主な調査結果 分析のポイント カンパニー制 事業部制レベルの労使協議機関の設置はまだ 5% 未満カンパニーレベルの労使協議を実施しているが まだ約 4% と少ないことから 現状ではの経営形態は柔軟化に必ずしも対応しきれていない状況が伺える 今後のグループ労使協議制の重要性については労使で認識が一致労

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4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

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3-2 学びの機会 グループワークやプレゼンテーション ディスカッションを取り入れた授業が 8 年間で大きく増加 この8 年間で グループワークなどの協同作業をする授業 ( よく+ある程度あった ) と回答した比率は18.1ポイント プレゼンテーションの機会を取り入れた授業 ( 同 ) は 16.0

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Transcription:

平成 8 年 月 5 日 関係各位 財団法人社会経済生産性本部 労使関係特別委員会 これからの労使協議制のあり方に関するアンケート調査 中間報告. 調査の目的産業界労使 学識経験者等で構成される財団法人社会経済生産性本部に設置されている 労使関係特別委員会 ( 委員長 : 諏訪康雄法政大学教授 ) は これからの労使協議制のあり方に関するアンケート調査 を実施した 実施に際しては 労使学識経験者からなる 労使協議制のあり方 小委員会 ( 主査 : 藤村博之法政大学教授 ) を設置し 調査の設計 結果の分析を行った 労使協議制は 昭和 30 年代の団体交渉やストライキを中心とした対立的な労使関係から 経営側の求める合理化の推進と労働側の求める雇用 労働福祉の向上のバランスをはかり 労使が対等の立場で話し合い 解決することを目的として当時の日本生産性本部 ( 現在社会経済生産性本部 ) が提唱したものである わが国のその後の高度経済成長や産業の発展は 労使協議制を礎とした労使関係の安定と労使の信頼関係にあったことは否定できない 約 50 年を経た今日 労使協議制の仕組や普及はある程度の成熟期を迎えた しかしごとの労使協議の中身は異なり協議の質の格差はじわじわと間で広まりつつある 今回の調査では グローバル化の進展に伴って経営課題や雇用をめぐる課題が複雑化 高度化してきたなか これからの労使協議は協議の質の充実が重要であるとの認識の下 協議案件ごとの解決に至るまでのプロセスや労働組合の関与度 納得度に着目して調査しているところが従来にはない特徴である 今回はアンケート調査についての中間的な報告とし 今後引き続き調査の最終取り纏めを行う 本委員会としてはこれらの調査結果をふまえ 今春にはこれからの労使協議制や労使関係のあり方について最終提言を行う 2. 調査概要 調査期間および調査方法: 平成 7 年 5 月下旬から6 月下旬にかけて郵便等により調査票を送付し回収 調査対象; 側は上場 非上場 店頭公開および当本部賛助会員のうち従業員 500 名以上規模の約 2500 社 組合側は上記のうち労働組合がある組織および当賛助会員のうち従業員 500 名以上規模の別労働組合の約 2500 社 有効回数側 :25 件 ( 回収率 :5%) 労働組合側 :330 件 ( 回収率 :3.2%)

主な調査結果 分析のポイント カンパニー制 事業部制レベルの労使協議機関の設置はまだ 5% 未満カンパニーレベルの労使協議を実施しているが まだ約 4% と少ないことから 現状ではの経営形態は柔軟化に必ずしも対応しきれていない状況が伺える 今後のグループ労使協議制の重要性については労使で認識が一致労使の半数近くは グループの労働組合連合会または協議会はない と回しており 現状ではグループ労使関係や労使協議が未成熟なことが伺い知れる 機密情報の開示 共有のルール化が課題再編が行われた際の事前協議のタイミングについては 側 の約 3 割は外部への正式発表前後という認識を持ち 早い情報提供を求める 組合側 と明らかな差が見られる 労使協議でもっとCSRの議論をのCSRへの取り組みは労使協議の議題としては取り上げられて ない が 48.8 % で ある が 34.4 % だった 現時点で労使協議の議題にあがらない要因の一つには労働組合からの発議が少ないこともある 側から見た労働組合の期待は 経営施策の円滑な協力 や 職場の意見や要望の伝達 労働組合の今後の役割に対する考えは労使で考え方の違いが見られた 側は労働組合に対して 経営施策の円滑な協力 や 職場の意見や要望の伝達 の役割を期待し 労働組合自らは 人事制度などの策定への関与 を役割として考えている 案件により異なる労使協議の効果 労働組合から見て労使協議は 職場や仕事に関する案件よりも 労使間のトラブ ルが事前回避 経営幹部との意思疎通 などに高い効果があると考えられている 運営方法により影響をうける労使協議の満足度労働組合から見て 専門委員会の設置や 労働組合への積極的な情報提供を行うこと 労務の実務担当者と会う回数を増やすことが 労使協議への満足度を高めることにつながる 経営のスピード化 を妨げるものではない労使協議 労使協議への満足度 労使間の信頼関係 専門委員会の有 実務担当者と会う頻度 が高いほど 経営のスピード化に支障はないとえている割合が高い [ 本件に関する問い合わせ ] 財団法人社会経済生産性本部 社会労働部 内野 綱藤 増田 Tel03-3409-2 Fax03-3409-007 2

3. 調査結果の概要 3- アンケート結果のポイント カンパニー制 事業部制レベルの労使協議機関の設置はまだ 5% 未満 カンパニー制 分社化の進展や事業 再編に見られるようの経営形態は柔軟に変化しているが 労使関係制度や機能は経営形態の変化に必ずしも対応できてない現状が見てとれる それはアンケート結果のカンパニーレベルの労使協議を実施しているが まだ約 4% と少ない現状からも伺い知れる 問 2 労使協議機関の有 / カンパニー制 事業部制レベル ( 側回 ) 22% 4% % 32% % 30% ある 現在はないが設置する予定である 設置する予定は全くない 以前はあったが いまは設置していない カンパニー制や事業部制をとっていない 今後のグループ労使協議制の重要性については労使で認識が一致 事業 再編に伴い当然にグループの編成や経営資本の参加が変わる可能性を存しており 従前以上にグループ労使関係の重要性やそのあり方が問われる グループ連結経営やCSRの観点からも同様のことが言える しかし アンケート結果では 労使の半数近くが グループの労働組合連合会または協議会はない と回しており 現状ではグループ労使関係や労使協議が未成熟なことが伺い知れる ただ 今後については 側 の約 2/3 組合側のほとんど(98.3 %) がグループ労使協議を 重要 とえており 取り扱うテーマに関しても 側 は グループ全体の経営方針 を 組合側 は CSR コンプライアンス を 最も重要とえるなどグループ労使協議の重要性の認識は労使で一致しているという見方ができる 問 5: 連合会の有 ( 労使比較 ) 6 5 4 48.8 50.9 32.8 27.9 4.5 2.4 7.2 8.8 3.0 3.6 連合会 協議会があり グループ労働協約を締結している連合会 協議会があり グループ労働協約は締結していない連合会 協議会があるが 労使協議は実施していないグループの労働組合連合または協議会はない 3

問 5-3 社外の意見を労使協議で取り上げる機会 ( 労使比較 ) 79.3 8 6 4 5 33.3 6.7.0 9.0.7.0 高まると思うどちらかというと高まると思うどちらかというと高まると思わない高まると思わない 機密情報の開示 共有のルール化が課題 労使協議における機密情報の開示や共有についても難しい場面が出てきている アンケート調査では 再編が行われた際の事前協議のタイミングについて聞いているが その認識は労使で異なる 側 の 3 割は外部への正式発表前後という認識を持ち 早い情報提供を求める 組合側 と明らかな差が見られる インサイダー規制の厳格化の動きのなかで 側 の 機密情報 に関する資料提供も やや慎重な姿勢が伺え 今後の労使関係や労使協議のあり方を考える上で 機密情報の開示や開示の範囲や保持のルール等を決めておくことが課題となっている 問 0 再編の際の事前協議のタイミング ( 労使比較 ) 6 5 4 58.4 4.8 26.4 4.8 5.6 56. 36. 5.5 0.9.5 経営側で検討をはじめた段階で労働組合に説明するべき経営側で検討を進めた段階で労働組合に説明するべき外部への正式発表の直前に 労働組合に説明するべき外部への正式発表の直後に 労働組合に説明するべき 問 9 機密情報の開示 ( 定点比較 側データのみ )) 6 5 46.4 48.8 56.0 40.6 機密に属するものは提供していない 4 4.8 3.4 組合が要求する情報 資料は積極的に提供している 今回 前回 4

労使協議でもっと CSR の議論を の CSR への取り組みは労使協議の議題としては取り上げられて ない が ある を上回った 同テーマに関しては経営側が設置する委員会等で別途定められているケースが見られるが 労使協議の場で従業員や消費者等のステイクホルダーの視点から CSR について議論することが大切である 現時点で労使協議の議題にあがらない要因の一つには労働組合からの発議が少ないこともある 労使協議の場で地域住民や社外の意見を取り上げているかという質問では 労使双方の約 7 割が 取り上げない と回している また 今後については組合側は 今後は取り上げるべき と半数以上えているのに対し 側 の回は約 3 割にとどまる 産業台の労使協議の重要性についても組合側の半数以上が 重要 と回したのに対し 側 のそのような回は 2 割に満たない 産業台や社会との 対話 を通じ労使協議の場が広がっていくことを期待したい 問 6 CSR ( 労使比較 ) 58.2 6 48.8 5 34.4 4 2.0 4.8 6.5.8 ある 今後議題にする予定があるない 関与 ( データのみ ) 7 6 5 58.2 ある 4 6. 今後議題にする予定があるない 5

問 7 今後の労使協議の重要性 ( 労使比較 ) 8 7 6 5 4 70.4 68.8 20.9 6.8 7.2 5.6 7.9.2.2 よくあるときどきあるたまにあるまったくない 問 6- 今後の産業台労使協議の重要性 ( 労使比較 ) 4 3.2 36.8 32.8 33.6 27.0 9. 5.2 7.0 2.0 3.3 高まると思う どちらかというと高まると思うどちらかというと高まると思わない高まると思わない 側から見た労働組合への期待は 経営施策の円滑な協力 や 職場の意見や要望の伝達 労働組合の今後の役割に対する考えは労使で考え方の違いが見られた 側は労働組合に対して 経営施策の円滑な協力 や 職場の意見や要望の伝達 の役割を期待し 労働組合自らは 人事制度などの策定への関与 を役割として考えている 労使関係で見ると 経営施策の実行に際して 組合の意見を聞かずに独自に意思決定 とえた 側 は 割に満たず 労働組合を尊重している姿勢が伺われるが 他方で 他のステイクホルダーよりの方が重要でない とえた 側 も約 /3 を占めており 今後の労使関係のあり方に影響を与えることが予想される 問 23( 労使比較 ) 56.0 6 5 4 33.6 5.64.8 46.4 44.2 8.2.2 組合の意見は視できないくらい重要である組合の意見は聞くが 参考意見である組合の意見にかかわらず 会社は独自に意思決定をする 6

問 22 ( 側データのみ ) 766.4 6 5 4 33.6 34.4 7.2 3.6 60.8 46.4 4.8 2.4 4.0 経営施策の円滑な実行に協力してほしい 経営戦略の策定にアドバイスや提言してほしい 人事制度やワークルールの策定にアドバイスなどしてほしい 経営方針の浸透度合について教えてほしい 職場の風土状態について聞かせてほしい 職場の意見や要望について聞かせてほしい 職場の不満や苦情について職場管理者と共に解決してほしい CSR などのあり方についてアドバイスや提言してほしい あまり積極的に経営 人事施策について関与しないでほしい 問 25 3 スピード化への支障 ( 側データのみ ) 45.0 4 35.0 25.0 5.0 5.0 39.2 26.4 27.2 4.0 3.2 そう思う どちらかといえばそう思う どちらかといえばそう思わないそう思わない 7