1. 復興基本法 復興の基本方針 B 型肝炎対策の基本方針における考え方 復旧 復興のための財源については 次の世代に負担を先送りすることなく 今を生きる世代全体で連帯し負担を分かち合うこととする B 型肝炎対策のための財源については 期間を限って国民全体で広く分かち合うこととする 復旧 復興のため

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参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

2. 改正の趣旨 背景の等控除は 給与所得控除とは異なり収入が増加しても控除額に上限はなく 年金以外の所得がいくら高くても年金のみで暮らす者と同じ額の控除が受けられるなど 高所得の年金所得者にとって手厚い仕組みとなっている また に係る税制について諸外国は 基本的に 拠出段階 給付段階のいずれかで課

第6回税制調査会 総6-3

参考資料 ( 地方税関係 ) ( 復興増税 ) 政府 与党合意 1 復興財源 (B 型肝炎対策財源を含む ) としての税制措 置 ( 要綱 ) 3 ( 復興支援税制 ) 東日本大震災からの復興に向けた税制上の対応 ( 地 方税 ) 8

女性が働きやすい制度等への見直しについて

資料9

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2. 改正の趣旨 背景給与所得控除額の変遷 1 昭和 49 年産業構造が転換し会社員が急速に増加 ( 働き方が変化 ) する中 (1) 実際の勤務関連経費が給与所得控除を上回っても 当時は特定支出控除 ( 昭和 63 年導入 ) がなく 会社員は実際の勤務関連経費がいくら高くても実額控除できなかった

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(2) 消費税率 10% への引上げ時に導入が予定されている軽減税率制度については 消費税 地方消費税の引上げ分のうち地方交付税原資分も含めると 約 3 割が地方の社会保障財源であり 仮に減収分のすべてが確保されない場合 地方の社会保障財源に影響を与えることになることから 確実に代替財源を確保するこ

市場と経済A

平成19年度分から

地方税法等の一部を改正する法律案の概要 総務省 1 地方法人課税における新たな偏在是正措置 平成 31 年 10 月 1 日施行 都市 地方の持続可能な発展のための地方税体系の構築の観点から 特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案 において特別法人事業税 ( 国税 ) を創設することに併

2. 改正の趣旨 背景税制面では 配偶者のパート収入が103 万円を超えても世帯の手取りが逆転しないよう控除額を段階的に減少させる 配偶者特別控除 の導入により 103 万円の壁 は解消されている 他方 企業の配偶者手当の支給基準の援用や心理的な壁として 103 万円の壁 が作用し パート収入を10

第5回基礎問題小委員会 礎5-1

Taro-★【2月Ver】01~05. ⑲計

平成19年度税制改正.xls

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つのシナリオにおける社会保障給付費の超長期見通し ( マクロ ) (GDP 比 %) 年金 医療 介護の社会保障給付費合計 現行制度に即して社会保障給付の将来を推計 生産性 ( 実質賃金 ) 人口の規模や構成によって将来像 (1 人当たりや GDP 比 ) が違ってくる

表1.eps

第8回税制調査会 総8-2(案とれ)

< 参考資料 目次 > 1. 平成 16 年年金制度改正における給付と負担の見直し 1 2. 財政再計算と実績の比較 ( 収支差引残 ) 3 3. 実質的な運用利回り ( 厚生年金 ) の財政再計算と実績の比較 4 4. 厚生年金被保険者数の推移 5 5. 厚生年金保険の適用状況の推移 6 6. 基

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第5回基礎問題小委員会 礎5-4

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目 次 (1) 財政事情 1 (2) 一般会計税収 歳出総額及び公債発行額の推移 2 (3) 公債発行額 公債依存度の推移 3 (4) 公債残高の累増 4 (5) 国及び地方の長期債務残高 5 (6) 利払費と金利の推移 6 (7) 一般会計歳出の主要経費の推移 7 (8) 一般会計歳入の推移 8

( 参考 ) 平成 29 年度予算編成にあたっての財務大臣 厚生労働大臣の合意事項 ( 平成 29 年 12 月 19 日大臣折衝事項の別紙 ) < 医療制度改革 > 別紙 (1) 高額療養費制度の見直し 1 現役並み所得者 - 外来上限特例の上限額を 44,400 円から 57,600 円に引き上

目 次 (1) 財政事情 1 (2) 一般会計税収 歳出総額及び公債発行額の推移 2 (3) 公債発行額 公債依存度の推移 3 (4) 公債残高の累増 4 (5) 国及び地方の長期債務残高 5 (6) 利払費と金利の推移 6 (7) 一般会計歳出の主要経費の推移 7 (8) 一般会計歳入の推移 8

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資料 1 税財政制度を通じた論点 Ⅰ 現状と課題 1. 地方財政の財政の概要 地方財政の平成 23 年度決算は 歳入約 兆円 歳出 97.0 兆円となっている なお 借入金残高は約 兆円と依然と高い水準にある 国と地方における最終支出ベースにおける比率は 42:58 となって

平成18年度地方税制改正(案)について

所得税 12 兆 6,14 億円 ( 歳入比 13.7%) これまで行われてきた度重なる税率構造の累進性の緩和や各種控除の拡充などにより 個人所得課税の負担は大きく軽減されてきています 所得税収の推移 ( 注 ) 所得税収は 21 年度以前は決算額 22 年度は予算額です なお 所得譲与税による税源

平成19年度市民税のしおり

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

平成26年版 特別会計ガイドブック


市第 号議案 横浜市市税条例の一部改正

個人市民税 控除・税率等の変遷【市民税課】

4. 附加価値への試みと挫折 現行事業税へ昭和 24 年 (1949 年 ) 第一次シャウプ勧告事業税の課税標準について 原料等 他の事業から購入したものの価値に その企業が附加したところの額である とし 課税標準を事業の所得によるのではなく 附加価値を採用すべきである旨勧告昭和 25 年 (194

H28秋_24地方税財源

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申告者と配偶者の合計所得金額の入力フォーム 申告者 ( 給与の支払いを受ける人 ) の事業所得 雑所得 配当所得 不動産所得 その他の所得の収入金額と必要経費を入力して合計所得金額を計算します 申告者の合計所得金額が 900 万円を超えると 配偶者控除または配偶者特別控除の控除額が変動します 申告者

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

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障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

付加退職金の概要 退職金の額は あらかじめ額の確定している 基本退職金 と 実際の運用収入等に応じて支給される 付加退職金 の合計額として算定 付加退職金は 運用収入等の状況に応じて基本退職金に上乗せされるものであり 金利の変動に弾力的に対応することを目的として 平成 3 年度に導入 基本退職金 付

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Microsoft Word 【資料】 抜本改革法案 概要.doc

タイトル

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このページを印刷する 2017 年 11 月 23 日森信茂樹 : 中央大学法科大学院教授東京財団上席研究員 副業 兼業の時代 所得税控除見直 し で不公平を正せ 来年度税制改正の作業が 与党税調で始まっている 連日のように改正案の 断片が報道されているが 全体像がいまだよくわからない そこで これ

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検査の背景 (1) 事業者免税点制度消費一般に幅広く負担を求めるという消費税の課税の趣旨等の観点からは 消費税の納税義務を免除される事業者 ( 以下 免税事業者 という ) は極力設けないことが望ましいとされている 一方 小規模事業者の事務処理能力等を勘案し 課税期間に係る基準期間 ( 個人事業者で

平成 24 年度国民健康保険税税率改定案 1 医療保険分 ( 基礎課税額 ) 現行 改定 増減 伸率 所得割額 4.30 % 4.63 % % 資産割額 % 9.80 % % 税率等 均等割額 17,100 円 18,000 円 900 円 5.3%

スライド 1

2 一般会計予算案の構成の概要 ⑴ 一般会計予算案のうち主な歳入の説明 Ⅰ 県 区 税 分 平成 31 年度予算案 平成 30 年度予算額 比 ( 単位百万円 ) 較 増減額増減率 % 県 民 税 57,320 59,877 2, 法人県民税 3,670 3, 個人

厚生年金 健康保険の強制適用となる者の推計 粗い推計 民間給与実態統計調査 ( 平成 22 年 ) 国税庁 5,479 万人 ( 年間平均 ) 厚生年金 健康保険の強制被保険者の可能性が高い者の総数は 5,479 万人 - 約 681 万人 - 約 120 万人 = 約 4,678 万人 従業員五人

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

総合政策 第 17 巻第1号 2015 成 23 年 5 月 2 日成立 までの政府等の動向 議 して 政府 与党は 4 月初旬に新たな国債の発行 論を整理することができる を見送る方針を確認するに至った メディアの報 ①政府は東日本大震災を激甚災害に指定してお 道によると 第 2 次補正に備えて財

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資料3

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1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

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15 18 定率減税の縮減 (15% 控除 7.5% 控除 (2 万円上限 )) 資本金等の額 ( 税法に規定する資本金等の額又は連結個別資本金等の額 ) が 50 億円超 800,000 円 10 億円超 50 億円以下 540,000 円 1 億円超 10 億円以下 130,000 円 1 千万

3. 生命保険料控除の改組 1 平成 24 年 1 月 1 日以後に締結した保険契約等 ( 新契約 ) に係る生命保険料控除は 新たに介護保険料控除を設け 一般生命保険 個人年金保険のそれぞれの適用限度額を 4 万円とし 合計適用限度額が 12 万円に引き上げる 2 平成 23 年 12 月 31

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平成 23 年 9 月 20 日 ( 火 ) 第 8 回東日本大震災復興対策本部資料 復興 B 型肝炎対策財源としての税制措置の 複数の選択肢 ( 国税 ) 平成 23 年 9 月 20 日 税制調査会

1. 復興基本法 復興の基本方針 B 型肝炎対策の基本方針における考え方 復旧 復興のための財源については 次の世代に負担を先送りすることなく 今を生きる世代全体で連帯し負担を分かち合うこととする B 型肝炎対策のための財源については 期間を限って国民全体で広く分かち合うこととする 復旧 復興のための税制措置は 基幹税などを多角的に検討する 復旧 復興のための税制措置による税収は 他の経費と区分して管理する 平成 23 年度税制改正事項による増収分を復旧 復興財源に充てることを検討する 復興債の償還期間 (= 税制措置の期間 ) は 集中復興期間 (5 年間 ) 及び復興期間 (10 年間 ) を踏まえ検討する 2. 財源スキーム 復旧 復興対策事業 (1 次 2 次補正含む ) 19 兆円 1 次 2 次補正財源歳出削減 税外収入残余の額に対応する税制措置 6 兆円程度 5 兆円程度 8 兆円程度 復興債で補てんすることとされた年金臨時財源 B 型肝炎対策のうち 税制上の措置による要対応額 2.5 兆円 0.7 兆円 合計 11.2 兆円程度 1

3. 時限的な税制措置の 複数の選択肢 < 複数の選択肢 に係る試算例の位置付け > 復興の基本方針 では 具体的な税目 年度毎の規模等を組み合わせた複数の選択肢を東日本大震災復興対策本部に報告した上で 政府 与党において改めて検討を行い 同本部において決定することとされている また 本部における決定に当たっては 平成 23 年度税制改正と併せて与野党間の協議を呼びかけ 合意を目指すこととされている 複数の選択肢 に係る試算例は こうした一連の検討のプロセスにおける 議論の素材 ないしは たたき台 として活用されることを目的として策定するものであり 復興の基本方針 及び B 型肝炎訴訟の全体解決の枠組みに関する基本方針 等に基づいて できるだけ予断を交えずに いくつかの技術的前提を置いて作業をしたものである 2

< 試算例 ( 国税 )> 地方税での対応は 0.8 兆円程度との前提で算定 1 基幹税のうち 所得税 法人税に負担を求める 23 年度税制改正事項を復興財源に充てるとともに 所得税 法人税に時限的な付加税を課す 所得控除等の見直し + 法人税付加税 + 所得税付加税 = 0.7 兆 + 2.4 兆 + 7.5 兆 0.1 兆円 / 年 5 年 0.8 兆円 / 年 (10%) 3 年 0.8 兆円 / 年 (5.5%) 10 年 = 10.4 兆円程度 ( 注 ) 法人税は 23 年度税制改正 ( 法人税率の引下げ + 課税ベース拡大 ) の実施を決めた上で 現行より税率引下げとなる形で付加税を課す 約 0.1 兆円 約 0.1 兆円 約 0.1 兆円 約 0.1 兆円 約 0.1 兆円 所得控除等の見直し ( 約 0.1 兆円 / 年 ) 所得税付加税 5.5% ( / 年 ) 法人税付加税 10% ( / 年 ) 1.7 兆円 1.7 兆円 24 年度 25 年度 1.7 兆円 0.9 兆円 0.9 兆円 0.8 兆円 0.8 兆円 0.8 兆円 0.8 兆円 0.8 兆円 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 30 年度 31 年度 32 年度 33 年度 3

2 基幹税 ( 所得税 法人税 ) を中心にするが 個別間接税にも負担を求める 23 年度税制改正事項を復旧 復興財源に充てるとともに 所得税 法人税に付加税を課し たばこ税 ( 等 ) についても臨時の特別税を課す 所得控除等の見直し 0.1 兆 / 年 5 年 + 法人税付加税 + 所得税付加税 + たばこ臨時特別税 ( 又は酒税 揮発油税等で対応 ) 0.8 兆円 / 年 (10%) 3 年 0.6 兆円 / 年 (4.0%) 10 年 0.2 兆円 / 年 (1 円 / 本 ) 10 年 = 0.7 兆 + 2.4 兆 + 5.5 兆 + 1.7 兆 = 10.4 兆円程度 ( 注 1) 法人税は 23 年度税制改正 ( 法人税率の引下げ + 課税ベース拡大 ) の実施を決めた上で 現行より税率引下げとなる形で付加税を課す ( 注 2) 個別間接税については たばこ税のほか 酒税や揮発油税等についても検討対象とすることが考えられるが 1 関係業界との調整が短期間の間に可能か 2 被災者の負担についてどのように考えるか といった点に留意が必要 仮に たばこ臨時特別税の増収額 ( 約 0.2 兆円 ) を 揮発油税等又は酒税の臨時特別税に替える場合 揮発油税等は 1 リットルあたり 3 円程度 酒税は 1 リットルあたり 20 円程度の税負担の上乗せとなる 約 0.1 兆円約 0.1 兆円約 0.1 兆円約 0.1 兆円約 0.1 兆円所得控除等の見直し ( 約 0.1 兆円 / 年 ) 約 0.2 兆円約 0.2 兆円約 0.2 兆円約 0.2 兆円約 0.2 兆円約 0.2 兆円約 0.2 兆円約 0.2 兆円約 0.2 兆円約 0.2 兆円たばこ臨時特別税 (1 本 1 円 約 0.2 兆円 / 年 ) 所得税付加税 4% ( / 年 ) 法人税付加税 10% ( / 年 ) 1.7 兆円 1.7 兆円 1.7 兆円 0.9 兆円 0.9 兆円 0.8 兆円 0.8 兆円 0.8 兆円 0.8 兆円 0.8 兆円 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 30 年度 31 年度 32 年度 33 年度 4

税制措置については 以上の選択肢を参考とし 1. どの税目を 2. いかなる税率で 3. いつから 4. どれだけの期間 5. どのように組み合わせるかが議論のポイントとなる 復旧 復興財源のために創設する税は 復旧 復興に対する国民の幅広い参 加 貢献を反映する観点から 例えば 復興貢献特別所得税 若しくは 復興 連帯特別所得税 などといった名称を付すことが考えられる 5

< 複数の選択肢 の提示に向けた留意点 > (1) 経済への配慮 23 年度税制改正 ( 所得控除等の見直し ) を活用することで 臨時増税の規模を抑制 法人税については 23 年度税制改正法案の恒久減税 ( 法人税率の引下げ及び課税ベースの拡大 ) の実施を決めた上で 復旧 復興財源としての法人税付加税を課す 現行より税率引下げとなるかたちで行う 税率 30% 2% 程度低下 28.05% 4.5% 引下げ 付加税 10% 4.5% 引下げ 25.5% 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 企業の国際競争力や産業空洞化防止の観点から 短期間(3 年間 ) の措置とし 恒久減税の効果を早期に実現する 3 年後の姿を示すことで 企業の予測可能性を確保 復興需要が低減する時期に減税となる ( 注 ) 相続税の見直しについては 平成 23 年度税制改正の実施を確保する必要 23 年度税制改正は 法人税率の引下げ等と併せ全体としてネット減税の税制改正であり かつ 23 年度予算の土台をなすもの 資産税の増収がなければ 歳出削減等により生み出される財源をその穴埋めに使わざるを得ず 復旧 復興財源に回すことができなくなることから その分だけ税制措置の規模が膨らむこととなる 6

(2) 簡素な税制 新たな税制措置は時限的な措置であることを念頭に置き 納税者や源泉徴収義務者の負担などに配慮し 出来るだけ簡素な仕組みとする必要 社会保障 税一体改革や各年度の税制改正などと両立し得る制度とする必要などを踏まえると 課税方法は現行の税額に一定率を乗じるような 簡素な制度とすることを基本とする ( 注 ) なお 既存の税目とは異なる新たな税については 以下の点に留意する必要がある 既存税制との重複や他の業種とのバランス上 公平性や中立性の観点から問題が生じること 制度設計や関係者との調整を新たに行うためには相当な時間がかかること 類似の税制が過去に廃止されたこととの関係をどのように説明するか (3) 償還期間 (= 税制措置の期間 ) 償還期間 (= 税制措置の期間 ) については 復興の基本方針 において 復興債の償還期間が 集中復興期間及び復興期間を踏まえ 今後検討する とされたことを受け 集中復興期間(5 年 ) 及び復興期間 (10 年 ) を踏まえつつ 次の世代に負担を先送りすることなく 今を生きる世代全体で連帯し負担を分かち合う という基本的考え方との整合性 個別税目ごとの特徴や税収力 個人や企業において新たに発生する負担の程度 我が国経済との関係 復興需要の高まりとそれに伴う公共支出の増大との関係 7

社会保障 税一体改革の方針(2010 年代半ばまでに段階的に消費税率 ( 国 地方 ) を 10% まで引き上げる ) との整合性 財政健全化目標( 遅くとも 2015 年度までに国 地方の基礎的財政収支 ( プライマリー バランス ) の赤字対 GDP 比を 2010 年度の水準から半減 ) との関係などに留意する (4) 平成 23 年度改正等との関係 所得控除等の見直しは 平成 23 年度税制改正事項である ( 現在 税制改正法案が国会審議中 ) 法人税付加税は 上記 (1) 経済への配慮 の観点から 平成 23 年度税制改正事項 ( 法人実効税率引下げと課税ベース拡大 : 現在 税制改正法案が国会審議中 ) と同時に実施することを想定している 所得税付加税及びたばこ臨時特別税等は 今回 復旧 復興等の財源確保の観点から新たに創設することを想定したものである 8

( 参考 ) 給与収入金額 (a) 課税所得 (b) 税制措置の年間負担額 - 給与収入階級別の負担割合 - 適用税率 (c) 税額 (d) 負担率 (d/a) 夫婦子 2 人の給与所得者 ( 単位 : 円 ) 付加税を賦課した場合の年間負担額 ( 試算 ) ( ) 内は1ヶ月当たりの負担額 付加税 4% 付加税 5.5% 300 万円 230,000 5% (261.7 万円 ) 11,500 0.4% 500 600 (42) (50) 400 870,000 43,500 1.1% 1,700 2,400 (142) (200) 500 1,570,000 10% (554.3 万円 ) 78,500 1.6% 3,100 4,300 (258) (358) 600 2,270,000 129,500 2.2% 5,200 7,100 (433) (592) 700 3,010,000 20% (736.3 万円 ) 203,500 2.9% 8,100 11,200 (675) (933) 800 3,810,000 334,500 4.2% 13,400 18,400 (1,117) (1,533) 900 4,610,000 494,500 5.5% 19,800 27,200 (1,650) (2,267) 1,000 5,470,000 666,500 6.7% 26,700 36,700 (2,225) (3,058) 1,500 10,020,000 1,770,600 11.8% 70,800 97,400 23% (1,162.6 万円 ) 33% (1,387.9 万円 ) (5,900) (8,117) 2,000 14,770,000 3,338,100 16.7% 133,500 183,600 (11,125) (15,300) 2,500 19,520,000 40% (2,340.0 万円 ) 5,012,000 20.0% 200,500 275,700 (16,708) (22,975) 3,000 24,270,000 6,912,000 23.0% 276,500 380,200 (23,042) (31,683) 5,000 43,270,000 14,512,000 29.0% 580,500 798,200 (48,375) (66,517) 10,000 90,770,000 33,512,000 33.5% 1,340,500 1,843,200 (111,708) (153,600) ( 注 )1. 平成 22 年民間給与実態統計調査 による平均給与収入 (1 年を通じて勤務した者 ) は 412.0 万円 2. 毎月勤労統計調査平成 22 年分結果確報 ( 厚生労働省 ) による一般労働者 ( パートを除く ) の平均給与額は 483.3 万円 3. 子のうち 1 人が特定扶養親族 1 人が 16 歳未満に該当するものとして計算している 4. 一定の社会保険料が控除されているものとして計算している 5. 付加税による負担額については 100 円未満を四捨五入して計算している 9

給与収入金額 (a) 課税所得 (b) 税制措置の年間負担額 - 給与収入階級別の負担割合 - 適用税率 (c) 税額 (d) 夫婦子 1 人 (16 歳未満 ) の給与所得者 負担率 (d/a) ( 単位 : 円 ) 付加税を賦課した場合の年間負担額 ( 試算 ) ( ) 内は1ヶ月当たりの負担額 付加税 4% 付加税 5.5% 300 万円 860,000 5% (156.7 万円 ) 43,000 1.4% 1,700 2,400 (142) (200) 400 1,500,000 10% (464.3 万円 ) 75,000 1.9% 3,000 4,100 (250) (342) 500 2,200,000 122,500 2.5% 4,900 6,700 (408) (558) 600 2,900,000 20% (657.1 万円 ) 192,500 3.2% 7,700 10,600 (642) (883) 700 3,640,000 300,500 4.3% 12,000 16,500 (1,000) (1,375) 800 4,440,000 460,500 5.8% 18,400 25,300 (1,533) (2,108) 900 5,240,000 620,500 6.9% 24,800 34,100 (2,067) (2,842) 23% (1,093.4 万円 ) 31,700 43,600 1,000 6,100,000 792,500 7.9% 33% (1,318.7 万円 ) (2,642) (3,633) 1,500 10,650,000 1,978,500 13.2% 79,100 108,800 (6,592) (9,067) 2,000 15,400,000 40% (2,273.7 万円 ) 3,546,000 17.7% 141,800 195,000 (11,817) (16,250) 2,500 20,150,000 5,264,000 21.1% 210,600 289,500 (17,550) (24,125) 3,000 24,900,000 7,164,000 23.9% 286,600 394,000 (23,883) (32,833) 5,000 43,900,000 14,764,000 29.5% 590,600 812,000 (49,217) (67,667) 10,000 91,400,000 33,764,000 33.8% 1,350,600 1,857,000 (112,550) (154,750) ( 注 )1. 平成 22 年民間給与実態統計調査 による平均給与収入 (1 年を通じて勤務した者 ) は 412.0 万円 2. 毎月勤労統計調査平成 22 年分結果確報 ( 厚生労働省 ) による一般労働者 ( パートを除く ) の平均給与額は 483.3 万円 3. 子のうち 1 人が 16 歳未満に該当するものとして計算している なお 夫婦のみの場合 税額は上記と同じである 4. 一定の社会保険料が控除されているものとして計算している 5. 付加税による負担額については 100 円未満を四捨五入して計算している 10

単身の給与所得者 給与収入金額 (a) 課税所得 (b) 税制措置の年間負担額 - 給与収入階級別の負担割合 - 適用税率 (c) 税額 (d) 負担率 (d/a) ( 単位 : 円 ) 付加税を賦課した場合の年間負担額 ( 試算 ) ( ) 内は1ヶ月当たりの負担額 付加税 4% 付加税 5.5% 300 万円 1,240,000 5% (114.4 万円 ) 62,000 2.1% 2,500 3,400 (208) (283) 400 1,880,000 10% (410.0 万円 ) 94,000 2.4% 3,800 5,200 (317) (433) 500 2,580,000 160,500 3.2% 6,400 8,800 (533) (733) 600 3,280,000 20% (602.9 万円 ) 230,500 3.8% 9,200 12,700 (767) (1,058) 700 4,020,000 376,500 5.4% 15,100 20,700 (1,258) (1,725) 800 4,820,000 536,500 6.7% 21,500 29,500 (1,792) (2,458) 900 5,620,000 696,500 7.7% 27,900 38,300 1,000 6,480,000 1,500 11,030,000 23% (1,051.6 万円 ) 33% (1,276.9 万円 ) (2,325) (3,192) 868,500 8.7% 34,700 47,800 (2,892) (3,983) 84,200 2,103,900 14.0% 115,700 (7,017) (9,642) 2,000 15,780,000 40% (2,233.7 万円 ) 3,671,400 18.4% 146,900 201,900 (12,242) (16,825) 2,500 20,530,000 5,416,000 21.7% 216,600 297,900 (18,050) (24,825) 3,000 25,280,000 7,316,000 24.4% 292,600 402,400 (24,383) (33,533) 5,000 44,280,000 14,916,000 29.8% 596,600 820,400 (49,717) (68,367) 10,000 91,780,000 33,916,000 33.9% 1,356,600 1,865,400 (113,050) (155,450) ( 注 )1. 平成 22 年民間給与実態統計調査 による平均給与収入 (1 年を通じて勤務した者 ) は 412.0 万円 2. 毎月勤労統計調査平成 22 年分結果確報 ( 厚生労働省 ) による一般労働者 ( パートを除く ) の平均給与額は 483.3 万円 3. 一定の社会保険料が控除されているものとして計算している 4. 付加税による負担額については 100 円未満を四捨五入して計算している 11