) 保湿 保護を目的とする外用薬は皮膚の乾燥防止に有用である 入浴 シャワー後には必要に応じて保湿 保護を目的とする外用薬を塗布する 患者ごとに使用感のよい保湿 保護を目的とする外用薬を選択する 軽微な皮膚炎は保湿 保護を目的とする外用薬のみで改善することがある 一般名 1) 皮表の保湿を主としたもの ヘパリン類似物質含有 代表的な製品名 ヒルドイドクリーム ヒルドイドソフト軟膏 ヒルドイドローション (0.3% ヘパリン類似物質含有 ) 尿素製剤ケラチナミン軟膏 (20%) パスタロンソフト (10%) パスタロンローション (10%) ウレパール (10%) ウレパールローション(10%) フェルゼアHA20クリーム (20%) フェルゼアDXローション (10%) 2) 皮表の保護を主としたもの白色ワセリン局方白色ワセリン サンホワイト ( 精製ワセリン ) プロペト( 精製ワセリン ) 亜鉛華軟膏サトウザルベ (10% 亜鉛華軟膏 ) ボチシート ( リント布に10% 亜鉛華軟膏塗布 ) その他アズノール軟膏 ( ジメチルイソプロピルアズレン含有 ) 13
Ⅰ 群 strongest Ⅱ 群 very strong Ⅲ 群 strong Ⅳ 群 mild Ⅴ 群 weak * ステロイド外用剤の種類 デルモベートジフラール ダイアコート フルメタ アンテベート トプシムマイザー ネリゾナ リンデロン DP ボアラ リンデロン V フルコートメサデルム プロパデルム ケナコルト A アルメタ ロコイドキンダベート リドメックス プレドニン * ステロイドはどこに塗るのかステロイドはいつまで塗るのか ステロイドを塗るべき部位皮膚に丘疹 浸潤 掻破痕など立体的な変化をふれる部位保湿剤を全体に塗るときの触感を参考にする やめるタイミングは皮膚の立体的な変化がなくなるまで見た目 ( 赤みがひいた ) や痒みの有無で決めない reactive 療法 ステロイド外用剤について proactive 療法 ステロイド外用剤は 体の部位によって 吸収率が違います 悪化因子対策 スキンケアは忘れないようにしましょう 14
* タクロリムス軟膏 ( プロトピック ) かゆみに対してはステロイドよりも効果が高く かゆみによる掻破のため皮疹の改善が得られない例にきわめて有効である strong のステロイドに匹敵する抗炎症作用があるが 即効性はステロイドに劣る * タクロリムス軟膏 ( プロトピック ) 使用上の注意点 1. 使用初期には約半数に皮膚刺激性がある まずステロイドの外用でび らんや掻破痕を軽快させてから使用する 2. 高度の苔癬化や痒疹結節を伴う重症の皮疹に対してはステロイド外用 剤にて改善後に使用すること 3. 0.1% は16 歳以上 0.03% は2~15 以下を対象とする 妊婦 授乳 婦には使用しない 4. 使用量は成人には1 日 1~2 回 1 日 10gまで 5. 潰瘍 びらんや 粘膜 外陰部には使用しない 6. 紫外線照射は併用できない 7. 皮膚感染症を伴う場合には使用しない アトピー性皮膚炎の診療の手順 アトピー性皮膚炎の痒み ヒスタミン 1 レセプター オピオイドペプチド ヒスタミン 4 レセプター 表皮内神経線維 好酸球由来組織障害性蛋白 (ECP. MBP) 神経ペプチド ( サブスタンス P) サイトカイン (IL-1, 2, 31, TNF-a) プロテアーゼ ( トリプターゼ トリプシン ) ロイコトリエン ( 診療ガイドラインより引用改変 ) 15
フェキソフェナジン併用群 * 1 はステロイド外用剤単独群 * 2 に比べ痒みスコアを投与開始翌日より有意に減少 シクロスポリン内服療法 ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬など既存の治療で十分な効果が得られず 強い炎症を伴う皮疹が体表面積の 30% 以上に及ぶ 16 歳以上の患者 1 日量 3mg/kg を 1 日 2 回に分けて経口投与する 血清クレアチニン (s-cr) 血圧およびシクロスポリン血中濃度の測定を 原則として治療開始 2 週後 4 週後に行う 8 週間 最長 12 週間で中止し 中止後に再燃が見られた場合は 2 週間以上あけて再投与する 大規模なランダム化二重盲検群間比較試験により有用性が証明 Kawashima M, Tango T, et al. Br J Dermatol. 2003; 148: 1212-21 腎機能 血圧 S-Cr が異常を示した場合 または投与前値より 30% 以上上昇した場合は 25~50 % 減量 あるいは中止 血圧上昇時は腎保護作用を有する降圧薬 (ARB, ACE-I など ) 薬剤血中濃度 免疫低下 安全性に関するポイント トラフ値が 200 ng/ml となるよう調整する 感染症が発症した場合には投与を中止する アトピー性皮膚炎に対するシクロスポリン 抗ヒスタミン薬が無効の痒みに著効することが多い ( 痒疹などの頑固な痒みにも有効 ) 外用量の減量 広範囲な皮疹の速やかな改善 間歇投与による寛解維持 中止により 5 割が 2 週間以内 8 割が 6 週間以内に再燃 1) 間歇投与をくりかえすことにより症状が軽快し 効果の減弱も認めない 2) 1) Harper JI et al. Br J Dermatol. 2000: 52 2) ネオーラルによるアトピー性皮膚炎治療研究会. 臨皮.2009:163 16
アトピー性皮膚炎に対するシクロスポリン投与のポイント 急性増悪に対するレスキュー 大学入試や試験前など 期間限定の悪化やストレスに対して アトピー性皮膚炎に対する最新の治療 Apremilast 経口選択的ホスホジエステラーゼ 4(PDE4) 間歇投与による寛解維持 Dupilumab 抗インターロイキン -4 受容体 α 抗体 紅皮症 痒疹など重症患者のコントロールに有効 定期的な血液検査と休薬期間の厳守 NF-κB デコイオリゴ軟膏 17