CW6_A3657D16.indd

Similar documents
スライド 0

スライド 0

CW6_A3657D14.indd

CW6_A3657D13.indd

(3) 消費支出は実質 5.3% の増加消費支出は1か月平均 3 万 1,276 円で前年に比べ名目 6.7% の増加 実質 5.3% の増加となった ( 統計表第 1 表 ) 最近の動きを実質でみると 平成 2 年は 16.2% の増加となった 25 年は 7.% の減少 26 年は 3.7% の

第 3 節食料消費の動向と食育の推進 表 食料消費支出の対前年実質増減率の推移 平成 17 (2005) 年 18 (2006) 19 (2007) 20 (2008) 21 (2009) 22 (2010) 23 (2011) 24 (2012) 食料

統計から見た三重県のスポーツ施設と県民のスポーツ行動

物価の動向 輸入物価は 2 年に入り 為替レートの円安方向への動きがあったものの 原油や石炭 等の国際価格が下落したことなどから横ばいとなった後 2 年 1 月期をピークとし て下落している このような輸入物価の動きもあり 緩やかに上昇していた国内企業物価は 2 年 1 月期より下落した 年平均でみ


スライド 0

各商品の動きについて 新規出店を含めた全店ベースの前年比でみると 衣料品の減少と飲食料品の増加がここ数年のトレンドとして定着しており 7 年も衣料品は減少し 飲食料品は増加した 衣料品が減少傾向にあるのは 販売形態の多様化により 購入先として衣料品専門店や通販 インターネットショッピングなどの選択肢

Microsoft Word - 55_3

シニア層の健康志向に支えられるフィットネスクラブ

2017 年訪日外客数 ( 総数 ) 出典 : 日本政府観光局 (JNTO) 総数 2,295, ,035, ,205, ,578, ,294, ,346, ,681, ,477

世帯収入 DI 大幅な改善現在の 世帯収入 DI ( 増えた やや増えた ) と回答した割合から 減った やや減った と回答した割合を引いた値 ) は で前回 (11 年 6 月 :-24.6) から +6.8 ポイント上昇した 震災後に混乱していた企業のサプライチェーンが回復し生産体制

2016 年家計調査年報 家計収支編 家計消費傾向と品目別支出金額調査報告書 2017 年 9 月 東松島市商工会

Economic Trends    マクロ経済分析レポート

世帯収入 DI 増えた と 減った 二極化の傾向現在の 世帯収入 DI ( 増えた やや増えた ) と回答した割合から 減った やや減った と回答した割合を引いた値 ) は - で前回 ( 年 6 月 :-8) から - ポイントとなりほぼ横ばいとなった 回答の内訳をみると やや増えた が + ポイ

JNTO

統計トピックスNo.92急増するネットショッピングの実態を探る

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(217 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(216 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

Microsoft Word - H19本文0521PDF.doc

資料1

個人消費の回復を後押しする政策以外の要因~所得の減少に歯止め、節約志向も一段落

SERIまんすりー2月号 今月のみどころ

<4D F736F F F696E74202D F CC8CBB8FF DC82C682DF816A2E B8CDD8AB B83685D>

第3 節第 1 (3) 9 表家計主要項目 ( 二人以上の世帯のうち勤労者世帯 ) と実質消費の増減要因 ( 単位 %) 年 期 消費支出実収入平均消費者可処分所得非消費支出消費性向物価 名目 実質 名目 実質 名目 名目 前年比 [ 実質消費支出への寄与 ] [ 1

[000]目次.indd

訪日外国人消費動向調査 1 韓国 訪日外客数 7,140,165 2,456,165 人 ( 前年比 増 シェア ) 1 人当たり旅行支出 80,529 71,795円 / 人 平均泊数 泊 旅行消費額 5,126 1,978 ( 億円シェア (

お知らせ 平成 27 年 2 月 2 日 公益財団法人京都文化交流コンベンションビューロー 平成 26 年 12 月外国人客宿泊状況調査 の発表について ( 公財 ) 京都文化交流コンベンションビューローでは 京都市内 25 ホテルの協力 を得て月別 国籍別宿泊外国人の状況調査を行っております 平成

季刊 家計経済研究113号_本文p01−100.indd

ECONOMY TOPICS

家計調査からみた新潟の家計の収入・支出面の特徴


家計調査報告 ( 貯蓄 負債編 ) 平成 23 年平均結果速報 ( 二人以上の世帯 ) 目 次 Ⅰ 貯蓄の状況 1 概要 貯蓄の種類別内訳 貯蓄現在高階級別貯蓄の分布状況... 9 Ⅱ 負債の状況 Ⅲ 世帯属性別にみた貯蓄 負債の状況 1 世帯主の職業別の状況

けた この間 生産指数は 上昇傾向で推移した (2) リーマン ショックによる大きな落ち込みとその後の回復局面平成 20 年年初から年央にかけては 米国を中心とする金融不安 景気の減速 原油 原材料価格の高騰などから 景気改善の動きに足踏みが見られたが 生産指数は 高水準で推移していた しかし 平成

2015 年家計調査年報 家計収支編 家計消費傾向と品目別支出金額調査報告書 2016 年 11 月 東松島市商工会

日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

第1章

図表目次 ([ ] 内は詳細結果表の番号 ) 表 1 貯蓄現在高の推移... 4 [8-4 表,8-3 表 ] 図 1 貯蓄現在高階級別世帯分布... 5 [8-1 表,8-3 表 ] 表 2 貯蓄の種類別貯蓄現在高の推移... 6 [8-4 表 ] 図 2 貯蓄の種類別貯蓄現在高及び構成比...

住宅宿泊事業の宿泊実績について 令和元年 5 月 16 日観光庁 ( 平成 31 年 2-3 月分及び平成 30 年度累計値 : 住宅宿泊事業者からの定期報告の集計 ) 概要 住宅宿泊事業の宿泊実績について 住宅宿泊事業法第 14 条に基づく住宅宿泊事業者から の定期報告に基づき観光庁において集計

Ⅰ平成15年平均高知市消費者物価指数の概況

平成28年平均 山形市消費者物価指数

光を巡る現状< 訪日外国人旅行者数の内訳 (2017 年 )> ( 千人 ) 20,000 18,000 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 東アジア : 韓国 台湾 香港 中国 東南アジア + インド : タイ シンガポール

III 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況

訪日数 JNTO 日本政府観光局統計より〇 2 月の訪日外客数 138 万 7,000 人 ( 前年同月 157.6%) 〇中国が月間過去最高 史上初単月で 35 万 9 千人 (359,100 人前年同月 259.8%) 〇東アジア ( 中国 台湾 韓国 香港 ) だけで構成比が約 8 割 ( 前

Newsletterむさしのvol_9.indd

第 2 章 産業社会の変化と勤労者生活

平成 30 年 12 月 19 日特集東京税関 2012 年から輸出金額 数量ともに増加中! 2017 年の輸出金額は 2012 年の 2 倍以上に増加! 2017 年の輸出金額 数量ともに東京税関管内が全国税関で 1 位 はじめに クリスマスパーティーや年末年始 みなさんお菓子を食べる機会がこれか

Microsoft Word ミル消費報告2014

129

42

Microsoft Word - 102第Ⅱ章第1節.doc

このジニ係数は 所得等の格差を示すときに用いられる指標であり 所得等が完全に平等に分配されている場合に比べて どれだけ分配が偏っているかを数値で示す ジニ係数は 0~1の値をとり 0 に近づくほど格差が小さく 1に近づくほど格差が大きいことを表す したがって 年間収入のジニ係数が上昇しているというこ

資料 4 明石市の人口動向のポイント 平成 27 年中の人口の動きと近年の推移 参考資料 1: 人口の動き ( 平成 27 年中の人口動態 ) 参照 ⑴ 総人口 ( 参考資料 1:P.1 P.12~13) 明石市の総人口は平成 27 年 10 月 1 日現在で 293,509 人 POINT 総人口

近畿圏における電気機器の貿易動向 平成 24 年 10 月 22 日大阪税関調査統計課 貿易額推移 近畿圏における電気機器の貿易額は 2000 年に初めて輸出額が 3 兆円を突破し 輸入額が 1 兆円を突破しました 輸出額は 2001 年に一旦減尐しますが その後は右肩上がりで増加し 2005 年に

ニュースリリース 農業景況調査 : 景況 平成 3 1 年 3 月 1 8 日 株式会社日本政策金融公庫 平成 30 年農業景況 DI 天候不順響き大幅大幅低下 < 農業景況調査 ( 平成 31 年 1 月調査 )> 日本政策金融公庫 ( 略称 : 日本公庫 ) 農林水産事業は 融資先の担い手農業者

1 概 況

【No

税・社会保障等を通じた受益と負担について

2 自動車登録台数 ( 台 ) 2,, 図 2 消費税導入 税率引き上げ時における自動車登録台数 ( 三重県 ) の推移 景気後退期, 6, 物品税の廃止による反動増 駆け込み需要 反動減 4, アジア通貨危機平成 9 年 5 月 ~ リーマンショック 2, 平成 9 年 月金融危機 ( 三洋 拓銀

労働力調査(詳細集計)平成29年(2017年)平均(速報)結果の概要

第 3 章 雇用管理の動向と勤労者生活 ては 50 歳台まで上昇する賃金カーブを描いており 他の国々に比して その上昇テンポも大きい また 第 3 (3) 2 図により勤続年数階級別に賃金カーブをみても 男女ともに 上昇カーブを描いており 男性において特に その傾きは大きくなっている なお 女性につ

平成29年版高齢社会白書(全体版)

3.HWIS におけるサービスの拡充 HWISにおいては 平成 15 年度のサービス開始以降 主にハローワーク求人情報の提供を行っている 全国のハローワークで受理した求人情報のうち 求人者からインターネット公開希望があったものを HWIS に公開しているが 公開求人割合は年々増加しており 平成 27

鹿児島県観光動向調査 鹿児島県 PR 観光戦略部観光課 平成 31 年 3 月の観光客の動向 1 概要平成 31 年 3 月における調査対象ホテル 旅館 76 施設の宿泊客数 ( 宿泊延べ人員 ) は 合計 309,924 人で 前年同月比 4.1% 減となった このうち外国人は 41,123 人で

6 月調査 (5 月実績 ) 結果概況 景気判断 DI は現状 見通し共に小幅に下降も 50 を上回る高水準を維持 5 月のスーパーマーケット中核店舗における景気判断 DI 現状判断は前月から-0.3 の 54.8 見通し判断前月から-0.9 の 51.0 となり 共に小幅な下降となったが 引き続き

29 歳以下 3~39 歳 4~49 歳 5~59 歳 6~69 歳 7 歳以上 2 万円未満 2 万円以 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 21 年度 211 年度 212 年度 213 年度 214 年度 215 年度 216 年度

別紙2

社会保障給付の規模 伸びと経済との関係 (2) 年金 平成 16 年年金制度改革において 少子化 高齢化の進展や平均寿命の伸び等に応じて給付水準を調整する マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びはの伸びとほぼ同程度に収まる ( ) マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びは 1.6

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

平成30年版高齢社会白書(概要版)(PDF版)

2 10 大費目指数の動き 平成 29 年の10 大費目指数の動きを寄与度でみると, 光熱 水道 は他の光熱( 灯油 ) や電気代の値上がりなどにより 0.26, 食料 は生鮮魚介, 酒類の値上がりなどにより0.23となり, この2 費目合計で0.49と, 総合指数ののび率 (0.6%) のうち約

Economic Indicators   定例経済指標レポート

2. 特別項目 : 耐久消費財の購入について (1) 購入したい商品 1 位は スマートフォン 生活家電も買い替え需要高い 回答者の世帯において最近 1 年間に購入した耐久消費財は 1 位 スマートフォン (31.9%) 2 位 ルームエアコン (2%) 3 位 LED 照明器具 (17.7%) だ

平成19年6月 

スライド 1

<4D F736F F F696E74202D2090E096BE8E9197BF288A F984A93AD90B68E5990AB82CC8D918DDB94E48A E B8CDD8AB B83685D>

関西の景気動向 2013 年 5 月株式会社日本総合研究所調査部関西経済研究センター 1. 景気の現状関西の景気は 持ち直している 輸出は 円安が進み 米国経済も回復基調をたどるなど 環境が

< 目次 > Ⅰ. 基準シナリオ : 経済成長持続ケース 1. 中間所得層 + 高所得層の推移 2. 中間所得層の推移 3. 高所得層の推移 Ⅱ. シナリオ2: 中国とインド経済が急激にダウンしたら? 1. 中間所得層 + 高所得層の推移 2. 中間所得層の推移 3. 高所得層の推移 Ⅲ. シナリオ

I. 調査結果概況 景気判断 DI( 現状判断 ) は小幅に上昇し最高値を更新 仕入原価高止まりも客単価が上昇 10 月スーパーマーケット中核店舗における景気判断 49.1 と小幅に上昇し 2010 年 4 月の調査開始以降最高値を記録した 経営動向調査によると売上高 DI が 1.1 とはじめてプ

平成8年版 労働経済の分析

1 万人泊で前年同期比は.6% 増 新潟県が 873 万人泊で同.6% 増 長野県が 1,567 万人泊で同 1.1% 増 富山県が 37 万人泊で同 4.8% 増 石川県が 713 万人泊で同.% 減であった なお 全国は 41,796 万人泊で同 1.1% 増であった () 1~1 月の管内の外

1. 自社の業況判断 DI 6 四半期ぶりに大幅下落 1 全体の動向 ( 図 1-1) 現在 (14 年 4-6 月期 ) の業況判断 DI( かなり良い やや良い と回答した企業の割合から かなり悪い やや悪い と回答した企業の割合を引いた値 ) は前回 ( 月期 ) の +19 から 28 ポイ

Newsletterむさしの_2.indd

1.鑑 九州の入国者数の推移Ver.2

トラック運送事業の経営実態 全日本トラック協会は全国のトラック運送事業者 2,188 社 ( 有効数 ) の平成 25 年度事業報告書に基づき集計 分析した 経営分析報告書 ( 平成 25 年度決算版 ) をまとめた 全日本トラック協会が平成 4 年度から発行しているこの報告書は 会員事業者が自社の

平成28年版高齢社会白書(概要版)

【別添3】道内住宅ローン市場動向調査結果(概要版)[1]

平成27年版高齢社会白書(全体版)

目 次 [Ⅰ] 調査方法 2 [Ⅱ] 地域区分図 3 [Ⅲ] アンケート調査票 4~5 [Ⅳ] 第 2 回不動産市況 DI 調査結果の概要 6 [Ⅴ] 設問ごとの回答内訳 [-1] 設問 2,3( 住宅地価格 ) 7~9 [-2] 設問 2,3( 商業地価格 ) 10~12 [-3] 設問 2,3(

化繊輸入は 近年上昇を続けており 2016 年は前年比 10% 増の 43 万トンとなりました 素材別には ポリエステル F 長繊維不織布が中心ですが 2016 年はポリエステル S の輸入も大幅増となりました 化学繊維輸出推移 化学繊維輸入推移 生産が微減 輸出が横ばい 輸

長崎市観光統計について 観光客数長崎市への観光客数は 長崎市が地理的に西の端に位置することに鑑み 長崎市を通過して他都市へ移動する者が少ないと推測し 交通機関別の入込客数に基づき作成している 長崎市への入込交通機関として 鉄道 自動車 船舶及び長崎空港に到着する航空機を加え 各交通機関別の入込客数を

米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

<4D F736F F D BD90AC E937E82CC837B815B B83678C8B89CA5B315D2E646F63>

2. 利益剰余金 ( 内部留保 ) 中部の 1 企業当たりの利益剰余金を見ると 製造業 非製造業ともに平成 24 年度以降増加傾向となっており 平成 27 年度は 過去 10 年間で最高額となっている 全国と比較すると 全産業及び製造業は 過去 10 年間全国を上回った状況が続いているものの 非製造

我が国中小企業の課題と対応策

図表 II-39 都市別 世帯主年齢階級別 固定資産税等額 所得税 社会保険料等額 消 費支出額 居住コスト 年間貯蓄額 ( 住宅ローン無し世帯 ) 単位 :% 東京都特別区 (n=68) 30 代以下 (n=100) 40 代

平成 年 2 月 日総務省統計局 労働力調査 ( 詳細集計 ) 平成 24 年 10~12 月期平均 ( 速報 ) 結果の概要 1 Ⅰ 雇用者 ( 役員を除く ) 1 1 雇用形態 2 非正規の職員 従業員の内訳 Ⅱ 完全失業者 3 1 仕事につけない理由 2 失業期間 3 主な求職方法 4 前職の

Transcription:

第 6 節 消費の動向 経済の好循環を実現していくためには 企業収益の拡大が賃金上昇や雇用拡大につながり 消費の拡大等に結び付くということが重要である 本節においては 雇用 所得環境の改善を受けた個人消費の動向についてみていく 総じてみれば底堅い動きとなった 215 年の消費支出第 1-(6)-1 図では 勤労者世帯における名目の消費支出と実収入の推移を示している 消費支出は おおむね実収入の増減に合わせる形で推移しているが 215 年に入ってからは 勤労者世帯の消費支出が実収入に比べて弱い動きをしていることが分かる まず 実収入の推移をみると 211 年以降 景気の回復に伴い 実収入も回復傾向にあり 28 年のリーマンショック前の水準までは戻っていないものの 215 年 7 月においては 直近で最も水準の高かった 21 年 1 月の水準を超えている その後 落ち込みもみられたものの 足下では再び回復傾向にある 次に 同図において 消費支出の推移をみると 211 年 3 月に底を打った後 回復傾向にあった 2 年 3 月には消費税率引上げ前の駆け込み需要により大きく増加し その反動減により大きく減少した後 消費支出は回復に転じた その後 215 年春頃は 消費者マインドの持ち直しに足踏みがみられる中で 18 天候不順などが響き 落ち込みがみられ 215 年末頃は 暖冬の影響で冬物衣料や灯油などの季節商品が不振だったこともあり 消費税率引上げ直後の 2 年 4 月の水準を下回る水準にまで落ち込んだ 一方 個人消費の包括的な指標である 消費総合指数 ( 内閣府による試算値 ) でみると 215 年は 2 年 4 月の水準を上回って推移しており 19 215 年の消費支出は総じてみれば底堅い動きとなった また 216 年 1 月から 第 1-(6)-1 図 勤労者世帯の消費支出と実収入の推移 215 年の勤労者世帯の消費支出は 総じてみれば底堅い動きとなった (21 年 =1) 11 15 消費支出 実収入 1 9 5 7 9 11 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 27 8 9 1 11 12 13 資料出所 総務省統計局 家計調査 をもとに厚生労働省労働政策担当参事官室にて作成 ( 注 ) 二人以上世帯のうち勤労者世帯の名目 季節調整値 21 年 = 1 18 例えば消費者態度指数でみると 215 年 4 月から 6 月は横ばいに推移している 19 2 年 4 月の消費総合指数 ( 季節調整値 実質総合 25 年 =1) は.4 であり 215 年は 1 月 16.5 2 月 16.4 3 月 17.8 4 月 15.7 5 月 16.2 6 月 16.3 7 月 16.3 8 月 17.1 9 月 16.5 1 月 16.4 11 月 15.4 12 月 15.5 となっている 62

6節 消費の動向63 3 月については 消費支出はおおむね横ばいの推移となっている 品目別に名目での前年からの増減率をみると 食料品の値上げの影響から 食料 が 4.4% 増加した 一方 原油価格の下落の影響を受け 電気代などの 光熱 水道 自動車等関係 費などの 交通 通信 が減少したほか 暖冬の影響により冬物衣料が奮わなかったことから 被服及び履物 も減少した ( 付 1-(6)-1 表 ) 第 1 章労働経済の推移と特徴 消費者マインドは足踏みがみられる消費の動向は所得以外の要因 消費者のマインドにも影響を受ける そこで 第 1-(6)-2 図により 消費者態度指数 の推移をみていこう 消費者態度指数は 213 年に入り 雇用環境 を中心に改善したものの 213 年後半からは 低下傾向となった 2 年 4 月の消費税率引上げ後にいったん回復の動きをみせたが 2 年後半から再び弱さがみられた 215 年に入ってからは緩やかながら持ち直しの動きがみられたものの 216 年に入り 消費者マインドの回復には足踏みがみられる状態が続いている 項目別に 215 年の推移をみると 消費者態度指数全体では 215 年 1 月から 12 月までで 3.3 第ポイント上昇しており 中でも 暮らし向き の指標は 4.9 ポイントと大きく上昇している 雇用環境 については.7 ポイントの上昇にとどまっているものの 水準自体は他の意識指標と比べて高い水準で推移している 第 1-(6)-2 図消費者態度指数の推移 消費者態度指数をみると 消費者マインドの改善には足踏みがみられる 55 調査法の変更 5 45 4 収入の増え方 35 3 25 暮らし向き 消費者態度指数 雇用環境 耐久消費財の買い時判断 2 15 5 7 9 11 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 27 8 9 1 11 12 13 資料出所 内閣府 消費動向調査 をもとに厚生労働省労働政策担当参事官室にて作成 ( 注 ) 1) 二人以上の世帯 季節調整値 2) 消費者態度指数の作成方法は以下のとおり 1 暮らし向き 収入の増え方 雇用環境 耐久消費財の買い時判断 の4 項目について 今後半年間の見通しについて5 段階評価で回答を求める 25 段階評価のそれぞれ 良くなる 大きくなる に (+1) やや良くなる やや大きくなる に (+.75) 変わらない に(+.5) やや悪くなる やや小さくなる に(+.25) 悪くなる 小さくなる に () の点数を与え これに各回答区分のそれぞれの構成比 (%) を乗じ 乗じた結果を合計して 項目ごとに消費者意識指標 ( 原数値 ) を算出する 34 項目の消費者意識指標 ( 原数値 ) それぞれについて季節調整値を算出し それらを単純平均して消費者態度指数 ( 季節調整値 ) を算出する 3)213 年 4 月調査から 訪問留置調査法から郵送調査法に変更したことにより 不連続が生じている

年間収入階級別にみると第 Ⅰ 階級 第 Ⅲ 階級 第 Ⅳ 階級では 消費の減少がみられる次に 所得階層別に消費の動向をみていこう 第 1-(6)-3 図では 213 年 1 月の消費支出を 1 とし その後の推移を所得階層別に示している 消費支出の推移を 1 消費税の駆け込み需要の影響が強かった 213 年末から 2 年初頭 2 駆け込み需要の反動減からの持ち直しの動きがみられた 2 年中頃から 215 年の初頭 3 足下の動向に分けてみていこう まず 213 年末から 2 年の初頭までの動きをみると 第 Ⅰ 階級 第 Ⅲ 階級においては 大きな駆け込み需要はみられず 第 Ⅱ 階級では 大きな駆け込み需要による影響があったものの 2 年 3 月のみという期間が短いものであった 一方 第 Ⅳ 階級 第 Ⅴ 階級では駆け込み需要が大きく その期間も 213 年夏頃から3 月までという一定の期間に渡って駆け込み需要がみられた 次に 2 年中頃から 215 年初頭までの動きについてみていく ここでは 第 Ⅳ 階級 第 Ⅴ 階級は 駆け込み需要の反動でいったん消費が落ち込んだ後 比較的短期間で 213 年 1 月と同水準まで戻っている一方で 第 Ⅰから第 Ⅲ 階級については 消費の持ち直しが遅く 特に第 Ⅰ 階級での回復が遅く 2 年末になって 213 年 1 月の水準まで回復した 最後に足下の消費の動きについてみていくと 第 Ⅱ 階級 第 Ⅴ 階級においては 215 年中 第 1-(6)-3 図 年間収入階級別消費支出の推移 第 Ⅱ 第 Ⅴ 階級の消費支出は 一進一退の動きもみられるものの 第 Ⅰ 第 Ⅲ 第 Ⅳ 階級では 消費支出の減少がみられる (213 年 1 月 =1) 第 Ⅰ 階級 12 (213 年 1 月 =1) 第 Ⅱ 階級 12 (213 年 1 月 =1) 第 Ⅲ 階級 12 11 15 1 9 213 11 15 1 9 213 11 15 1 9 213 (213 年 1 月 =1) 第 Ⅳ 階級 12 11 15 1 9 (213 年 1 月 =1) 第 Ⅴ 階級 12 11 15 1 9 213 213 資料出所総務省統計局 家計調査 により厚生労働省労働政策担当参事官室にて作成 ( 注 ) 1) 二人以上世帯のうち勤労者世帯の年間収入五分位階級別消費支出について 独自に季節調整を行った上 213 年 1 月を 1 とし その後の推移を示している 2) 各階級は 世帯の年間収入の低い方から高い方へ順に並べて5 等分した5つのグループで 収入の低いグループから第 Ⅰ 第 Ⅱ 第 Ⅲ 第 Ⅳ 第 Ⅴ 階級と呼ぶ 但し 年により対象とする収入の幅は異なる 64

6節 消費の動向65 頃から末頃にかけて 213 年 1 月を超える水準で推移していたものの 足下では一進一退の動きとなっている 一方 第 Ⅰ 階級 第 Ⅲ 階級 第 Ⅳ 階級では 215 年中頃から消費の減少がみられる 第 1 章労働経済の推移と特徴 34 歳以下 45~54 歳 65 歳以上の年齢層で消費の落ち込みがみられる続いて 第 1-(6)-4 図により 年齢階級別の消費の動向をみてみる 34 歳以下の層では 2 年 3 月に消費税率引上げ前の駆け込み需要があり その後は 213 年 1 月の水準を下回る月はあるものの 概ね 213 年 1 月を超える水準が続いており 215 年 8 月には消費税率引上げ前の駆け込み需要を超える水準になったものの 足下では減少傾向がみられる 35~44 歳層については 消費税率引上げ前の駆け込み需要 その後の反動減から堅調に持ち直し 215 年 5 月には 2 年 3 月の次に高い水準に達した後 横ばいとなっている 45~54 歳の層においては 消費税率引上げ前の駆け込み需要が 213 年後半からみられ 反動減からの持ち直しも弱い動きで推移していたが 215 年 5 月に水準が持ち直し 横ばい傾向で推移した後 足下では再び消費の低下がみられている 55~64 歳の年齢層については 消費税率引上げ後第の反動減から すぐに水準を戻したものの 215 年半ばより減少傾向となり その後も弱い動きを続けている また 65 歳以上の年齢層については 消費税率引上げ後の駆け込み需要から 2 年後半に持ち直したものの 215 年中頃から消費水準の低下がみられる 第 1-(6)-4 図年齢階級別消費支出の推移 34 歳以下 45~54 歳 65 歳以上の年齢層で消費の落ち込みがみられる (213 年 1 月 =1) 34 歳以下 (213 年 1 月 =1) 35~44 歳 (213 年 1 月 =1) 45~54 歳 12 11 15 1 9 8 12 11 15 1 9 8 12 11 15 1 9 8 213 213 213 (213 年 1 月 =1) 55~64 歳 (213 年 1 月 =1) 65 歳以上 12 12 11 11 15 15 1 1 9 9 8 8 213 213 資料出所総務省統計局 家計調査 をもとに厚生労働省労働政策担当参事官室にて作成 ( 注 ) 二人以上世帯のうち勤労者世帯の世帯主の年齢階級別消費支出について独自に季節調整を行った上 213 年 1 月を 1 とし その後の推移を示している

コラム 1-6 訪日外国人消費の動向 215 年の訪日外国人旅行者数は 前年比 47.1% 増の 1,974 万人に達した これに比例して 旅行消費額も 215 年は3 兆 4,771 億円 ( 前年比 71.5% 増 ) となり 一人当たり消費額も 17 万 6,167 円 ( 前年比 16.5% 増 ) と推計され いずれも過去最高を更新している 国籍 地域別にみると 中国からの旅行者数が 499 万人 ( 前年比 17.3% 増 ) と 2 年から大きく増加した 一人当たり消費額も 28 万 3,842 円 ( 前年比 22.5% 増 ) と全国籍 地域の平均額 17 万 6,167 円を大きく上回ったことから 215 年の国籍 地域別にみた旅行消費額において 中国が 全体の 4.8% にのぼる1 兆 4,174 億円を占めている また 中国の旅行消費額の費目別の内訳をみると 宿泊費 飲食費 交通費 などの構成割合が全国籍 地域に比べ小さいのに対し 買物代 の構成割合は 全国籍 地域に比べて 15.3 ポイントも大きく 中国からの旅行者の買物支出への選好が高いことが分かる このような中国を中心とした旺盛な訪日外国人消費が引き続き我が国経済にプラスの効果をもたらすことが期待される コラム 1-6 図訪日外国人旅行者数と旅行消費額 ( 人 ) ( 億円 ) 7,, 6,, 5,, 4,, 3,, 2,, 1,, 訪日外国人旅行者数の推移 訪日外国人旅行消費額 ( 右目盛 ) 1, 8, 6, 4, 2, シンガポール 579 億円 1.7% 215 年の旅行消費額の国籍 地域別構成比 ベトナム 361 億円 1.% カナダ 3 億円 1.1% フランス 448 億円 1.3% マレーシア 459 億円 1.3% 英国 545 億円 1.6% タイ 1,21 億円 3.5% 米国 1,8 億円 5.2% フィリピン 34 億円 1.% その他 2,441 億円 7.% 旅行消費額 3 兆 4,771 億円 インドネシア 32 億円.9% 中国,174 億円 4.8% Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 213 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ ( 年 期 ) 韓国台湾中国香港米国オーストラリアその他 オーストラリア 87 億円 2.5% 香港 2,627 億円 7.6% 韓国 3,8 億円 8.7% 台湾 5,27 億円 15.% 訪日外国人旅行消費額の費目別割合 (215 年 ) 全国籍 地域 うち中国 25.8 17.7 18.5 1.6 3..9 7.7 2.2 57.1 41.8 2 4 6 8.3.4 宿泊料金 飲食費 交通費 娯楽サービス費 買物代 その他 1 (%) 訪日外国人旅行者数が多かった国 (215 年 ) 訪日外国人 旅行者数 ( 人 ) 中国 4,993,689 韓国 4,2, 台湾 3,677,75 香港 1,524,292 米国 1,33,258 全国籍 地域 19,737,49 一人当たり旅行消費額が多かった国 (215 年 ) 一人当たり旅行消費額 ( 円 / 人 ) 中国 283,842 オーストラリア 231,349 スペイン 227,288 英国 21,681 フランス 29,333 イタリア 22,77 米国 175,554 香港 172,356 台湾 1,62 韓国 75,169 全国籍 地域 176,167 資料出所 観光庁 訪日外国人消費動向調査 日本政府観光局 (JNTO) 訪日外客数 ( 総数 ) ( 注 ) 215 年の訪日外国人旅行者数は暫定値 216 年 1~3 月期の訪日外国人旅行者数は推計値 旅行消費額総計が多かった国 (215 年 ) 旅行消費額 ( 億円 ) 中国,174 台湾 5,27 韓国 3,8 香港 2,627 米国 1,8 全国籍 地域 34,771 66