N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

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この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

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税金のいろいろ所得税の計算の税金サラリーマン20 生活の税金株式の税金事業の税金不動産の税金贈与の税金相続の税金(2) 適用を受けるための主な要件 取得又は増改築等をした日から6か月以内に居住すること 住宅の床面積が50m 2 以上で取得又は増改築後の家屋の床面積の1/2 以上が居住用であること 中

法人の減価償却制度の改正に関するQ&A

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第 5 章 N

が消費税の課税対象となります 土地や建物を売った場合の譲渡所得の税金計算のしくみ 譲渡所得の計算のあらまし 個人が 土地や建物を売却し 利益 ( 譲渡益 ) が生じた場合には その利益に対して所得税と住民税がかかります この課税対象となる利益のことを 税法上 譲渡所得 ( 金額 ) と呼んでいます

相続対策としての土地有効活用

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

Ⅱ 減免措置の内容 Ⅰ 減免措置の適用要件 を満たす場合には 災害減免法により以下のとおり相続税等が減免されます 災害減免法による相続税等の減免措置は 1 申告期限前に被害を受けた場合 と 2 申告期限後に被害を受けた場合 とでその内容が異なります なお この申告期限は 国税通則法 又は 東日本大震

Aさん : 何ですか 課税の繰り延べ課税の繰り延べって? 減税とは違うのですか? 税理士 : はい 買換特例には 根本的には税金は減らす効果はなく あくまで納税時期を遅らせることしかできないのです 課税の繰り延べの意味 税理士 : 今お持ちの駅前にある不動産を 2 億円で売却し 郊外の賃貸用マンショ

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

②業務チェックリスト 譲渡_②案_ 【修正】

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内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

土地 建物の譲渡に伴う課税 所得税 住民税 譲渡所得の計算個人が不動産を譲渡した場合には 出た利益 ( 譲渡所得 ) に対して所得税と住民税が課税されます 課税譲渡所得 = 譲渡収入金額 - 取得費 ( 1)- 譲渡費用 ( 2)- 特別控除額 1 取得費 : 譲渡した不動産の取得に要した費用 購入

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平成23年度税制改正の主要項目

契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税

2. 雑損控除の適用における 損失額の合理的な計算方法 雑損控除の計算において 災害により被害を受けた住宅や家財 車両の損失額は その損失の生じた時の直前におけるその資産の価額を基として計算することとされていますが 1 住宅の主要構造部に損壊がある場合で かつ 2 損害を受けた資産について個々に損失

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土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

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改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

⑷ 納税猶予の打ち切り P. 49 Q. 納税猶予の対象の農地を売却する場合 納税猶予が打ち切られてしまうのですか ⑸ 市町村合併と納税猶予 P. 54 Q.B 町が平成 3 年 1 月 1 日現在特定市であるA 市に合併される場合 旧 B 町の農地等は生産緑地の指定を受けていないと納税猶予の特例は

( 相続時精算課税適用者の死亡後に特定贈与者が死亡した場合 ) (6) 相続時精算課税適用者 ( 相続税法第 21 条の9 第 5 項に規定する 相続時精算課税適用者 をいう 以下 (6) において同じ ) の死亡後に当該相続時精算課税適用者に係る特定贈与者 ( 同条第 5 項に規定する 特定贈与者

Z-64-A 簿記論〔第一問〕-解 答-


税法実務コース 所得税 学習スケジュール 回数 学 習 テ ー マ 内 容 第 1 章 テーマ1 所得税の仕組みテーマ2 所得税額の計算テーマ3 非課税所得 所得税の仕組み 税額計算 所得税が課税されないものについて学習します テーマ1 各種所得金額の計算の概要テーマ2 利子所得テーマ3 配当所得

金融商品と資金運用

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

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下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

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時価で譲渡したものとみなされ所得税が課税され かつ その所得税は相続税の課税価格の計算上被相続人の債務として控除されていることにより 所得税と相続税の負担の調整は済んでいますので この特例の適用は受けられません 2 取得費に加算される金額平成 26 年度の改正前は 相続財産である土地等の一部を譲渡し

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

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#210★祝7500【H30税法対策】「登録免許税ほか」優先暗記30【宅建動画の渋谷会】佐伯竜PDF

e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

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【表紙】

退職金についての市県民税はどうなるの? 私は平成 28 年 4 月に退職しました 勤続 30 年で退職金は 2,100 万円ですがこの退職 金に対する市県民税はいくらですか 通常の市県民税の課税は前年中の所得に対し翌年課税されるしくみになっていますが 退職金に対する課税については 他の所得と分離して

第 7 章 間にその者の居住の用に供したときに 一定の要件の下で そのバリアフリー改修工事等にあてるために借り入れた住宅借入金等の年末残高 (1,000 万円を限度 ) の一定割合を5 年間所得税の額から控除できます なお 52ページの増改築に係る住宅ローン控除制度との選択適用になります 1 控除期

配偶者居住権の相続税評価額について 2018/12/28 田口税理士事務所 平成 30 年の民法改正により 配偶者の居住権を保護するために配偶者居住権が新設されましたが 相続税の評価にどう影響させるかについて 今回の税制改正大綱に記載されています まず 前提となる配偶者居住権について 説明します 1

計算式 1 1 建物の価額 ( 固定資産税評価額 ) =2 長期居住権付所有権の価額 +3 長期居住権の価額 2 長期居住権付所有権の価額 ( 注 1) =1 固定資産税評価額 法定耐用年数 ( 経過年数 + 存続年数 ( 注 3)) 法定耐用年数 ( 注 2) 経過年数 ライプニッツ係数 ( 注

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

5 事業用の車両等を売却 ( 譲渡 ) した場合の売却益 ( 譲渡益 ) 売却損 ( 譲渡損 ) については 事業所得とはならない 総合課税の譲渡所得 ( 土地 建物以外 ) の扱いになり 所有期間 (5 年超か以下か ) によって長期譲渡所得 短期譲渡所得に区分される 6 使用可能期間が1 年未満

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5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

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2. 控除の適用時期 Q. 12 月に取得した自宅の所在地に 年末までに住民票を移しましたが 都合で引っ越しが翌年になってしまった場合 住宅ローン控除はいつから受けることになりますか A. 住宅ローン控除の適用を受けるためには 実際に居住を開始することが必要です したがって 住民票を移した年ではなく

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注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

個人市民税 控除・税率等の変遷【市民税課】

金庫株を活用した事業承継対策 1. 概要 非上場株式を相続して相続税が発生する場合は 相続で取得した自社株を相続税の申告期限後 3 年以内に金 庫株すればみなし配当課税しない (= 譲渡所得とする ) 特例があります ( 措置法 9 条の 7) 所得税の特例の内容 ( 自己株式をみなし配当課税しない

iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

2. 雑損控除の適用における 損失額の合理的な計算方法 雑損控除の計算において 災害により被害を受けた住宅や家財 車両の損失額は その損失の生じた時の直前におけるその資産の価額を基として計算することとされていますが 1 住宅の主要構造部に損壊がある場合で かつ 2 損害を受けた資産について個々に損失

平成 28 年度市民税 県民税申告の手引き 申告書を提出しなければならない人平成 28 年 1 月 1 日現在 幸手市内に住所を有する人 (1 月 2 日以降に幸手市に転入した人は従前の住所地で申告を行ってください ) ただし 次に該当する人は この申告をする必要はありません 1 平成 27 年分の

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申告所得税関係 手続名 帳票名平成年分セルフメディケーション税制の明細書 ( 次葉 ) 特定証券投資信託に係る配当控除額の計算書 平成 年分給与所得の源泉徴収票 ( 平成 28 年以降用 ) 平成 年分特定口座年間取引報告書 ( 平成 28 年以降用 ) 平成 年分公的年金等の源泉徴収票 ( 平成

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

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( 注 3) その他の少額上場株式等の非課税口座制度の詳細については 証券会社等の金融商品取引業者等にお問い合わせ下さ い b. 利益を超える金銭の分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 平成 27 年 4 月 1 日以後開始事業年度に係る利益を超える金銭の分配につ

[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所

Q3. 資本金 500 万円で豊中市内の従業員が 60 人の法人です 均等割の金額を教えてください 豊中市の税率 ( 市町村によって違います ) 資本金等の額 * 従業者数 ( 豊中市内 ) 税額 ( 年額 ) * 50 億円超 10 億超 ~50 億円以下 1 億超 ~10 億円以下 1 千万超

Transcription:

譲渡所得税 N 譲渡所得とは簡単にいえば資産の譲渡による所得のことですが この譲渡とは 通常の売買のほか 交換 収用 競売 現物出資 代物弁済などの有償譲渡 法人に対する贈与などの無償譲渡も含まれます なお 譲渡所得は 毎年必ず発生する所得ではなく臨時的に発生する所得であるため その人の他の所得と切り離して課税される申告分離課税という特別な課税の方式がとられています ( たな卸資産 山林を譲渡した場合を除きます ) N 譲渡所得金額は 譲渡収入から譲渡資産の取得費および譲渡費用を控除して計算します 22 取得費とは 譲渡した土地建物等の購入代金 (= 取得価額 ) や購入手数料にその後の設備費と改良費を加えた合計金額をいいます しかし 建物のように使用したり 期間が経過することによって価値の減少する資産である場合は その償却費相当額 (23ページをご参照ください ) を差し引いて取得費を計算します なお 取得費が不明の場合は 収入金額の 5% を取得費とします 譲渡費用とは 資産を譲渡するために直接支出した費用で たとえば次に掲げる費用をいいます 1 仲介手数料 2 契約書印紙代 抵当権抹消費用 3 測量費用 立退料 4 建物の取壊費用など 18

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲渡所得 ( 平成 27 年中の譲渡は平成 22 年 1 月 1 日以後取得分 ) 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年超のとき 長期譲渡所得 ( 平成 27 年中の譲渡は平成 21 年 12 月 31 日以前取得分 ) となります 19

譲渡した資産が長期譲渡所得となるか短期譲渡所得となるかによって 税負担が大きくちがってきますので 所有期間の判定は重要な問題となります 判定の基礎となる 取得の日 や 譲渡の日 は それぞれ次のように取り扱われています 1 原則 その資産の引渡しを受けた日 2 特例 納税者が売買契約締結の日をその資産の取得の日として確定申告をした場合には その申告は認められます N 土地建物等を譲渡した場合は 原則として他の所得と区分して 分離課税 の方法で課税されることになっています 譲渡した年の1 月 1 日現在で所有期間が5 年を超える土地建物等の譲渡による所得は 分離長期譲渡所得ということになります この分離長期譲渡所得の税額は 次の算式によって求めた課税長期譲渡所得の金額に一定の税率を乗じて所得税および住民税を計算します ( 注 ) 新築マンションの購入のように契約日に建物が存在していなかった場合には 2の特例は認められず1の原則のみになります 1 原則 その資産を相手方に引渡した日 2 特例 納税者が譲渡契約締結の日をその資産の譲渡の日として確定申告をした場合には その申告は認められます ( 注 ) 平成 21 年および平成 22 年中に取得した土地 借地権などで譲渡した年の1 月 1 日において5 年を超えて所有したものを譲渡した場合には 22ページ 一口メモ の特例があります 15 20

N 譲渡した年の1 月 1 日現在で所有期間が5 年以下の土地建物等の譲渡による所得 すなわち分離短期譲渡所得に対する所得税および住民税は次のように計算します 30 N 譲渡所得の計算にあたっては 譲渡益から一定の金額が控除される特別控除と 買い換えた場合に課税が繰り延べられる買換えの特例があります 特別控除は一定の手続きをすれば 譲渡の態様に応じて譲渡益から800 万円 5,000 万円が控除されます 所有期間の長短は問いませんが 買換えの特例の適用を受けたものについては特別控除の適用はありません 2 以上の特別控除の適用がある場合には 次ページの図表の の順に また同じ年に特別控除の適用がある資産を2 以上譲渡した場合は まず短期のものから控除しますが 控除額の上限は年間 5,000 万円です N 譲渡所得は 原則として譲渡所得の基因となる資産の引渡しがあった日の属する年分の所得として扱われます したがって その譲渡資産の引渡しのあった日の属する年の翌年の2 月 16 日から3 月 15 日までに申告して納税することになっています なお 土地建物等を譲渡し 所有権の移転登記をすると 税務署から 確定申告書 B 別表第三表( 分離課税用 ) と 譲渡所得の内訳書( 確定申告書付表兼計算明細書 ) が送られてきますので これらに必要事項を記載の上 一定の書類を添付して 申告 納税することになります N 相続財産である土地等を譲渡した場合の取得費加算の特例相続税の課税対象となった土地の譲渡 ( 相続開始から3 年 10か月以内 ) に関して 相続した土地の一部の土地の譲渡であっても 相続した 全ての 土地等に対応する相続税相当額を取得費に加算することができましたが 平成 27 年 1 月 1 日以降に開始する相続または遺贈により取得した土地を譲渡する場合には 相続した 全ての 土地等に対応する相続税相当額を加算する特例を廃止し 他の資産と同様に 譲渡した土地等に対応する相続税額のみが加算できることとなります 相続税評価額 10 億円相続税額 3 億円 ( 内訳 : 預金 2 億円 土地 8 億円 ) 相続した土地 8 億円のうちの 2 億円を 3 億円で売却した場合の譲渡所得の計算 概算取得費 5% で譲渡費用はないものとする 4 4 4 8億円 相続した 全ての 土地評価額 ( 土地評価額 ) 3億円 -1,500 万円 -3億円 =4,500 万円 ( 譲渡所得 ) ( 売却価額 ) ( 概算取得費 )( 相続税額 ) 10 億円 ( 相続税評価額 ) 平成 27 年 1 月 1 日以降に開始する相続または遺贈により取得した土地を譲渡する場合売却した土地のみの評価額 2 億円 ( 譲渡した土地の評価額 ) 3億円 -1,500 万円 -3億円 =2 億 2,500 万円 ( 譲渡所得 ) ( 売却価額 ) ( 概算取得費 )( 相続税額 ) 10 億円 ( 相続税評価額 ) 21

5000 33 3000 35 2000 34 1500 34 800 34 平成 26 年 11 月に土地を譲渡しました 譲渡価額は9,000 万円 支払った仲介手数料は250 万円です この土地は亡父が昭和 40 年に取得していましたが 平成 18 年 6 月に私が相続したものです 譲渡資産の 譲渡価額 概算取得費 次ページQ&A 参照 ( 譲渡費用 ) 課税長期譲渡 所得金額 9,000 万円 -(9,000 万円 5% + 250 万円 )= 8,300 万円 8,300 万円 15%=1,245 万円 ( 所得税額 ) * 8,300 万円 5%= 415 万円 ( 住民税額 ) Bさんは平成 26 年 4 月に土地を譲渡しました 譲渡価額は7,000 万円です 譲渡した土地は平成 23 年 5 月にBさんが4,000 万円で購入し また譲渡に際して仲介手数料 200 万円を支払っています 譲渡資産の 譲渡価額 ( 取得費 ) ( 譲渡費用 ) 課税短期譲渡 所得金額 7,000 万円 -(4,000 万円 + 200 万円 )= 2,800 万円 2,800 万円 30%= 840 万円 ( 所得税額 ) * 2,800 万円 9%= 252 万円 ( 住民税額 ) * 復興特別所得税が 基準所得税額に対して 2.1% 別途かかります 1000 2122 21221231 10001000 24 21272228 22

ご質問の場合には 土地の譲渡による収入金額の5% 相当額をその取得費とすることになります これは 譲渡所得の計算上認められている 概算取得費控除 というもので 通常の場合の取得費の額が譲渡資産の譲渡による収入金額の5% 相当額よりも少ない場合 またはその取得費が不明の場合に 譲渡収入金額の5% 相当額 を取得費とする制度です 10 建物など時の経過によって減価する資産の取得費は その資産の取得価額 設備費 改良費の合計額から次の 償却費相当額 を差し引いた金額となります なお 下記 12の償却費相当額の計算方法は 平成 19 年 3 月 31 日以前に取得した資産について適用される方法で 平成 19 年 4 月 1 日以後に取得した資産の場合は 計算式が異なります 1 店舗 事務所 賃貸住宅などの事業用 業務用資産の償却費相当額 取得価額 設備費 90% 譲渡資産の耐用年数 改良費に応ずる償却率 ( 1) 経過総月数 12 ( 注 1) 平成 19 年 4 月 1 日以後に取得した減価償却資産については 残存価額 ( 90% の部分 ) が廃止されます ( 注 2) この算式は定額法によるものですが このほかに平成 10 年 3 月 31 日以前に取得した建物の場合には 定率法による方法もあります なお 実際の譲渡所得の申告では 不動産所得 事業所得の計算上 必要経費に算入した 償却費の額の累積額を 償却費相当額 として差し引くことになります 2 自己の居住用住宅などの非業務用資産の償却費相当額 ( 取得価額 設備費 改良費の95% が限度 ) 取得価額 譲渡資産の耐用年数の1.5 倍 経過年数 設備費 90% の年数 (1 年未満の端数は切 6か月未満切捨て 改良費 捨て ) に対応する償却率 ( 2) 6か月以上 1 年 なお 非業務用資産については 平成 19 年 4 月 1 日以後に取得した場合でも 上記 2の計算式で償却費相当額を計算します 1 73ページを参照してください 2 非業務用建物 ( 住宅 ) の償却率は次のとおりです (1.5 倍後の年数に対応する償却率 ) 木造木骨モルタル ( 鉄骨 ) 鉄筋コンクリート 金属造 1 金属造 2 0.031 0.034 0.015 0.036 0.025 ( 注 ) 金属造 1 軽量鉄骨造のうち骨格材の肉厚が3mm以下の建物 金属造 2 軽量鉄骨造のうち骨格材の肉厚が3mm超 4mm以下の建物 23