1 ファイナンス応用研究 第 7 回 2014 年 8 月 16 日 畠田
2 資本支出予算における実 際の問題 文献 BMA 第 10 章 Berk J., and DeMarzo, P., Cororae Finance, Ch 8,Pearson, 2013, ( 久保田, 芹田, 竹原, 徳永, 山内訳, コーポレートファイナンス : 入門編, 第 7 章, 丸善,2014 年 ) 砂川, 川北, 杉浦, 日本企業のコーポレートファイナンス, 第 2 章, 第 3 章, 第 4 章, 第 5 章, 日本経済新聞出版社,2009 年
3 7.1 はじめに 将来の CF に影響する外生的な要因 ( 顧客の需要, 原材料の価格など ) の多くは, 現時点では不確実である それ故, 外生的な要因がどのような値になるかに応じて, 将来の CF が影響され, さらに, 現在価値が影響され, そして, 最終的には, 企業の投資決定が影響されうるかもしれない 今回は, 投資決定に影響を与える決定的な要因とは何かを特定化するための分析手法を提示する CF の予測に影響する外生的な要因 ( 企業自らコントロールできない要因 ) に着目し, それらが投資決定にどう影響を与えるかを分析する 分析手法は4つある 1 感応度分析 (Sensiiviy Analysis) 2シナリオ分析 (Scenario Analysis) 3シミュレーション分析 (Simulaion Analysis) 4 損益分岐点分析 (Break Even Analysis)
4 7.1 はじめに 感応度分析 (Sensiiviy Analysis) とは, ある 1 つの外生的な要因に対して特別な状況 ( 値 ) を設定することで, 将来の CF や投資決定がどうなるかを分析する手法である シナリオ分析 (Scenario Analysis) とは, 感応度分析の一種で, ある外生的な要因に注目するのではなく, いくつかの外生的な要因の特別な状況 ( 値 ) によって作成されたシナリオの下で, 将来の CF や投資決定がどうなるかを分析する手法である シミュレーション分析 (Simulaion Analysis) とは, ある外生的な要因に対して確定的な状況 ( 値 ) を想定する感応度分析とは異なり, まず, ある外生的な要因の確率分布を, シミュレーションによって計算する すなわち, 外生的な要因の状況 ( 値 ) そのものではなく, その起こりやすさが, 将来の CF や投資決定へどう影響するかを分析する手法である ( 具体的な手法の解説は,BMA の 10.2 を参照せよ ) 損益分岐点分析 (Break Even Analysis) とは, 投資決定が無差別となる状況 [NPV=0] で, ある外生的な要因がどのような値をとるのかを分析する手法である
5 7.2 感応度分析 FCF = 1 法人税率 税引前利益 + 減価償却費 - 資本支出 例 1:BMA 第 10 章 10.1 のケース 資本支出 ( 億円 ) 150 資本コスト 10% 法人税率 50% (CF 予測に対する ) 外生的要因 期間 10 会計上の処分価値 ( 最終期の残存価値 ) 0 市場有占度 (%) 10% 市場規模 ( 万台 ) 100 単価 ( 万円 ) 37.5 単価当たり変動費 ( 万円 ) 30 固定費 ( 億円 ) 30 販売費用 = 販売台数 変動費 + 固定費 = 市場占有度 市場規模 変動費 + 固定費 売上高 = 販売台数 価格 = 市場占有度 市場規模 価格 FCFの計算 2013 年度 2014 年度 -2023 年度 資本支出 ( 億円 ) 150 売上高 ( 億円 ) 375 販売費用 [ 減価償却費を含まない ]( 億円 ) 330 減価償却費 ( 億円 ) 15 税引前利益 ( 億円 ) 30 税金 ( 億円 ) 15 税引後利益 ( 億円 ) 15 FCF -150 30 PV of FCF (NPV) 34.34 PV of FCF (NPV) = 150 + =1 10 30 1+0.1 = 34.34
6 7.2 感応度分析 例 1:BMA 第 10 章 10.1 のケース 資本支出 ( 億円 ) 150 資本コスト 10% 法人税率 50% 期間 10 会計上の処分価値 ( 最終期の残存価値 ) 0 (CF 予測に対する ) 外生的要因 変動幅 PV of FCF (NPV) 悲観値期待値楽観値悲観値期待値楽観値 市場有占度 (%) 4% 10% 16% -103.92 34.34 172.59 市場規模 ( 万台 ) 90.0 100.0 110.0 11.29 34.34 57.38 単価 ( 万円 ) 35.0 37.5 38.0-42.47 34.34 49.70 単価当たり変動費 ( 万円 ) 36.0 30.0 27.5-150.00 34.34 114 固定費 ( 億円 ) 40.0 30.0 20.0 3.61 34.34 65.06 市場占有度, 単価, 変動費において, 悲観的な見通しが予想される場合, PV of FCF (NPV) がマイナスになる 悲観的な見通しの下で,PV of FCF (NPV) がマイナスになることは避けられないか? 例えば, 変動費の不確実性に着目する
7 7.2 感応度分析 例 1:BMA 第 10 章 10.1 のケース 事前的に変動費の不確実性を除去する方法があるかどうか? 例えば, 変動費の不確実性の原因の一部として, 製造部門での機械がうまく作動しないという悲観的な状況になった場合,1 単位あたり 2 万円の追加的な変動費が発生してしまうとする 但し, この発生確率は 10% とする 機械が作動しないことで発生する追加費用の現在価値 [ 税引き後ベース ]: 10 1 0.5 2 万円 10 万台 PV = =1 = 61.45 1+0.1 10 ここで,1000 万円の事前投資を実施することで, こうした事象を除去できるとする (BMA では試運転 ) この事前投資の PV of FCF (NPV ) は 10 NPV = 0.1 + 0.1 1 0.5 2 万円 10 万台 +0.9 1 0.5 0 万円 10 万台 =1 1+0.1 10 = 6.04 > 0 事前投資を実施することで発生する費用 事前投資を実施することで節約できる費用の現在価値の期待値 よって, この事前投資は不確実性を除去し, 事業価値は 40.38 に上昇する
8 7.3 シナリオ分析 感応度分析では,1 つの外生的な要因のみを変化させたときの将来の CF や NPV の変化に着目したが, シナリオ分析では, あるシナリオの下で, 複数の外生的な要因を変化させることによって, それらがどうなるかを分析する 例 2:BMA 第 10 章 10.1 のケース 基本ケース 原油価格高騰, 景気後退 資本支出 ( 億円 ) 150 150 資本コスト 10% 10% 法人税率 50% 50% (CF 予測に対する ) 外生的要因期間 10 10 会計上の処分価値 ( 最終期の残存価値 ) 0 0 市場有占度 (%) 10% 13% 市場規模 ( 万台 ) 100 80 単価 ( 万円 ) 37.5 43.13 単価当たり変動費 ( 万円 ) 30 34.5 固定費 ( 億円 ) 30 35 2013 年度 2014 年度 -2023 年度 2013 年度 2014 年度 -2023 年度 資本支出 ( 億円 ) 150 150 売上高 ( 億円 ) 375.00 448.55 販売費用 [ 減価償却費を含まない ]( 億円 ) 330.00 393.80 減価償却費 ( 億円 ) 15.00 15.00 税引き前利益 ( 億円 ) 30.00 39.75 税金 ( 億円 ) 15.00 19.88 税引き後利益 ( 億円 ) 15.00 19.88 FCF -150.00 30.00-150.00 34.88 PV of FCF (NPV) 34.34 64.30
9 7.4 損益分岐点分析 損益分岐点分析とは, 投資決定が無差別となる状況 [PV of FCF(NPV)=0] では, ある外生的な要因がどのような値をとるのかを分析する手法である ファイナンスでは, 現在価値の概念の重視していることもあり, 会計学で使われている損益分岐点分析とは異なる
10 7.4 損益分岐点分析 例 3: 販売台数に対する損益分岐点 販売台数 = 市場占有度 PV of FCF (NPV) 市場規模 ( 万台 ) 0-196.08 1-173.04 2-150.00 3-126.96 4-103.92 5-80.87 6-57.83 7-34.79 8-11.75 9 11.29 10 34.34 11 57.38 12 80.42 13 103.46 14 126.51 15 149.55 16 172.59 17 195.63 18 218.67 19 241.72 20 264.76 300.00 200.00 100.00 0.00-100.00-200.00-300.00 PV of FCF (NPV) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
11 今までの投資決定問題は, = 0 時点での決定に着目し, それ以降の投資決定については明示的に考慮していなかった 例えば, ある資産 ( 事業 ) の投資決定を行った後, 企業はある意味黙々とその資産 ( 事業 ) を運用する すなわち, 将来の CF や NPV の変動をもたらす要因は, 外生的である CFO は, 事前に外生的な要因を識別し, その起こりやすさを吟味する ( 感応度分析, シナリオ分析, 損益分岐点分析など ) ことで, 正確な意思決定につなげることができる しかしながら, 将来の CF や NPV は, 外生的な要因だけでなく, 投資決定を行った後の企業自らの追加的な投資決定 ( 計画を修正する意思決定 ) によっても変動する 例えば, 消費者の高い需要を確認したとき, 企業は生産ラインを拡張する投資や事業買収を行い, 逆のケースでは, 生産ラインを縮小したり, 事業売却 清算を行う JR 大阪三越伊勢丹の早すぎる撤退 は, リアルオプションの文脈で説明できるかもしれない
12 将来の CF や NPV を予測する際, 外生的な要因だけでなく, 企業自ら計画を修正する追加的な決定も考慮する必要がある この内生的な要因は, リアルオプションと呼ばれる ここでは, リアルオプションの存在が将来の CF や NPV にどのような影響をもたらすか, すなわち, リアルオプションの価値を説明する 留意すべきことは, 追加的な意思決定が行われるのは, 外生的な要因の 1 つが判明した - 不確実性が解消された - 後である
13 内生的な要因を考慮した場合,NPV がどのように修正されるかを, ディシジョンツリー (decision ree) を使って見てみよう 例 4: 拡張オプション (BMA 第 10 章 10.3) は企業の決定手番 は自然の決定手番 ( が より先にある場合, の決定には不確実性が存在する )
14 第 2 期 = 2 例 5: マグチャーター社 (BMA 第 10 章 10.3) 第 0 期 = 0 第 1 期 = 1 意思決定 1 ターボプロペラ機の購入 or ピストン機の購入 1 1 意思決定 2 ピストン機の購入を決定後, 需要大の下で事業拡張 ( リアルオプションを行使 ) or 事業拡張せず ( リアルオプションを行使せず )
15 第 2 期 = 2 例 5: マグチャーター社 (BMA 第 10 章 10.3) 第 0 期 = 0 第 1 期 = 1 リアルオプションの評価と意思決定を考える 1 1 1 ピストン機を導入 2 需要大が実現 3 事業拡張するかどうかの意思決定を考える 事業拡張したときの NPV と事業拡張しなかったときの NPV の比較
16 第 1 期 = 1 第 2 期 = 2 ピストン機の購入においては,1 年目の 需要大の状況が明らかになって ( = 1 の需要に関する不確実性の解消を受け て ), 企業は事業修正の意思決定 ( = 1) を行う リアルオプションが存在 事業拡張したときの期待 CF e,2 = 0.8 800 + 0.2 100 = 660 NPV e,1 = 150 + 660 = 450 事業拡張しないときの期待 CF u,2 NPV u,1 = 0 + 364 = 331 CF の予測値として CF の期待値を用いる CF の予測値として CF の期待値を用いる = 0.8 410 + 0.2 180 = 364 NPV e,1 > NPV u,1 より, ピストン機の購入においては,1 年目の需要大の状況を知ると, 企業は事業の拡張を行う
17 第 1 期 = 1 第 2 期 = 2 ピストン機の購入においては,1 年目の 需要大の状況が明らかになって ( = 1 の需要に関する不確実性の解消を受け て ), 企業は事業修正の意思決定 ( = 1) を行う リアルオプションが存在 事業拡張したときの期待 CF e,2 = 0.8 800 + 0.2 100 = 660 事業拡張したときのNPV e,1 = 150 + 660 = 450 事業拡張しないときの期待 CF u,2 = 0.8 410 + 0.2 180 = 364 事業拡張しないときのNPV u,1 = 0 + 364 = 331 0 期待 CF e,2 660 NPV e,1 = 150 + 660 = 450 期待 CF u,2 364 NPV u,1 = 0 + 364 = 331 NPV e,1 > NPV u,1 より, ピストン機の購入においては,1 年目の需要大の状況を知ると, 企業は事業の拡張を行う
18 第 2 期 = 2 例 5: マグチャーター社 (BMA 第 10 章 10.3) 第 0 期 = 0 第 1 期 = 1 1 1 1 ピストン機を導入 2 需要大が実現 3 事業拡張する
19 第 0 期 = 0 第 1 期 = 1 第 2 期 = 2
20 第 0 期 = 0 第 1 期 = 1 第 2 期 = 2 CF l,1 = 100 150 期待 CF l,2 = 0.8 800 + 0.2 100 = 660 CF s,1 = 50 期待 CF s,2 = 0.4 220 + 0.6 100 = 148
21 ピストン機を購入するとき ( =0) の期待 FV 1 = 需要大のとき ( = 1) の確率 0.6 需要大のとき ( = 1) の期待 FV l,1 + 需要小のとき ( = 1) の確率 (0.4) 需要小のとき ( = 1) の期待 FV s,1 需要大のとき ( = 1) の期待 FV l,1 = 100 150 CF l,1 + 期待 CF l,2 = 50 + 660 = 550 需要小のとき ( = 1) の期待 FV s,1 = 50 CF s,1 + 期待 CF s,2 = 50 + 148 = 185
22 第 0 期 = 0 第 1 期 = 1 第 2 期 = 2 期待 FV l,1 = 550 期待 CF l,2 = 0.8 800 + 0.2 100 = 660 期待 FV s,1 = 185 期待 CF s,2 = 0.4 220 + 0.6 100 = 148
23 ピストン機を購入するとき ( =0) の期待 FV 1 期待 FV 1 = 0.6 期待 FV l,1 + 0.4 期待 FV s,1 = 0.6 550 + 0.4 185 = 404 ピストン機を購入に関する NPV 0 期待 FV 1 NPV 0 = CF 0 + = 250 + 404 = 117
24 第 0 期 = 0 第 1 期 = 1 第 2 期 = 2 NPV 0 = CF 期待 FV 0 + 1 = 250 + 404 = 117 > 0 期待 FV l,1 = 100 150 + CF l,1 期待 CF l,2 期待 CF l,2 = 0.8 800 + 0.2 100 = 660 = 550 期待 FV 1 = 0.6 550 + 0.4 185 = 404 期待 FV s,1 = 50 + CF s,1 期待 CF s,2 = 185 期待 CF s,2 = 0.4 220 + 0.6 100 = 148
25 第 1 期 = 1 第 2 期 = 2 例 5: マグチャーター社 (BMA 第 10 章 10.3) 第 0 期 = 0 1 1
26 ターボプロペラ機を購入するとき ( =0) の期待 FV 1 = 需要大のとき ( = 1) の確率 (0.6) 需要大のとき ( = 1) の期待 FV l,1 + 需要小のとき ( = 1) の確率 (0.4) 需要小のとき ( = 1) の期待 FV s,1 需要大のとき ( = 1) の期待 F l,1 需要小のとき ( = 1) の期待 F s,1 = CF l,1 + 期待 CF l,2 = 150 + 0.8 960+0.2 220 = 888 期待 CF = CF s,1 + s,2 = 30 + 0.4 930+0.6 140 = 444
27 第 0 期 = 0 第 1 期 = 1 第 2 期 = 2 FV = 100 150 + 期待 FV l,1 = 150 + 812 = 888 0.8 800 + 0.2 100 = 550 NPV u.1 期待 CF l,2 = 0.8 960 + 0.2 220 = 812 期待 FV s,1 = 30 + 456 = 444 期待 CF s,2 = 0.4 930 + 0.6 140 = 456
28 ターボプロペラ機を購入するとき ( =0) の期待 FV 1 期待 FV 1 = 0.6 期待 FV l,1 = 0.6 888 + 0.4 444 = 710 + 0.4 期待 FV s,1 ターボプロペラ機を購入に関する NPV 0 期待 FV 1 NPV 0 = CF 0 + = 550 + 710 = 96
29 第 0 期 = 0 第 1 期 = 1 第 2 期 = 2 FV FV 0.8 800 + 0.2 0.8 100 800 + 0.2 100 = 100 150 + = 100 150 + NPV u.1 0.8 960 NPV + 0.2 期待 FV u.1 220 0.8 = 550 = 550 l,1 = 150 800 + + 0.2 100 = 888 FV = 100 150 + = 550 NPV u.1 FV FV 0.8 800 + 0.2 0.8 100 800 + 0.2 100 0.4 930 + 0.6 140 = 100 150 期待 + = FV 100 150 s,1 = 30 + = 445 期待 FV 1 = 0.6 888 + 0.4 445 = 710 = 550 = 550 NPV u.1 NPV u.1 NPV 0 = CF 期待 FV 1 0 + = 550 + 0.6 888+0.4 445 = 96
30 例 5: マグチャーター社 (BMA 第 10 章 10.3) 意思決定 1 ターボプロペラ機の購入 or ピストン機の購入 第 0 期 = 0 1 1 第 1 期 = 1 NPV 0 = CF 期待 FV 1 0 + = 550 + 0.6 888+0.4 445 = 96 FV 0.8 800 + 0.2 100 = 結論 100 150 : NPV+ 0 > NPV 0 ピストン機を購入すべきである NPV u.1 = 550 期待 FV 1 NPV 0 = CF 0 + = 250 + 404 = 117 > 0
31 補足 : オプションを行使しない, オプションが存在しない場合 ピストン機を購入するとき ( =0) の期待 FV 1,n = 需要大のとき ( = 1) の確率 0.6 需要大のとき ( = 1) の期待 FV l,1,n + 需要小のとき ( = 1) の確率 (0.4) 需要小のとき ( = 1) の期待 FV s,1,n 需要大のとき ( = 1) の期待 FV l,1,n = 100 + 0.8 410+0.2 180 需要小のとき ( = 1) の期待 FV s,1,n = 50 + 0.4 220+0.6 100 ピストン機を購入するとき ( =0) の期待 FV 1,n FV 1,n = 0.6 431 + 0.4 185 = 332 ピストン機購入に関する NPV = 431 = 185 NPV,n 0 = 250 + 332 = 52 < 96 ターボプロペラ機を購入すべきである 事業を拡張するというオプションの価値 :117 52 = 65
32 第 2 期 = 2 例 5: マグチャーター社 (BMA 第 10 章 10.3) 第 0 期 = 0 第 1 期 = 1 意思決定ターボプロペラ機の購入 or ピストン機の購入 1 1 需要大 (60%) 100
33 第 0 期 = 0 第 1 期 = 1 第 2 期 = 2 需要大 (60%) 100 期待 CF l,2 = 0.8 410 + 0.2 180 = 431 期待 CF s,2 = 0.4 220 + 0.6 100 = 185
34 第 0 期 = 0 第 1 期 = 1 第 2 期 = 2,n NPV,n 0 = CF 期待 FV 0 + 1 = 250 + 332 = 52 > 0 期待 FV l,1 = 100 150 + CF l,1 期待 CF l,2 期待 CF l,2 = 0.8 800 + 0.2 100 = 660 = 550 FV 1,n = 0.6 431 + 0.4 185 = 332 期待 FV s,1 = 50 + CF s,1 期待 CF s,2 = 185 期待 CF s,2 = 0.4 220 + 0.6 100 = 148
35 例 5: マグチャーター社 (BMA 第 10 章 10.3) 意思決定 1 ターボプロペラ機の購入 or ピストン機の購入 第 0 期 = 0 1 1 第 1 期 = 1 NPV 0 = CF 期待 FV 1 0 + = 550 + 0.6 888+0.4 445 = 96 FV 0.8 800 + 0.2 100 = 結論 100 150 : NPV,n + 0 < NPV 0 ターボプロペラ機を購入すべきである NPV u.1 = 550,n NPV,n 0 = CF 期待 FV 0 + 1 = 250 + 332 = 52 > 0
36 7.6 まとめ 不確実性の事前的な対応としては, 感応分析 シナリオ分析を活用 不確実性の事後的な対応としては, リアルオプション分析を活用