水防法改正の概要 (H 公布 H 一部施行 ) 国土交通省 HP 1

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鬼怒川緊急対策プロジェクト 鬼怒川下流域 茨城県区間 において 水防災意識社会 の再構築を目指し 国 茨城県 常総市など 7市町が主体となり ハードとソフトが一体となった緊急対策プロジェクトを実施 ハード対策 事業費合計 約600億円 ソフト対策 円滑な避難の支援 住民の避難を促すためのソフト対策を

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5-2 居住誘導区域の設定 居住誘導の基本方針を踏まえ 以下の居住誘導区域の設定の考え方に基づき 居住誘導区域を設 定します 居住誘導区域の設定の考え方 (1) 居住誘導区域に含めるエリア 居住誘導区域に含めないエリア 居住誘導区域に含めるエリア 1 都市機能誘導区域 居住誘導区域に含めないエリア

目次 1. はじめに 1 2. 協議会の構成 2 3. 目的 3 4. 概ね5 年間で実施する取組 4 5. フォローアップ 8

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平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

近畿地方整備局 資料配付 配布日時 平成 23 年 9 月 8 日 17 時 30 分 件名土砂災害防止法に基づく土砂災害緊急情報について 概 要 土砂災害防止法に基づく 土砂災害緊急情報をお知らせします 本日 夕方から雨が予想されており 今後の降雨の状況により 河道閉塞部分での越流が始まり 土石流

洪水リスクの共有

東日本大震災における施設の被災 3 東北地方太平洋沖地震の浸水範囲とハザードマップの比較 4

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学識経験者による評価の反映客観性を確保するために 学識経験者から学術的な観点からの評価をいただき これを反映する 評価は 中立性を確保するために日本学術会議に依頼した 詳細は別紙 -2 のとおり : 現時点の検証の進め方であり 検証作業が進む中で変更することがあり得る - 2 -

【参考資料】中小河川に関する河道計画の技術基準について

避難を促す緊急行動 被災した場合に大きな被害が想定される国管理河川において 以下を実施 1. 首長を支援する緊急行動 ~ 市町村長が避難の時期 区域を適切に判断するための支援 ~ できるだけ早期に実施 トップセミナー等の開催 水害対応チェックリストの作成 周知 洪水に対しリスクが高い区間の共同点検

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第 2 回久留米市街地周辺内水河川連絡会議 議事次第 1. 開会 2. 出席者紹介 3. 挨拶 4. 議事 前回連絡会議での確認事項〇各支川の浸水被害のメカニズム〇地域防災力の向上について〇その他 5. 閉会

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2. 急流河川の現状と課題 2.1 急流河川の特徴 急流河川では 洪水時の流れが速く 転石や土砂を多く含んだ洪水流の強大なエネルギー により 平均年最大流量程度の中小洪水でも 河岸侵食や護岸の被災が生じる また 澪筋 の変化が激しく流路が固定していないため どの地点においても被災を受ける恐れがある

重ねるハザードマップ 大雨が降ったときに危険な場所を知る 浸水のおそれがある場所 土砂災害の危険がある場所 通行止めになるおそれがある道路 が 1 つの地図上で 分かります 土石流による道路寸断のイメージ 事前通行規制区間のイメージ 道路冠水想定箇所のイメージ 浸水のイメージ 洪水時に浸水のおそれが

ダムの運用改善の対応状況 資料 5-1 近畿地方整備局 平成 24 年度の取り組み 風屋ダム 池原ダム 電源開発 ( 株 ) は 学識者及び河川管理者からなる ダム操作に関する技術検討会 を設置し ダム運用の改善策を検討 平成 9 年に設定した目安水位 ( 自主運用 ) の低下を図り ダムの空き容量

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国土交通省における気候変動適応計画に関する最近の動向 IPCC 政府全体水災害分野 ( 国土交通省水管理 国土保全局 ) 第 1 作業部会報告書 ( 科学的根拠 ) 公表 中央環境審議会地球環境部会気候変動影響評価等小委員会 ~ 社会資本整備審議会河川分科会気候変動に適応し

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H19年度


平成 30 年度農村地域防災減災事業 ( 美馬 3 地区 ) ため池ハザードマップ作成委託業務 特記仕様書 経済建設部 農林課

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高速かつ高精度な洪水シミュレータ「DioVISTA/Flood Simulator」を発売

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目 次 桂川本川 桂川 ( 上 ) 雑水川 七谷川 犬飼川 法貴谷川 千々川 東所川 園部川 天神川 陣田川

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平成 30 年 7 月 2 日からの大雨による出水概要 ( 上流 ) 速報版第 3 報 国土交通省北海道開発局旭川開発建設部平成 30 年 7 月 6 日 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

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避難開始基準の把握 1 水害時の避難開始基準 釧路川では 水位観測所を設けて リアルタイム水位を公表しています 水位観測所では 災害発生の危険度に応じた基準水位が設定されています ( 基準となる水位観測所 : 標茶水位観測所 ) レベル水位 水位の意味 5 4 ( 危険 ) 3 ( 警戒 ) 2 (

将来気候における洪水量の分析

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Q3 現在の川幅で 源泉に影響を与えないように河床を掘削し さらに堤防を幅の小さいパラペット ( 胸壁 ) で嵩上げするなどの河道改修を行えないのですか? A3 河床掘削やパラペット ( 胸壁 ) による堤防嵩上げは技術的 制度的に困難です [ 河床掘削について ] 県では 温泉旅館の廃業補償を行っ

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

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平成 29 年 7 月 20 日滝川タイムライン検討会気象台資料 気象庁札幌管区気象台 Sapporo Regional Headquarters Japan Meteorological Agency 大雨警報 ( 浸水害 ) 洪水警報の基準改正 表面雨量指数の活用による大雨警報 ( 浸水害 )

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写真 豊岡第一樋管地点 ( 久慈川側 ) 写真 豊岡第一樋管地点 ( 堤内地側 ) 写真 水路擁壁の転倒 写真 水路擁壁の転倒 b) 地点 1-2( 湛水防除事業豊岡排水場, 河口から約 1.0km, 右岸 ) 堤外側法面におけるごみ

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洪水浸水想定区域図作成マニュアル ( 第 4 版 ) 洪水浸水想定区域図作成マニュアル ( 第 4 版 ) 平成 27 年 7 月 国土交通省水管理 国土保全局河川環境課水防企画室国土技術政策総合研究所河川研究部水害研究室

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目 次 最上小国川 赤倉地区の 2015 年 9 月洪水の実態から 被害防止には河道改 修が最も効果的であることが あらためて明らかになった 1,2015 年 9 月 10 日赤倉雨量は1/50 年確率に近い豪雨であったが 洪水流量は1/11 年確率流量だった 2, 赤倉地区では外水被害と内水被害が

国土技術政策総合研究所 研究資料

6. 現況堤防の安全性に関する検討方法および条件 6.1 浸透問題に関する検討方法および条件 検討方法 現況堤防の安全性に関する検討は 河川堤防の構造検討の手引き( 平成 14 年 7 月 ): 財団法人国土技術研究センター に準拠して実施する 安全性の照査 1) 堤防のモデル化 (1)

資料 1-1 水防災意識社会の実現に向けた取り組み 平成 3 0 年 6 月 9 日第 4 回木曽川下流水防災協議会

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内水浸水想定区域図作成マニュアル ( 案 ) 平成 28 年 4 月 国土交通省水管理 国土保全局下水道部

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たり 80mm 以上の雨 ) となり, 佐賀では 14:26 までの 1 時間に観測史上第 2 位の 91mm を記録した ( 図 9.2). 白石では 14:39 までの 1 時間に 72mm と 7 月の観測史上最大を記録した. その後, 全域で雨はいったん弱まったが, 夜遅くに再び南部を中心と

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平成 3 1 年度 記者発表資料 平成 3 1 年 2 月 4 日九州地方整備局武雄河川事務所 災害時協力会社の公募について ~ 災害への迅速かつ的確な対応のため ~ 国土交通省武雄河川事務所では 災害時等における 迅速な被災状況の把握 円滑で的確な対応 を強化するため 事前に建設業等関係者の皆様と


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気象庁 札幌管区気象台 資料 -6 Sapporo Regional Headquarters Japan Meteorological Agency 平成 29 年度防災気象情報の改善 5 日先までの 警報級の可能性 について 危険度を色分けした時系列で分かりやすく提供 大雨警報 ( 浸水害 )

< 外力条件 > 海面上昇量 0.10 m 0.30m 0.50m 0.90mについて検討 詳細検討モデル地区の選定 各詳細検討モデル地区において検討対象となる施設等の整理 各施設毎の影響評価方法 ( 影響評価の判断基準 ) 影響評価 各詳細検討モデル地区の影響評価結果及びその特徴の分析 各詳細検討

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大雨で増水した川から 町を守っているモノとは? てていいぼぼうう 堤防 利根川の流域 流域とは 河川に流れ込んでくる水となる雨が降る土地の範囲のことです 利根川の流域は下の図の緑で囲まれた群馬県や栃木県 茨城県 千葉県などを含む範囲になり 16,480k m2と日本の河川で 1 番広いものになってい

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2

目次 1 降雨時に土砂災害の危険性を知りたい 土砂災害危険度メッシュ図を見る 5 スネークライン図を見る 6 土砂災害危険度判定図を見る 7 雨量解析値を見る 8 土砂災害警戒情報の発表状況を見る 9 2 土砂災害のおそれが高い地域 ( 土砂災害危険箇所 ) を調べたい 土砂災害危険箇所情報を見る

2 6.29災害と8.20災害 空中写真による災害規模の比較 5 土石流流出位置 災害時の空中写真 3 3 平成26年8月豪雨による広島土砂災害 三入の雨量グラフ 災害時の空中写真 可部地区 山本地区 八木 緑井地区 三 入 では雨量 強度 8

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『鬼怒川の河道形態に学ぶ;何故、常総市に氾濫が集中したのか?』  

1 目的 手段 水害に強い地域づくり 1 どのような洪水にあっても 人命が失われることを避ける ( 最優先 ) 2 床上浸水などの生活再建が困難となる被害を避ける 川の中の対策 ( 堤外地対策 ) だけではなく ためる とどめる そなえる 対策 ( 堤内地対策 ) を総合的に実施する 河道内で洪水を

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Microsoft Word - 【事業研究会 論文】河川管理施設における遠隔監視制御システムの有効性について

1. はじめに 平成 27 年 9 月関東 東北豪雨災害により 鬼怒川の下流部では堤防が決壊するなど 氾濫流による家屋の倒壊 流失や広範囲かつ長時間の浸水が発生した また これらに避難の遅れも加わり 近年の水害では類を見ないほどの多数の孤立者が発生した このようなことから 国土交通大臣から社会資本整

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米原市における開発に伴う雤水排水計画基準

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15.4. 家屋 宅地 施設等の浸水 湛水被害 (1) 調査の結果の概要 1) 調査事項及びその選択理由調査事項及びその選択理由は 表 に示すとおりである 表 家屋等 ( 家屋 宅地 施設等の浸水 湛水被害 ) の調査事項及びその選択理由調査事項選択理由 1 背後

~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

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計測範囲 ( 九頭竜川 18.0k~29.0k) 4.ALB の特徴 図 -1 航空写真図 : 九頭竜川中流域 計測で用いる ALB 機器は, 水部用と陸部用の 2 つのレーザを搭載し同時に運用するタイプである. このうち水部用のレーザは, 可視域のレーザ光 ( 緑色 ) を用いることで, 河床の地

の洪水調節計画は 河川整備基本方針レベルの洪水から決められており ダムによる洪水調節効果を発揮する 遊水地案 は 遊水地の洪水調節計画は大戸川の河川整備計画レベルの洪水から決めることを想定しており 遊水地による洪水調節効果が完全には発揮されないことがある 瀬田川新堰案 は 瀬田川新堰の洪水調節計画は

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浸水想定区域の見直し 資料 -3-4

水防法改正の概要 (H27.5.20 公布 H27.7.19 一部施行 ) 国土交通省 HP http://www.mlit.go.jp/river/suibou/suibouhou.html 1

洪水浸水想定区域図の主なポイント 想定し得る最大規模の外力に基づく想定 地盤高データの更新 氾濫域のメッシュサイズを細分化 浸水深の表示区分の見直し 家屋倒壊等氾濫想定区域を表示 浸水継続時間を表示 2

想定最大規模降雨時の洪水浸水想定区域図の作成 はじめに 国土交通省信濃川下流河川事務所では 平成 14 年 4 月に水防法に基づき 河川整備において基本となる降雨 ( 年超過確率 1/150) が発生した場合の 浸水想定区域図を作成 公表しました 平成 27 年 5 月に水防法が改正され 想定し得る最大規模の降雨を対象として 洪水浸水想定区域図を公表することとなりました 併せて 河川整備基本方針規模の降雨についても 最新の地形 河道条件 技術基準を反映し あらたに作成 公表します 3 現在公表されている洪水浸水想定区域図

想定最大規模降雨時の洪水浸水想定区域図の作成 主な変更点 公表済み洪水浸水想定区域図と今回検討の主な違い 項目公表済み (H14) 今回公表予定備考 前提となる降雨 計算メッシュサイズ 地盤高の評価 浸水深のランク区分 浸水継続時間 その他 ( 水防法に基づく通知以外の参考送付 ) 河川整備において基本となる降雨規模 ( 年超過確率 1/150) 河川整備基本方針規模 想定し得る最大規模 250m メッシュ 25m メッシュ計算機器の向上等により より精 1/2,500 の都市計画図の単点標高より作成 ~0.5m 0.5m~1.0m 1.0m~2.0m 2.0m~5.0m 5.0m~ の5 段階 - - 航空測量データを用いた 25m メッシュで設定 - - ~00.5m 00.5m~03.0m 03.0m~05.0m 05.0m~10.0m 10.0m~20.0m 20.0m~ の6 段階 公表 ( 浸水深さ 50cm 以上の浸水継続時間を表示 ) 家屋倒壊等氾濫想定区域を示した資料 浸水想定区域図の合成図 ( 本川 支川 ) 支川及び指定区間溢水を表示した合成図 度の高い解析が可能となった 家屋の高さを考慮 避難活動に資する情報 この他 技術基準が更新されたことにより 細部の計算条件等も変わっています 最新の技術基準 : 洪水浸水想定区域図作成マニュアル ( 第 4 版 ) H27.7 4

想定最大規模降雨時の洪水浸水想定区域図の作成 想定し得る最大規模の降雨 危機管理対応上の外力設定について 既存の研究における地域区分を踏まえ 降雨特性が類似する 15 の地域に区分し 降雨継続時間 流域面積による最大雨量を設定 第 17 回気候変動に適応した治水対策検討小委員会 (H26.11.28) 6 北陸 における最大降雨量の包絡線 北陸 モデルの対象洪水は H23.7 新潟福島豪雨により設定 信濃川下流流域 5 H23.7 洪水等雨量線図 (2 日雨量 )

想定最大規模降雨時の洪水浸水想定区域図の作成 想定し得る最大規模の降雨 北陸地方において これまでに観測された降雨データ 及び流域の地形状況から 信濃川下流流域で起こりうる最大規模の降雨量を 想定最大規模の降雨 とします また 複数の実績洪水波形候補のなかから 被害最大 ( 氾濫ボリューム最大 ) となる波形を採用しています 流域面積 継続時間より最大規模降雨量を算出し 1/1,000 確率雨量と比較し 大きい方を採用します 633mm/48hr 帝石橋 :1,346km 2 実績最大 既公表 河川整備基本方針規模 今回検討 想定最大規模 降雨量 (mm/48 時間 ) 388mm (H23.7 洪水実測 ) 270mm 270mm 633mm 6

地盤高データ メッシュサイズの更新 地盤高は 最新 ( 平成 21 年 ) の航空レーザ測量データを用いて 25m のメッシュでモデル化 現在の浸水想定区域図は 250m メッシュの計算であり 地形データの精緻化等により精度向上を図りました 250m メッシュ標高段彩図 25m メッシュ標高段彩図 地盤高の差異 (250m メッシュと 25m メッシュ ) 7

氾濫シミュレーション ( 破堤地点の設定 ) 破堤箇所は堤内側の地盤高 HWL 等と想定される河川水位を比較して設定します 堤防が低い場合は 現況堤防高 - 余裕高で設定します 直轄区間の本川破堤以外に越水も考慮しています 支川における越水も考慮しています 余裕高 HWL 堤内地盤高 堤防高不足の場合 河道内水位 堤内地盤の高さ等により 破堤する条件は異なります 例河川水位が HWL に達したら破堤する場合 堤内地盤の高さ等により 破堤する条件は異なります 8

想定最大規模降雨時の洪水浸水想定区域図の作成 洪水浸水想定区域図の作成について 信濃川下流について 破堤する恐れのある地点で破堤 ( 堤防決壊 ) を想定した場合の浸水解析を行います この各破堤点別の浸水結果をもとに メッシュ毎の最大浸水深を包絡して これを図化したものが浸水想定区域図です 浸水深の表示方法 浸水深は 一般的な住宅において 床下程度となる 0.5m 未満 床上から 1 階が浸水する 0.5~3.0m 2 階部分も浸水する 3.0~5.0m 2 階も水没する 5.0m 以上 に加え 新たに津波基準水位を表現する 10m 20m のしきい値を追加した 6 段階で表示します 9

想定最大規模降雨時の洪水浸水想定区域図の作成 その他 避難活動に資する情報の提供 浸水想定区域図の他 家屋倒壊等氾濫想定区域 浸水継続時間 の情報も提供します 浸水時に 身を守る手段として 水平避難 ( 避難所等への避難 ) だけでなく 垂直避難 ( 建物の高い階への避難 ) も有効です しかし 垂直避難場所において 1 氾濫水の流れの力が強くなると 避難した建物そのものが倒壊する恐れや 2 氾濫水の浸水継続時間が長くなると 長期間孤立してしまう恐れがあります こういったことを防ぐため 垂直避難の適否の判断等に活用する資料として 1 家屋倒壊等氾濫想定区域図 や 2 浸水継続時間図 を作成します 洪水時に家屋倒壊等の恐れがある区域を 家屋倒壊等氾濫想定区域 として浸水想定区域図に表示し 屋内安全確保 ( 垂直避難 ) の適否の判断等に活用することとしている ( 洪水浸水想定区域図作成マニュアルに規定 ) 家屋倒壊等氾濫想定区域の表示例 10

浸水継続時間 浸水継続時間は 洪水時に避難が困難となる一定の浸水深 (0.5m) を上回る時間の目安を示しています 浸水域内の大規模な河川 ( 支川 ) を 排水河川 として設定を行い 氾濫水やポンプ排水等が排水河川へ流入することにより 堤内地の排水が時系列で進行していく状況を表現しています 排水施設の操作については 想定される浸水時に排水機能が確実に確保できる既設の排水機場及び水門等 ( 水門 樋門 樋管 ) を対象としています ポンプ稼働により浸水範囲 浸水深が低減 流入河川 水路等 ポンプ樋管等 排水河川 ポンプ稼働前の浸水範囲 排水河川 排水施設の例 ( イメージ ) 11

氾濫による家屋倒壊等氾濫想定区域 家屋の耐震基準を用いて 氾濫流により家屋の倒壊と滑動を想定し 木造家屋が周辺の家屋などがない状態で流れの作用を受けた場合を想定し 氾濫流による家屋倒壊等氾濫想定区域を設定します 家屋倒壊等氾濫想定区域は以下のような箇所が該当します 1 水深が深い場所では 流速が遅くても家屋倒壊等氾濫想定区域となります 2 破堤点の近傍では 氾濫流の流速 水深が大きくなり 家屋倒壊等氾濫想定区域となります 3 河川から離れた場所でも 地形条件等により大きな流速 水深が発生する場合 家屋倒壊等氾濫想定区域となります 被害あり 被害なし 家屋の倒壊に関わる外力 12 木造家屋の倒壊等限界の試算例

侵食による家屋倒壊等氾濫想定区域 全国の事例から整理された侵食幅と河道特性値 ( 河床勾配 堤防間の幅 河岸高 ) の関係を当てはめ 河岸侵食による家屋倒壊等氾濫想定区域を設定 1 川幅と河床の深さの比 : 川幅が広く 河床が浅いほど侵食幅は大 2 河床勾配 : 河床勾配が急なほど侵食幅は大 侵食幅 堤防間の幅 河床の深さ 侵食による家屋倒壊等氾濫想定ゾーンで用いる河道特性値 13

洪水ハザードマップへの展開 これまでに説明した 浸水想定区域図 や 家屋倒壊等氾濫想定区域 浸水継続時間 等の結果について 関連市町に対して 浸水想定区域図電子化ガイドライン ( 第 2 版 ) (2015.07.21) に準拠して作成した電子媒体で提供します 市町におかれましては こういった情報を活用し 洪水ハザードマップ等を作成して頂くようお願いします 14

参考 浸水想定区域図の指定範囲としては 直轄管理区間を基本としていますが 支川における越水を見込んでおり 支川氾濫を含んだ浸水区域図を参考として各市町村へ合わせて提供 ハザードマップにおける避難所設定の際の参考にしていただきたい 15

浸水想定区域図の概要 ( 信濃川 ( 下流 ) 関屋分水路 ) 今回公表版 (2 3 は告示図面 1 は参考図面 ) 平成 14 年公表版 1 想定最大規模 ( 支川越水表示有 ) H23.7 型洪水波形 2 想定最大規模 ( 支川越水表示無 ) H23.7 型洪水波形 3 計画規模 ( 支川越水表示無 ) S36.8 型洪水波形 4 計画規模 ( 支川は越水しない ) S36.8 型洪水波形 L1 L1 L1: 浸水規模縮小 L1 L1 L2 L4 L3 R2 R1 L2 L4 L3 R2 R1 L2 L4: 破堤なし L2: 破堤なし L3: 浸水規模縮小 L4 L3 R1 R2 R1: 破堤なし R2: 浸水規模縮小 浸水規模縮小 L2 L4 L3 R2 R1 R3 R3 R3 R3 R5 R4 R5 R4 R5 R5: 破堤なし R4 R4: 浸水規模縮小 R3: 浸水規模縮小 R5 R4 家屋倒壊等氾濫想定区域氾濫流河岸侵食 前提となる降雨条件 :1 2 想定しうる最大規模 ( 2 日間総雨量 633mm ) 3 4 河川整備基本方針規模 ( 2 日間総雨量 270mm ) 越水 破堤条件 :1 2 3 本川 HWL( 堤防が低い場合は スライドダウン堤防高 - 余裕高 ) で破堤支川越水を考慮 ( 破堤はしない ) 4 本川 HWL( 堤防が低い場合は スライドダウン堤防高 - 余裕高 ) で破堤支川越水を考慮せず ( 破堤はしない ) 3 と 4 の主な違い 河道形状 ( 平成 14 年公表版 ( 平成 11 年度末河道 ) 以降の堤防整備や河道掘削等の改修状況を反映 ) 計算メッシュ ( 公表済み :250m メッシュ 今回公表 :25m メッシュ )

浸水想定区域図の概要 ( 大河津分水路信濃川河川事務所 ) 今回公表版 (2 3 は告示図面 1 は参考図面 ) 平成 14 年公表版 1 家屋倒壊等氾濫想定区域 S56.8 型洪水波形 2 想定最大規模 ( 支川越水表示無 ) S56.8 型洪水波形 3 計画規模 ( 支川越水表示無 ) S56.8 型洪水波形 4 計画規模 ( 支川は越水しない ) S36.6 型洪水波形 氾濫流による家屋倒壊等を示す 河岸侵食による家屋倒壊等は無い 支川越水表示有りの図面も 浸水区域は同じ 前提となる降雨条件 :1 2 想定しうる最大規模 ( 48 時間総雨量 331mm ) 3 4 河川整備基本方針規模 ( 48 時間総雨量 171mm ) 越水 破堤条件 :1 2 3 本川 HWL( 堤防が低い場合は スライドダウン堤防高 - 余裕高 ) で破堤支川越水を考慮 ( 破堤はしない ) 4 本川 HWL( 堤防が低い場合は スライドダウン堤防高 - 余裕高 ) で破堤支川越水を考慮せず ( 破堤はしない ) 3 と 4 の主な違い 河道形状 ( 平成 14 年公表版 ( 平成 11 年度末河道 ) 以降の堤防整備や河道掘削等の改修状況を反映 ) 計算メッシュ ( 公表済み :250m メッシュ 今回公表 :25m メッシュ )