今回の改正によってこの規定が廃止され 労使協定の基準を設けることで対象者を選別することができなくなり 希望者全員を再雇用しなければならなくなりました ただし 今回の改正には 一定の期間の経過措置が設けられております つまり 平成 25 年 4 月 1 日以降であっても直ちに希望者全員を 歳まで再雇用

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スライド 1

定していました 平成 25 年 4 月 1 日施行の 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律 では, 継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止について規定されていますが, 平成 25 年 4 月 1 日の改正法施行の際, 既にこの基準に基づく制度を設けている会社の選定基準につい

「高年齢者雇用安定法《のポイント

規定例 ( 育児 介護休業制度 ) 株式会社 と 労働組合は 育児 介護休業制度に関し 次 のとおり協定する ( 対象者 ) 育児休業の対象者は 生後満 歳に達しない子を養育するすべての従業員とする 2 介護休業の対象者は 介護を必要とする家族を持つすべての従業員とする 介護の対象となる家族の範囲は

- 調査結果の概要 - 1. 改正高年齢者雇用安定法への対応について a. 定年を迎えた人材の雇用確保措置として 再雇用制度 導入企業は9 割超 定年を迎えた人材の雇用確保措置としては 再雇用制度 と回答した企業が90.3% となっています それに対し 勤務延長制度 と回答した企業は2.0% となっ

2 継続雇用 の状況 (1) 定年制 の採用状況 定年制を採用している と回答している企業は 95.9% である 主要事業内容別では 飲食店 宿泊業 (75.8%) で 正社員数別では 29 人以下 (86.0%) 高年齢者比率別では 71% 以上 ( 85.6%) で定年制の採用率がやや低い また

平均賃金を支払わなければならない この予告日数は平均賃金を支払った日数分短縮される ( 労基法 20 条 ) 3 試用期間中の労働者であっても 14 日を超えて雇用された場合は 上記 2の予告の手続きが必要である ( 労基法 21 条 ) 4 例外として 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の

3. 継続雇用制度の対象者基準の経過措置 Q3-1: Q3-2: Q3-3: Q3-4: Q3-5: Q3-6: Q3-7: すべての事業主が経過措置により継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めることができますか 改正高年齢者雇用安定法が施行された時点で労使協定により継続雇用制度の対象者を限定する

事業活動の縮小に伴い雇用調整を行った事業主の方への給付金

Microsoft Word - 雇用継続制度

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①公表資料本文【ワード軽量化版】11月8日手直し版【1025部長レク⑤後】平成30年61本文(元データあり・数値1004版)

平成 31 年 4 月 1 日から平成 34 年 3 月 31 日まで 63 歳平成 34 年 4 月 1 日から平成 37 年 3 月 31 日まで 64 歳 4 定年について 労働者の性別を理由として差別的取扱いをしてはなりません ( 均等法第 6 条 ) ( 退職 ) 第 48 条前条に定める

として採用するものとする 第 2 条の3 前条に定めるほか 職員就業規則第 11 条第 1 項により退職 ( 以下 定年退職という ) した者であって 退職後引き続き研究所以外の機関 ( 以下 再就職先 という ) において勤務する者 ( 定年退職後 任期付職員就業規則または契約職員就業規則の適用を

5. 退職一時金に係る就業規則のとりまとめ 退職一時金に係る就業規則の提供があった企業について 退職一時金制度の状況をとりまとめた なお 提供された就業規則を分析し 単純に集計したものであり 母集団に復元するなどの統計的な処理は行っていない 退職一時金の支給要件における勤続年数 退職一時金を支給する

審議するものとする 2 前項の審議は 当該任期付職員の在任中の勤務態度 業績等の評価及び無期労働契約に転換した場合に当該任期付職員に係る退職日までの人件費の当該部局における措置方法について行うものとする 3 教授会等は 第 1 項の審議に当たり 必要に応じて 確認書類の要求 対象者への面接等の措置を

●11-1再雇用教職員の就業に関する規程31.4.1

★HP版調整事件解説集h28[042]

無期契約職員就業規則

スライド 1

市報2016年3月号-10

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26公表用 栃木局版(グラフあり)(最終版)

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みずほインサイト 政策 2013 年 2 月 20 日 希望者全員を 65 歳まで雇用義務化高齢者が活躍できる職場の創設と人材育成が課題 政策調査部上席主任研究員堀江奈保子 年 4 月 1 日に高年齢者雇用安

2. 様式の改正については平成 25 年 4 月 1 日付けで行う予定としているが 4 月以降も当面の間は改正前の様式を引き続きご利用できること 3. 改正後の新様式で届出を行う場合の記載方法等については別添 1 改正前の様式で届出を行う場合の記載方法については別添 2のとおりリーフレットを作成した

調査等 何らかの形でその者が雇用期間の更新を希望する旨を確認することに代えることができる ( 雇用期間の末日 ) 第 6 条第 4 条及び第 5 条の雇用期間の末日は 再雇用された者が満 65 歳に達する日以後における最初の3 月 31 日以前でなければならない 2 削除 3 削除 ( 人事異動通知

Microsoft PowerPoint - 【資料3-2】高年齢者の雇用・就業の現状と課題Ⅱ .pptx

第 Ⅰ 部本調査研究の背景と目的 第 1 節雇用確保措置の義務化と定着 1. 雇用確保措置の義務化 1990 年代後半になると 少子高齢化などを背景として 希望者全員が その意欲 能力に応じて65 歳まで働くことができる制度を普及することが 政策目標として掲げられた 高年齢者雇用安定法もこの動きを受

問題の背景 高齢者を取り巻く状況の変化 少子高齢化の急速な進展 2015 年までの労働力人口の減少 厚生年金の支給開始年齢の段階的引き上げ 少なくとも 年金開始年齢までは働くことのできる 社会 制度づくり ( 企業への負担 ) 会社にとっての問題点 そしてベストな対策対策が必要に!! 2

平成 28 年 9 月度実施実技試験 損保顧客資産相談業務 139

目次 問 1 労使合意による適用拡大とはどのようなものか 問 2 労使合意に必要となる働いている方々の 2 分の 1 以上の同意とは具体的にどのようなものか 問 3 事業主の合意は必要か 問 4 短時間労働者が 1 名でも社会保険の加入を希望した場合 合意に向けての労使の協議は必ず行う必要があるのか

申出が遅れた場合は 会社は育児 介護休業法に基づき 休業開始日の指定ができる 第 2 条 ( 介護休業 ) 1 要介護状態にある対象家族を介護する従業員 ( 日雇従業員を除く ) 及び法定要件を全て満たした有期契約従業員は 申出により 介護を必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲で

1. 改正高年齢者雇用安定法の施行に伴う留意点 改正高年齢者雇用安定法の施行に伴い 厚生労働省より Q&A が公表されています 今回はこの Q&A に記載があるものについて 参考になると思われるものについてピックアップしてまとめています (1) 継続雇用制度の導入について i. 定年退職者を嘱託やパ

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必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲内で 3 回を上限として介護休業をすることができる ただし 有期契約従業員にあっては 申出時点において 次のいずれにも該当する者に限り 介護休業をすることができる 一入社 1 年以上であること二介護休業開始予定日から 93 日を経過する日から

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【全文】就業規則(今井保育園H29.1.1)

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★HP版調整事件解説集h28[043]

Microsoft Word - 様式第1号 キャリアアップ計画書 記入例

Ⅰ 目的 定年を迎えた職員が定年後も再雇用され働き甲斐をもって生き生きと働き 法人に貢献し つつ自らの生活をも充実したものとされることを目的として 再雇用制度を具体的に構築し その運用や取扱いについて本実施要綱に定めることとする Ⅱ 再雇用職員職員コースの区分 再雇用職員コースの区分は以下の 3 種

他の所得による制限と雇用保険受給による年金の停止 公務員として再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額停止となり 特別 ( 本来 ) 支給の老齢厚生年金の一部または全部に制限がかかることがあります なお 民間に再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額支給されますが

ⅰ. キーワードや法令を知る 01 処遇検討の背景 少子高齢化が急速に進展する中 労働力人口の減少に対応し 経済と社会を発展させるため 高年齢者をはじめ働くことができる全ての人が社会を支える全員参加型社会の実現が求められております また 現在の年金制度に基づき平成 25 年度から特別支給の老齢厚生年

Microsoft PowerPoint - 2の(別紙2)雇用形態に関わらない公正な待遇の確保【佐賀局版】

改正労働者派遣法 平成24年10月1日施行

4-1 育児関連 育児休業の対象者 ( 第 5 条 第 6 条第 1 項 ) 育児休業は 男女労働者とも事業主に申し出ることにより取得することができます 対象となる労働者から育児休業の申し出があったときには 事業主は これを拒むことはできません ただし 日々雇用される労働者 は対象から除外されます

( 様式第 1 号 ( 共通 )) 共通事項 1 キャリアアップ管理者 情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 印 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 企業全体で常時雇用する労働

退職後の医療保険制度共済組合の年金制度退職後の健診/宿泊施設の利用済組合貸付金/私的年金退職手当/財形貯蓄/児童手当個人型確定拠出年金22 共イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けるこ

ロア・ユナイテッド法律事務所

◆◆10-1特定有期雇用教職員就業規程30.4.1(修正)

題名

JILPT 高齢者の雇用 採用に関する調査結果 (2008) の概要 高齢者の雇用 採用に関する調査 (2008 年 8-9 月実施 ) 高年齢者雇用関連の法制度が整備される中で 企業の高齢者の雇用や採用に関する最近の取組等を把握 全国の常用雇用 50 人以上の民営企業 社を対象 有効回

①-1公表資料(本文 P1~9)

自動的に反映させないのは133 社 ( 支払原資を社内で準備している189 社の70.4%) で そのうち算定基礎は賃金改定とは連動しないのが123 社 (133 社の92.5%) となっている 製造業では 改定結果を算定基礎に自動的に反映させるのは26 社 ( 支払原資を社内で準備している103

筑紫野市学童保育連絡協議会学童クラブ指導員就業規則

3. 無期労働契約への転換後の労働条件無期労働契約に転換した後の職務 勤務地 賃金 労働時間等の労働条件は 労働協約 就業規則または個々の労働契約等に別段の定めがない限り 直前の有期労働契約と同一になるとされており 無期転換に当たって職務の内容などが変更されないにもかかわらず 無期転換後の労働条件を

資料2:再任用制度と「雇用と年金の接続」の概要

Microsoft Word - T2-04-1_紙上Live_被保険者期間と届出_(13分)_

契約の終了 更新18 無期労働契約では 解雇は 客観的に合理的な理由を欠き 社会通念上相当であると認められない場合 は 権利濫用として無効である と定められています ( 労働契約法 16 条 ) 解雇権濫用法理 と呼ばれるものです (2) 解雇手続解雇をする場合には 少なくとも30 日前に解雇の予告

( イ ) 従業員の配偶者であって育児休業の対象となる子の親であり 1 歳 6か月以降育児に当たる予定であった者が死亡 負傷 疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合 6 育児休業をすることを希望する従業員は 原則として 育児休業を開始しようとする日の1か月前 (4 及び5に基づく1 歳

被告は 高年法 9 条 2 項に規定する協定をするため努力したにもかかわらず協議が調わ なかったものと認めることはできず 本件就業規則 29 条が高年法附則 5 条 1 項の要件を具 備していないというべきである 本件継続雇用制度の導入を定める本件就業規則 29 条は 手続要件を欠き無効であり 原

表 2 イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けることができます 支給要件 a 組合員期間が1 年以上あること b 組合員期間等が25 年以上あること (P.23の表 1 参照 ) c

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2. 継続雇用制度の対象者を雇用する企業の範囲の拡大上記の選別基準が廃止されることにより 企業が雇用する従業員が増加すると推察され 雇用事業主だけでの雇用確保は限界があると考えられるため 継続雇用の雇用確保先がグループ企業にまで拡大された 3. 厚生労働大臣による高年齢者雇用確保措置に関する勧告に従

第 50 号 2016 年 10 月 4 日 企業年金業務室 短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大及び厚生年金の標準報酬月額の下限拡大に伴う厚生年金基金への影響について 平成 28 年 9 月 30 日付で厚生労働省年金局から発出された通知 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

短時間 有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針 について ( 同一労働同一賃金ガイドライン ) 厚生労働省雇用環境 均等局有期 短時間労働課職業安定局需給調整事業課

ただし 日雇従業員 期間契約従業員 ( 法に定める一定の範囲の期間契約従業員を除く ) 労使協定で除外された次のいずれかに該当する従業員についてはこの限りではない (2) 週の所定労働日数が2 日以下の従業員 (3) 申出の日から93 日以内に雇用関係が終了することが明らかな従業員 2 要介護状態に

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等により明示するように努めるものとする ( 就業規則の作成の手続 ) 第 7 条事業主は 短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し 又は変更しようとするときは 当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする ( 短時間労働者の待遇の原

中央教育審議会(第119回)配付資料

 

(3) 始業 終業時刻が労働者に委ねられることの明確化裁量労働制において 使用者が具体的な指示をしない時間配分の決定に始業及び終業の時刻の決定が含まれることを明確化する (4) 専門業務型裁量労働制の対象労働者への事前通知の法定化専門業務型裁量労働制の導入に当たり 事前に 対象労働者に対して 1 専

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3 老齢厚生年金に係る年金額誤りの概要について 平成 16 年 8 月 6 日公表 概要 老齢厚生年金の受給権発生月に厚生年金保険の資格喪失及び同日付の資格取得があった場合でかつ当該日に賞与が支給された場合の年金額計算のプログラム誤り ( 社会保険業務センターの指示誤り ) のため 未払い 過払いが

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9-1 退職のルール 職することは契約違反となります したがって 労働者は勝手に退職することはできません 就業規則に 契約期間途中であっても退職できる定めがある場合には それに従って退職できることになりますが 特段の定めがない場合には なるべく合意解約ができるように 十分話し合うことが大切です ただ

再任用と年金加入の関係をまとめると次のようになる ( 都道府県によって勤務形態は異なる ) 再任用の勤務形態フルタイム勤務 3/4 1/2 週の勤務時間 38 時間 45 分 29 時間 19 時間 15 分 共済年金 厚生年金 (2016 年 9 月 30 日まで ) 加入する年金 (2015 年

Microsoft Word - コピー ~ (確定) 61発表資料(更新)_

Microsoft Word - 22育児・介護休業等規程

図 1 60 歳 61 歳 62 歳 63 歳 64 歳 65 歳 生年月日 60 歳到達年度 特別支給の 男性 S24.4.2~S 平成 21~24 年度 女性 S29.4.2~S 平成 26~29 年度 男性 S28.4.2~S 女性 S33.4.2~S35.

改正労働基準法

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Microsoft Word - 改訂 H28 H27施行状況記者発表(リード文)

支給開始日以前に カ月の標準報酬月額がある場合 06 年 月 日まで 06 年 4 月 日以降 休んだ日の標準報酬月額 0 日 / 支給開始日以前の継続した カ月間の各月の標準報酬月額の平均額 0 日 / ( 例 ) 支給開始日以前の継続した カ月間に 標準報酬月額が 6 万円の月が カ月 0 万円

第六条 契約期間 雇用期間は原則として1 年以内とし 嘱託雇用契約書に定める 二. 前項の規定にかかわらず 本人が雇用契約を更新し継続して勤務することを望む場合に於いては 定年後の継続雇用に関する労使協定の定めるところにより 次の基準のいずれにも該当した従業員については満 65 歳に達するまでを限度

( 第 1 段階 ) 報酬比例部分はそのまま定額部分を段階的に廃止 2 年ごとに 1 歳ずつ定額部分が消える ( 女性はすべてプラス 5 年 ) 報酬比例部分 定額部分 S16 S16 S18 S20 S22 4/1 前 4/2 ~4/2 4/2 4/2 4/2 ~~~

個人情報管理規程

育児のための両立支援制度 制度の概要 ( イメージ ) 出生 1 歳 1 歳 6か月 3 歳就学 パパ ママ育休プラス 1 歳 6 か月延長 ( 子の年齢 ) ⑴ 育児休業 Ⅰ Ⅱ 努力義務 ⑵ 短時間勤務制度 ⑶ 所定外労働の免除 努力義務 努力義務 ⑷ 子の看護休暇 ⑸ 法定時間外労働の制限 ⑹

少子高齢化班後期総括

平成 27 年改正の概要 ( サマリー ) 一般労働者派遣事業 ( 許可制 ) 特定労働者派遣事業 ( 届出制 ) 26 業務 期間制限なし 26 業務以外 原則 1 年 意見聴取により最長 3 年まで 規定なし 規定なし 1. 許可制への統一 2. 派遣契約の期間制限について すべての労働者派遣事

図 1 年金の支給開始年齢の引上げスケジュール めることになっているため 再 任 用 制 度を 用すること 定年退職者を臨時職員や非常勤嘱託など 再 雇 用 再 任 用 制 度が導 入される以 前 の動きを受けて 地方 自 治 体においても再 で雇用する際に使われていた言葉 設けていないところもあり

Transcription:

改正高年齢者雇用安定法 ( 平成 25 年 4 月 1 日施行 ) 平成 25 年 4 月 1 日に 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律が施行されます 現在 高年齢者雇用安定法の規定により 歳未満の定年は原則として禁止されていますが 老齢厚生年金の支給開始年齢の段階的な引き上げに伴い 平成 25 年 4 月 1 日以降 歳での定年退職から年金支給開始までの期間に無収入となる方達が出てきます これを防止するために 雇用と年金とを確実に接続させることを目的として今回の法改正がなされました あわせて 現在 歳定年退職者に対する継続雇用制度を導入している企業に対し 再雇用先の範囲を拡大する規定が設けられました 本レポートで改正の主旨をまとめましたので 各企業様における就業規則や労使協定の内容と併せてご確認頂き 今後の高年齢者の労務管理にご活用下さい 1. 継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止 改正点 定年後の継続雇用制度の対象となる高年齢者について 事業主が労使協定により定める基準により限定できる仕組みが廃止されます 現在 法律により 歳を下回る定年は原則として禁止されています しかし 歳以上の定年を定めている場合でも 歳未満の定年を定めている事業主に対しては 定年後の 高年齢者雇用確保措置 として 以下の 3 つのいずれかの措置を取ることが法律により義務付けられています < 高年齢者雇用確保措置 > 1 定年の引上げ ( たとえば 従来 歳であった定年を 63 歳に変更すること ) 2 継続雇用制度の導入 ( 定年で一旦退職した従業員のうち 希望者を再雇用すること ) 3 定年の定めの廃止 ( 定年の制度そのものを廃止すること ) 今回改正が行われたのは 2 継続雇用制度の導入 に関するものです 従来 継続雇用制度により従業員を再雇用する場合には 労使協定 ( 過半数労働者で組織される労働組合あるいは過半数労働者の代表者との書面による協定 ) を締結することで 継続雇用の対象となる高年齢者に係る 基準 を定めることが可能とされていました 基準とは たとえば 勤務態度が良好な者 勤続 年以上の者 健康診断の結果に異常が認められない者 といったものがあり その要件に該当しない従業員を継続雇用の対象としないことが認められておりました ( 巻末 : 参考 1) 1

今回の改正によってこの規定が廃止され 労使協定の基準を設けることで対象者を選別することができなくなり 希望者全員を再雇用しなければならなくなりました ただし 今回の改正には 一定の期間の経過措置が設けられております つまり 平成 25 年 4 月 1 日以降であっても直ちに希望者全員を 歳まで再雇用する必要はなく 老齢厚生年金の支給開始年齢の段階的引き上げに合わせ その年齢までは希望者全員を再雇用しなければならないものの それ以降の年齢の方に関しては 従前通り労使協定の基準を満たさない方は継続雇用の対象外とすることができます 期間労使協定の基準により対象外とできる人 平成 25 年 4 月 1 日 ~28 年 3 月 31 日平成 28 年 4 月 1 日 ~31 年 3 月 31 日平成 31 年 4 月 1 日 ~34 年 3 月 31 日平成 34 年 4 月 1 日 ~37 年 3 月 31 日 61 歳以上の方 ( 昭和 28 年 4 月 2 日 ~30 年 4 月 1 日生まれ ) 62 歳以上の方 ( 昭和 30 年 4 月 2 日 ~32 年 4 月 1 日生まれ ) 63 歳以上の方 ( 昭和 32 年 4 月 2 日 ~34 年 4 月 1 日生まれ ) 64 歳以上の方 ( 昭和 34 年 4 月 2 日 ~36 年 4 月 1 日生まれ ) たとえば 平成 28 年 3 月 31 日までは 61 歳未満の方については希望者全員を雇用しなければなりませんが 61 歳以上の方については従前通り労使協定に定められた基準に該当しない方を継続雇用の対象外とすることができるということです 尚 この経過措置は平成 37 年 3 月 31 日までですので 歳までの全員雇用が完全に義務化されるのは平成 37 年 4 月以降ということになります また 老齢厚生年金の支給開始年齢までは 希望者全員を再雇用しなければならないとされているものの 心身の故障のため業務の遂行に堪えない者に限って対象としないことができる という例外規定が新設されました 具体的にどの程度の健康状態の者を規定の対象外とするかについては 客観的合理性や社会的相当性も考慮し 今後 政府が指針を定めるものとされています 今回の法改正に伴い 就業規則の整備が必要となりますが 平成 18 年に高年齢者雇用安定法が改正された際に労使協定にて継続雇用基準を設けた企業は 当該協定を廃止するのではなく 当該協定を残しつつ 就業規則に経過措置の規定を定めることで対応するのが適切です 巻末に規定例 ( 参考 2) 及び経過措置のイメージ図 ( 参考 3) を掲載しますので ご参考にして下さい 2

2. 継続雇用制度の対象者を雇用する企業範囲の拡大 改正点 継続雇用制度の対象となる高年齢者が雇用される企業の範囲をグループ企業まで拡大することとされました 従来 労働者を継続雇用できるとされていたのは 定年を迎えたときに在籍していた会社または子 会社となっておりましたが 今後はその範囲をグループ企業まで拡大することとなりました < 雇用確保対象先となる特殊関係事業主 > 1 親会社 2 子会社 (50% 以上の議決権を有すること ) 3 親会社の子会社 ( 同一の親会社を持つ子会社間 ) 改正により追加 4 関連会社 (20% 以上の議決権を有すること ) 改正により追加 しかし この制度を利用して たとえば親会社を定年退職し 子会社に継続雇用された場合には 親会社が子会社に継続雇用された労働者の労働組合法上の使用者に当たるとして 団体交渉義務を負担するリスクが懸念されるため あまりお勧めできません 3. 義務違反の企業に対する公表規定の導入 改正点 高年齢者雇用確保措置義務に関する勧告に従わない企業は 企業名が公表されます 従来 高年齢者雇用確保措置に関して違反がある場合には 行政指導の方法としては 指導 助言 及び勧告までとなっていました 今回の改正では 雇用確保措置の実施の徹底を図るため 事業主に対してより強制力のある 企業名公表 という方法が追加されました 3

( 参考 1) 定年後継続雇用者の基準に関する労使協定 株式会社 ( 以下 会社 という ) と 従業員代表 は 高年齢者雇用 安定法第 9 条 2 項により 定年後継続雇用制度の対象となる高年齢者に関する基準について 次 のとおり協定する 第 1 条 就業規則第 条 ( 定年 ) により定年後継続雇用制度の対象となる者は 定年到達者が引続き勤務を希望し 且つ 次に掲げる基準または条件のいずれにも適合する者とする 1 直近の健康診断の結果が良好で 心身ともに健康である者 2 過去 5 年間において 懲戒処分を受けたことの無い者 3 引き続き勤務する意欲があり 勤務態度が良好な者 4 勤務成績 業績考課が普通の水準以上である者 5 指導教育の技能を有する者 6 勤続 10 年以上の者 7 会社が職種転換 短時間勤務等を要求する場合に それに応じられる者 第 2 条 契約の更新は 前条に定める基準を全て満たし 且つ本人が更新を希望した場合は 法で定める上限年齢まで契約を更新する ただし 担当業務の消滅 会社の業務上の必要性がある場合には 更新しないことがある 第 3 条 再雇用契約時 及び契約更新時の労働条件については 第 1 条の基準を満たした者の能力 健康状態 会社の経営環境及び職場の要員状況を総合的に判断して 個人ごとに会社が決定の上 別途労働契約書により定めるものとし 1 年毎に見直すものとする 第 4 条 第 1 条に定める基準は会社の業績 経営環境の変化により労使の合意の上 改定を行うことがある 第 5 条 定年後継続雇用制度の対象となる者の基準に関して 本協定に定めのない事項が生じた場合は 会社 従業員代表が協議の上 円満に解決を図るものとする なお 協議が調わない場合は 会社が決定するものとする 第 6 条 本協定の有効期間は 平成 23 年 4 月 1 日から平成 24 年 3 月 31 日までとする ただし 有効期間満了の 1 ヶ月前までに 会社 従業員代表いずれからも申し出が無い場合には さらに 1 年間有効期間を延長するものとし 以降も同様とする 平成 23 年 3 月 31 日 株式会社 代表取締役 印 従業員代表 : 印 4

( 参考 2) 就業規則の 定年の条文 に関する規定例 1. 継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止 と併せてご覧下さい パターン1 ~ 経過措置の全段階について就業規則で変更する場合の例 ~ ( 定年 ) 第 条社員の定年は 満 歳とし 定年に達した日 ( 誕生日 ) をもって 自然退職とする 2 前項にかかわらず 定年到達日以降であっても 本人が希望する場合には 以下の定める期間に応じて 以下に定める年齢に達する日 ( 誕生日 ) まで 希望者全員を嘱託として再雇用する ただし 第 条 ( 当然退職 ) または第 条 ( 普通解雇 ) に定める解雇事由に該当する場合には 再雇用しないものとする 期間雇用確保期間 平成 25 年 4 月 1 日 ~ 平成 28 年 3 月 31 日平成 28 年 4 月 1 日 ~ 平成 31 年 3 月 31 日平成 31 年 4 月 1 日 ~ 平成 34 年 3 月 31 日平成 34 年 4 月 1 日 ~ 平成 37 年 3 月 31 日平成 37 年 4 月 1 日 ~ 平成 28 年 3 月 31 日 61 歳まで 62 歳まで 63 歳まで 64 歳まで 歳まで 3 4 前項に定める年齢に達する日 ( 誕生日 ) 以降であっても 本人が希望する場合には 別途 定年後継続雇用者の基準に関する労使協定 により 最長満 歳に達する日 ( 誕生日 ) まで 嘱託として再雇用することがある 前二項による再雇用契約時 及び契約更新時の労働条件については 個人ごとに会社が決定の上 別途労働契約書により定めるものとし 1 年毎に見直すものとする パターン2 ~ 経過措置の段階ごとに就業規則を変更する場合の例 ~ ( 定年 ) 第 条社員の定年は 満 歳とし 定年に達した日 ( 誕生日 ) をもって 自然退職とする 2 前項にかかわらず 別途 定年後継続雇用者の基準に関する労使協定 により 定年到達日以降であっても 最長満 歳まで 嘱託として再雇用することがある ただし 平成 25 年 4 月 1 日から同 28 年 3 月 31 日までの間については 定年により退職し 満 61 歳 ( 誕生日 ) に到達するまでの間は 当該労使協定を適用せず 希望者は第 条 ( 当然退職 ) または第 条 ( 普通解雇 ) に定める解雇事由に該当しない限り 再雇用するものとする 5

( 参考 3) 改正高年齢者雇用安定法の経過措置のイメージ 6 生年月日 S27.4.2 ~ S28.4.2 ~ S29.4.2 ~ S30.4.2 ~ S31.4.2 ~ S32.4.2 ~ S33.4.2 ~ S34.4.2 ~ S35.4.2 ~ S36.4.2 ~ S37.4.2 ~ S38.4.2 ~ S39.4.2 ~ S40.4.2 ~ 年月日 年齢 S28.4.1 年金支給開始年齢雇用確保義務年齢 S29.4.1 年金支給開始年齢雇用確保義務年齢 S30.4.1 年金支給開始年齢雇用確保義務年齢 S31.4.1 年金支給開始年齢雇用確保義務年齢 S32.4.1 年金支給開始年齢雇用確保義務年齢 S33.4.1 年金支給開始年齢雇用確保義務年齢 S34.4.1 年金支給開始年齢雇用確保義務年齢 S35.4.1 年金支給開始年齢雇用確保義務年齢 S36.4.1 年金支給開始年齢雇用確保義務年齢 S37.4.1 年金支給開始年齢雇用確保義務年齢 S38.4.1 年金支給開始年齢雇用確保義務年齢 S39.4.1 年金支給開始年齢雇用確保義務年齢 S40.4.1 年金支給開始年齢雇用確保義務年齢 S41.4.1 年金支給開始年齢雇用確保義務 H24.4.1 H37.4.1 H38.4.1 H39.4.1 H40.4.1 H41.4.1 ~ ~ ~ ~ H38.3.31 H40.3.31 H41.3.31 H42.3.31 H25.4.1 H26.4.1 H27.4.1 H28.4.1 H29.4.1 H30.4.1 H31.4.1 H32.4.1 H33.4.1 H34.4.1 H35.4.1 H36.4.1 H42.4.1 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ H25.3.31 H26.3.31 H27.3.31 H28.3.31 H29.3.31 H30.3.31 H31.3.31 H32.3.31 H33.3.31 H34.3.31 H35.3.31 H36.3.31 H37.3.31 H39.3.31 H43.3.31 61 64 64 64 64 61 62 63 64 61 62 61 62 63 64 62 61 62 63 64 63 62 63 64 63 62 63 64 64 63 64 61 62 63 63 61 62 63 64 61 62 64 63 61 62 61 歳到達 老齢厚生年金支給開始年齢 雇用確保義務 労使協定による再雇用基準が適用可能な期間 64 64 63 64 64 62 63 64 64