RNA-seq

Similar documents
CLC Genomics Workbench ウェブトレーニングセミナー: 変異解析編

GWB_RNA-Seq_

RNA-seq

NGSデータ解析入門Webセミナー

ChIP-seq

PowerPoint Presentation

リード・ゲノム・アノテーションインポート

IonTorrent RNA-Seq 解析概要 サーモフィッシャーサイエンティフィックライフテクノロジーズジャパンテクニカルサポート The world leader in serving science

GWB

シーケンサー利用技術講習会 第10回 サンプルQC、RNAseqライブラリー作製/データ解析実習講習会

機能ゲノム学(第6回)

PrimerArray® Analysis Tool Ver.2.2

Agilent 1色法 2条件比較 繰り返し実験なし

PowerPoint プレゼンテーション

GWB

nagasaki_GMT2015_key09

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - 1 color Normalization Document _Agilent version_ .doc

GWB

機能ゲノム学(第6回)

Qlucore_seminar_slide_180604

ANOVA

1. はじめに 1. はじめに 1-1. KaPPA-Average とは KaPPA-Average は KaPPA-View( でマイクロアレイデータを解析する際に便利なデータ変換ソフトウェアです 一般のマイクロアレイでは 一つのプロー

ThermoFisher

PowerPoint プレゼンテーション

Agilent Microarray Total Solution 5 5 RNA-Seq 60 mer DNA in situ DNA 5 2 QC 4200 TapeStation 2100 / mirna CGHCGH+SNP ChIP-on-chip 2 mirna QC

データ科学2.pptx

Maser - User Operation Manual

Consuming a simple Web Service

PowerPoint Presentation

PowerPoint Presentation

PowerPoint Presentation

Visual Evaluation of Polka-dot Patterns Yoojin LEE and Nobuko NARUSE * Granduate School of Bunka Women's University, and * Faculty of Fashion Science,

2015アレイ解析プロトコル

Microsoft PowerPoint - Ion Reporter?ソフトウェアを用いた変異解析4.6.pptx

Medical3

はじめに 弊社では Native Instruments 社製 DJ ソフトウエア TRAKTOR PRO 専用のセッティングファイルをご提供しております このファイルを使用することにより TRAKTOR PRO のサンプルデッキを本機でコントロールすることが出来ます サンプルデッキはデッキ C デ

特論I

Microsoft PowerPoint ppt

3 1 2

1. 報告依頼業務 報告書集計システムを利用して 本部の報告依頼者が 売上実績見通しを各支社から収集し 報告書を作成します 依頼側の業務 1

PrimerArray Analysis Tool Ver.2.1

本書は INpMac v2.20(intime 5.2 INplc 3 Windows7/8/8.1に対応 ) の内容を元に記載しています Microsoft Windows Visual Studio は 米国 Microsoft Corporation の米国及びその他の国における登録商標です

Microsoft Word - 2TXL実施要綱 doc

Stata 11 Stata ROC whitepaper mwp anova/oneway 3 mwp-042 kwallis Kruskal Wallis 28 mwp-045 ranksum/median / 31 mwp-047 roctab/roccomp ROC 34 mwp-050 s


P PSへインポート(SDNF).xls

(Microsoft PowerPoint -

第 10 回シーケンス講習会 RNA-seq library 調製法の特徴と選び方 理化学研究所 (RIKEN) ライフサイエンス技術基盤研究センター (CLST) 機能性ゲノム解析部門 (DGT) ゲノムネットワーク解析支援施設 (GeNAS) 野間将平

Microsoft Word - tutorial3-dbreverse.docx

Microsoft Word - matrix_marker_v01r01.doc

チェックを外す 以上で マクロの有効と保護ビューの解除は完了です < 保護ビューの解除について > 保護ビューの解除については 特に設定しなくても EX はインストールできると思いますが 保護ビューのエラーメッセージが出た時に慌てないように念のため解除しておきます セキュリティが心配な方は EX が

Outlook Express での迷惑メールの振り分け設定例 Step.1 迷惑メールを入れるフォルダを作成します [a] メニュー ファイル (F) フォルダ (F) フォルダの作成 (N) を選択します ( 左図 ) [b] フォルダを作成する場所 として 受信トレイ を選択します ( 右図

Vol.7

1

Nakamura

Easy Sep

Microsoft Word - Meta70_Preferences.doc

カスタムアレイ作成の流れ Probe x Probe D Probes Probe Groups Microarray Designs Probe 4 Probe 1 Probe C Probe A Probe w Probe 2 アップロード Probe 3 Probe y Probe B プロー

NMR ソフトウェア Deltaにおける定量NMR解析

Oracle SOA Suite Enterprise Service Bus

Microsoft Word - 206MSAccess2010

KEGG.ppt

PowerPoint プレゼンテーション

eService

thermofisher.com Silencer Select pre-designed / validated siRNA 検索マニュアル

Eschartマニュアル

Upload path ファイル送信先ディレクトリのパスを指定します ホームディレクトリに画像を送信する場合は空白のまま サブディレクトリに画像を送信する場合はディレクトリ名を指定します さらに下位のディレクトリを指定する場合は \ マークを利用します 例 ) ホームディレクトリ以下の camera

2.Picasa3 の実行 デスクトップの をダブルククリック 一番最初の起動の時だけ下記画 面が立ち上がります マイドキュメント マイピクチャ デスクトップのみスキャン にチェックを入れ続行 これはパソコン内部の全画像を検索して Picasa で使用する基本データを作成するものですが 完全スキャン

Microsoft Word - SSI_Smart-Trading_QA_ja_ doc

チュートリアル Part 2 の概要 チュートリアル Part 2 では サンプルデータのマニホールドブロックを使用して ilogic で Excel スプレッドシートと関連付けて マニホールドブロックの各形状や部品番号に関するルールを作成 実行して ilogic のルールに基づいて Excel ス

Upload path ファイル送信先ディレクトリのパスを指定します ホームディレクトリに画像を送信する場合は空白のまま サブディレクトリに画像を送信する場合はディレクトリ名を指定します さらに下位のディレクトリを指定する場合は \ マークを利用します 例 ) ホームディレクトリ以下の camera

Slide 1

Base によるアプリケーション開発とサポート 鎌滝雅久 /OpenOffice.org 日本ユーザー会 OSC2007 Hokkaido 2007 年 6 月 30 日土曜日 10:55-11:40 北海道大学学術交流会館第 4 会議室

TREND CA Ver.3 手順書

NGS_KAPA RNA HyperPrep Kit

Microsoft PowerPoint - e-stat(OLS).pptx

Microsoft PowerPoint _Spotfire Installation from Scistore.pptx

Microsoft PowerPoint - Tutorial_6.ppt

CLC Genomics Workbench ウェブトレーニングセミナー: 変異解析編

計算機生命科学の基礎II_

農業・農村基盤図の大字小字コードXML作成 説明書

KEGG_PATHWAY.ppt

任意の間隔での FTP 画像送信イベントの設定方法 はじめに 本ドキュメントでは AXIS ネットワークカメラ / ビデオエンコーダにおいて任意の間隔で画像を FTP サー バーへ送信するイベントの設定手順を説明します 設定手順手順 1:AXIS ネットワークカメラ / ビデオエンコーダの設定ページ

Step 1 Feature Extraction Featuer Extraction Feature Extraction Featuer Extraction Image Analysis Start>Programs>Agilent-Life Sciences>Feature Extract

V1 ゲノム R e s e q 変異解析 Copyright Amelieff Corporation All Rights Reserved.

Data Explorerの使い方|国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research

1. メールにファイルを添付する メールには画像や文書ファイルなどを添付することができます ファイルをドラッグ & ドロップで添付する方法と ファイルを指定して添付する方法があります 1.1. ファイルをドラッグ & ドロップで添付する この機能は ブラウザバージョンおよび設定によっては ご利用いた

ACD/1D NMR Processor:基本トレーニング

次世代シークエンサーを用いたがんクリニカルシークエンス解析

Microsoft Word - プリンター登録_Windows XP Professional.doc

ゲートウェイ ファイル形式

2. Save をクリックします 3. System Options - Network - TCP/IP - Advanced を開き Primary DNS server と Secondary DNS Server に AXIS ネットワークカメラ / ビデオエンコーダが参照できる DNS サ

こんにちは由美子です

フォト・ボックス

1. MEGA 5 をインストールする 1.1 ダウンロード手順 MEGA のホームページ ( から MEGA 5 software をコンピュータにインストールする 2. 塩基配列を決定する 2.1 Alignment E

PowerPoint プレゼンテーション

Windows用タブレットドライバー簡易ガイド

こんにちは由美子です

Syslog、SNMPトラップ監視の設定

Transcription:

RNA-seq 1

RNA-seq 解析フロー RNA-seq インポート クオリティチェック RNA-seq 発現差解析 この資料では RNA-seq からの説明となりますが インポート クオリティチェックについては サポート資料のページより内容をご確認いただけます 2

データ 発現解析用デモデータは 以下よりダウンロードいただけます ES 細胞 (ESC) と神経前駆細胞 (NPC) の発現解析を小さなデモデータで行えます http://download.clcbio.com/testdata/mousechr7dataset.zip ダウンロード後 解凍せずに Import>Standard Import からインポートください 右図のようなファイルがインポートされます 3

RPKM RPKM: Reads Per Killobases per Million 長さが異なるトランスクリプト 実験で使われたリードの総数による違いについて正規化するための方法 RPKM C LN C: マップされたリードの総数 N: リードの総数 (Million) L: トランスクリプトの長さ (kbase) 4

RPKM 例 : Sample A Total reads: 6M Gene 1: 300bp 10 reads Gene 2: 400bp 13 reads Gene 3: 500bp 15 reads RPKM=10/(0.3*6) =5.55 RPKM=13/(0.4*6) =5.42 RPKM=15/(0.5*6) =5.0 Sample B Total reads: 4M Gene 1: 300bp 6 reads Gene 2: 400bp 10 reads Gene 3: 500bp 13 reads RPKM=6/(0.3*4) =5.0 RPKM=10/(0.4*4) =6.25 RPKM=13/(0.5*4) =6.5 5

RNA-seq Navigation Area から使用するリードデータを選択 Toolbox から Transcript Analysis > RNA-seq Analysis > RNA- Seq Analysis を選択 ダブルクリック ウィザードが起動し 選択したデータが選ばれていることを確認 6

RNA-seq Reference Genome annotated with genes and transcripts: ゲノムに遺伝子とトランスクリプト (mrna) がアノテーションとして付いている場合 Gnome annotated with genes only: ゲノムに遺伝子のみのアノテーションが付いている場合 One reference sequence per transcript: 参照配列のみの場合 (EST など ) Reference sequence, Gene track, mrna track はそれぞれ使用する ゲノム配列 遺伝子 mrna を選択 Mapping Map to gene region only (fast): 遺伝子の領域のみにマッピングする場合 Also map to inter-genic regions: 遺伝子ー遺伝子間についてもマッピングさせる場合 7

RNA-seq Maximum number of mismatches: (Short read パラメータ ) リード中に最大何個までのミスマッチを許容するか Length fraction: (Long read パラメータ ) マッチする際に考慮するリードの長さの割合 Similarity fraction: (Long read パラメータ ) Length fraction で指定した長さのうち 一致するべき割合 Use color space: カラースペースを使用する場合 Auto-detect paired distances: 自動でペアの距離を推定させる場合 Strand specific: センス アンチセンス鎖特異的にマップさせたい場合のオプション Maximum number of hits for a read:1 つのリードがマッチする最大の数 この数以上の箇所にマップされたリードは マップされません 8

RNA-seq Expression level: Count paired reads as two: ペアを 2 リードとカウントしたい場合 Expression value: 発現量に何を指定するか Calculate RPKM for gene without transcripts: アノテーションとして mrna がなく 遺伝子のみの場合 この場合 遺伝子の全長で RPKM を計算します 9

RNA-seq Create report: レポートの作成 Create fusion gene table: 融合遺伝子の可能性のあるテーブルの作成 ( ペアエンド利用時のみ有効なオプション ) Minimum read count fusion gene table: 融合遺伝子の可能性があるとする最小の遺伝子 10

RNA-seq: 結果 ファイル名 (GE) : Gene Expression トラック ファイル名 (TE) : Transcript Expression トラック ファイル名 (Reads) : マッピングトラック ファイル名 (single),(paired): マップされなかったリード ファイル名 report: レポート アウトプットで指定をしていないものは作成されないため ご注意ください 11

RNA-seq: 結果 Gene Expression トラック 遺伝子レベルでの発現量が表示されています 12

RNA-seq Transcript Expression トラック 転写因子レベルでの発現量が表示されています 13

RNA-seq マッピングトラック 遺伝子レベルでの発現量が表示されています 14

RNA-seq レポート 利用したデータのサマリーや 1 つの遺伝子に対するトランスクリプトの数などの統計情報が含まれています 15

RNA-seq トラックボタンをクリックすると ビューがトラックビューに切り替わります 16

結果を組み合わせたビュー Toolbox > Track tools > Create track list を選択し ゲノム 遺伝子 mrna マッピング (Reads) データ NPC の GE データを選択します 17

結果を組み合わせたビュー GE トラックの赤枠部分をクリックすると テーブルが現れます たとえば Sox6 遺伝子などを選択すると 該当箇所の詳細が確認できます 18

RNA-seq バッチで処理をしてみましょう! 最初のウィザードで Batch のボタンにチェックを入れ バッチ処理を行いたいフォルダを選択します フォルダ内の該当するデータがリストに現れます 含めたいもの 含めたくないものは Only use elements containing, Exclude elements containing に文字列を入れることで 選択 排除可能です 19

Expression Analysis 20

発現解析 RNA-seq の結果を使から ES 細胞と神経前駆細胞での違いを調べる という事を行います 7.0 から新しく搭載された EdgeR について使い方を説明します 群 群内のレプリケート Gaussian Test T-test 2 群必須 ANOVA 3 群以上必須 Proportional Test Kal s test 2 群不要 Bagglaley s test 2 群必須 Empirical Analysis of DGE 2 群必須 21

Expression Analysis RNA-seq のデータは Microarray のように発現差の解析を行うことが可能です そのためには まず RNA-seq のデータを Experiment という形へ変更し その後 発現解析ツールを使って解析を行います 22

Set Up Experiment Navigation Area から使用する RNA-seq データを選択 Toolbox から Set Up Experiment を選択 ダブルクリック ウィザードが起動し 選択したデータが選ばれていることを確認 23

Set Up Experiment Two-group comparison: 2 群比較 Unpaired/Paired:2 つの群のサンプルに対応があるかどうか ( 同じ固体で違う条件など ) Multi-group comparison: 多群比較 Use existing expression values from samples: RNA-seq で指定した発現量をそのままつかう場合 Set new expression value: 別の発現量を使う場合 24

Set Up Experiment グループにつける名前を入力 RNA-seq のデータをグループに割り当てる 25

Set Up Experiment 26

Expression Analysis:EDGE Navigation Area から使用する Experiment データを選択 Toolbox から On Gaussian Data を選択 ダブルクリック ウィザードが起動し 選択したデータが選ばれていることを確認 27

Expression Analysis: EDGE Total count filter cutoff: 発現量があるとするための最小のカウント数 Tagwise dispersions: タグごと (Set Up Experiment を遺伝子レベルで作成した場合は 遺伝子ごと ) のばらつきを計算させるか 通常はチェックをいれたままにしておいてください Exact test comparisons すべての組み合わせ 指定したものをコントロールとする場合 Add corrected p-value: p 値の補正 ボンフェローニ FDR 28

Expression Analysis: 結果 29

Expression Analysis: 結果 黒い ボタンをクリック 列ごとのフィルター用のツールが現れます 30

Expression Analysis: 結果 FDR < 0.001, Fold Change の絶対値 2 以上でフィルターをかけてみましょう このテーブルの状態から Excel などへエクスポートも可能です 31

ご清聴ありがとうございました 32

APPENDIX 33

P 値の補正 検定を繰り返すと 指定した閾値よりも実際は高いエラーを含むことになります たとえば p < 0.05 となる遺伝子のリストを得たい場合 3 つの遺伝子について検定を行った場合 これは検定の繰り返しとなり 実際には 1-(1-0.05)^3 = 0.14 というエラーを含んだ結果となるのです Bonfferroni 法ではくりかえしの検定数で閾値を割ることで 繰り返しを考慮した閾値を設定します 上記の例では 0.05 / 3 とした閾値で検定します しかし 遺伝子数が膨大になると 閾値が非常に小さくなり どの遺伝子も検定で棄却できず リストが作成できなくなり 現実的ではありません ボンフェローに法の閾値で棄却されたリストと言うのは False Positive を全く含まないリストとなります これを少し緩くし ある程度のエラーを含むことを覚悟した上でのリストを得ようとする方法が次の FDR になります 34

P 値の補正 FDR P 値を小さい順に並べます p 1 < p 2 < p 3 < < p i < < p m α を検定で棄却したい値とします i = m として If p i < α i (1) を計算する m if not set i = m 1 then calculate (1) 35

P-value correction FDR Say p 1 < p 2 < p 3 < < p i < < p m and α is threshold. i = m If p i < α i m 1 を満たすならば k = i (1) 式が満たされない場合 i = m 1 として (1) を再度計算 p 1,, p k に対応する仮説を棄却する 36