1 個人住民税の見直しの方向性 ( その 1) 論点 1 住民税の所得控除については 控除項目 金額ともに所得税の範囲内としてきたところであり 所得税にお いて成年扶養控除 配偶者控除を見直す場合には 税体系上の整合性の観点等から 住民税についても同 様に見直すこととしてはどうか 所得税の給与所得控

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個人住民税の諸控除の見直し 住民税の諸控除については 今後の所得税における控除整理も踏まえ 控除のあり方について検 討を進めます (H22 年度税制改正大綱 ) との方針を踏まえるとともに 地域社会の会費 という住民税 の基本的性格や地域主権改革の観点も勘案し 以下のとおり見直してはどうか 住民税の

1 見直しの視点 個人住民税の諸控除 住民税の所得控除については 控除項目 金額ともに所得税の範囲内としてきたところであり 所得税において成年扶養控除 配偶者控除を見直す場合には 住民税についても同様の検討が必要ではないか 所得税の給与所得控除や退職所得金額の計算方法の見直しは 住民税には原則 自動

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Microsoft Word - 個人住民税について(2018~2022)


Microsoft Word - 個人住民税について

平成 31 年度 ( 平成 30 年分 ) 所得控除 雑損控除 納税義務者又はその者と生計同一の配偶者 その他親族が有する資産について 災害 盗難 横領によ る住宅 家財 現金の損害一定額 控除計算 A B いずれか多い方の金額 A:( 損失額 - 保険金等による補てん額 )-( 総所得金額等の合計


第6回税制調査会 総6-3

所得控除 雑損控除 医療費控除 社会保険料控除等 旧生命保険料控除 旧個人年金保険料控除 ( 実質損失額 - 総所得金額等の合計額 10%) 又は ( 災害関連支出の金額 -5 万円 ) のうち いずれか多い方の金額医療費の実質負担額 -(10 万円と総所得金額等の 5% のいずれか低い金額 ) 限

平成19年度市民税のしおり

個人市民税 控除・税率等の変遷【市民税課】

妙高市 税に関するWEBページ

第2回税制調査会 総2-2

妙高市 税に関するWEBページ

MR通信H22年1月号

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< 所得控除の詳細 > 1 所得控除額計算一覧表 控除名 控除の詳細 控除額町県民税 控除額 参考 所得税 次の イ と ロ のい 次の イ と ロ のい ずれか多い方の金額 ずれか多い方の金額 災害や盗難等により 本人や本 イ ( 損害金額 - 保険 イ ( 損害金額 - 保険 雑損控除 人と同一

地震保険料 寡婦控除寡夫控除 あなたやあたなと生計を一にする配偶者その他の親族が所有している居住用家屋 生活用動産を保険や共済の目的とする契約で かつ 地震 噴火又は津波等を原因とする火災 損壊等による損害の額を補てんする保険金や共済金が支払われる地震保険 また平成 18 年末までに結んだ保険期間

特別障害者控除同居特別障害者寡婦控除特別寡婦控除寡夫控除 障害者控除に該当する場合のうち 障害の程度が身体障害者手帳 1 級または2 級の方や療育手帳 AまたはAの場合 また精神障害者手帳 1 級の場合等 納税者の配偶者その他の親族 ( 扶養親族や配偶者控除を受ける配偶者に限る ) が特別障害者でか

給与の所得金額の算出速算表 収入金額 給与所得の金額 0 ~ 650, ,000 ~ 1,618,999 収入金額 -650,000 1,619,000 ~ 1,619, ,000 1,620,000 ~ 1,621, ,000 1,622,000 ~ 1,6

平成19年度分から

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

3 ページ 4 ページ 5 ページ 5 6 ページ 7 ページ 8 ページ 8 ページ 9 ページ 10 ページ 2

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

Ⅰ 年の中途で行う年末調整の対象となる人 年末調整は 原則として給与の支払者に 給与所得者の扶養控除等 ( 異動 ) 申告書 ( 以下 扶養控除等申告書 といいます ) を提出している人について その年最後に給与の支払をする時に行うことになっていますので 通常は12 月に行うこととなりますが 次に掲

平成19年度税制改正.xls

資料5 表紙

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第5回基礎問題小委員会 礎5-4

賦課の根拠となった法律及び条例(その2)

FX取引に係る確定申告について


所得控除 所得控除とは個人の実情にあった税金を負担していただくために 所得金額から差し引くものです (1) 人的控除人的控除に該当するかどうかは 前年 12 月 31 日の現状によって判定されます ただし その判定の対象となる人が前年中にすでに死亡している場合には その死亡時の現状によって判定されま


PowerPoint プレゼンテーション

第 11 表の 1 平成 25 年度個人の市町村民税の納税義務者等に関する調 所得割のみを納める者 納税義務者 ( 人 ) 所得割額 ( 千円 ) 給与所得者営業等所得者農業所得者その他の所得者給与所得者営業等所得者農業所得者その他の所得者 1 下 関 市

(3) 市町村民税の特別徴収義務者に関する調 ( ロ ) 年金特徴に係る分 特別徴収義務者数 ( 単位 : 人 千円 ) 納税義務者数 特別徴収税額 特別徴収税額の内訳 (b)+(c) 納税義務者数うち均等割のみ (a) 所得割額 (b) 均等割額 (c) 高知市 9 19,810 3,962 60

税法実務コース 所得税 学習スケジュール 回数 学 習 テ ー マ 内 容 第 1 章 テーマ1 所得税の仕組みテーマ2 所得税額の計算テーマ3 非課税所得 所得税の仕組み 税額計算 所得税が課税されないものについて学習します テーマ1 各種所得金額の計算の概要テーマ2 利子所得テーマ3 配当所得

計算してみましょう あなたの個人住民税はいくらになりますか? 高知市に住む T さんの場合 ( サラリーマン ) 家 族 妻 ( パートタイム労働者 収入 120 万円 : 所得 =120 万円 -65 万円 =55 万円 ) 子 人大学生 中学生 収 入 万円 社会保険料 万円 新生命保険料 万円

以下の表のように計算されます 総 所 得 金 額 所得控除 課税総所得金額 退職所得金額 雑 損控除額 課税退職所得金額 山林所得金額 土地等に係る事業所得等の金額 土地建物等に係る譲渡所得金額 医療費 社会保険料 小規模企業共済等掛金 生命保険料 地震保険料 配偶者 配偶者特別 課税山林所得金額

平成16年度

平成28年度 いばらき県税ガイドブック

スライド 1


ワコープラネット/標準テンプレート

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平成16年度

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Q1 市県民税 ( 住民税 ) とはどんな税金ですか? A1 その年の1 月 1 日現在 市内に住所がある個人に対し 前年中の所得 ( 給与 年金 営業 不動産 譲渡などの所得 ) に応じて課税されます また その年の1 月 1 日現在市内に住所がなくても 市内に事務所 事業所又は家屋敷があれば課税


平成13年度 住民税のしおり

税金読本(3-2)住民税(所得割)の計算方法と納税

平成 28 年度市民税 県民税申告の手引き 申告書を提出しなければならない人平成 28 年 1 月 1 日現在 幸手市内に住所を有する人 (1 月 2 日以降に幸手市に転入した人は従前の住所地で申告を行ってください ) ただし 次に該当する人は この申告をする必要はありません 1 平成 27 年分の

町・県民税は次のように計算されます

受付印 平成 29 年度市民税 県民税申告書台帳番号 現住所 宛名番号個人番号 ( マイナンバー ) 明 大 昭 平 明 大 昭 平 明 大 昭 平 明 大 昭 平 明 大 昭 平 続柄 同居 住所 同居 同居 同居 2 別居 別居 別居 別居 専従者控除額 専従者控除額 専従者控除額 特別控除額

給与所得控除 給与収入の金額控除額 162 万 5,000 円以下 65 万円 162 万 5,000 円超 180 万円以下収入金額 40% 180 万円超 360 万円以下収入金額 30% + 18 万円 360 万円超 660 万円以下収入金額 20% + 54 万円 660 万円超 1,00

第13回税制調査会 総務省説明資料(個人住民税)

イ税務署へ確定申告書を提出し 所得税の住宅ローン控除の適用を受けている 退職所得 山林所得がある方 所得税の平均課税の適用を受けている方は 住宅ローン控除申告書を提出することにより控除額が大きくなる場合があります 申告書を提出される方は3 月 15 日 ( 月 ) までに申告してください 申告しなけ

3 総合所得の種類と計算方法 ( 分離所得については市役所にお問い合わせください ) 所得の種類 事業 営農 業 等業 不 動 産 利配給雑 子当与公的年金等その他 ( 総合 ) 譲渡一時 概要農業 漁業 製造業 卸売業 小売業 サービス業その他の事業から生ずる所得建物や土地などの不動産 借地権など

平成24年度 市民税・県民税の申告の手引

給与所得控除 給与収入の金額 控 除 額 162 万 5,000 円以下 65 万円 162 万 5,000 円超 180 万円以下 収入金額 40% 180 万円超 360 万円以下 収入金額 30% + 18 万円 360 万円超 660 万円以下 収入金額 20% + 54 万円 660 万円

第 3 表所得控除表 ( 続 ) ( その 2) 合計 事業所得者 生 命 保 険 料 控 除 一般 個人年金 介護医療 人員 金額 人員 金額 人員 金額 合 70 万円以下 100 万円 150 万円 200 万円 250 万円 300 万円 400 万円 500 万円 600 万円 700 万

(千円未満切り捨て所得控除額総所得金額年税額 平成 31 年度市県民税の計算方法 ( 鳥取市 ) まず 計算の全体の流れを示すと 以下のようになります - = 課税標準額 ) 所得割の税率 6% 所得割の税率 4% 算出所得割額 調整税額控均等割 = 控除額除額額 算出調整税額控均等割

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市・府民税の課税のしくみ

5 事業用の車両等を売却 ( 譲渡 ) した場合の売却益 ( 譲渡益 ) 売却損 ( 譲渡損 ) については 事業所得とはならない 総合課税の譲渡所得 ( 土地 建物以外 ) の扱いになり 所有期間 (5 年超か以下か ) によって長期譲渡所得 短期譲渡所得に区分される 6 使用可能期間が1 年未満

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3 所得から差し引かれる金額に関する事項 及び 4 所得から差し引かれる金額 控除の種類内容 10 雑損控除 11 医療費控除 12 社会保険料控除 13 小規模企業共済 等掛金控除 14 生命保険料控除 15 地震保険料控除 16 寡婦 ( 夫 ) 控除 17 勤労学生控除 18 障害者控除 19

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所得控除 ( 個人の市民税 町民税と同じです )( 法第 34 条 ) 項目控除額 雑損控除 次のいずれか多い金額 1( 損失額 - 保険等により補てんされた金額 )-( 総所得金額等 1/10 ) 2( 災害関連支出の金額 - 保険等により補てんされた金額 )-50,000 円保険等により補総所得

その1 総括表 ( 年末調整を行った1 年を通じて勤務した給与所得者 ) 控 除 対 象 扶 養 親 族 数 親族障害者 区 分 計 特別障害者 給与階級 控除対象うち一般のうち老人扶養親族数うち特定うち扶養親族数控除対象扶養親族数 1+2 障害者同居うち非同居うち扶養親族数同居老親等その他扶養親族

1 収入金額等 2 所得金額 事業 住民税 ( 市民税 県民税等 ) 申告書の書き方 収入金額とは 所得税や社会保険料を差し引く前の給与 年金 売上金及び賃貸料など 平成 30 年中に収入を得ることが確定した金額をいいます 所得金額とは 収入金額から 必要経費等 ( その収入を得るための必要経費また

e-PAP確定申告_【電子申告】第3者作成書類の添付省略

住民税について

1

著作権について 本冊子は著作権法で保護されている著作物であり 本冊子の使用に関しては 以下の点にご注意くださ い 本冊子の著作権は 創企株式会社に属します 創企株式会社の許可なく 本冊子の全部又は一部をいかなる手段においても複製 転載 流用 転売 する事を禁じます 創企株式会社の許可なく 本冊子から

第1回基礎問題小委員会  礎1-6

3 1で算出した所得税額と2で算出した復興特別所得税額を合計します 4 3で算出した金額から源泉徴収された所得税及び復興特別所得税の額などを差し引いて所得税及び復興特別所得税の申告納税額を算出します 1 所得控除 P58 所得控除には 次のようなものがあります ⑴ 雑損控除 P58 災害又は盗難若し

特別障害者一人につき 75 万円を所得から控除することができます 障害者控除は 扶養控除の適用がない16 歳未満の扶養親族を有する場合においても適用されます ⑶ 心身障害者扶養共済掛金の控除 P128 条例の規定により地方公共団体が実施するいわゆる心身障害者扶養共済制度による契約で一定の要件を備えて

平成13年度 住民税のしおり

雑 ( その他 ) 生命保険の個人年金 原稿料 講演料 シルバー人材センターからの配分金など 他のいずれにも該当しない所得です なお シルバー人材センターからの配分金は 家内労働者等の必要経費の特例が受けられます 総合課税の譲渡土地 建物等以外の資産 ( ゴルフ会員券 貴金属等 ) の譲渡から生じる

住民税 所得税の税率国から地方への税源移譲に伴い 平成 19 年度から住民税所得割の税率が 10% に統一され 所得税の税率が 4 段階から 7 段階の累進税率に改正されています 住民税については平成 19 年度分 ( 平成 19 年 6 月納付分 ) 所得税については平成 19 年分 ( 平成 1

VBA 所得税確定申告書 システムのご利用と注意事項について システムのご利用について このシステムは データ入力用のユーザーフォームと表示と印刷用のエクセルのワークシートにより構成されています このシステムの利用には Microsoft 社の Excel 2016/2013/2010 が必要になり

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

所得税の確定申告の手引き

平成 31 年度 (2019 年度 ) 特別区民税 都民税 ( 住民税 ) の算出方法 平成 31 年 1 月 1 日現在 渋谷区内に住所がある人に対して 平成 30 年の 1 月から 12 月までの 1 年間の所得を基礎に税額を算 出します 住民税の算出方法は次のとおりです なお 区内に住所がなく

平成19年度 市民税・県民税申告の手引き   安城市

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平成27年度 いばらき県税ガイドブック

1 個人所得課税 ( とりまとめに向けて )[ 地方税 ] 1 所得税が扶養控除の廃止 成年障害者等扶養控除 ( 仮称 ) の創設を行う場合 税体系上 の整合性の観点から 住民税も同様の対応をとることが適当 参考 住民税 所得税の扶養控除を見直した場合の他制度への影響について 住民税の非課税限度額に

28年度市県民税のしおり.indd

VBA 所得税確定申告書 システムのご利用と注意事項について システムのご利用について このシステムは データ入力用のユーザーフォームと表示と印刷用のエクセルのワークシートにより構成されています このシステムの利用には Microsoft 社の Excel 2016/2013/2010/2007 が


市 県民税 ( 住民税 ) 市民税は 県民税と合わせて住民税と呼ばれ 住民のみなさんがそれぞれの税の負担能力に応じて分担し合うという性格をもつ税金で 個人が負担する個人市民税と 会社などが負担する法人市民税があります 市民税には 均等の額によって納めていただく均等割と 個人の所得に応じて納めていただ

eLTAX(住民税年金特徴)ASPサービス利用仕様書

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

名 : 個人住民税参照メッセージ 1 利用業務ユニット X 2 業務ユニット 1 1 データ連携においてデータを利用する側の業務ユニット ( サービス要求側業務ユニット ) の業務ユニット番号 2 識別番号 X 個人 ( 法人を含む ) を識別する番号 3 相当年度 X 賦

Transcription:

平成 22 年 12 月 7 日 個人所得課税 ( 個人住民税 ) 資料

1 個人住民税の見直しの方向性 ( その 1) 論点 1 住民税の所得控除については 控除項目 金額ともに所得税の範囲内としてきたところであり 所得税にお いて成年扶養控除 配偶者控除を見直す場合には 税体系上の整合性の観点等から 住民税についても同 様に見直すこととしてはどうか 所得税の給与所得控除や退職所得金額の計算方法の見直しは 住民税には原則 自動影響 論点 2 政策誘導的な色彩が強いとされる生命保険料控除や地震保険料控除等については 住民税の 地域社会 の会費 的性格などから 本来 廃止することが適当であるが 少なくとも 加入率の高い一般生命保険につ いては 控除の対象外とすることはできないか

護医療保生命保険 生命保険の世帯加入率介90.3 加入率は高い 医療保険 特約 92.8 ガン保険 特約 59.5 通院特約 42.2 特定疾病保障保険 特約 41.0 特定損傷特約疾病障害特約等 険介護保険 介護特約個人年金保険 16.2 13.7 29.4 加入率が高いものもあれば 加入率が 50% を大きく下回っているものもある 22.8 加入率は 50% を大きく下回っている 0 20 40 60 80 100 ( 参考 ) 地震保険の世帯加入率は 23.0%( 平成 21 年度末 損害保険料率算出機構調べ ) 世帯加入率 (%) ( 出典 ) 平成 21 年度 生命保険に関する全国実態調査 ( 生命保険文化センター ) ( 注 1) 生命保険は個人年金保険を含む ( 注 2) 介護医療保険に含まれる各種保険 特約の加入率は生保加入世帯に占める加入割合 2

個人住民税の見直しの方向性 ( その 2) 論点 3 退職所得に係る住民税額の 10% を税額控除する仕組みについては S42 年の退職所得に係る住民税の 現年課税化の際に 課税が1 年前倒しされたこと等を理由に 当時の金利水準 (1 年もの定期預金金利 : 約 6%) を踏まえて導入されたが 次の理由から 廃止してはどうか 法律上 当分の間 の措置とされているにもかかわらず 導入から約 40 年以上も経過 過去 10 年間の定期預金金利 ( 期間 1 年以上 2 年未満 ) は平均 0.17% と 長期間 ほぼゼロ金利 退職金 :2000 万円 < 勤続年数 30 年の場合 > 退職所得控除額 1,500 万円 [40 万円 20 年 + 70 万円 (30 年 20 年 )] ( 退職所得の算出は所得税と共通 ) 退職所得 500 万円 1/2=250 万円 一定税率 ( 税率変更不可 ) 10% = 25 万円 2.5 万円 (10% 税額控除 ) 税額 :22.5 万円 都道府県 4% 市区町村 6% ( 参考 ) 1 年以上 2 年未満の定期預金平均金利 H12.4~H22.3 平均 :0.17% 1 年もの定期預金金利 S31.4~S41.3 平均 :5.75% ( 出典 )1 年以上 2 年未満の定期預金平均金利は 預金種類別店頭表示金利の平均年利率等 ( 日本銀行 ) 1 年もの定期預金金利は 銀行局金融年報 ( 大蔵省 ) 3

4 個人住民税の見直しの方向性 ( その 3) 論点 4 金融証券税制については 現行法どおり 平成 24 年 1 月から 上場株式等に係る配当 譲渡益の税率を5% 本則税率 ( 所得税 15% と合わせて20%) とし 公社債等に関する課税方式を 原則として納税者の住所地において 所得税と整合的な方式で課税する仕組みに見直した上で 損益通算の範囲を所得税と同様に拡大することとしてはどうか 配当所得について総合課税の対象となる大口株主等の要件の見直しは 住民税には原則 自動影響 参考 現行の公社債の利子所得 譲渡所得の課税団体等 住民税は納税者の住所地で課税することが原則 利子所得 : 利子の支払等を行う金融機関等所在地 譲渡所得 : 非課税

参考資料 5

年中の所得控除課税所得の金額6 個人住民税所得割額計算のフローチャート ( 給与所得の算出は所得税と共通 ) 所得税と同一の計算 地方税法で異なる定めをすることも可前年中の給与収入(年間収入給与所得の)金額の計算算出税額納付税額前給与収入に係る給与所得控除年中の給与所得の金額課税所得の金額の計算税額計算前個人住民税独自の計算 基礎控除配偶者控除扶養控除特定扶養控除障害者控除社会保険料控除生命保険料控除 33 万円 33 万円 33 万円 45 万円 26 万円 など 1 寄附金控除を除き所得税と項目は一致 2 金額は所得税より小さい 平成 24 年度分以後適用 扶養控除の対象は 16 歳以上 19 歳未満及び 23 歳以上の扶養親族 特定扶養控除の対象は 19 歳以上 23 歳未満の扶養親族 税率 一律 10%( 県 4% 市 6%) 配当控除外国税額控除寄附金税額控除等 税額控除

個人住民税の性格 平成 22 年度税制改正大綱 ( 抄 ) 個人住民税は 地域社会の会費 として 住民がその能力に応じて広く負担を分かち合うという性格 を有しており 所得税よりも課税最低限が低く設定されていて 比例税率をとっています 税率構造 所得にかかわらず 等しく 10% の税を納めることで応益性が明確化 所得控除 所得税の控除額よりも低く設定 ( なお 所得税で講じられた所得控除が住民税では講じられなかった例あり ) 所得控除の例 個人住民税 所得税 基礎控除 配偶者控除 扶養控除 33 万円 38 万円 生命保険料控除 最高 7 万円 最高 12 万円 生命保険料控除は平成 24 年 1 月 1 日以後に契約した生命保険等に係る保険料の場合 税額控除 課税技術上の控除が中心で 政策的控除は極めて限定的 税額控除の例 配当控除 外国税額控除 趣旨 二重課税の調整といった課税技術上の控除 住宅借入金等特別税額控除所得税の住宅ローン控除を補完する控除 ( 減収は国で補てん ) 所得税における政策的税額控除 ( 既存住宅の耐震改修をした場合等の特別控除 試験研究を行った場合の特別控除等 ) は個人住民税では設けられていない 7

8 人的控除の概要 ( 個人住民税 ) 納税者の世帯構成や障害など 担税力に影響を与える人的要因に配慮するための控除 個人住民税の所得控除は 地域社会の会費 という個人住民税の基本的性格 ( 応益的な性格 ) から 所得税の控除額よりも低く設定 例えば 平成 11 年の所得税において講じられた年少扶養控除加算は 個人住民税では講じられなかった等 控除項目についても抑制的 基 礎 的 な 人 的 控 除 特 別 な 人 的 控 除 配偶者控除 基礎控除 控除対象配偶者 老人控除対象配偶者 ( 同居特別障害者加算 ) 配偶者特別控除 ( 同居特別障害者控除 ) 平成 24 年度 ( 特別寡婦加算 ) 寡夫控除 昭和 58 年度 昭和 63 年度 昭和 37 年度 昭和 37 年度 平成 2 年度昭和 57 年度 勤労学生控除昭和 37 年度 対象者 本人 生計を一にする配偶者で かつ 年間所得が38 万円以下である者 年齢が70 歳以上の控除対象配偶者 上記の者が特別障害者で かつ 同居している場合 生計を一にする配偶者で かつ 控除対象配偶者に該当しない者 生計を一にする親族等で かつ 年間所得が38 万円以下である者 年齢が16 歳未満又は23 歳以上 70 歳未満の扶養親族 24 年度 ~:16 歳未満を廃止 年齢 16 歳以上 19 歳未満を追加 年齢が16 歳以上 23 歳未満の扶養親族 24 年度 ~:19 歳以上 23 歳未満に縮減 年齢が70 歳以上の扶養親族 上記の者が特別障害者で かつ 同居している場合 老人扶養親族が本人と同居している場合 本人又はその控除対象配偶者若しくは扶養親族が障害者である場合 上記の者が特別障害者である場合 特別障害者である控除対象配偶者又は扶養親族と同居を常況としている者 次のいずれかの者 1 夫と死別した者 2 夫と死別又は夫と離婚した者で かつ 扶養親族を有する者 寡婦で 扶養親族である子を有する者 妻と死別又は離婚して扶養親族である子を有する者 老 人 扶 養 親 族 昭和 48 年度 38 万円 48 万円 ( 同居特別障害者加算 ) 昭和 58 年度 +23 万円 +35 万円 ( 同居老親等加算 ) 昭和 55 年度 +7 万円 +10 万円 昭和 37 年度 本人が学校教育法に規定する学校の学生 生徒等である者 控除額 ( 参考 ) 本人の所得要件 現行 24 年度 ~ 所得税 33 万円 38 万円 33 万円 38 万円 33 万円 特定扶養親族平成 2 年度 45 万円 ( 特別障害者控除 ) 寡婦控除 創設年 ( 個人住民税 ) 昭和 37 年度 昭和 41 年度 昭和 56 年度 扶養控除昭和 37 年度 一般の扶養親族 障害者控除 昭和 43 年度 +23 万円最高 33 万円 26 万円 30 万円 26 万円 +4 万円 26 万円 26 万円 38 万円 48 万円 +35 万円最高 38 万円 38 万円 63 万円 27 万円 40 万円 27 万円 +8 万円 27 万円 27 万円 同居特別障害者控除に改組 同居特別障害者控除に改組 53 万円 ( 所得税 :75 万円 ) 新設 年間所得 1,000 万円以下 1 の場合年間所得 500 万円以下 年間所得 500 万円以下年間所得 500 万円以下年間所得 65 万円以下かつ給与所得等以外が 10 万円以下

9 その他の所得控除制度の概要 ( 個人住民税 ) 控除の種類 概 要 控除額の計算方法 ( 所得税との比較 ) 雑損控除 住宅家財等について災害又は盗難若しくは横領による損失を生じた場合又は災害関連支出の金額がある場合に控除 所得税と同じ 医療費控除 社会保険料控除 納税義務者又は納税義務者と生計を一にする配偶者その他の親族の医療費を支払った場合に控除 社会保険料を支払った場合に控除 所得税と同じ 所得税と同じ 社会保険等やむを得ない支出等による担税力の減殺に配慮する控除 小規模企業共済等掛金控除 小規模企業共済掛金 確定拠出年金に係る個人型年金加入者掛金及び心身障害者扶養共済掛金を支払った場合に控除 所得税と同じ 生命保険料控除 生命保険料 個人年金保険料又は介護医療保険料を支払った場合に控除 控除額 7 万円 ( 最大 ) [< 所得税 > 控除額 12 万円 ( 最大 )] 地震保険料控除 地震保険料を支払った場合に控除 控除額 2.5 万円 ( 最大 ) [< 所得税 > 控除額 5 万円 ( 最大 )] 生命保険料控除は平成 24 年 1 月 1 日以後に契約した生命保険等に係る保険料の場合 平成 18 年末までに結んだ長期の損害保険契約に係る保険料については 損害保険料控除 ( 控除額 1 万円 ( 最大 )) の適用が経過措置として認められている

個人住民税の税額控除 個人住民税の税額控除は 課税技術上の控除が中心であり 政策的控除は極めて限定的 配当控除 税額控除名趣旨 外国税額控除 配当割額控除株式等譲渡所得割額控除 調整控除 税源移譲に伴う住宅借入金等特別税額控除 寄附金税額控除 住宅借入金等特別税額控除 二重課税の調整 税源移譲に伴う調整 地方公共団体に対する寄附金や都道府県又は市区町村が条例で指定した寄附金等を控除 ( 地方団体の受益の範囲内 ) 所得税から控除しきれなかった住宅ローン控除額を控除 平成 22 年度から適用 減収は国で補てん 主として課税技術上の控除 ( 参考 ) 所得税における政策的税額控除の例 対象 税額控除名 個人 青色申告者 既存住宅の耐震改修をした場合等の特別控除政治活動に関する寄附をした場合の特別控除試験研究を行った場合の特別控除エネルギー需給構造改革推進設備を取得した場合の特別控除事業基盤強化設備等を取得した場合の特別控除 所得税の政策的税額控除は 個人住民税には設けられていない 10

退職所得に係る個人住民税の課税状況 1 退職所得に係る住民税の負担状況 定年退職 ( 勤続 38 年と仮定 ) 勤続 25 年 退職金額 2,554 万円 ( 平均 ) 2,000 万円 1,412 万円 ( 平均 ) 1,100 万円 住民税所得割額 (10% 税額控除前 ) 24.7 万円非課税 13.1 万円非課税 10% 税額控除 2.5 万円 1.3 万円 住民税所得割額 ( 納税額 ) 22.2 万円非課税 11.8 万円非課税 退職金額 ( 平均 ) は平成 21 年賃金事情等総合調査 ( 中央労働委員会 ) より 住民税の額は都道府県分 市区町村分合計 2 退職所得に係る住民税額の推移 平均退職金額に占める割合は 0.1% 程度 平成 11 年度平成 16 年度平成 17 年度平成 18 年度平成 19 年度平成 20 年度 納税者数 423,430 人 469,957 人 406,192 人 361,343 人 389,874 人 379,038 人 税額 1,468 億円 1,539 億円 1,343 億円 1,202 億円 1,410 億円 1,354 億円 住民税の額は都道府県分 市区町村分合計 市町村税課税状況等の調 ( 都道府県分の税額については市区町村分より推計 ) 11