メ夕ボリック症候群と筋骨格系疾患との関連 ( 日本の研究 2015 年 ) 筋骨格系疾患とメ夕ボリック症候群の関連につき 30~80 歳代の男性 466 人 女性 918 人を対象に検討した 膝関節症があると高血圧 脂質異常になりやすく 高血圧 耐糖能異常があると膝関節症になりやすい また肥満がある

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高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

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肥満者の多くが複数の危険因子を持っている 肥満のみ約 20% いずれか 1 疾患有病約 47% 肥満のみ 糖尿病 いずれか 2 疾患有病約 28% 3 疾患すべて有病約 5% 高脂血症 高血圧症 厚生労働省保健指導における学習教材集 (H14 糖尿病実態調査の再集計 ) より

ただ太っているだけではメタボリックシンドロームとは呼びません 脂肪細胞はアディポネクチンなどの善玉因子と TNF-αや IL-6 などという悪玉因子を分泌します 内臓肥満になる と 内臓の脂肪細胞から悪玉因子がたくさんでてきてしまい インスリン抵抗性につながり高血糖をもたらします さらに脂質異常症

山梨県生活習慣病実態調査の状況 1 調査目的平成 20 年 4 月に施行される医療制度改革において生活習慣病対策が一つの大きな柱となっている このため 糖尿病等生活習慣病の有病者 予備群の減少を図るために健康増進計画を見直し メタボリックシンドロームの概念を導入した 糖尿病等生活習慣病の有病者や予備

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フレイルのみかた

1 基本健康診査基本健康診査は 青年期 壮年期から受診者自身が自分の健康に関心を持ち 健康づくりに取り組むきっかけとなることを目的に実施しています 心臓病や脳卒中等の生活習慣病を予防するために糖尿病 高血圧 高脂血症 高尿酸血症 内臓脂肪症候群などの基礎疾患の早期発見 生活習慣改善指導 受診指導を実

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2011年度版アンチエイジング01.ppt

旗影会H29年度研究報告概要集.indb

わが国における糖尿病と合併症発症の病態と実態糖尿病では 高血糖状態が慢性的に継続するため 細小血管が障害され 腎臓 網膜 神経などの臓器に障害が起こります 糖尿病性の腎症 網膜症 神経障害の3つを 糖尿病の三大合併症といいます 糖尿病腎症は進行すると腎不全に至り 透析を余儀なくされますが 糖尿病腎症

SoftBank 301SI 取扱説明書

Microsoft PowerPoint - 2.医療費プロファイル 平成25年度(長野県・・

リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ

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高齢者の筋肉内への脂肪蓄積はサルコペニアと運動機能低下に関係する ポイント 高齢者の筋肉内に霜降り状に蓄積する脂肪 ( 筋内脂肪 ) を超音波画像を使って計測し, 高齢者の運動機能や体組成などの因子と関係するのかについて検討しました 高齢男性の筋内脂肪は,1) 筋肉の量,2) 脚の筋力指標となる椅子

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PowerPoint プレゼンテーション

カテゴリー別人数 ( リスク : 体格 肥満 に該当 血圧 血糖において特定保健指導及びハイリスク追跡非該当 ) 健康課題保有者 ( 軽度リスク者 :H6 国保受診者中特定保健指導外 ) 結果 8190 リスク重なりなし BMI5 以上 ( 肥満 ) 腹囲判定値以上者( 血圧 (130 ) HbA1

また リハビリテーションの種類別では 理学療法はいずれの医療圏でも 60% 以上が実施したが 作業療法 言語療法は実施状況に医療圏による差があった 病型別では 脳梗塞の合計(59.9%) 脳内出血 (51.7%) が3 日以内にリハビリテーションを開始した (6) 発症時の合併症や生活習慣 高血圧を

講演

特定健診の受診率は毎年上昇しており 平成 28 年度は県平均よりも 7% 高い状況 となっていますが 国が示す目標値 60% を達成するには更なる工夫や PR が必要とな っています 長与町国保の医療費は平成 25 年度から上昇していましたが 平成 28 年度は前年度より約 3 億円減少し 1 人当

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10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

-3- Ⅰ 市町村国保の状況 1 特定健康診査受診者の状況 平成 23 年度は 市町村国保 (41 保険者 )98,439 人の特定健康診査データの集計を行った 市町村国保の診者数は男性 女性ともに 歳の割合が多く 次いで 歳 歳の順となっている 男性 女性 総数

複製 転載禁止 The Japan Diabetes Society, 2016 糖尿病診療ガイドライン 2016 CQ ステートメント 推奨グレード一覧 1. 糖尿病診断の指針 CQ なし 2. 糖尿病治療の目標と指針 CQ なし 3. 食事療法 CQ3-2 食事療法の実践にあたっての管理栄養士に

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す しかし 日本での検討はいまだに少なく 比較的小規模の参加者での検討や 個別の要因との関連を報告したものが殆どでした 本研究では うつ病患者と対照者を含む 1 万人以上の日本人を対象とした大規模ウェブ調査で うつ病と体格 メタボリック症候群 生活習慣の関連について総合的に検討しました 研究の内容

調査の概要 本調査は 788 組合を対象に平成 24 年度の特定健診の 問診回答 (22 項目 ) の状況について前年度の比較から調査したものです 対象データの概要 ( 全体 ) 年度 被保険区分 加入者 ( 人 ) 健診対象者数 ( 人 ) 健診受診者数 ( 人 ) 健診受診率 (%) 評価対象者

結果の概要

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日本の糖尿病患者数は増え続けています (%) 糖 尿 25 病 倍 890 万人 患者数増加率 万人 690 万人 1620 万人 880 万人 2050 万人 1100 万人 糖尿病の 可能性が 否定できない人 680 万人 740 万人

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial

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婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M

インスリンが十分に働かない ってどういうこと 糖尿病になると インスリンが十分に働かなくなり 血糖をうまく細胞に取り込めなくなります それには 2つの仕組みがあります ( 図2 インスリンが十分に働かない ) ①インスリン分泌不足 ②インスリン抵抗性 インスリン 鍵 が不足していて 糖が細胞の イン

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1 保健事業実施計画策定の背景 北海道の後期高齢者医療は 被保険者数が増加し 医療費についても増大している 全国的にも少子高齢化の進展 社会保障費の増大が見込まれる このような現状から 一層 被保険者の健康増進に資する保健事業の実施が重要となっており 国においても 保健事業実施計画 ( データヘルス

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AC 療法について ( アドリアシン + エンドキサン ) おと治療のスケジュール ( 副作用の状況を考慮して 抗がん剤の影響が強く残っていると考えられる場合は 次回の治療開始を延期することがあります ) 作用めやすの時間 イメンドカプセル アロキシ注 1 日目は 抗がん剤の投与開始 60~90 分

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TOHOKU UNIVERSITY HOSPITAL 今回はすこし長文です このミニコラムを読んでいただいているみなさんにとって 救命救急センターは 文字どおり 命 を救うところ という印象が強いことと思います もちろん われわれ救急医と看護師は 患者さんの救命を第一に考え どんな絶望の状況でも 他


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1 疾患別医療費札幌市国保の総医療費に占める入院医療費では 悪性新生物が 21.2% 循環器疾患が 18.6% となっており 循環器疾患では 虚血性心疾患が 4.5% 脳梗塞が 2.8% を占めています 外来医療費では 糖尿病が 7.8% 高血圧症が 6.6% 脂質異常症が 4.3% となっています

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2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

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可視総合光線療法光線療法は機能性身体症候群の疾患 症状に対しこれまで多くの治療を行ってきました 本症候群の患者は原因不明の症状により心身共に疲れ 光 熱エネルギー不足に陥っていることが多く見られ 光 熱エネルギーを補給する可視総合光線療法は有益な治療法となります また光線療法はストレスで冷えた身体に

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平成 28 年度診療報酬改定情報リハビリテーション ここでは全病理に直接関連する項目を記載します Ⅰ. 疾患別リハビリ料の点数改定及び 維持期リハビリテーション (13 単位 ) の見直し 脳血管疾患等リハビリテーション料 1. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)(1 単位 ) 245 点 2


はじめに第1章基本方針第2章岐阜市の現状第3章第4章第二次ぎふ市民健康基本計画の評価今後の取り組み第5章効果的な推進体制第6章参考資料7 第 3 章岐阜市の現状 1 岐阜市の人口統計 (1) 人口の推移 本市の人口は 昭和 60 年以降 減少傾向にあったものの 平成 18 年柳津町との合併により 一

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佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

< 集計分析結果 > ( 単純集計版 ) 在宅介護実態調査の集計結果 ~ 第 7 期介護保険事業計画の策定に向けて ~ 平成 29 年 9 月 <5 万人以上 10 万人未満 >

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より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

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ロコモ予防のために 2007 年 ( 平成 19 年 ) に日本整形外科学会で ロコモーティブシンドローム ( ロコモ ) という概念が提唱されました ロコモとはまさに 骨 関節 筋肉という運動に必要な器官 ( 運動器 ) の障害で要介護になるリスクが高まること と定義され メタボと並んで潜在患者数

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日本スポーツ栄養研究誌 vol 目次 総説 原著 11 短報 19 実践報告 資料 45 抄録

[ 原著論文 ] メタボリックシンドローム該当者の年齢別要因比較 5 年間の健康診断結果より A cross primary factors comparative study of metabolic syndrome among the age. from health checkup resu

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本調査では アトピー性皮膚炎治療における 医師 - 患者間コミュニケーションの改善が治療継続のモチベーションを上げ 治療の満足度向上に寄与することが示唆されています サノフィジェンザイムは アトピー性皮膚炎患者さんの QOL 向上に取り組むため アレルギーに関する情報サイト アレルギー i において

現状分析による課題抽出のためのワークシート ( 高血圧 糖尿病 脂質異常症 ) 高血圧糖尿病脂質異常症 要介護認定を受けた被保険者の医療費の状況 ( 資料 :KDB システム 12 月末抽出分 ) 有病状況では糖尿病等の基礎疾患が約 6 割となっている 中分類別医療費 1 人当たり医療費が県と比較し

(1) 医療保険 医療特約の加入率民保加入世帯 ( かんぽ生命を除く ) における医療保険 医療特約の世帯加入率は88.5%( 前回 91.7%) となっている 世帯員別にみると 世帯主は82.5%( 前回 85.1%) 配偶者は68.2%( 前回 69.6%) となっている 前回と比較すると 世帯

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生労働省の 健康日本 21 の第 3 次計画で広く国民に周知された メタボリックシンドローム ( 内臓脂肪症候群 ) に代わり 今年度から始まる第 4 次計画にロコモティブシンドロームの周知が盛り込まれた ここで注目すべきは運動器の機能低下や筋力低下は予防が可能であることで 介護予防の重点項目ともな

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2017 年 3 月臨時増刊号 [No.165] 平成 28 年のトピックス 1 新たに報告された HIV 感染者 AIDS 患者を合わせた数は 464 件で 前年から 29 件増加した HIV 感染者は前年から 3 件 AIDS 患者は前年から 26 件増加した ( 図 -1) 2 HIV 感染者

平成 27 年 10 月 6 日第 2 回健康増進 予防サービス プラットフォーム資料 協会けんぽ広島支部の取り組み ~ ヘルスケア通信簿について ~ 平成 27 年 10 月全国健康保険協会広島支部 協会けんぽ 支部長向井一誠

Transcription:

健康寿命を支える可視総合光線療法 一般財団法人光線研究所 所長医学博士黒田一明 わが国の高齢化と要支援 要介護の増加 ( 国際医療福祉大学臨床医学センター太田博明 ) 生命寿命と健康寿命の差である 不健康期間 は男性で 9.1 年 女性では 12.7 年で この期 間は男性の人生の 11.5% 女性では 14.7% に及びます これは 日本人は生命寿命が長い分 各人の健康格差も大きいということを意味し 特に女性においてはこの健康格差を縮小すること は喫緊の課題となっています 要支援 要介護の主要原因 男女別の要介護者の割合は男性で 32.8% 女性で 67.2% です 一方 介護者の割合は 男 性が 30.6% 女性が 69.4% です つまり 介護するのも 介護を受けるのも女性であることが 明確となっています また 要支援 要介護度別の原因割合には明らかな違いがあり 要介護は脳 血管障害と認知症が多く 要支援は老衰と運動器の疾患が多くみられます 男性の原因疾患は脳 卒中 32.9% 骨折 転倒と関節疾患を合わせた運動器疾患 11.3% でした 女性の場合は脳卒 中 15.9% と男性の約半分で運動器の疾患は骨折 転倒 14.1% 関節疾患 11.7% で計 25. 8% と男性の約 2 倍以上でした 以上から 介護要因は 男性がメ夕ボリック症候群 女性がロコモティブ症候群 ( ロコモ ) といえ ます 特に女性では いつまでも 自分で立ち上がれる 歩ける ために骨 関節 筋肉 神経 の運動器全体の健康を守ることが必要です ロコモティブ症候群 本症候群は 運動器の衰え 加齢や生活習慣が原因の障害で 要介護になるリスクが高まる状 態をいいます 骨 関節 筋肉といった運動器に障害が起こり 具体的には 立つ 歩く といっ た機能低下の状態です 進行すると日常生活にも支障が出ます いつまでも自分の足で歩き続け るため 運動器を長持ちさせ ロコモを予防し 健康寿命を延ばすことが大切です メタボリック症候群 本症候群は 心血管病の最大の危険因子と考えられています 欧米型食生活に代表される高脂 肪食や運動不足によるエネルギー過剰などの生活習慣で肥満となり インスリン抵抗性で糖尿病 脂質異常症 高血圧など心血管病の危険因子が集積します 内臓脂肪量増加は脂肪細胞から分泌 された抗動脈硬化作用があるアディポサイトカインの分泌を低下させます 中高年男性におけるビタミン D とメタポリック症候群の関連 ( 台湾の研究 2013 年 ) メ夕ボリック症候群の構成要素の数と血中ビ夕ミン D 濃度 アディポネクチン濃度の関連を 44~77 歳 ( 平均 56.7 歳 ) の台湾人の中高年男性 655 人を対象に検討した メ夕ボリック症候 群の構成要素の数が増えるとともに血中ビ夕ミン D 濃度やアディポネクチン濃度が低下すること が明らかになった

メ夕ボリック症候群と筋骨格系疾患との関連 ( 日本の研究 2015 年 ) 筋骨格系疾患とメ夕ボリック症候群の関連につき 30~80 歳代の男性 466 人 女性 918 人を対象に検討した 膝関節症があると高血圧 脂質異常になりやすく 高血圧 耐糖能異常があると膝関節症になりやすい また肥満があると腰椎症になりやすいことが判明した 以上から メ夕ボリック症候群と筋骨格系疾患は密接に関連していることが示唆された 高齢者の脆弱性の指標としてのビ夕ミンD 高齢者の死亡率は男女共通の因子として歩行速度 ( 運動能力 ) と 男性では握力と年齢が 女性ではアルブミン値が死亡に関連することが判明しています 高齢者におけるビ夕ミンD 低値は 易転倒性や骨粗鬆症性骨折 筋肉の脆弱性を助長するほか 糖尿病 脳血管障害の発症に関与し 免疫力低下にも関わっています 65 歳以上の地域住民 1260 人を対象としたオランダの研究 (2006 年 ) では 施設入居のリスクはビ夕ミンD 欠乏や不足状態がある人で2.8 ~3.5 倍と高い結果でした ビ夕ミンD 不足があると移動能力が低下し 死亡率も高くなることが示唆されました サルコぺニア ( 筋量減少 ) に対する連動 栄養による介入効果サルコぺニアとは加齢に伴う骨格筋量の減少で 65 歳以上において有病率は男女とも20% です サルコぺニアは移動能力の低下 日常生活の活動能力低下で転倒 骨折のリスクを高めます さらに各種疾病の罹患率を高め生存期間を短縮すること 膨大な医療費が必要なことなどが報告されています そのため サルコぺニアの予防 改善は超高齢社会が抱えた極めて重要な課題です 加齡に伴う筋量減少は40 歳から始まり 35 年間で男性は10.8% 女性は6.4% の四肢筋量が減少します 運動は内臓脂肪を減少させ 二次的に炎症性サイトカインの血中レベルを抑制する作用があり 筋の同化 ( 合成 ) 作用を促進し 異化 ( 分解 ) 作用を抑制するというサルコぺニア予防の理想的な作用があります これら筋量減少防止に必要不可欠なものが適切な栄養であり 分岐鎖アミノ酸とビ夕ミンDが重要と言われています 可視総合光線療法 = 光線療法の光 熱エネルギーの抗老化作用 = 健康寿命を伸ばすには体温 血行状態 血圧 ビ夕ミンD 骨量を良好に保つことが重要です そのためには長年の定期的な光線照射の継続習慣が有用です 当附属診療所を受診して光線治療を定期的に行っている90 歳代の男性 43 人 女性 44 人を対象に血行状態 血圧 体温 握力 ( 筋力 ) BMI 骨量を調査しました 光線治療歴は6 人以外 10 年以上で 長い人では50~60 年の定期的治療歴がありました 加速度脈波からみた血行状態は6 人以外マイナス40より良い値 (90 歳代の平均値マイナス49.1) で 10~20 歳若い結果でした 最高血圧は140mmHg 以上が25 人 (28%) 最低血圧は 90mmHg 以上が4 人 (5%) と血圧の高い人は少数でした 足裏温は6 人 (7%) 以外 30 以上で足が温かい人が多く 握力は男性で23kg 以下が21 人 (4 9%) 女性で13kg 以下が22 人 (50%) でした BMIが18.5 以下は 男性が6 人 (14%) 女性が9 人 (20 %) でやせている人は少数でした 骨量は最大骨量年齢比較で70% 未満は 男性が22% 女性が27% と70% 以上の人が多く見られました この調査は定期的な光線治療歴がある90 歳代という男女とも生命寿命を越えた人々で全員自立した日常生活を送っていました 以上から 光線治療の継続は光 熱エネルギー補給により食欲 睡眠 便通の生活基本を整え 体温 血行状態 血圧 握力 BMI 骨量を良好に保つことができるので 高齢化を乗り切るためにも一層活用されるべき有益な療法と考えられます

治療例 1 眼底出血 98 歳女性主婦 光線治療歴 25 年間 症状の経過 :63 歳頃から膝痛がみられるようになり 痛みが強い時は整形外科で治療を受けていた 手指の痛みもありリウマチ科に通院していた 73 歳時 膝痛 手指の痛みが続いていたので友人の紹介で当附属診療所を受診した 治療の経過 : 自宅で毎日治療を続けた 治療 2 年後 膝や腰の痛みは完治し 手指の腫れ 痛みもなくなった その後も光線治療は続けていた 93 歳時 右眼の視力障害があり眼科で眼底出血と診断され レ -ザ- 治療を受けた 光線治療は 3001-5000 番を使用した 98 歳の現在 一人暮らしだが光線治療を支えに元気に生活している 光線治療は1 日おきに治療している

治療例 2 前立腺ガン 96 歳男性 光線治療歴 31 年間 症状の経過 : 光線治療器は戦前より両親等が使っていた 本人は戦後より時々使っていた 65 歳時 五十肩のため当附属診療所を受診し これより定期的に光線治療を行っていた 83 歳時 頸椎症のため右手にしびれがあり当所を再診した 治療の経過 :3002-5000 番を使って自宅で毎日治療した 治療半年後 しびれは改善した 85 歳時 腰痛 胃痛があり検査ではとくに異常はなかったが 症状が続いていたので当所を受診した 治療用カ-ボン 3001-4008 番を使って3カ月後には症状はよくなった 87 歳時 前立腺ガンと診断されホルモン療法を始めた 光線治療は 1000-4008 番を使って72926各 10 分間 2232463 各 5 分間照射した ホルモン療法は 94 歳まで続けた 96 歳の現在 光線治療で前立腺ガンは再発なく 体調は良好で元気に来所することができる 当所での治療例

治療例 3 貨幣状湿疹 前立腺ガン 100 歳男性 光線治療歴 45 年間 症状の経過 :28 歳頃 肺結核になり病院治療とともに日本橋にあった当所の光線治療所に通院した その後は何かあると通院治療を受け 自宅治療も行っていた 88 歳時 前立腺ガンの診断でホルモン療法を始めた 血圧も高いので降圧剤を服用した 光線治療は 1000-4008 番を使用した 90 歳頃より湿疹が出現し皮膚科で貨幣状湿疹と診断されたが薬が合わず中止 93 歳時 光線治療のため当附属診療所を受診した 治療の経過 : 自宅で毎日治療した 全身に出ていた湿疹は治療 1 年 3カ月ですべて完治した その後は前立腺ガンの 1000-4008 番を使って治療した 100 歳の現在 下肢筋力は弱ってきているが元気に絵の仕事を続けている