静岡県自殺対策行動計画

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- 目次 - Ⅰ 計画策定の趣旨等 1 Ⅱ 船橋市における自殺の現状 2 Ⅲ 船橋市の自殺対策における取組 3 Ⅳ 船橋市の自殺対策推進体制 6

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新潟県の自殺の現状 平成 27 年の本県の自殺者数は厚生労働省の人口動態統計によると 504 人です 自殺者数の推移を見ると 平成 10 年に国と同様 中高年男性を中心とした自殺者の急増があり 当時は県内で 800 人を超える方が毎年自ら死を選択されるという状況でした 以後漸減し 平成 27 年の

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

Taro-鳥取における自死の現状(平

自殺者数の年次推移 平成 26 年の自殺者数は 25,427 人となり 対前年比 1,856 人 ( 約 6.8%) 減 平成 10 年以来 14 年連続して 3 万人を超える状況が続いていたが 3 年連続で 3 万人を下回った 男女別にみると 男性は 5 年連続 女性は 3 年連続で減少した また

第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

平成27年版自殺対策白書 本文(PDF形式)

資料 3 全国精神保健福祉センター長会による自殺予防総合対策センターの業務のあり方に関するアンケート調査の結果全国精神保健福祉センター長会会長田邊等 全国精神保健福祉センター長会は 自殺予防総合対策センターの業務の在り方に関する検討チームにて 参考資料として使用されることを目的として 研修 講演 講

01 【北海道】

内閣府自殺対策推進室提出資料 平成 23 年 6 月 15 日内閣府自殺対策推進室内閣府経済社会総合研究所自殺分析班警察庁厚生労働省 東日本大震災に関連する自殺の実態把握について 平成 23 年 3 月 11 日に発災した東日本大震災に関連する自殺の実態把握について 以下 のとおり実施する 1. 定

第 1 部 施策編 4

自殺意識調査(結果概要)

多くの大学においては 新入生のオリエンテーション時やサークルの代表者に 未成年者の飲酒の防止と イッキ飲み 等過剰飲酒の禁止に関する指導や啓発が行われています また 平成 27 年度からは 県保健所 精神保健福祉センター等が中心となり 大学生向けのアルコール健康障害や適正飲酒の知識に関する出前講座を

4 年齢階級別の死因山形県の平成 28 年の死因順位は 20 歳から 34 歳までの各階級において自殺が1 位となっているほか 64 歳までの各階級においても死因順位の上位にあり おおむね全国と同様の傾向が見られます < 表 7> 年齢階級別の死因順位 死亡者数 ( 山形県 ) 年齢階級 総死亡者数


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1.【鑑】「生活困窮者自立支援制度と自殺対策施策との連携について」の一部改正について

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

⑤5 地方公共団体における検証等に関する調査結果

Microsoft Word - 第1章~第5章.doc

 

自殺予防に関する調査結果報告書

【資料1】県の現状と取組内容(円グラフパターンVer)

平成 26 年中における自殺の状況 平成 27 年 3 月 12 日 内閣府自殺対策推進室警察庁生活安全局生活安全企画課

特定健康診査等実施計画 東京スター銀行健康保険組合 平成 25 年 4 月

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

第 1 章平成 27 年中における自殺の概要 平成 27 年中における自殺の状況目次 1 第 2 章平成 27 年中における自殺の内訳 3 自殺者の年次比較 ( 表 1~ 表 4) 4 年齢階級別 原因 動機別自殺者数 ( 表 5) 6 職業別 原因 動機別自殺者数 ( 表 6) 7 年齢階級別 職

平成30年度精神保健に関する技術研修過程(自治体推薦による申込研修)

特定健康診査等実施計画 ( 第二期 : 平成 25 年度 ~ 平成 29 年度 ) リクルート健康保険組合 平成 25 年 4 月 1

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

歯科中間報告(案)概要

3 調査項目一覧 分類問調査項目 属性 1 男女平等意識 F 基本属性 ( 性別 年齢 雇用形態 未既婚 配偶者の雇用形態 家族構成 居住地 ) 12 年調査 比較分析 17 年調査 22 年調査 (1) 男女の平等感 (2) 男女平等になるために重要なこと (3) 男女の役割分担意

平成13年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

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年中児スクリーニングの事後支援 年中児スクリーニングの事後支援として 22 市町村が園巡回を実施しているが SST は 5 市町村の実施 ペアレントトレーニングは 7 市町村の実施に止まっており 事後支援を実施する市町村の拡大が課題 園巡回 : 専門職が保育所 幼稚園を巡回し 保育士等に指導 助言

特定健康診査等実施計画 ( 第 2 期 ) ベルシステム 24 健康保険組合 平成 25 年 3 月 1 日

地域医療構想の概要 1 地域医療構想の位置づけ 平成 25 年 3 月に 医療法に基づき 本県の疾病対策及び医療提供体制の基本方針である第 6 期岐阜県保健医療計画を策定した 平成 27 年 4 月に施行された改正医療法に基づき 保健医療計画の一部として 将来 (2025 年 ) あるべき医療提供体

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

質問 1 何歳から 長生き だと思いますか? 男性 女性ともに 80 歳 がトップ ( 合計 :42.3% 男性 :43.2% 女性 41.3%) 平均すると 男性が 81.7 歳 女性が 83.0 歳 と女性の方がより高年齢を 長生き と思うという 傾向があり 女性の 5 人に 1 人 (20.8

特定健康診査等実施計画

第3節 重点的な取り組み

相対的貧困率の動向: 2006, 2009, 2012年

平成 2 8 年 6 月 平成 27 年中における行方不明者の状況 警察庁生活安全局生活安全企画課

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第1章

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

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平成 25 年自殺統計データの解析結果の正誤について 平成 25 年 7 月 30 日に公開した 神奈川県警察本部から自殺統計データの提 供を受け集計 分析した 平成 25 年解析結果 の 9 頁 (12) 自殺未遂歴の有無 の解説文 ( 数値 ) に誤りがありました 以下のように訂正いたします 平

背景及び趣旨我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する法律に

素案 北海道アルコール健康障害対策推進計画 ( 仮称 ) 平成 29 年 9 月 北海道

目 次 札幌市における自殺の概要 について 1 第 1 部札幌市の自殺の現状 1. 死因順位別にみた年齢階級 死亡数 死亡率 構成割合 3 2. 厚生労働省 人口動態統計 に基づく自殺者数の推移 6 3. 厚生労働省 地域における自殺の基礎資料 に基づく自殺者数の推移 8 第 2 部性別及びライフス

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

利用者満足の向上センターのチラシの配布など センターのPRのために具体的な取り組みを行っている 苦情対応体制を整備している 特記事項 名刺 サービス情報誌 広報での PR イベントでのパネル設置など実施 相談の際のプライバシーの確保を図っている 公平性 中立性の確保 業務改善への取り組み 相談室の整

PowerPoint プレゼンテーション

県 の皆様へ 県では 年間約 1,8 0 人の方が自ら命を絶つという深刻な状況が続いたことを踏まえ 自殺対策を総合的に推進するため 平成 19 年 8 に様々な分野の関係機関 団体で構成する かながわ自殺対策会議 を政令指定都市と共同で設置しました また 平成 23 年 3 には かながわ 殺総合対

特定健康診査等実施計画

6 女性への暴力やセクシュアル・ハラスメントの防止

Microsoft PowerPoint - 1.柴田府審用資料.ppt

1. 地域ケア会議の定義, 法的な位置づけ狛江市 ( 以下 市 ) では, 多様な生活課題を抱えている高齢者が, 地域で安心して自分らしく生活できる環境づくりを進めるため, 介護支援専門員 ( ケアマネジャー ) 等への個別支援や関係機関 団体等の連携体制の構築を通じて, 介護支援専門員等が包括的か

図 3. 新規 HIV 感染者報告数の国籍別 性別年次推移 図 4. 新規 AIDS 患者報告数の国籍別 性別年次推移 (2) 感染経路 1 HIV 感染者 2016 年の HIV 感染者報告例の感染経路で 異性間の性的接触による感染が 170 件 (16.8%) 同性間の性的接触による感染が 73

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

都道府県単位での肝炎対策を推進するための計画を策定するなど 地域の実情に応じた肝炎対策を推進することが明記された さらに 近年の状況等を踏まえ 平成 28 年 6 月に基本指針の改正を行い 肝炎対策の全体的な施策目標を設定すること等が追記された 都は 肝炎をめぐる都内の状況や基本指針の改正を踏まえ

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自殺総合総合対策へ ~ 新しいつながりつながりが 新しい解決力解決力を生む ~ NPO 法人ライフリンク代表清水康之 1. 自殺の実態 背景 2. 自殺問題の捉え方 3. 自殺対策基本法の理念目4. 自殺総合対策とは 5. 自殺総合対策推進イメージ図 6. 総合対策推進のカギ項7. 地域対策のあり方

調書のの見方 新規 新規事業の実施 現行どおり 事業をする 充実 事業の充実 強化を図る 改善 事業の見直し 改善を図る 縮小 事業規模を縮小する 廃止 事業を廃止する 2

第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

26公表用 栃木局版(グラフあり)(最終版)

(2) 高齢者の福祉 ア 要支援 要介護認定者数の推移 介護保険制度が始まった平成 12 年度と平成 24 年度と比較すると 65 歳以上の第 1 号被保険者のうち 要介護者又は要支援者と認定された人は 平成 12 年度末では約 247 万 1 千人であったのが 平成 24 年度末には約 545 万

Microsoft PowerPoint ⑤静岡発表 [互換モード]

発言者氏名

平成 29 年度第 1 回徳島県医療審議会 質疑 調整会議での議論を待たずしてかなりの病床の移動が起こりつつある それをコントロールできないと 調整会議そのものが意味をなさなくなるのではないか 1 当会議の運営要領を定めてはどうか 2 病床機能分化 連携推進体制整備事業について当会議の審議事項として

2. 身体障がいの状況 (1) 身体障がいの種別 ( 主な障がいの部位 ) 平成 28 年 6 月 30 日現在の身体障害者手帳所持者の身体障がいの種別 ( 主な障がいの部位 ) をみると 肢体不自由が 27,619 人 (53.3%) と全体の過半数を占めて最も多く 次いで 内部障がいが 15,9

各質問項目の単純集計結果 設問 1. 性別 男性 女性 無回答 設問 2. 年齢 合計 ( 改 3) 代 代 代 代 代 1767

平成 28 年度第 2 回静岡市自殺対策連絡協議会会議録 1 開催日時 : 平成 29 年 3 月 22 日 ( 水 )10 時 ~12 時 ( 正午 ) 2 場所 : 城東保健福祉エリア保健福祉複合棟 3 階第 3 研修室 3 出席者 :( 出席委員 10 名 ) 長澤委員 澤本委員 兵頭委員 松

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特定健康診査等実施計画 ( 第二期 ) 三重交通健康保険組合 平成 25 年 7 月

Microsoft Word - 舞09・絆1(多文化) ⑤ doc

人口 世帯に関する項目 (1) 人口増加率 0.07% 指標の説明 人口増加率 とは ある期間の始めの時点の人口総数に対する 期間中の人口増加数 ( 自然増減 + 社会増減 ) の割合で 人口の変化量を総合的に表す指標として用いられる 指標の算出根拠 基礎データの資料 人口増加率 = 期間中の人口増

区分

年齢調整死亡率 (-19 歳 ) の年次推移 ( :1999-1) 1 男性 女性 年齢調整死亡率 -19 年齢調整死亡率 年齢調整死亡率 -19 年齢調整死亡率

特定健康診査等実施計画 第二期 ( 平成 25 年度 ~ 平成 29 年度 ) 第一版 三菱鉛筆健康保険組合 平成 25 年 5 月


1 消費者庁に対する認知度 消費者庁 の認知度を性別でみると 男性の認知度が 80.1% に対し女性は 72.1% と 男性の認知度の方が女性よりも高くなっている 年代別では 40 代の認知度が 8% と他の年代の中ではもっとも高くなっている 一方 70 歳以上の認知度は 58.9% と他の年代の中

11 平成 21 年度介護予防事業実施状況について 平成 22 年 7 月 大阪市健康福祉局健康づくり担当

高齢者虐待防止対応マニュアル別冊 6 関係機関との連携 (1) 各機関の役割 市町村や地域包括支援センター等の関係機関は それぞれ対応可能な範囲があります 範囲を超えた対応は行うことができません また 事例によって関係機関の対応を依頼する場合があります 市町村が中心となるコアメンバー会議によって 大

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Uモニ  アンケート集計結果

< 糖尿病療養指導体制の整備状況 > 療養指導士のいる医療機関の割合は増加しつつある 図 1 療養指導士のいる医療機関の割合の変化 平成 20 年度 8.9% 平成 28 年度 11.1% 本糖尿病療養指導士を配置しているところは 33 医療機関 (11.1%) で 平成 20 年に実施した同調査

 

13【東京都再修正版】平成28年度第2回精神障害者の地域移行担当者等会議【事前課題】シート290222

資料 目 次 事業方針 実施計画 みんなで福祉の風土を広げよう 住民 関係機関 団体のネットワークで身近な福祉活動を進めよう 一人ひとりの安全で安心な暮らしを守ろう Ⅳ 推進基盤の強化 主な年間行事等

小樽市における自殺の分析報告書 平成 28 年 3 月 小樽市 1

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Microsoft Word - 認知度調査HP原稿

平成 27(2015) 年エイズ発生動向 概要 厚生労働省エイズ動向委員会エイズ動向委員会は 3 ヶ月ごとに委員会を開催し 都道府県等からの報告に基づき日本国内の患者発生動向を把握し公表している 本稿では 平成 27(2015) 年 1 年間の発生動向の概要を報告する 2015 年に報告された HI

)各 職場復帰前 受入方針の検討 () 主治医等による 職場復帰可能 との判断 主治医又はにより 職員の職場復帰が可能となる時期が近いとの判断がなされる ( 職員本人に職場復帰医師があることが前提 ) 職員は健康管理に対して 主治医からの診断書を提出する 健康管理は 職員の職場復帰の時期 勤務内容

Ⅱ 各論第 2 章 各 論 第 2 章 介護と医療 関係機関の連携 第 1 節 介護と医療 関係機関の連携 1 連携のための関係機関のネットワークづくり 現状 課題 平成 19 年度に内閣府が公表した 高齢者の健康に関する意識調査 によると 多くの高齢者が要介護状態になっても 可能な限り住み慣れた地

三鷹市健康福祉総合計画2022

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いのちを支える ふじのくに 自殺総合対策行動計画の概要 第 1 章計画策定の趣旨等 1 計画策定の趣旨 2 計画の位置づけ 静岡県における自殺対策を総合 的 効果的に進める基本方向を 定め 関係機関 団体と連携し て具体的に施策を推進するた め 本計画を策定 自殺対策基本法第 4 条の規定に基づき策定 静岡県総合計画 の分野別計画で 静岡県が取り組むべき 自殺対策の行動計画として策定 3 計画の期間 平成 25 年度から平成 28 年度までの 4 年間 4 目標 自殺による死亡率の都道府県順位を低い方から 1 位にする 第 2 章静岡県における自殺の現状と課題 1 自殺の現状静岡県の自殺者数の推移 人 900 800 700 600 500 400 300 200 100 854 793 814 832 784 781 772 786 790 804 740 762 781 804 590 539 551 559 527 545 561 557 569 590 573 588 595 594 611 626 576 589 356 371 364 370 248 224 226 183 187 189 194 156 179 203 196 189 195 210 205 228 243 193 総数男性女性 (1) 自殺者数の状況 平成 10 年に前年比で 234 人増加して 700 人を超えて以来 14 年連続して 700 人台から 800 人台の高止まりで推移し その約 7 割が男性 全国の自殺者数の状況も本県とほぼ同様の傾向 0 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 (2) 自殺死亡率の状況 30 自殺死亡率の推移 ( 全国 静岡県 ) 自殺者死亡率の推移 自殺死亡率は 平成 22 年からは 全国平均 25 20 静岡県総数 全国総数 5 位 4 位 11 位 8 位 8 位 5 位 10 位 7 位 5 位 8 位 9 位 8 位 21 位 17 位 をわずかに下回る状況で推移 平成 22 年に自殺死亡率の全国順位が下がっ 15 4 位 4 位 4 位 3 位 たのは 全国の自殺者数が対前年比で減少している中で 本県は増加したことによる 10 5 0 H6 年 7 年 8 年 9 年 10 年 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 19 年 20 年 21 年 22 年 23 年 順位は自殺死亡率が低い都道府県順位 -1 -

60 歳代 108 人 18% 20 歳未満 80 歳以上 10 人 2% 34 人 6% 70 歳代 61 人 10% 50 歳代 120 人 20% 平成 23 年性別 年代別自殺者数 静岡県男性 589 人 20 歳代 64 人 11% 30 歳代 77 人 13% 40 歳代 115 人 20% 70 歳代 39 人 16% 60 歳代 47 人 19% 80 歳以上 31 人 13% 静岡県女性 243 人 20 歳未満 12 人 5% 50 歳代 37 人 15% 20 歳代 18 人 8% 30 歳代 30 人 12% 40 歳代 29 人 12% (3) 年齢 男女別の状況 自殺者数の割合は 50 歳代の男性 60 歳代の女性が最も高い 自殺死亡率が最も高いのは 男性では 50 歳代 女性では 80 歳以上 年代別の自殺者数の割合を全国と比べる 60.0 50.0 40.0 30.0 静岡県の性別 年齢別自殺死亡率 ( 平成 23 年 ) と 30 歳代の割合が低い 平成 23 年の 30 歳未満の自殺者は平成 22 年の 84 人から 104 人と 20 人増え 対前年比で 1.24 倍 特に 20 歳代男性の自殺死亡率は 30 歳代を超え 全国平均を上回る 20.0 10.0 0.0 10 歳代 20 歳代 30 歳代 40 歳代 50 歳代 60 歳代 70 歳代 80 歳以上 男性 5.5 35.4 29.8 45.1 49.9 39.5 33.3 37.3 女性 7.0 10.6 12.3 11.9 15.5 16.6 18.0 18.2 原因 動機別 ( 複数回答 )( 静岡県 H23) 男女問題, 3.5% 学校問題, 1.6% 勤務問題 10.2% その他, 4.9% 健康問題 ( うつ病以外 ) 22.5% (4) 原因 動機別の状況 健康問題( 病苦 うつ病以外 ) が最も高く 次いで経済生活問題 健康問題 ( 精神障害等 うつ病 ) の順 特に最近は家族問題 勤務問題の増加が顕著 家族問題 17.1% 経済生活問題 22.2% 健康問題 ( うつ病 ) 17.9% 全国と構成比を比較しても家族問題 勤務問題がやや高い 職業別状況 ( 静岡県 H23) 不詳, 2.2% 自営業, 8.2% 学生 生徒, 2.7% (5) 職業別の状況 無職者の自殺者数が最も高く 半分程度を占め 被雇用者 自営業の順 全国と構成比を比較すると被雇用者 勤 め人の割合がやや高く 無職者の割合が 被雇用者 勤め人 30.3% やや低い 無職者, 56.6% -2 -

45.0 40.0 35.0 30.0 25.0 20.0 15.0 10.0 静岡県東部地域の自殺率の推移 賀茂圏域熱海伊東圏域駿東田方圏域富士圏域 (6) 地域別の状況 自殺者は各圏域とも増減を繰り返し ほぼ横ばいで推移 自殺死亡率は 中西部地域が低く 東部地域が高い 特に賀茂圏域 熱海伊東圏域が高い自殺死亡率で推移 5.0 0.0 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 ( 資料 : 静岡県警察本部統計 ) 静岡県中 西部地域の自殺率の推移 45.0 40.0 35.0 30.0 25.0 20.0 静岡圏域志太榛原圏域中東遠圏域西部圏域 15.0 10.0 5.0 0.0 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 2 課題 年齢 男女別では 自殺死亡率が最も高いのは 男性では 50 歳代 女性では 80 歳以上で 自殺者数の割合では 50 歳代の男性 60 歳代の女性が最も高く 中高年への対策が課題 年代別の自殺死亡率を全国と比べると 20 歳代男性が高くなっており 若年層対策も課題 原因 動機別では 最近は家族問題や勤務問題の増加が顕著また 全国と構成比を比較しても家族問題や勤務問題がやや高い 経済生活問題では 失業や多重債務問題などを背景としている場合も少なくなく 引き続き失業者や多重債務問題などに対する相談や支援の充実が課題 地域別では 自殺率は 中西部地域が低く 東部地域が高い 特に賀茂圏域 熱海伊東圏域が高い自殺死亡率で推移しており 健康指標や生活 経済指標等も含めた原因分析を実施し 対策につなげていく -3 -

第 3 章自殺総合対策の基本認識 基本的考え方 取組 1 自殺総合対策の基本認識 (1) 自殺は その多くが追い込まれた末の死である (2) 自殺は その多くが防ぐことができる社会的な問題である (3) 自殺を考えている人は何らかのサインを発していることが多い 2 自殺総合対策の基本的考え方 (1) 総合的に自殺対策に取り組む (2) 県民一人ひとりが自殺予防の主役となるよう取り組む (3) 自殺の段階ごと 対象ごとの対策を組み合わせる (4) 関係者の連携による包括的な生きる支援を強化する (5) 自殺の実態に即した施策を展開する (6) 施策の検証 評価を行いながら 中長期的視点に立って 継続的に進める (7) 年齢階層の実態を踏まえた対策を推進する 3 静岡県として目指すべき基本的取組 様々な自殺の原因や世代に対応するため ゲートキーパーの養成 を推進し 社会全体で自殺を減らす取組を実施 自殺を考えている人は何らかのサインを発していることが多く そのサインに早く気づき 声をかけ 話を聴いて 必要な支援につなぐ ゲートキーパー の役割を担う人材の養成と支援機関等との連携 強化が大変重要となる 県では ゲートキーパーの養成 と ネットワークの構築 をキーワードとして自殺対策に取り組む 一般県民の方を始め 身近な相談相手としてお客様と触れ合うことの多い理美容業などのサービス業の方や相談機関等の専門家などを対象として ゲートキーパー の養成を進める 特に相談機関等の専門家の方々には自殺防止に関する専門的スキルを身につけていただくとともに 地域で開催される自殺対策情報交換会等に参加していただき 相談機関等の ネットワーク 化を図ることにより 悩んでいる人を的確な相談機関等につなげていくシステム作りを進める また ゲートキーパー の養成に協力していただけるボランティア団体やNPO 等の民間団体とも連携し 誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現 を目指す -4 -

第 4 章自殺総合対策のための当面の重点施策 施策項目 1 自殺の実態を明らかにする (1) 効果的な自殺対策につながる調査研究の推進 (2) 自殺に関連する情報の提供 2 県民一人ひとりの気づきと見守りを促す (1) 自殺予防週間 自殺対策強化月間等における啓発事業の実施 (2) 児童生徒に対する自殺予防 精神疾患に関する教育の実施 (3) うつ病等に関する普及啓発の推進 3 心の健康づくりを進める (1) 地域における心の健康づくり推進体制の整備 (2) 職場におけるメンタルヘルス対策の推進 (3) 学校における心の健康づくり推進体制の整備 (4) 家庭における心の健康づくり 4 早期対応の中心的役割を果たす人材を養成する (1) かかりつけ医等のうつ病等の精神疾患に対する診断 治療技術の向上 (2) 地域保健スタッフ及び産業保健スタッフの資質の向上 (3) 多重債務相談 経営相談 就労相談などの相談員等の資質の向上 (4) 民生委員 児童委員等への研修の実施 (5) 地域におけるゲートキーパーの養成 (6) 介護支援専門員等に対する研修の実施 (7) 教職員に対する普及啓発等の実施 (8) 遺族等に対する支援者等の資質の向上 5 社会的な取組で自殺を防ぐ (1) 地域における相談体制の充実 (2) 多重債務者の相談窓口の充実 (3) 雇用の創造と失業者等に対する相談窓口の充実等 (4) 経営者に対する相談事業の実施等 (5) 法的問題解決のための情報提供の充実 (6) 介護者への支援の充実 (7) いじめを苦にした子どもの自殺の予防 (8) 児童虐待やDV( 配偶者等からの暴力 ) 被害者への支援の充実 (9) 地域における安心支え合い体制の整備 6 適切な精神科医療を受けられるようにする (1) 内科医等のかかりつけ医から精神科医へつなげる体制の整備 (2) うつ病等の精神疾患の受診率の向上 (3) うつ病のスクリーニングの実施 (4) うつ病以外の精神疾患等によるハイリスク者対策の推進 7 自殺未遂者の再度の自殺企図を防ぐ (1) 救急医療施設における診療体制等の充実 (2) 家族等の身近な人の見守りに対する支援 8 遺された人への支援を充実する (1) 遺族のための相談及び自助グループへの支援 (2) 遺族のための情報提供等の推進等 (3) 学校等における事後対応の促進 9 民間団体との連携を強化する (1) 地域における連携体制の整備 (2) 民間団体における自殺予防活動等に対する支援 主な取組 自殺と経済指標の関連調査 自殺未遂者の実態調査 県自殺予防情報センターによる情報の提供 ゲートキーパーに関する普及啓発 いのちの尊さや困難に直面したときの対処方法の教育 うつ病の正しい理解促進のための講演会実施 心の健康づくりに関する研修会 講演会の実施 メンタルヘルス対策の研修会の開催 スクールカウンセラー派遣による相談体制の強化 身近な人による親に寄り添う支援の推進 うつ病や精神科医との連携に関する研修会の開催 心の健康づくりに関する連絡会の開催 相談員を対象とした研修会等の開催 心の健康づくりや自殺対策を研修内容とする取組 支援者用マニュアルの作成 自殺予防や心の健康づくりに関する研修会の開催 ゲートキーパー養成研修会等の開催 行政職員等の資質向上のための研修会の開催 心の健康に関する電話相談の実施 法律の専門家と精神保健福祉の専門家との連携強化 雇用創造アクションプランの推進 商工会等が実施する相談事業等への支援 無料法律相談などの情報の提供 在宅介護者への心の健康問題に対する研修会の実施 いじめ対応マニュアルによる適切な対応への支援 市町のDV 防止ネットワークの設置促進 市町の孤独死防止の取組や地域づくりを支援 かかりつけ医と精神科医との連絡会の開催 精神疾患に関する研修会の開催 職場健診等から適切な医療機関等につなげる体制の構築 保健所等における専門相談の実施 医療従事者に対する自殺未遂者ケア対策研修会の実施 自殺企図者や家族等に対する精神保健福祉相談の実施 地域における自死遺族への相談会の実施 相談窓口等を掲載したパンフレットの作成 スクールカウンセラーの体制強化 地域における自殺対策ネットワーク会議の開催 いのちの電話 の 24 時間相談体制整備のための支援 -5 -

第 5 章推進体制等 1 庁内における連携体制 県の 自殺対策庁内連絡会議 を定期的に開催 自殺対策関連事業の実施状況の情報交換 相互連携 2 関係機関 団体等との連携体制 静岡県自殺対策連絡協議会 を定期的に開催 総合的な自殺対策の推進 3 各地域における連携体制 保健所所管区域の 地域自殺対策情報交換会 を開催 地域の自殺の実態を把握し 地域の事情を踏まえた自殺対策を推進 全県における 静岡県自殺対策情報交換会 を開催 各地域の先駆的 効果的な取組の情報を共有 4 進行管理 計画の着実な推進を図るため 施策の実施状況 目標の達成状況を 静岡県自殺対策連絡協議会 に報告し 点検 評価を行う -6 -