New olor hemoenor for Monocchride ed on zo Dye 著者 : Nicol Diere nd Joeph R. Lkowicz 雑誌 : rg.lett. 1, 3 (4), 3891-3893 紹介者 : 堀田隼 1 年 1 月 7 日 ボロン酸の性質 1 ci-ジオールと環状エステルを形成する 環状エステルを形成すると ボロン酸の酸性度が高まる btrct 糖の検出は多くの応用にとって重要である 糖のシグナリングにおける新たな発展がグルコースや他の糖を測定する新たな技術をもたらすだろう アゾ色素 1 により単糖類に対する分子色センサーを確立するための新たな方法が提案される ボロン酸基は単糖類に対するキレート基として用いられ 芳香族色素と共鳴状態にあるように直接結合する 色素 1は中性 p 糖の存在下で オレンジから紫への色の変化を示す Introduction 単糖類に対するキレート基としてのボロン酸の使用は糖のシグナリングの新しい方法の開発に関して 注目を集めている 現在まで グルコースの認識と検出はほとんど酵素的分析に限られている 安定性 耐熱性 耐溶剤性 検体の破壊などのような酵素のいくつかの特性は糖のセンサーとしての利用を制限してしまっている 合成探査子の開発はこれらの問題の一部を克服し 糖の検出の新たな技術をもたらすと思われる 1
分子色センサーとしてフェニルボロン酸とアミノ基間の相互作用を利用したものが報告されている ( 右図 ) この場合 ボロン酸基とアミノ基間の相互作用が色素の分子内の電荷移動特性を変化させ 色の変化を引き起こす この論文では 色素芳香環と共鳴状態にあるボロン酸基を持つ新しいアゾ色素の合成と分光学的な評価を報告する J. hem. Soc., hem. ommun. 1994, 183 Reult nd Dicuion 色素の合成 N 3 NN, +,, N 3 S S 3 N 4 5 N N N 3 3 N 3 S N N 3 N 3 N N dye N 3 S dye 1 dye 1 と dye は市販の (3) と色素 1 では (4) から 色素 では (5) から一槽反応で合成される 第一段階では アニリンボロン酸誘導体のジアゾニウムイオンが塩酸中で亜硝酸ナトリウムにより生成され ジアゾニウムイオンは求核置換反応によって対応する基質と結合した 収率 33% ( 色素 1) 1% ( 色素 )
色素 1 の分光学的評価色素 1 は水中で 495 nm に吸収スペクトルの極大をもつ ( = 95 M -1 cm -1 ) オレンジ色の溶液である p が 3 から 1 へと増大するにつれて 吸収バンドの赤色移動が起こり ( 等吸収点 515 nm) オレンジから紫への色の変化が観測される 滴定曲線を Figure. に示す D-フルクトース ( フルクトースは他の糖と比較して最も高いモノフェニルボロン酸との結合定数を示すので選ばれた ) 存在下での p 滴定では スペクトル変化は糖のない場合と似たものであったが Figure. のように色の変化が低 p 側へシフトしている スペクトル変化の原因 スペクトル変化はボロン酸基のアニオン型の構造と関係している 三角形型 電子不足な p ホウ素原子 - 四面体型 電子豊富な p 3 ホウ素原子 ボロン酸基の中性型 アニオン型間の電子特性の変化が観測されるスペクトル変化の原因となっている 糖の検出糖と錯化したボロン酸基の p は 錯化していないボロン酸基の p と比較して大きく減尐している ( 糖存在下 :p = 6.1 糖なし :p = 8.5) p 中性で光学的変化の極大が観測されるため p 中性での糖の検出が可能である 3
糖の存在によるスペクトル変化を Figure 3. に示す 糖の存在により p を増大させたときと同じ変化 すなわち吸収バンドの赤色移動を観測した この移動は比較的小さいが 視覚的に検出されるのに十分な色の変化 ( オレンジから赤紫 ) を与える 色の変化は室温では糖の添加後直ちに得られる D-フルクトースと D-グルコースを比較した滴定曲線を Figure 3. の挿入図に示す 色素 1 は D-フルクトースに対して 6.3 mm D-グルコースに対して 37 mm という解離定数 (d) を示した 色素 1 は糖の定性的で視覚的な検出に有用であるだろう (5-1 mm の D- フルクトースは数 mm のグルコースが存在する溶液中でさえ簡単に検 出できる ) 色素 の分光学的評価色素 は中性の水において黄色の溶液である 吸収スペクトルは 46 nm で極大を示し ( = 18 M -1 cm -1 ) 高 p で低波長側へシフトする 吸収スペクトルにおける糖の影響を Figure 5. に示す 糖の存在による光学的変化は小さすぎるため 視覚的には検出できない 4
色素 についての考察 色素 は p 未満おいてジメチルアミノ基のプロトン化により 溶液 中で淡黄色から深赤色への大きな色の変化を示す 色素の電子特性はジメチルアミノ基の存在によって左右され ボロン酸 基にはほとんど依存しない すなわち 色素の分子内電荷移動へのボロン 酸基の影響は弱いと思われる oncluion アゾ色素と共鳴状態にあるボロン酸基の組み込みが色素の色の変化を引き起こし得ることを明らかにした この色の変化はホウ素原子の中性型 アニオン型間の構造的な変化によるものであると思われる 色素の分子内電荷移動へのボロン酸基の影響は ボロン酸基が電子求引性 ( 中性型 ) と電子供与性 ( アニオン型 ) とに変化するにもかかわらず弱く 色素 1 は強い電子供与基が色素中に存在しないため 色素 より大きな光学的変化を示すと考えられる 研究はさらに多様なアゾ色素の光学的特性へのボロン酸基の構造的変化の影響を調査し 色の変化の原因に関するより深い知識を有し 観測される色の変化を最大にするために継続中である 5
補足 1. p の算出について dye + dye + + - 酸の全濃度を とし, - の濃度をそれぞれ x, x とすると [ [ [ [ x [ [ x [ x より 一方 と - が共存するときのある波長 での吸光度を とすると Lmbert-eer の法則より 光路長 1 cm のとき ([ x) bx : 波長 での の吸光係数 [ x [ を代入すると b : 波長 での - の吸光係数 [ [ [ [ [ b ここで 完全に酸型 ( ) になったときの波長 での吸光度を 完全に 塩基型 ( ) になったときの波長 での吸光度を b とする [ [ b b であるから [ b [ ゆえに [ b b したがって 1 すなわち b のとき [ 6
また つの波長の吸光度を使う場合 1 1([ x) b1x ([ x) x b 1 b1 [ b [ よって [ のとき 1 1 b1 b. 解離定数 d の算出について dye + dye S S + ボロン酸の全濃度を [, 糖と錯化したボロン酸の濃度を x とすると, S の濃度はそれぞれ [ x, x となるので [ [S ([ x)[s d [S x よって x [ [S [S d 以下 p の算出と同様にして f d [S : と S が共存するときのある波長 での吸光度 糖を加えてないとき ( ボロン酸が完全に) の波長 での吸光度 f : 糖を十分に加えて 吸光度が一定になったとき ( ボロン酸が完全に S) の波長 での吸光度 したがって f のとき d [ S ただし [S は遊離している糖の濃度であるから糖の全濃度が [S ならば [ [ [S [S ( d [ S のとき [S ) 7
3. 糖の構造 D- フルクトース - D- フルクトピラノース - D- フルクトピラノース - D- フルクトフラノース - D- フルクトフラノース D- グルコース - D-グルコピラノース - D-グルコピラノース - D-グルコフラノース - D-グルコフラノース 8