高齢心不全患者への < 新地域連携構築 No.1> 医療ソフト総合研究所 太田善文 医療ソフト総合研究所 1
地域連携構築の目的 できる 各地域の 構築を支援 2020 年度以降の改定を見据えて ために 新たな連携体制の設計から導入までのたたき台を提示 をするために 最も難易度が高い 高齢心不全患者 に まず着手する 医療ソフト総合研究所 2
高齢心不全患者の業務設計にあたり 高齢心不全患者の治療に関するステートメント 2016 年 10 月日本心不全学会ガイドライン委員会制作 急性 慢性心不全診療ガイドライン (2017 年改訂版 ) 2018 年 3 月 23 日発行日本循環器学会 / 日本心不全学会合同 * 当社のホームページからも入手できます 医療ソフト総合研究所 3
ステートメント策定の経緯 ( 抜粋 ) < ステートメント P.4~5> ステートメントで扱う 高齢者 を後期高齢者 (75 歳以上 ) の慢性心不全の特徴は, 以下の 3 点に要約された 1) ありふれた疾患であり, その絶対数が更に増加してゆく 2) 根治が望めない進行性かつ致死性の悪性疾患である 3) その大半が心疾患以外の併存症を有することである 高齢者の慢性心不全は, ありふれた疾患であると同時に, 癌と同様に ( その過程は様々ではあるが ) 死に至る悪性病態であることを本ステートメントは宣言し, その事実への認識を促している 医療ソフト総合研究所 4
ステートメント策定の経緯 ( 抜粋 ) < ステートメント P.4~5> 本ステートメントは従来のガイドラインとは異なり, 来るべき高齢化社会のなかで爆発的に増加する慢性かつ悪性疾患としての心不全を, 発想の転換とシステムの再構築で対応するように促している 非代償期の顕性心不全のみを扱うのでなく, その裾野を形成する集団としての非顕性心不全患者の存在を想起することなしには, 高齢心不全患者の管理は成り立たない そうすると, 高齢心不全患者の管理においては, 基幹病院の循環器専門医よりはむしろ, かかりつけ実地医家等が地域で形成する診療体制こそが その診療において主体的な役割を果たすことになる 医療ソフト総合研究所 5
ステートメント策定の経緯 ( 抜粋 ) < ステートメント P.4~5> 患者が抱える併存症や生活環境の問題も, 実地医家の総合的診療と支援が中心にあるべきである それを基幹病院は的確な診断と非代償期の入院治療あるいはリハビリテーション等において連携 支援する これにより初めて, 患者の生活の質と生活の場に軸を置いた慢性管理が実現すると考えられる 実地医家は在宅 終末期医療や緩和医療の実践においても主体となるべきである そのような新たな認識のもとに体制を整備することが, 本邦が抱える問題に対処するために必要であることを確認して提言する 医療ソフト総合研究所 6
高齢者心不全の特徴 ( 抜粋 ) < ステートメント P.10~> 高齢者心不全では併存症が多く ( 中略 ) 医療内容よりも介護 ケアが本質的問題となる症例が多いことも特徴である それらは下記 1 感染症, 貧血, 腎不全, 脳梗塞, 認知症等によるロコモティブ症候群, 甲状腺疾患, 閉塞性肺疾患, 悪性疾患などの全身要因 2 心筋虚血, 不整脈などの心臓要因 3 β 遮断薬, 抗不整脈薬, 非ステロイド系解熱鎮痛薬などの薬物要因 4 過剰輸液や輸血などの医療要因 5 減塩や水分制限の不徹底, 肥満, 服薬コンプライアンス不良, 運動過多 不動, ストレス, うつ状態などの生活要因 では に対応する 医療ソフト総合研究所 7
高齢者心不全の特徴 ( 抜粋 ) < ステートメント P.10~> 複数の併存症について個別にそれぞれのガイドラインに沿った検査と治療を並行して行うと, かえって合併症, 副作用などを多くし,QOL を損なうことも想像される したがって, 進行した認知症を合併したり著しく身体機能が低下したりした心不全患者などで, どの程度まで併存症を精査し, 治療するかは個々の症例に応じて全体像から臨床判断をするべきである 医療以外に, 介護, ケアなどの社会的背景が本質的な問題となっていないかについても多職種で検討し, 介入点を探ることも有用である 医療ソフト総合研究所 8
高齢者心不全の総合的評価 ( 抜粋 ) < ステートメント P.17~> 高齢心不全患者の臨床的かつ社会的特徴として サルコペニア, フレイルは予後を規定する重要な表象であり, 介入方法の確立が必要である しかし, これらは心不全患者に限定されたものではなく高齢患者に共通した課題であろう 低栄養状態は慢性心不全患者の予後を規定する因子であり, 血液生化学指標などの客観的指標を用いた従来の方法に対して, 最近では高齢心不全患者の栄養状態を全人的に評価する主観的包括的栄養評価法 (SGA) が提唱されている 高齢者総合的機能評価 (CGA) では 血液生化学検査や身長, 体重以外に, 日常運動機能, 認知機能, 褥瘡危険性, 併存疾患, 内服薬, ソーシャルサポートの程度等多面的かつ総合的に評価を勧めている 医療ソフト総合研究所 9
高齢者心不全の急性期対応 ( 抜粋 ) < ステートメント P.27~> 多くの併存症をもつ高齢心不全患者は検査においても侵襲的治療においてもさまざまな制約を有しているため, それらを完遂できない場合が多い 併存症を把握し, 負担が最小限のプロセスを手際よく実施する必要がある 無益な延命治療とならないよう, より良く生きる緩和的アプローチを念頭に置いて, 初期治療にあたる 本人や家族らと予後の見込みを共有する 入院初期から本人の生き方, 終末期のことも含めて意思決定支援を行い, 救急内科 外科 多職種のチーム ( 緩和ケアチーム, ハートチーム ) による検討が重要である 医療ソフト総合研究所 10
急性期の薬物療法 ( 抜粋 ) < ステートメント P.29~> 医療ソフト総合研究所 11
高齢心不全患者の薬物治療と服薬管理 < ステートメント P.36~> 高齢心不全患者はさまざまな併存症により薬物動態が不安定であり安全域に個体差が大きい ポリファーマシーが蔓延しており, 患者の生活基盤の不安定性や認知機能低下なども相まって長期的な薬物療法の遂行がしばしば困難である 患者の半数を占める左室駆出率の保持された心不全 (HFpEF) に対する確立された薬物療法はない 生命予後延長を目的とした薬物治療より QOL の改善を優先するべき場合が少なくない 医療ソフト総合研究所 12
高齢者心不全の心大血管リハ ( 抜粋 ) < ステートメント P.47~> 心大血管リハビリテーションは 薬物療法や侵襲的治療と並行して実施されるべき多職種による治療介入手段である 心大血管リハビリテーションの治療効果は高齢者においても非高齢者と同等である 高齢者は個体の反応性が均一でなく実施中の事故が多いため, 個別のリハビリテーション処方や慎重な監視が必要である 医療ソフト総合研究所 13
心不全患者の 医療ソフト総合研究所 14
ととの連携 慢性期で留意する内容に関係する急性心不全の病態等の情報の伝達 慢性期で適切に対応するための急性心不全の病状の情報の入手 安定した療養生活を維持するための具体的な取組み内容の伝達 安定した療養生活を維持するために 確実に実施できる体制の確保 急性期入院 慢性期入院 療養生活 退院後の療養生活 医療ソフト総合研究所 15
今後の報酬改定と地域全体を見据えた 効率的な医療介護サービス提供体制とする 1 日常業務を構築してきた体制から患者動線に基づいた業務に切り替える 2 替える でなく 地域全体を視野に入れた業務管理体制に 切り 3 医療と介護の融合した一体的サービスを 効率的に提供できる業務体制とする となって を 医療ソフト総合研究所 16
関係者の専門でない部分の習得に配慮して 退院患者から 地域連携を徐々に広げる 1 2 2 では 関係者の力量に差が生じた場合に 稼働後に収拾つかない状況が発生する から受け入れる専門知識を持たない医療関係者でも対応できる業務の仕組みが不可欠である 医療知識を持たない地域の関係者でも対応できる業務の仕組みが不可欠である 退院する高齢者へので 一人ずつ確実に対応していく 医療ソフト総合研究所 17
個別支援計画には 解決すべき課題と改善に向けた 1 実施 / 確認 -2 結果 / 判断 -3 結果による対応 この 3 点を具体的に設定し 関係者が確実に実践 1 として 簡潔で具体的な個別支援計画を策定して それを関係者が適切に実践しているかを検証する 2 を明示することで 解決する課題を共有化すると同時に 不足した専門知識を補足する 3 業務の省力化と精度を高めるために はなく 選択形式 とすること ( 備考欄を利用 ) 4 は 文章記載で ( 主治医への連絡等 ) は 具体的に掲載すること ( 計画策定時に関係者が共有する ) 医療ソフト総合研究所 18
理解 - 納得 - 実践 の仕組みを認知症患者と 担当者育成に展開する 1 認知症患者への適切な対応方法は 患者の実施内容に対し することで 認識レベルを把握すると同時に 適切な支援内容を設定できる 2 全く同じ仕組みで 個別支援計画で具体的になった担当者の実施内容に対し を検証することで 習得レベルを把握すると同時に 適切な指導内容を設定できる と がの基盤となる 医療ソフト総合研究所 19
理解 - 納得 - 実践 の仕組みを認知症患者と 担当者育成に展開する 1 認知症患者への適切な対応方法は 患者の実施内容に対し することで 認識レベルを把握すると同時に 適切な支援内容を設定できる 2 全く同じ仕組みで 個別支援計画で具体的になった担当者の実施内容に対し を検証することで 習得レベルを把握すると同時に 適切な指導内容を設定できる と がの基盤となる 医療ソフト総合研究所 20
理解 - 納得 - 実践 の仕組みを認知症患者と 担当者育成に展開する 1 認知症患者への適切な対応方法は 患者の実施内容に対し することで 認識レベルを把握すると同時に 適切な支援内容を設定できる 2 全く同じ仕組みで 個別支援計画で具体的になった担当者の実施内容に対し を検証することで 習得レベルを把握すると同時に 適切な指導内容を設定できる と がの基盤となる 医療ソフト総合研究所 21
心不全と併存症に対する処方された医薬品の 確実な服用とモニタリングの仕組み 医療ソフト総合研究所 22
心不全と併存症に対する処方された医薬品の 確実な服用とモニタリングの仕組み 医療ソフト総合研究所 23
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心不全と併存症に対して退院後の 安定した療養生活構築の仕組み 医療ソフト総合研究所 25
心不全と併存症に対して退院後の 安定した療養生活構築の仕組み 医療ソフト総合研究所 26
ガイドラインより 地域医療介護連携業務での実施内容の抽出 ステージ B C を中心に 構成要素 の抽出と展開 業務基本設計 入院時 ~ 入院中 ~ 退院支援 ~ 退院後の療養生活の患者動線の流れの設計 18 年同時改定の算定 加算要求内容の組み込み ( 入退院支援加算 連携パス等 ) の業務設計 ステージ別のサービス体系 MTX の設計 サービス組合せ方式での個別支援計画の業務設計 医療ソフト総合研究所 27
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