はじめに 日本全体の人口は 今後 30 年間で約 2 割の厳しい人口減少が見込まれています また 高齢者人口 (65 歳以上 ) は約 3 割増加し 生産年齢人口 (15~64 歳 ) は約 3 割減少すると見込まれています 高齢者や子育て世帯にとって安心できる健康で快適な生活環境を実現することや

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(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

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4. 都市づくりの目標と方針 4-1 都市づくりの基本理念 地域の個性が輝く生活快適都市 上田 ~ 魅力あるふるさと活気ある交流風格ただようまち ~ 基本理念の意味あい 上田市は 歴史 文化 自然 産業などに恵まれた特色ある地域から成り立っており 各地域が個性を発揮し 連携し合い 交流を促進しながら

長岡市立地適正化計画概要版目次 1. 立地適正化計画制度の概要... 1 (1) 立地適正化計画策定の背景と目的... 1 (2) 立地適正化計画制度... 1 (3) 立地適正化計画の位置付け... 2 (4) 計画の対象区域... 2 (5) 計画期間 長岡市の現状と将来見通し.

かごしまコンパクトなまちづくりプラン ( 立地適正化計画 ) 素案概要版 - 目次 - 1. 立地適正化計画の概要 2 2. 計画策定に係る基本的な考え方 4 3. 居住誘導区域 6 4. 都市機能誘導区域 8 5. 誘導施設 届出制度 目標値の設定 都市機能及び

市街化調整区域の土地利用方針の施策体系 神奈川県 平塚市 神奈川県総合計画 神奈川県国土利用計画 平塚市総合計画 かながわ都市マスタープラン 同地域別計画 平塚市都市マスタープラン ( 都市計画に関する基本方針 ) 平塚都市計画都市計画区域の 整備 開発及び保全の方針 神奈川県土地利用方針 神奈川県

一宮市住宅マスタープラン ~ 住み続けたいまち 住んでみたいまち 人々が生き生きと暮らせるまち ~ 概要版 平成 2 5 年 3 月 一宮市

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目次 1. 市街化調整区域の土地利用方針について... 1 (1) 策定の目的... 1 (2) 方針の位置付け 市街化調整区域の課題 土地利用の方針... 3 (1) 土地利用の基本的な方針... 3 (2) 地区ごとの土地利用方針 開発計画等の調整

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Taro-全員協議会【高エネ研南】

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四国中央市住宅マスタープラン 概要版 平成 30 年 3 月四国中央市 Since

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市町合併という基本的枠組みの変更に対応した 市全域を対象とした計画の見直し 少子高齢化をはじめとする本市を取り巻く社会経済情勢の変化に対応した計画づくり 総合計画や都市計画区域マスタープランなど 上位関連計画との整合 調整の必要性 都市計画マスタープランは 都市計画法第 18 条の 2 に基づいて策

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阿賀野市の発展と市民福祉の向上を図ることを目的とした 行政運営の指針となる 阿賀野市総合計画 に定める本市の将来像 人 まち 自然が輝く幸福祉都市阿賀野 の実現に向けて また こよなく愛するふる里創造のため 全力を上げ取り組んでいるところでございます 国から地方への事務 権限移譲や三位一体改革が加速

1-2 立地適正化計画の役割 立地適正化計画は 都市全体の観点における居住機能や都市機能の立地 公共交通の充実に関する包括的なマスタープランであり 以下のような役割があるとされています 1 都市全体を見渡したマスタープラン 立地適正化計画は, 居住機能や医療 福祉 商業, 公共交通等のさまざまな都市

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計画的な再開発が必要な市街地 特に一体的かつ総合的に再開発を促進すべき地区 市町名 名称 再開発の目標 土地の合理的かつ健全な高度利用及び都市機能の更新に関する方針 特に整備課題の集中がみられる地域 ( 課題地域 ) 地区名 西宮市 C-4 浜脇 ( 約 175ha) 居住環境の向上 良好な都市景観

( 新 ) 藤沢都市計画住宅市街地の開発整備の方針 平成年月 神奈川県 藤沢 住宅 -1

(2) 市原市における区域設定の考え方本市においては 更級地区における商業集積や沿岸における工業地帯の形成等 これまで特色ある土地利用展開を行ってきた経緯を踏まえ 居住誘導区域の設定に合わせ地域の特性に応じた区域を設定します 市原市における区域設定の考え方 市街化区域 1 居住誘導区域 2 一般居住

数値目標 平成 29 年 オープンカフェ新規参加店舗数 58 店 6 店 6 店 オリオン市民広場集客数 1,500 人 3,000 人 3,000 人 センターコア歩行者 自転車通行量 ( 平日 ) 1,700 人 1,700 人 1,700 人 5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概

イメージ図 ( 医療施設の場合 ) イメージ図 ( 誘導施設 : 地域医療支援病院の場合 ) 5 届出を要しない軽易な行為などについて都市再生特別措置法第 108 条並びに都市再生特別措置法施行令第 35 条 第 36 条の規定により 以下の行為は届出の対象となりません 軽易な行為その他の行為で政令

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山手地区の概要 面積 約50ha 用途地域 工業地域 建ぺい率 60 容積率 200 高さの限度 第一種高度地区 最高限20m 2

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4. 都市機能誘導区域 4.1 都市機能誘導区域設定の基本的な考え方 (1) 都市機能誘導区域とは医療 福祉 商業等の都市機能を都市の中心拠点や生活拠点に誘導し集約することにより これらの各種サービスの効率的な提供を図る区域のことです 原則として 居住誘導区域内において設定します これらの都市機能は


目次 Ⅰ 運用基準の策定にあたって P1 1 策定の目的 P1 2 運用基準の位置づけ P1 Ⅱ Ⅲ 土地利用のあり方 P1 地区計画の活用 P2 1 地区計画とは P2 2 地区計画の活用類型 P2 (a) 地域資源型 P3 (b) マスタープラン適合型 P3 (c) 街区環境整序型 P3 (d)

市街化区域及び市街化調整区域の区域区分の見直し方針案 小野市 1 区域区分見直しの基本的な考え方区域区分見直しの考え方は 都市計画運用指針 を踏まえ 次のとおりとする (1) 目標年次におけるフレームの設定区域区分の見直しについては 都市計画区域マスタープラン 市町マスタープラン等に示された都市の将

目次 1. 策定の目的と位置づけ (1) 策定の目的 1 (2) 市街化調整区域における地区計画運用基準の位置づけ 1 2. 市街化調整区域における土地利用方針の基本的な考え方 (1) 市街化調整区域における土地利用方針 2 (2) 市街化調整区域における地区計画の運用にあたっての基本的な考え方 3

第 4 章居住誘導区域 第 4 章居住誘導区域 1. 居住誘導区域 (1) 居住誘導区域の定義等居住誘導区域とは 都市再生特別措置法 * に定める 都市の居住者の居住を誘導すべき区域 のことで 都市計画運用指針 * において 人口減少の中にあっても一定のエリアにおいて人口密度を維持することにより 生

問 2. 現在 該当区域内に居住していますか 1. 居住している % 2. 居住していない % 無回答 % % 単位 : 人 1.9% 32.7% 65.4% 1. 居住している 2. 居住していない無回答 回答者のうち 居住者が約 65

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目 次 1 基本方針 再開発を促進すべき地区等の整備又は開発の方針... 2 別表再開発促進地区の整備又は計画の概要... 3 都市再開発方針図 ( 総括図 )... 6 都市再開発方針附図

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第6次延岡市長期総合計画校了.indd


(5) 老上西学区 1 まちづくりの方向性 1-1. 生活拠点の形成と交通環境の充実 既存の生活拠点を中心とした 50 戸連坦制度の厳守等により市街地の拡散を抑制するこ とで 利便性の高い生活環境を維持していくものとします 老上西学区は 東側から南側にかけての一帯が市街化区域に含まれ ( 主 ) 大

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生産緑地制度の概要 市街化区域内の農地で 良好な生活環境の確保に相当の効用があり 公共施設等の敷地に供する用地として適している 500 m2以上 *1 の農地を都市計画に定め 建築行為や宅地の造成を許可制により規制し 都市農地の計画的な保全を図る 市街化区域農地は宅地並み課税がされるのに対し 生産緑

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住まい まちづくりの基本目標と基本的施策の展開方向 1. 住まい まちづくりの理念と基本目標 だれもが安心して住み続けたいと感じる魅力ある とだ の住まい まちづくり を政策の基本理念とし これを実現するために次の 3 つを基本目標として総合的な施策を図るものとします 基本目標 -Ⅰ 多様なニーズに

参考資料 ( 美祢都市計画区域 ) 目次 1. 区域区分の二次検討 25 23

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3. 同意方針 3-1. 共通事項 (1) 上位計画との整合性 ( ア ) 地区計画が 都市計画区域マスタープラン等における土地利用の基本的な考え方と整合していること ( イ ) 地区計画が 市町都市計画マスタープラン等と整合していること 考え方 市街化調整区域は 本来市街化を抑制する区域であること

北部大阪都市計画彩都地区計画 ( 案 ) 北部大阪都市計画彩都地区計画を 次のとおり変更する 1. 地区計画の方針 名称彩都地区計画 位 置 茨木市大字粟生岩阪 大字宿久庄 大字清水 大字佐保 大字泉原 大字千提寺 大字大岩 大字福井 大字大門寺 大字生保 大字安威 山手台一丁目 山手台三丁目 山手

(2) 高齢者の福祉 ア 要支援 要介護認定者数の推移 介護保険制度が始まった平成 12 年度と平成 24 年度と比較すると 65 歳以上の第 1 号被保険者のうち 要介護者又は要支援者と認定された人は 平成 12 年度末では約 247 万 1 千人であったのが 平成 24 年度末には約 545 万


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7-3 上田城南地域 (1) 将来像 ( 将来像 ) 水と緑と多様な都市機能が調和し快適な暮らしの環境が整ったまち ( 基本目標 ) 千曲川をはじめ産川や浦野川 小牧山や上田原古戦場 半過岩鼻など奇景や原風景の残る豊かな自然や農地を大切に保全するとともに 秩序ある都市空間づくりを進めます 良好な住環

第 1 章基本計画の策定 1 策定の趣旨 総合計画基本構想では 豊かな自然と歴史 文化につつまれ人と人がつながる市民創造都市高岡 をまちの将来像に掲げ 17 のめざすまちの姿を目標として設定しています 第 3 次基本計画は 基本構想で示した市の基本的な取り組みの方向性に基づき 中期的な視点に立って

目 次 1 背景 目的 1 2 計画の位置付け 2 (1) 計画の位置付け 2 3 現状の問題と課題 3 (1) 現状の問題 3 (2) 課題 3 4 市街化調整区域における土地利用方針 5 (1) ゾーンにおける土地利用方針 6 (2) 各ゾーンのイメージ 10 5 土地利用現況図 11 6 土地

4. 地区計画の基本的な考え方 1. 市街化を抑制すべき区域 という市街化調整区域の基本理念は 地区計画の策定によってその性格が変わるものではないこと 2. 開発行為を伴う地区計画については いたずらに市街地を拡大しないよう その必要性 周辺の公共施設の整備状況 自然環境 景観や農林業との調和等の観

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参考資料 鳥取市都市計画マスタープラン 環境 文化 交流 拠点都市 とっとり ~ 個性ある新 生活交流都市 (( ハーモニーシティ )) をめざして ~ 概要版 平成 18 年 5 月 鳥取市

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目 次 1 章策定の趣旨 1 1 これまで経緯 1 2 さらなる行財政改革の必要性 1 2 章行財政改革の基本的な考え方 2 1 推進期間 2 2 基本方針 2 3 重点項目 2 (1) 事務 事業の効率化の推進 3 (2) 定員管理の適正化及び人材育成の推進 4 (3) 民間活力の活用 4 (4)

計画の概要 太田市地域福祉計画 太田市地域福祉活動計画とは? 太田市地域福祉計画市民のみなさまからご意見を伺いながら作成した 今後の地域福祉の方向性 将来像を示した太田市の計画です 太田市地域福祉活動計画社会福祉法人太田市社会福祉協議会が策定した 地域の社会福祉を推進するための具体的な活動計画です

第 2 章立地適正化計画の基本方針 第 2 章立地適正化計画の基本方針 1. 沼津市における立地適正化計画の導入について (1) 沼津市における立地適正化計画の活用方針 立地適正化計画は 本市を持続的に発展させるため 居住 と 交流 に一体的に取り組み 将来の目指すべき都市像 * を実現する計画とし

News Release 2014 年 3 月 24 日 伊丹市と新関西国際空港株式会社が 伊丹市域におけるまちづくりの推進 について合意 伊丹市と新関西国際空港株式会社は 伊丹市域の生活環境の改善 地域コミュニティの再生等を図るためのまちづくりを連携して推進するため 2014 年 3 月 24 日

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大阪府営門真住宅まちづくり基本構想 平成 25 年 6 月 大阪府 門真市

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総合計画及び国土利用計画アンケート調査結果 平成 20 年度 地域別構想 土地利用の方向性について 上位3つ ①無秩序な開発を抑制し 農地等は極力保全する ②主要な沿道等への店舗の立地を進め 利便性を高める ③身近な公園 生活道路 下水道などの生活環境基盤を整備する 住みよい 25.6% 22.9%

はじめに 都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域は 都市再生特別措置法 ( 平成 14 年 4 月 5 日公布 平成 14 年 6 月 1 日施行 以下 法 という ) に基づき 国が政令で指定するものです 1 都市再生緊急整備地域 趣旨 都市機能の高度化及び都市の居住環境の向上を図るため

能勢町市街化調整区域における地区計画のガイドライン

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1. 目的 本町の第 3 次総合計画において 本町の将来像である ( みんなが主役 やすらぎと健康福祉のまち ) の実現に寄与すべく 本町の市街化調整区域における地区計画の運用にかかる基本的な方針を示すため 市街化調整区域における地区計画運用指針 ( 以下 運用指針 という ) を策定しました この

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

筑豊広域都市計画用途地域の変更 ( 鞍手町決定 ) 都市計画用途地域を次のように変更する 種類 第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域第二種中高層住居専用地域 面積 約 45ha 約 29ha 建築物の容積率 8/10 以下 8/10 以下 建築物の建蔽率 5/10

工業地域用途地域の一つで 主として工業の業務の利便の増進を図る地域のこと 住宅や店舗は建てられるが 学校や病院 ホテルなどは建てられない 高次都市機能行政 教育 文化 情報 商業 交通 レジャーなど都市自体が持つ住民生活や企業の経済活動に対する各種のサービス機能のうち 受益圏が広域にわたる質の高い機

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⑴ 政策目的 市街地再開発事業の推進により 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るとともに コンパクトシティの推進及び密集市街地の解消を図る 新設 拡充又は延長を必要とする理由 ⑵ 施策の必要性 以下の施策の推進のため 本措置の延長により 民間事業者による早期かつ着実な保留床の取得を促


第 2 章市の住宅 住環境をとりまく現状 人口増減 (H17 H22) 千里ニュータウンの建替団地のある町丁目で顕著に人口増加 ( 新千里西町 2 丁目 新千里東町 2 丁目等 ) 新規住宅地開発 ( 建替含む ) が行われた町丁目で 顕著に人口増加 ~-30% 減少 -30%~-5% 減少 -5%

2. 住民アンケート調査 以下の既往のアンケート調査から 都市計画及びまちづくりに関する住民ニーズや方向性等を以下の とおり把握 解析する (1) 第 2 次長久手町土地利用計画策定にあたってのアンケート調査 1 調査の概要 調査対象は 町内在住住民及び市街化調整区域の土地所有者とし それぞれ 2,



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<第1回> 帯広市都市計画審議会 第二次 都市計画マスタープラン検討                   専門部会

2. 各学区のまちづくりの方向性と将来ビジョン 第 3 章で整理した各学区の現状 課題等を踏まえ 学区ごとにまちづくりの方向性 ( 基本方針の 3 つの柱の何に該当するのか ) を整理します 方向性を踏まえ 施策の柱ごとに具体的なビジョンを検討します (1) 常盤学区 1 まちづくりの方向性 1-1

目次 1 背景 目的 方針の位置づけ 現状の問題と課題 今後の方針

2-2 需要予測モデルの全体構造交通需要予測の方法としては,1950 年代より四段階推定法が開発され, 広く実務的に適用されてきた 四段階推定法とは, 以下の4つの手順によって交通需要を予測する方法である 四段階推定法将来人口を出発点に, 1 発生集中交通量 ( 交通が, どこで発生し, どこへ集中

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神戸市都市空間向上計画 ~ 次世代に継ぐ持続可能なまちづくり ~ 基本的な考え方 ( 案 ) 平成 30 年 3 月 神戸市住宅都市局

はじめに 日本全体の人口は 今後 30 年間で約 2 割の厳しい人口減少が見込まれています また 高齢者人口 (65 歳以上 ) は約 3 割増加し 生産年齢人口 (15~64 歳 ) は約 3 割減少すると見込まれています 高齢者や子育て世帯にとって安心できる健康で快適な生活環境を実現することや 財政面及び経済面において持続可能な都市経営を可能とすることが大きな課題となっています さらに 急激な高齢化の進展により 社会保障費が大きく増加しており 国の負担は毎年増え 財政赤字の大きな要因となっています 財政赤字が拡大すると 政府が本来果たすべき財政機能を発揮できなくなり 地方の都市経営に大きな影響を与えることも考えられます こうした中 人口減少社会における新しいまちづくりを図るために 福祉や交通なども含めて都市全体の構造を見直し コンパクト プラス ネットワーク の考えで進めていくことが重要です このため 都市再生特別措置法が改正され 市民 事業者 行政が一体となったコンパクトなまちづくりを促進するため 立地適正化計画 の制度が創設されました 神戸市においても 全国と同様に人口減少 高齢化といった課題が進展しつつあります 市としては人口減少を甘受するのではなく 神戸人口ビジョン と 神戸創生戦略 を策 定し 人口減少の抑制を目指して自然増や社会増に取り組みを進めています これまでも 鉄道駅を中心に生活利便施設を配置し その周辺に住宅地が広がる比較的コンパクトな都市構造を構成し 安全 安心 快適に住み続けられるまちづくりを進めてきましたが 人口減少は避けられない状況となっている中 民間の提供する生活利便施設やサービスの維持や 行政サービスの持続性といった観点からも 適正な人口規模や密度の設定と それに向けた誘導を図っていく必要があります 立地適正化計画 は 概ね 20 年先の人口動向を見据えて住宅及び都市機能の立地の適正化を図るために作成し 居住及び都市機能を誘導する区域や施策の方針を決める計画です 神戸市では 立地適正化計画 の内容を含みながらも さらに長い概ね 50 年先の人口動向を見据えた区域を設定し 長い期間をかけて緩やかに無理なく誘導を図る施策の方針や 都市機能の集積を目的としないエリアの特徴 特性を活かしたゆとりあるくらしや 住宅以外の用途に土地利用転換を図るための施策の方針を加えた 都市空間向上計画 としてまとめます 1

都市空間向上計画 を策定することで 概ね 50 年先を見据えた神戸市のめざす都市空間と それに向けた取り組みを共有し 都市計画だけでなく 公共交通 住宅 公共施設 医療 福祉 子育て 教育などまちづくりに関する様々な施策と連携を図り 整合性や相乗効果などを考慮しつつ 持続可能なまちづくりを進めます これに伴い 安全 安心で快適な神戸ならではの多様な生活の実現や コミュニティ 環境 財政面での都市の持続性の向上 地域経済の発展のための基盤の形成などの効果が期待でき まちに活力が溢れ 若者をはじめとする多くの人に選ばれるまちづくりに繋がると考えています この取り組みは 短期的な成果を重視するものではなく 人口減少などによって生じる問題を長期的な視点で解決し 将来も心地よく健やかに住み続けられるよう 長い時間を費やして継続的に進めるものです 今のくらしを守りつつ 次世代に持続可能なまちづくりを継ぐために 今の段階から少しずつ 市民 事業者 行政が一体となって進めていきます 目次 1. 神戸市の現状と課題 コンパクト化の必要性 1.1 現状と課題 1.2 コンパクト化の必要性 2. 神戸市がめざす都市空間 2.1 方針 2.2 めざす都市空間 < 参考 : 立地適正化計画とは > 2

1. 神戸市の現状と課題 コンパクト化の必要性 1.1 現状と課題 神戸市全体においても 全国と同様に人口減少社会 超高齢社会が進展しつつあります ( 図 1) 国立社会保障 人口問題研究所( 以下 社人研 ) の推計でも 2015 年から 2060 年にかけて約 44 万人減 ( 約 28% 減 ) が推計されており 年齢構成も変わり生産年齢人口が減少することから 一人当たりの負担が増加することが懸念されています ( 図 1 2) その中でも旧市街地 1 とニュータウン 2 に着目して分析を進めると 旧市街地では人口が増加していますが ニュータウンでは人口が減少し 特に若者の流出が著しいことが分かります ( 図 3 4 5) 他にも 都市機能の更新 地域社会のつながりの希薄化への対応 子育てしやすい環境の整備 高齢者の移動手段の確保 空家予備軍となる持ち家を抱えた高齢者の支援 適切な修繕による公共施設の長寿命化など多様な課題があります 本計画における用語の解説 1 旧市街地の定義 1960 年時点の人口集中地区 (40 人 /ha 以上が隣接して人口が 5,000 人以上となる地区 ) 2 ニュータウンの定義 以下 1~4に当てはまる開発事業 1 郊外での開発事業 ( 旧市街地外 ) 2 開発面積 10ha 以上かつ計画人口 1,000 人以上 3 条件 1 2に該当し 開発の主目的が人口の受入れでない開発事業は除く 4 条件 1~3に該当する団地に連担し 住宅開発を目的に行われた開発事業 3

人口推移 図 1 神戸市の人口推移と今後の推計 ( 万人 ) 180 13.5% 実績値 推計値 15% 170 160 9.2% 154 153 150 10% 150 140 人口 130 5.9% 5.6% 0.5% 3.2% 4.7% 4.9% 2.1% 1.2% 0.0% -0.1% -0.1% -0.1% -0.2% -0.2% 146 136 124 5% 人約 44 万人減口増 0% 加率 120 110-3.6% -2.1% -2.8% 110-5% 100 90-7.1% -8.8% -10.9% -10% 80-15% 増加率 人口推移 出典 :( 実績値 ) 国勢調査および神戸市統計報告 ( 推計値 ) 国立社会保障 人口問題研究所 地域別将来推計人口 に準拠して算出した数値 2012 年から人口減少が始まっています 2015 年から 2060 年で約 44 万人 ( 約 28%) の減少が推計されています Q 神戸人口ビジョンの 2060 年推計人口 (131.1 万人 ) との違いは? A 人口ビジョンの推計人口は まちづくりの計画が前提とする将来人口( 社人研の推計 ) から 出生率や社会移動が改善された際にどれだけの展望が見込まれるかを示しています 都市計画運用指針において 立地適正化計画が前提とする将来人口は 社人研の推計を前提として検討するようにと記載されています 内閣府においても 人口減少に即した調整戦略と人口減少に歯止めをかける積極戦略を複眼的に取り組むことが重要としています 4

高齢化の進展 図 2 神戸市の年齢構成の推移と今後の推計 実績値 推計値 80% 70% 60% 70% 71% 69% 67% 64% 60% 59% 58% 57% 53% 51% 50% 50% 40% 30% 20% 17% 16% 17% 20% 23% 27% 30% 31% 33% 38% 40% 42% 10% 11% 14% 14% 13% 13% 12% 11% 11% 10% 9% 9% 8% 0% 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2040 2050 2060 15 歳未満 15~64 歳 65 歳以上 出典 :( 実績値 ) 国勢調査 ( 推計値 ) 国立社会保障 人口問題研究所 地域別将来推計人口 に準拠して算出した数値 高齢者(65 歳以上 ) の人口割合は 1990 年から増加傾向であり 一方で生産年齢 (15 ~64 歳 ) の人口割合は 1995 年から減少傾向で これからもこの傾向が続くことが推計されています 2015 年時点では生産年齢人口 2 人で高齢者 1 人を支えている形であるが 2060 年には 1 人で 1 人を支える形になり 1 人当たりの負担が増加することが推定されます 2015 年 2060 年 45 年後 5

ニュータウンの分析 図 3 神戸市のニュータウン位置図 ニュータウン旧市街地区界市街化区域 市街化区域(20,364ha) の約 3 分の 1 にあたる 6,390ha のニュータウンを抱えています ニュータウンの人口は 491,400 人 (2015 年国勢調査 ) で 市全体の約 3 分の 1 にあたります 6

市全体 旧市街地 ニュータウン 図 4 人口推移の地域比較 ( 市全体 旧市街地 ニュータウン ) ( 万人 ) ( 万人 ) 160 85 155 150 145 140 135 130 125 120 1995 2000 2005 2010 2015 市全体 1,423,792 1,493,398 1,525,393 1,544,200 1,537,272 旧市街地 587,499 676,099 699,619 719,907 729,960 ニュータウン 519,576 507,244 507,231 503,774 491,400 80 75 70 65 60 55 50 45 出典 : 国勢調査 市全体では 2010 年から人口が減少していますが 旧市街地では人口が増加し ニ ュータウンで人口減少しています 7

0~4 歳 5~9 歳 10~14 歳 15~19 歳 20~24 歳 25~29 歳 30~34 歳 35~39 歳 40~44 歳 45~49 歳 50~54 歳 55~59 歳 60~64 歳 65~69 歳 70~74 歳 75~79 歳 80~84 歳 85~89 歳 90~94 歳 95~99 歳 100 歳以上 100 歳以上 ( 人 ) 図 5 人口ピラミッド ( ニュータウンのみ ) 60,000 50,000 1995 年の 15~19 歳 微減 40,000 30,000 20,000 10,000 20 年後 2015 年の 35 歳 ~39 歳約 28,000 人 0 年齢 1995 2000 2005 2010 2015 出典 : 国勢調査 さらに ニュータウンでは若者( ニュータウンに家を購入した方の子の世代 ) が流出しています たとえば 1995 年時点で 15 歳 ~19 歳だった人が約 40,000 人に対し 20 年後の 2015 年時点で 35~39 歳になっている人が約 28,000 人に減少しています また 家を購入した世代は流出が少ないことがグラフから読み取れます 8

1.2 コンパクト化の必要性 まちに与える影響 人口減少 超高齢社会は 民間に対しては消費者などの減少による売上減 行政に対しては納税者の減少による税収減といった影響があります このような影響を受け 神戸市内でも 地域にあるスーパーなど生活関連サービスの縮小 撤退や たとえば自治会で高齢化や担い手不足などの地域コミュニティの低下といった問題が起こっています また 子の世帯の流出などが大きな要因となって所有者不明であったり管理の行き届いていない空家 空地が増加しています 行政も税収減により それらの課題を補っていくために行政サービス水準をあげていくことはもちろん これまでと同様のサービスを提供することも難しくなります そこで 民間が生活サービスを末永く提供してもらえるような取り組みを行い 行政サービスを大きく広げることなく生活できるようにすることが必要であり 自助 共助 公助のバランスをとりながら 心地よく健やかに住み続けられるまちづくりをめざしていきます そのためには 良好なコミュニティを維持し 民間のサービスの提供先に選んでもらえるような人口規模 ( 図 6 参照 ) と密度を保つエリアを設定し 人口減少 超高齢社会に対応し将来を見据えたコンパクト化を進めていくことが必要です 図 6 都市機能の維持に必要な周辺人口規模 ( 国土交通省資料より抜粋 ) 都市機能 医療 福祉 子育て支援 商業といった生活サービス施設 9

まちに与える影響 ( イメージ ) 10

2. 神戸市がめざす都市空間 2.1 方針 50 年先も心地よく健やかに住み続けられるまちづくり を目指し 下記の方針に基づいて進めます < 前提 > 2060 年の推計人口規模である 110 万人に対応するまちづくり (p4 の Q 参照 ) < 市街化区域 > 居住 近年の人口増減や開発動向等のトレンドを重視するのではなく 鉄道駅や地形状況 都市機能の集積状況などのロケーションを重視します 鉄道の中で 将来にわたって重要な役割を果たすものをまちづくりの骨格に据えます この他の鉄道やバスなどは 需要に応じて交通手段を変更するなど適切に対応します 50 年先を見据え 居住者のライフステージの変化に対応した緩やかな誘導を図ります 都市のコンパクト化に向け 都市機能を維持するための人口規模と密度を保つ区域を設定します それ以外の区域は 都市機能の集積を目的とするのではなく ゆとりあるくらしや 緩やかに住宅以外の用途に土地利用転換を図り 地域の特徴 特性を活かした区域とします ただし 防災上課題のある区域については 早期に移転促進を図る区域とします 都市機能 都市機能についても緩やかな誘導を図ります 神戸市のリーディングエリアとなる区域を定めます 鉄道駅が集積しているエリアは 鉄道沿線に面として都市機能を強化します 鉄道駅が集積していないエリアは 拠点となる駅を点として都市機能を強化します < 市街化調整区域 > 神戸市都市計画マスタープラン ( 平成 23 年 3 月 ) に基づき 引き続き下記の取り組みを進めます 田園のゾーン 人と自然とが共生する農村地域の活性化をはかるため 人と自然の共生ゾーンの指定等に関する条例 に基づき 協働と参画による里づくりに取り組みます 11

また 農村としての機能の保全 維持や地域コミュニティなどを維持するために必 要な人を呼び込む取り組みを引き続き進めます みどりのゾーン 自然環境 景観に優れた六甲山系など 都市の骨格を形成する緑地については 緑地の保全 育成及び市民利用に関する条例 に基づき みどりの聖域として 良好な緑地環境や風致の保全 育成を図ります 大都市近郊にありながら豊かな自然が保全されている六甲山の最大の魅力を維持しつつ賑わいを取り戻すための取り組みを進めます 12

2.2 めざす都市空間 居住 市街化調整区域 神戸市域 居住推奨区域 A 居住推奨区域 B 市街化区域 ゆとりある居住区域移転促進区域 都市機能 都心旧市街地型郊外拠点型 鉄道駅 バス停 13

居住に関する方針 居住推奨区域 A 居住推奨区域 B ゆとりある居住区域移転促進区域 居住推奨区域 A と連担して 都市機能の集積を目的とする 区域の 方針 将来にわたって公共交通の利便性が高く 都市機能が身近にあり 歩いて暮らせる便利な区域 都市機能を維持するために選定した区域 公共交通の利便性は居住推奨区域 A ほど高くはないが 都 のではなく ゆとりあるくらしの実現を図り または緩やかに住宅以外の用途に土地利用転換を図るなど 地域の特徴 特 防災上課題があり 居住に適さ ないもしくは何らかの対策が 必要な区域 市機能は身近にある区域 性を活かした区域 地域ごとに 特徴 特性を活か したあり方や 生活に必要なサ 施策の 方向性 医療 福祉 介護等の都市機能を民間で維持 集積できる一定の 人口規模と密度を保つために 居住を誘導し 都市機能の立地を 促進させるような施策を行う ービスをどのように確保していくのかを 自助 共助 公助のバランスをとりながら住民 防災上課題があり 早期に移転 促進を図る と行政とが一緒になってきめ 細かく考えていく 居住推奨区域 A および居住推奨区域 B は 都市再生特別措置法第 81 条第 1 項に規定される立地適正化計画の 法第 81 条第 2 項第 2 号に規定される 居住誘導区域 とします ( 詳細は参考に記載 ) 14

都市機能に関する方針 都市機能誘導区域 都心 旧市街地型 郊外拠点型 方針 文化 経済が持続的かつグローバルに発展し 世界に貢献する未来創造都市のリーディングエリアを形成する 市内だけでなく市外からの来街者などを広く対象とした 商業 業務 文化 交流 行政などあらゆる機能を高度に集積させる 多くの駅が集積する旧市街地において 面的な広がりをもって 商業 業務 文化 教育 観光機能など様々な機能を強化する 郊外の拠点において 周辺地域にサービスを提供するための都市機能を維持 強化していく また 隣接市など広域を対象とした拠点として ターミナル機能など必要な機能を強化する 各区域は 都市再生特別措置法第 81 条第 1 項に規定される立地適正化計画の 法第 81 条第 2 項第 3 号に規定される 都市機能誘導 区域 とします ( 詳細は参考に記載 ) 15

誘導方針 めざす都市空間にむけて 幅広い施策の検討 調整を進めます 16

< 参考 > 立地適正化計画とは 国土交通省 URL: http://www.mlit.go.jp/en/toshi/city_plan/compactcity_network.html 17