第3章「疾病の発症予防及び重症化予防 1がん」

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愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

「健康寿命」の伸長には若い頃からの健康改善が重要~2012年「健康寿命」の公表について考える

第3章「生活習慣の見直し  ①栄養・食生活」

山梨県生活習慣病実態調査の状況 1 調査目的平成 20 年 4 月に施行される医療制度改革において生活習慣病対策が一つの大きな柱となっている このため 糖尿病等生活習慣病の有病者 予備群の減少を図るために健康増進計画を見直し メタボリックシンドロームの概念を導入した 糖尿病等生活習慣病の有病者や予備

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特定健診の受診率は毎年上昇しており 平成 28 年度は県平均よりも 7% 高い状況 となっていますが 国が示す目標値 60% を達成するには更なる工夫や PR が必要とな っています 長与町国保の医療費は平成 25 年度から上昇していましたが 平成 28 年度は前年度より約 3 億円減少し 1 人当

第 1 章 ヘルスプランぎふ 21 の基本的な考え方 1 計画策定の趣旨 ヘルスプランぎふ 21 は 岐阜県健康増進計画として平成 14 年 3 月に策定し その後平成 20 年度には 国が策定した 健康日本 21 と連動しながら メタボリックシンドロームに着目した生活習慣病の一次予防に重点をおいた

厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業)

Q1.65 歳での健康寿命に 65 を足せば 0 歳での健康寿命になりますか A1. なりません 別途 健康寿命の算定プログラム 等を用いて 0 歳での健康寿命を算定する必要があります 例えば 健康寿命の算定方法の指針 の図 4-3 の男の算定結果を見ると 健康な期間の平均が 65 歳時点では 17

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1 基本健康診査基本健康診査は 青年期 壮年期から受診者自身が自分の健康に関心を持ち 健康づくりに取り組むきっかけとなることを目的に実施しています 心臓病や脳卒中等の生活習慣病を予防するために糖尿病 高血圧 高脂血症 高尿酸血症 内臓脂肪症候群などの基礎疾患の早期発見 生活習慣改善指導 受診指導を実

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計画改訂の趣旨 社会構造が大きく変化し 少子高齢化が進む中 生活環境の改善や医療の進歩などにより 平均寿命が延びている一方で 肥満や糖尿病などの生活習慣病が増加しており 健康づくりや疾病予防の重要性はますます高まっています 子どもから高齢者まで すべての県民が 健やかな生活をおくるために ヘルスプロ

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平成13-15年度厚生労働科学研究費補助金

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(2) 循環器疾患項目 策定時の現状 データソース 1 脳血管疾患 虚血性心疾 脳血管疾患 厚生労働省 人口動態調査 脳血管疾患 脳血管疾患 患の年齢調整死亡率の減少 男性 49.5 男性 44.8 男性 41.6 (10 万人当たり ) 女性 26.9 女性 24.6 女性 24.7 虚血性心疾患

第1章評価にあたって

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健康寿命の指標

2 基本方向 前頁の基本理念を実現するための施策の方向として 次の 4 つの基本方向を掲げます 基本方向 1 健康づくりを支える環境整備 ~ みんなでつくる健康なまち ~ 基本方向 2 生活習慣病の発症予防と重症化予防 ~ 健康をつくる生活習慣 ~ 基本方向 3 分野別の健康づくりの推進 ~ 人生を

表紙裏 ( 空白 )

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介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

第3章「疾病の発症予防及び重症化予防 1がん」

特定健康診査等実施計画 ( 第二期 ) 三重交通健康保険組合 平成 25 年 7 月

命についてグラフ化したものを図 1 に示す 福岡県の健康寿命は 男性が.13 年 女性は.52 年で男性より女性が 5.39 年長かった 平均寿命は 男性が.44 年 女性は 年で 平均寿命と健康寿命の差である不健康な期間の平均は 男性が 1.31 年 女性は 3.03 年であった 健康

第 1 部 施策編 4

平成13年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

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調書のの見方 新規 新規事業の実施 現行どおり 事業をする 充実 事業の充実 強化を図る 改善 事業の見直し 改善を図る 縮小 事業規模を縮小する 廃止 事業を廃止する 2


健康くるめ21概要

11 平成 21 年度介護予防事業実施状況について 平成 22 年 7 月 大阪市健康福祉局健康づくり担当

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Ⅰ. 調査の概要. 調査目的日本の全国民を対象に健康日本 2( 第二次 ) に関連する健康意識 認知度調査を評価することで 健康意識における重点課題を把握すること 2 経年的な健康意識の推移を把握することを目的とする これにより 今後の情報発信のあり方を検討する 本年調査は昨年調査に続いて2 回目の

次世代ヘルスケア産業協議会第 17 回健康投資 WG 資料 6 職場における食生活改善の質の向上に向けて 武見ゆかり第 6 期食育推進評価専門委員会委員 ( 女子栄養大学教授, 日本栄養改善学会理事長 )

第三期 特定健康診査等実施計画 ウシオ電機健康保険組合 平成 30 年 4 月

栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 二期計画 ) 概要版 1 計画の目的と背景 高齢化が急速に進行する中 平成 24 年 3 月に県土整備部と保健福祉部が連携のもと高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく 栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 以下 現計画 という ) を策定し 高齢者が安心して快適に暮

(7)健診データの受領方法

1 保健事業実施計画策定の背景 北海道の後期高齢者医療は 被保険者数が増加し 医療費についても増大している 全国的にも少子高齢化の進展 社会保障費の増大が見込まれる このような現状から 一層 被保険者の健康増進に資する保健事業の実施が重要となっており 国においても 保健事業実施計画 ( データヘルス

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標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

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Taro-逐条解説

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特定健康診査等実施計画 ( 第 3 期 ) ベルシステム 24 健康保険組合 平成 30 年 3 月 1 日 ( 最終更新日 : 平成 30 年 7 月 27 日 )

第 1 編総論第 1 章計画の基本的な考え方 1 計画改定の背景と趣旨 国や県においては 健康寿命 1 の延伸や生活の質 2 の向上 さらには 健康格差の縮 小を目的とした 健康日本 21 や 富山県健康増進計画 が策定され さまざまな関係機関の 連携により社会全体で個人の主体的な健康づくりを支援す

政策課題分析シリーズ15(本文2)

背景及び趣旨 我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する法律

第4章:施策と目標 2:生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(3)糖尿病(4)COPD

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県民が がんに関する正しい知識を持ち生活習慣の改善を図るとともに 定期的 にがん検診を受ける習慣を持ち 自覚症状がある場合は早期に医療機関を受診する 等 県民が主体的にがん予防に取り組むための環境の整備を進めます 小 中学生や高校生のうちから 食生活 飲酒 喫煙等の生活習慣ががんに及ぼ す影響や が

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

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このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

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ウ食事で摂る食材の種類別頻度野菜 きのこ 海藻 牛乳 乳製品 果物を摂る回数が大きく異なる 例えば 野菜を一週間に 14 回以上 (1 日に2 回以上 ) 摂る人の割合が 20 代で 32% 30 代で 31% 40 代で 38% であるのに対して 65 歳以上 75 歳未満では 60% 75 歳以

居宅介護支援事業者向け説明会


目 次 1 平成 29 年愛知県生命表について 1 2 主な年齢の平均余命 2 3 寿命中位数等生命表上の生存状況 5 4 死因分析 5 (1) 死因別死亡確率 5 (2) 特定死因を除去した場合の平均余命の延び 7 平成 29 年愛知県生命表 9

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医療費適正化計画の概要について 国民の高齢期における適切な医療の確保を図る観点から 医療費適正化を総合的かつ計画的に推進するため 国 都道府県は 医療費適正化計画を定めている 根拠法 : 高齢者の医療の確保に関する法律作成主体 : 国 都道府県計画期間 :5 年 ( 第 1 期 : 平成 20~24

要因 2 全国的に 死亡原因の 6 割が生活習慣病であり 大阪市においては 特に死亡者数の最 も多い悪性新生物 ( がん ) の死亡率が高くなっている なお 心疾患および脳血管疾患 については 全国との差が年々縮まり 現在はほぼ同じ水準となっている 国 大阪府 大阪市の死亡率 H22 年 人口 10

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Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

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第2期データヘルス計画について

■● 糖尿病

くう五栄養 食生活 身体活動 運動 休養 飲酒 喫煙及び歯 口腔の健康に関する生活習慣及び 社会環境の改善上記一から四までの基本的な方向を実現するため 国民の健康増進を形成する基本要素となる栄養 食生活 身体活動 運動 休養 飲酒 喫煙及び歯 口腔の健康に関する生活習慣の改善が重要である 生活習慣の

背景及び趣旨我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する法律に

はじめに 本県では全国を上回るペースで少子高齢化が進む中 ふるさと秋田の活力の維持と向上を図っていくため 全ての県民が生涯にわたって心豊かに生活できる 健康長寿あきた を実現することが重要です そのため生涯を通じた健康づくりのための施策について その方向性等を明らかにすることを目的として 平成 25

第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

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泉大津

福利厚生基本計画

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自殺予防に関する調査結果報告書

Transcription:

第 3 章健康づくりの目標設定 1 目標の設定 第 3 章健康づくりの目標設定 1 目標の設定 健康日本 21 あいち新計画 では 県民全体の健康水準を高めるよう 県民や社会全体が 2022 年 ( 平成 34 年 ) までに取組むべき具体的な目標を 以下の概念図に合わせて設定しま す 具体的な目標値を設定するにあたっては まず 改善が必要とされる個別の健康問題について 改善の可能性を評価します その上で 特定の健康問題を改善するために 必要な複数の健康行動や 保健サービス等の環境目標について効果を検討し 具体的な数値目標を設定します - 18 -

第 3 章健康づくりの目標設定 2 目標項目と分類 2 目標項目と分類 目標の設定は 基本目標である 健康長寿あいちの実現 ( 健康寿命の延伸と健康格差の縮小 ) を達成するために 基本方針ごとに設定します 項目数は 基本目標 (1 項目 ) と基本方針 (Ⅰ)(1 項目 ) 基本方針(Ⅱ)(5 分野 29 項目 ) 基本方針 (Ⅲ)(6 分野 52 項目 ) 基本方針(Ⅳ)(5 項目 ) を合わせて全 88 項目 ( うち再掲 4) です 基本目標と基本方針 目標項目数 基本目標健康長寿あいちの実現 ( 健康寿命の延伸と健康格差の縮小 ) 1 基本方針 (Ⅰ) 生涯を通じた健康づくり 1 基本方針 (Ⅱ) 疾病の発症予防及び重症化予防 29( 再掲 4) ( 分野 ) がん 3 循環器疾患 9 糖尿病 9( 再掲 4) COPD( 慢性閉塞性肺疾患 ) 4 歯科疾患 4 精神疾患 ( うつ病等の気分障害 ) 基本方針 (Ⅲ) 生活習慣の見直し 52 ( 分野 ) 栄養 食生活 14 身体活動 運動 9 休養 こころの健康 8 喫煙 11 飲酒 5 歯 口腔の健康 5 基本方針 (Ⅳ) 社会で支える健康づくり 5 目標については 項目ごとにその性質と取組主体別に次のとおり分類します 項目名内容 重点目標健康 行動目標健康 行動目標環境目標 基本方針及び分野の中で重要とされる目標 目指すべき健康 行動目標 取組の結果 得られる目指すべき健康 保健水準の目標 県民が自ら取組む目標 行政機関 医療保険者 保健医療機関 教育関係機関 企業 ボランティア団体等の健康に関わる様々な関係者が県民の健康づくりを支援する取組指標 - 19 -

3 基本目標に関する目標設定 健康長寿あいちの実現 ~ 健康寿命の延伸と健康格差の縮小 ~ 愛知県の状況 愛知県の健康寿命 (H22) は 男性 71.74 年 ( 全国 1 位 ) 女性 74.93 年 ( 全国 3 位 ) となっています 平均寿命と健康寿命の差は 男性 :7.88 年 女性 :11.21 年となっています 基本的な考え方健康寿命については様々な定義があります 国は 健康日本 21( 第 2 次 ) の中で 健康寿命 を 健康上の問題で日常生活が制限されることなく 生活できる期間 と定義しています 健康寿命は平均寿命との差に着目する必要があり この差は日常生活に制限のある 不健康な期間 を表します 今後 高齢化に伴い 治療や介護を要する者が増加することが予想されますが それぞれのライフステージに応じた課題を捉え 対策を講じていくことにより 結果として 健康寿命の延伸 に導くことが可能です ( 図 1) また 人々の健康は 社会経済的環境の影響を受けることから 集団における健康状態の差 ( 健康格差 ) を捉えて 誰もが社会参加でき 健康づくりの資源にアクセスできる環境を整備し 地域社会全体で支え合う仕組みを構築していくことも必要です 愛知県では 健康長寿あいちの実現 ( 健康寿命の延伸と健康格差の縮小 ) を基本目標に掲げ 真に長生きしてよかったと思えるあいちづくりを目指します 図 1 愛知県の平均寿命と健康寿命の差 ( 平成 22 年 ) 男性 71.74 7.88 年 79.62 女性 74.93 11.21 年 86.14 60 65 70 75 80 85 90 平均寿命 健康寿命 ( 年 ) ( 資料 : 平均寿命は 平成 22 年愛知県民の平均余命 健康寿命は 平成 22 年厚生労働科学研究費補助金 健康寿命における将来予測と 生活習慣病対策の費用対効果に関する研究 ) - 20 -

重点目標ア健康寿命の延伸 項 目 指 標 現状値目標値国の現状値 ( 参考 ) データソース目標年次データソース 男性 71.74 年 ( 全国 1 位 ) 女性 74.93 年 男性 75 年以上女性 80 年以上 男性 70.42 年女性 73.62 年 ( 全国 3 位 ) 平成 22 年厚生労働科学 平成 22 年厚生労働科学研究費補助金 健 健康寿命の延伸 健康寿命 ( 愛知県分 ) の延研究費補助金 健康寿命康寿命における将来伸における将来予測と生活予測と生活習慣病対 習慣病対策の費用対効果策の費用対効果に関平成 34 年度に関する研究 する研究 国民生活基礎調査をもとに 日常生活に制限のない期間 を算定 国民生活基礎調査をもとに 日常生活に制限のない期 間 を算定 目標値の考え方 愛知県の健康寿命は 全国で男性は1 位 女性は3 位と高い結果であった 生涯を通じて健康でいきいきと過ごすことができるよう 県民の健康づくりの推進を図り 健康寿命と平均寿命の差 ( 男性 7.88 年 女性 11.21 年 ) の半減を目指して目標を設定する 上記の目標を実現するに当たっては 要介護認定 ( 要介護度 2~5) を受けていない者の割合 についても留意する ( 参考 ) 要介護認定 ( 要介護度 2~5) を受けていない者 の割合 項目指標要介護認定 ( 要介護度要介護認定を受 2~5) を受けていないけていない者の者の割合の増加割合の増加 (65 歳以上 ) 現状値 目標値 国の現状値 ( 参考 ) データソース 目標年次 データソース 91.5% 91.5% 以上 90.1% 平成 24 年 4 月厚労省 介護 平成 24 年 4 月厚労省 保険事業状況報告 ( 愛知 平成 34 年度 介護保険事業状況 県分 ) 報告 日常生活動作が自立しているかどうかは 様々な側面からみていく必要があるが 介護保険の被保険者 (65 歳以上 ) のうち要介護認定 2~5 を受けていない者 の割合をモニタリングし 健康寿命と合わせてその推移をみていく - 21 -

愛知県の健康寿命は男性が 71.74 年 ( 全国第 1 位 ) 女性が 74.93 年 ( 全国第 3 位 ) となってい ます 全国平均は男性が 70.42 年 女性が 73.62 年となっており 男女とも全国平均より約 1.3 年長くなっています ( 表 1) 表 1 健康寿命の都道府県別順位 ( 平成 22 年 上位 5 県 ) 順位 男 性 女 性 1 愛知県 71.74 年 静岡県 75.32 年 2 静岡県 71.68 年 群馬県 75.27 年 3 千葉県 71.62 年 愛知県 74.93 年 4 茨城県 71.32 年 沖縄県 74.86 年 5 山梨県 71.20 年 栃木県 74.86 年 全国 70.42 年 全国 73.62 年 算出方法 平成 22 年国民生活基礎調査 ( 抽出による調査 ) において 日常生活への健康上の問題の影響を尋ねた質問に ない と回答した者の割合や年齢別の人口などから算出 ( 資料 : 厚生労働科学研究費補助金 健康寿命における将来予測と 生活習慣病対策の費用対効果に関する研究 ) 愛知県における平成 22 年の平均寿命と健康寿命の差は 男性で 7.88 年 女性で 11.21 年と なっており この期間が 不健康な期間 を意味します ( 表 2) 今後 様々な健康づくりの取組により 健康寿命と平均寿命の差の半減を目指します 表 2 平均寿命と健康寿命の差 愛知県 全 国 男性 女性 男性 女性 平均寿命 79.62 年 86.14 年 79.55 年 86.30 年 健康寿命 71.74 年 74.93 年 70.42 年 73.62 年 差 7.88 年 11.21 年 9.13 年 12.68 年 ( 資料 : 厚生労働省 平成 22 年完全生命表 及び 平成 22 年愛知県民の平均余命 ) - 22 -

イ健康格差の縮小 国は 健康日本 21( 第 2 次 ) の中で 健康格差 を 地域や社会経済状況の違いによる集団 における健康状態の差 と定義し 都道府県においても区域内の市町村ごとの健康格差の実 態を明らかにした上で その縮小に向けた取組を行うよう求めています 健康格差については 今後データの蓄積と介入戦略を検討していくことになりますが これら の集団間における差が現れる要因の中には 健康づくり施策や社会環境の整備などによって 解決できる事項が含まれ これらを解決するために様々な主体がそれぞれの役割を果たすと ともに 連携しながら重層的に取組んでいくことで 最終的に健康寿命に影響を与えると考え られます 県は 地域特性や属性 環境といった違いに対して それらの集団の持つ課題の分 析を進め情報提供に努めるとともに 市町村や関係機関 関係団体等とともに 健康寿命を延 伸する戦略を検討し その対策に努めます 健康格差とその対策 一般的な背景 健康格差の現れる背景 健康格差対策 1 性 年代 性別による生理学的特徴 年代別特徴( 健康意識や加齢に伴う身体機能の変化 ) 健康情報のモニタリングと情報提供 ( 性 年代別健康課題の分析 ) 性 年代別特徴に合わせたアプローチ 2 ライフステージ 3 所得や職業 4 心身の状態や障害 5 地域 地理的条件 6 保健医療施設の資源 学齢期の家庭環境や教育環境 成人期の仕事や家事 育児など社会的役割 ( 時間的ゆとりがない ) 高齢期の社会的役割の変化 孤立化 所得( 食材の購入 有料施設の利用状況 ) 労働環境による特徴( 労働時間や仕事内容 健康管理体制の差 ) 病気や障害 要支援や要介護 ( 健康づくり資源へのアクセスが困難 ) 居住地域の店舗や施設 交通機関の状況 ( 運動できる場所がない 新鮮な食材を安く手に入れにくい ) 保健医療資源の地域偏在 運動施設や健康の道 健康づくりに関する指導者の偏在 母子保健 学校保健の充実と相互連携の推進 職域保健との連携 ワーク ライフ バランスの推進 介護予防 高齢者保健対策の推進 健康情報のモニタリングと情報提供 ( 生活習慣関連調査 国民健康栄養調査の分析 ) 保険者 企業 商工会との協力 連携 健康情報のモニタリングと情報提供 ( 死亡状況 有病率の情報 要介護情報の分析 ) 保健から医療への継続的支援 医療圏別 地域別情報の収集 ( 医療圏単位で健康課題を分析 ) 地元企業 商工会と協力 連携 医療圏別 地域別の健康づくり資源の把握と整理 ( 医療圏単位で環境資源を分析 ) 情報アクセスの改善とソーシャルキャピタルの醸成による地域力の向上により支援 本県の取組と役割 地域ごとの健康状態や生活習慣の状況の差の把握に努め 情報提供を行います 県民の誰もが健康づくりに取組めるよう 環境整備に努めます 市町村 学校 職場 健康づくりの関係機関 団体などと連携し 地域の健康格差の解消に向けた取組を進めます - 23 -

世帯 就業環境による健康格差 平成 24 年愛知県生活習慣関連調査では 県民の健康意識や生活習慣は 性別や年代別だけで なく 世帯構成 就業形態などによる差がみられました ( 図 2~5) 図 2 朝食の摂取状況 ( 世帯人員別 ) 図 3 バランスの取れた食事の摂取状況 ( 世帯人員別 ) (1 日に 2 回以上 主食 主菜 副菜を 3 つ揃えた食事をする割合 ) ( 資料 : 平成 24 年愛知県 生活習慣関連調査 ) ( 資料 : 平成 24 年愛知県 生活習慣関連調査 ) 世帯状況によって 朝食 や バランスのとれた食事 の摂取状況に差がみられます 図 4 バランスの取れた食事の摂取状況 ( 高齢者のみの世帯 ) (1 日に 2 回以上 主食 主菜 副菜を 3 つ揃えた食事をする割合 ) 図 5 健診や人間ドックの受診状況 ( 従業員規模別 ) ( 資料 : 平成 24 年愛知県 生活習慣関連調査 ) 高齢者の世帯状況によって バランスの取れた食事 の摂取状況に差がみられます ( 資料 : 平成 24 年愛知県 生活習慣関連調査 ) 従業員の規模によって 健診や人間ドックの受診状況 に差がみられます - 24 -