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Transcription:

演題その 1 ウィークビーム法を用いた人工ダイアモンドの 3 次元トポグラフ 岡本博之 1, 水野薫 2, 森川公彦 2, 中野智志 3, 1 金沢大医薬保健, 2 島根大総合理工, 3 物質 材料機構

本来の実験目的 3 次元 X 線トポグラフィによる高圧実験用ダイアモンドの事前評価 ( どのような結晶が高圧実験に耐えるか ) 加圧済み結晶を使いダイアモンドの塑性変形メカニズムを明らかにする Diamond Diamond 数十 GPa Diamond Anvil Cell(DAC) 3 次元トポグラフで観察された 屋根型の面状欠陥の正体を明らかにするため 人工ダイアモンドで観測された面状欠陥 ( 積層欠陥 ) と比較する ( 準備段階 ) ウィークビーム条件を利用した3 次元トポグラフ法により 人工ダイアモンド中に存在する積層欠陥を明瞭に観察する 今回の目的

実験 X 線トポグラフィについて 完全性の高い結晶からの回折 X 線の強度コントラストを 二次元検出器に投影することによって結晶を評価する 非破壊的評価手法 3 次元的情報を 2 次元検出器で観察するため格子欠陥が存在する場所に任意性が残る 多数の断層写真 ( セクショントポグラフ ) を撮影 三次元的に再構成 三次元トポグラフ S. Kawado and J. Aoyama: Appl. Phys. Lett. 34 (1979) 428.

3 次元トポグラフィ装置 セクショントポグラフィ ( 断層写真 ) の重ね合わせ特徴 : 欠陥の3 次元的位置を特定できる ビームサイズ 10μm 5mm 回折面 (111) 波長 1.20A 移動ステップ 5μm 撮影枚数約 600 枚 上下方向に移動 g = 111 (KEK-PF BL-20B) 断層像 2 次元検出器 CCD カメラ等 蓄積リング Top up 運転 モノクロメータ スリット 10µm 結晶 回折面 回折 X 線 欠陥 欠陥像 Kajiwara et al., Phys. Stat. Sol. 204(2007)2682. CZ-Si のネッキング

人工ダイアモンド単結晶 スミクリスタル : 住友電工 タイプ Ⅰb (001) 1.0mm 使用した結晶の外形 結晶の面指数 (111) を回折面として使用

入射角を変化させたときの回折強度の測定 相対強度 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 ウィークビーム条件 回折 X 線強度変化 0.0-50.0-25.0 0.0 25.0 50.0 θ[sec] ウィークビーム条件 : 転位や不純物などによる歪場の影響を避けられるのでは ピーク条件 : 通常のトポグラフの撮影条件 蓄積リング モノクロメータ 回折強度のピーク ピークから 25[sec] ずらした 2 つの条件で 3D トポを撮影 スリット 10µm 角度 θ を変化 g = 111 結晶 回折面 (111) 検出器 回折 X 線

結果 ピーク条件 [001] 方向から観察 [100] [010] ウィークビーム条件 [001] 方向から観察 [100] [010] 1mm 面状欠陥の存在 X-ray [11-1] 方向から観察 X-ray [11-1] 方向から観察

まとめ 回折条件を変化させた撮影により ピーク条件とウィークビーム条件の二種類の 3 次元トポグラフが得られた 二種類の 3 次元トポグラフで {111} 面に面状欠陥が観察された 回折面 (111) と平行な面状欠陥は観測されなかったので 面状欠陥は積層欠陥と考えられる ピーク条件では 周囲に存在する歪に邪魔されて積層欠陥の形状が不明瞭であるが ウィークビーム条件では明瞭であった

全く別な話ですが つづけてさせていただき

演題その 2 位相イメージング法による日本刀の観察 DEI 法と単スリット法による観察の比較 岡本博之 1, 水野薫 2, 森川公彦 2 1 金沢大医薬保健, 2 島根大総合理工

日本刀とは? 日本刀 ( にほんとう ) は 日本固有の鍛冶製法によって作られた刀類の総称 一般に 反りがあり刀身の片側に刃がある刀剣 焼入れにより 刀の表面にはマルテンサイトと呼ばれる非常に固い組織が現れる マルテンサイトの入り方によって 肉眼で地鉄の表面に刃文が丸い粒子状に見えるものを錵 ( にえ ) または沸 ( にえ ) と呼び 1 つ 1 つの粒子が見分けられず細かい白い線状に見えるものを匂 ( におい ) と区別する 日本刀断片を用いて 焼入れにより刀剣内に生じるマルテンサイト等の組織の分布を 2 種類の位相イメージング法により観察する

実験位相イメージング法その1 DEI 装置の概略 DEI:Diffraction-Enhanced X-ray Imaging KEK-PF BL-14B コリメータ Si (440) 10 off モノクロメータ Si (333) 白色 X-ray 試料 35 kev X-ray シンクロトロン CCD カメラ アナライザー Si (440) スクロール真空ポンプ

アナライザーを回転させたときの ロッキングカーブ 2dsinθ B =nλ 最大強度の半分 低角側 高角側 Δθ Δθ Δθ Δθ 試料により X 線に屈折が生じる アナライザーへの入射角が変化する ロッキングカーブに従って回折強度が変化する DEI 法とは アナライザーにより屈折角 Δθ をコントラストに変換する手法特徴 : 屈折角の変化を高感度に検出できる ( 屈折角分解能が良い )

実験 位相イメージング法その 2 単スリット法の原理 10µm 程度の単スリットでビームを線状に加工 2 次元検出器で観測される y 方向の強度分布 試料を置くと スキャン 回折 発光点の広がり CCD シンチレータでのボケなどによって線状の像は試料が無くても広がる y 線状の像の変形を精密に検出できれば X 線と試料の相互作用の種類と程度が分かるはず

実験 単スリット法の原理 X 線が試料と相互作用をすると強度分布に何が起こるか 1 積分強度の変化 2 重心の変化 3 標準偏差の変化全ての効果による変化 I I I I 試料有り試料無し 試料により吸収が生じる y y y y 試料の外形により屈折が生じる 試料中微細構造により散乱が生じる 実際には試料により 1~3 が同時に生じる このような統計量を計算すれば各情報が得られる CCD カメラ i 番目のピクセル位置 y i における強度 I i 積分強度 : I iii = 重心位置 : y ee = 標準偏差 :S = n i=1 n i=1 I i n I i i=1 I i I iii I iii y i y ee y i 2

単スリット法で画像化する量 試料有りと無しの場合で左記統計量を計算し, 以下の量を求め画像化する 吸収像 :I/I 0 (I 0 : 試料無しの積分強度, I: 試料が有りの積分強度 ) 屈折像 :Δθ=Δy ex /L (Δy ex : 試料有りと無しのときの重心位置の変化, L: 試料 -CCD カメラ間距離 ) 散乱像 :S/S 0 (S 0 : 試料無しの標準偏差, S: 試料有りの標準偏差 ) 宣伝 高品質な Si 結晶や, 高精度な干渉格子を使用せず, 設置 調整に高度な技術を必要としない, 誰でも撮影できるような, 単純な原理, 単純な装置で吸収像, 位相像, 散乱像を取得することが可能 欠点 : 空間分解能がスリット幅による制限を受ける 屈折角分解能があまり高くない ( 撮影条件の検討が必要 )

単スリット法装置と撮影条件 X 線 単スリット CCD カメラ 試料 線源 - スリット - 試料 -CCD カメラを直線的に配置回折条件を探すような微妙な調整は一切不要 実験施設 :KEK-PF BL-14B( 写真 ),BL-20B X 線エネルギー :,24keV (DEIは35keV) 試料 -CCDカメラ間距離 L:750mm スリット幅 :10μm CCDカメラピクセルサイズ :6.4μm

試料 約 600 年前に製作された日本刀 沖光 より切り出した厚さ 0.2mm の断面

結果 DEI 法 10mm 刃の先端部付近については 黒点または白点の密度が特に高い ピーク像低角像 高角像

DEI 法 ( 刃 ) 表面付近に黒点吸収か散乱 5mm 白黒対の点が存在屈折像らしい ピーク像低角像高角像 低角像と高角像で点のコントラストが反転しているか不明 正体不明

単スリット法 1 +3µrad 1.3 0-3µrad 0.9 10mm 屈折像で表面付近に白黒コントラストの点が観察 散乱像で表面付近の散乱比が高い 吸収像屈折像 散乱像

単スリット法 5mm 表面付近に白点 0.5 +3µrad 0 表面付近に白黒対の点 -3µrad 表面付近の散乱比が高い 全体的に白っぽい 1.3 0.9 黒点が多数 吸収像屈折像散乱像

まとめ 1 DEI 法 特に 刃の部分で白点または黒点が高密度で観察された ピーク 高角 低角像で点にコントラスト変化が有ったため 点は密度 ( 屈折率 ) の異なる部分であると思われる ( 高密度か低密度かは不明 ) 点は焼き入れに伴う マルテンサイト変態により生じたと炭素量の異なる部分だと思われる DEI 法では吸収 屈折 散乱の区別が難しいので詳細は不明

まとめ 2 単スリット法 DEI 法と同様に 刃の表面付近で点の密度が高く観測された 吸収像から 点が白く観察されたため 吸収が少ない部分であると考えられる 屈折像から 点は白黒対で観察されたため屈折が生じており 周囲と密度 ( 屈折率 ) が異なる部分であると考えられる 散乱像から 全体的に白っぽく ( 散乱比 S/S 0 が高く ) 特に表面付近では白くなっており ( 分解能不足により ) 観測できない微細な点により散乱が生じていると考えられる 大きな点では 散乱比 S/S 0 が1より小さく ( 暗く ) なっているため 点がレンズのような作用をしていると考えられる 点の部分は周囲より密度が小さい ( 屈折率が 1 に近い ) と考えられる 点の部分は周りに比べ 低吸収 低密度の物質 ( 炭素リッチ?) が集合した部分であると考えられる

おわり