1 江戸川区特定事業主行動計画について 江戸川区特定事業主行動計画とは 急速に進む少子化の流れを変えるため 次世代を担う子供たちが健やかに生まれ 育成されていく環境を社会全体として整えていくことを目的に 平成 15 年 7 月に 次世代育成支援対策推進法 が制定されました この法の中で 事業主はその雇用する労働者の労働条件等を整備し 職業生活と家庭生活との両立を図るような支援対策を実施しなければならないと義務付けられています 支援対策を実施するにあたり 目標 実施時期等を明確にするため行動計画を策定します なお 江戸川区など地方公共団体は特定事業主と位置付けられ 計画を策定することとなっています 2 江戸川区特定事業主行動計画 ( 前期 ) の検証について 1 勤務環境の整備に関すること (1) 子どもの出生時における父親の出産支援休暇の取得促進 目標 1 出産支援休暇希望者の取得率を 100% とします 2 出産支援休暇について さらに周知を図ります 3 管理監督者は 出産支援休暇取得の奨励に努めることとします 参考 出産支援休暇男性職員がその配偶者の出産にあたり 子の養育その他家事等を行うときに 配偶者の出産の前後を通じて日を単位として2 日以内で取ることができる休暇 1
検証 H17 H18 H19 H20 1.7 日 1.9 日 1.8 日 1.8 日 36 人 28 人 34 人 20 人 平均取得日は 平均 1.8 日となっており ほぼ最大日数活用されている 希望者が取得できない状況はほぼなく 引き続き取得率 100% を目標値とする 人数に変動はあるが 引き続き周知徹底を図り 今後も推移を見守る 平均取得日数が 1.8 日であり 最大限活用されている実態から 今後日数の増加を検討する 国は出産支援休暇とは別に育児参加休暇 (5 日以内 ) がある 育児参加休暇 = 妻が出産する場合に その出産に係る子又は小学校就学の始期に達するまでの子の養育のための休暇 (2) 妊娠中や出産後における配慮 目標 1 母性保護及び母性健康管理の観点から 下記の制度の周知を図ります ⅰ) 危険有害業務の就業制限 ⅱ) 深夜勤務や時間外勤務の制限 ⅲ) 母子保健健診休暇などの健康診査や保健指導のために勤務しないことの承認 ⅳ) 育児時間による勤務軽減 ⅴ) 妊婦通勤時間による通勤緩和 2 出産費の給付等の経済的支援措置についての周知を図ります 3 妊娠中の職員の健康や安全に配慮し 各職場においては 必要に応じ事務分担の見直しを行います 4 管理監督者は 妊娠中の職員に対しては 原則として時間外勤務を命じないこととしますが 本人の希望を考慮するようにします 参考 これらの制度は 労働基準法や男女雇用機会均等法 地方公務員等共済組合法 職員の勤務時間 休日 休暇等に関する条例 規則等に基づくものです 2
検証 1 母性保護及び母性健康管理の観点からの下記の制度の周知 ⅰ) 危険有害業務の就業制限危険有害業務の就業制限とは 重量物を取り扱う業務 著しく暑熱な場所における業務 著しく寒冷な場所における業務などをいう ( 女性労働基準規則 ) 現在も就業制限は行っているが 保育園等職場として制限業務が多い職場に一層の周知徹底を図る ⅱ) 深夜勤務や時間外勤務の制限 現在も就業制限は行っているが 事務の効率化 事務分担の見直し等各職場に引き続き周知徹底を図る ⅲ) 母子保健健診休暇母子保健健診休暇とは 妊娠中 産後 1 年以内の女性職員が健康診査 保健指導を受けるために必要な時間をとれる休暇 H17 H18 H19 H20 14.6 時間 13.6 時間 14.3 時間 11.3 時間 42 人 54 人 50 人 43 人 平成 20 年の取得時間 取得人数が減ったのは 対象者が減ったため ( 下表参照 ) と思われる 引き続き周知徹底を図る H17 H18 H19 H20 92 人 106 人 107 人 81 人 3
ⅳ) 育児時間による勤務軽減育児時間とは授乳 その他保育のため 子が1 歳 3ヶ月に達するまでの期間 1 日 2 回 1 回 45 分で与えられる時間 ( 有給 ) 労基法 = 1 歳まで 1 日 2 回 1 回 30 分 H17 H18 H19 H20 64.8 時間 53.1 時間 48.8 時間 38.4 時間 46 人 38 人 32 人 25 人 育児休業が平成 14 年から3 歳までとなり 子と長く接することを考え 育児時間より育児休業を選ぶ職員が増えたと予想される 1 歳 3 か月 3 歳就学 育児時間 ( 有給 ) 90 分 育児休業 ( 無給 ) 1 歳まで手当金 ( 約 50%) H14 1 歳 3 カ月 3 歳 部分休業 ( 無給 ) 1 日 2 時間 H20 3 歳 就学 育児短時間 ( 無給 ) 1 日 4 時間 1 日 5 時間 週 3 日 週 2 日半 H20 導入 ⅴ) 妊婦通勤時間による通勤緩和妊婦通勤時間とは 妊婦の健康維持のため 胎児の健全な発育のため 母子手帳交付から産前までの期間 正規の勤務時間の始めまたは終りにそれぞれ30 分またはいずれかに一方に60 分 交通混雑 ( 交通機関利用者のみ ) を避けるためにある時間 4
H17 H18 H19 H20 40.3 時間 37.2 時間 41.5 時間 37.0 時間 52 人 69 人 56 人 42 人 一般的に妊娠 5ヶ月で安定期となる 妊娠初期より制度を活用しいていただくよう 引き続き周知徹底を図る 2 出産費の給付等の経済的支援措置についての周知 共済組合の出産費等 引き続き周知徹底します 3 妊娠中の職員の健康や安全への配慮 必要に応じた事務分担の見直し 1 同様周知徹底を図ります 4 本人の希望を考慮するが 管理監督者は妊娠中の職員に原則時間外勤務を命じない 1 同様周知徹底を図ります (3) 育児休業等を取得しやすい環境の整備 目標 ア. 制度の周知と情報提供 1 全庁 LANを活用した 制度周知 2 育児休業等の職員体験談の全庁 LANへの掲載 3 管理監督者及び職場の制度理解 利用しやすい雰囲気づくり 4 出産や育児休業に関する福利厚生事業の情報提供 5 人事担当の育児休業等の制度や手続きの適切な説明 イ. 育児休業等を取得しやすい雰囲気の醸成 1 管理職を中心に各職場における相談しやすい雰囲気や休みやすい体制づくり 2 育児休業等による事務分担の見直し 3 育児休業等の取得者は 職場の上司や庶務担当者に速やかに報告 ウ. 育児休業を取得した職員の円滑な職場復帰の支援 1 各職場と育児休業者は 互いに適宜 適切に情報提供 2 復職時には 必要に応じOJT( 職場内研修 ) を実施 エ. 育児休業 妊娠出産休暇の代替要員の確保 1 育児休業 妊娠出産休暇の代替要員については 臨時職員で適切に対応 以上のような取組を通じて 育児休業の取得率を 男性 :4% 女性: 現状を下回らない率 ( 平成 15 年度 96.5%) とします 5
検証 育児休業の取得を見ると 女性のほとんどが育児休業を取得しているが 男性はほとんど取得していない よって 制度周知や情報提供に関しては男性をターゲットに行い ワークライフバランスの視点から 男性が育児参加できる取組みを行う 女性 男性 H15 H16 H17 H18 H19 H20 取得率 96.5% 100.0% 100.0% 98.5% 100.0% 98.2% 取得者 ( 人 ) 83 78 62 66 71 55 対象者 ( 人 ) 86 78 62 67 71 56 取得率 4.0% 3.3% 0.0% 0.0% 5.6% 4.0% 取得者 ( 人 ) 2 1 0 0 2 1 対象者 ( 人 ) 50 30 30 39 36 25 Q なぜ 男性の育児参加が必要か?( 参考 21 世紀職業財団 HP) 女性に重くかかる育児責任現状では 共働き家庭においても 専業主婦家庭においても 育児責任の大半は女性が担っており 小さな子どもを持つ女性の育児の負担感は大きくなっています 核家族化の進展や 働く女性の増加といった変化の中で 家庭の中で女性に育児の過重な負担がかかっているという状況に変化がなければ 母親が育児を楽しみさらに次の子どもをもとうとする積極的な意識にはなりにくく こうした状況は子どもを生み育てることを躊躇させる要因の一つとなります 子供が育つ環境整備としての重要性こうした状況を打開する上で 男性が育児責任をこれまで以上に分担していくことは不可避であり それによって女性の育児負担感を軽減し 男女が共に育児に前向きに関わることができるようになれば 子どもを育てる環境の改善が期待できます 同時に子どもの発達 成長における父親の役割は非常に重要であることはいうまでもありません 母親 父親 そして多くの人と触れ合う中で 子どもは価値観やものの見方の多様性を学習し 成長していきます 子どもの立場からみても 母親だけでなく父親とも関わることが制度面で保障されていくことは大切なことです 6
Q 何が男性の育児参加を阻んでいるか? 男性の育児への抵抗感の存在何よりも 男性が育児をすることへの抵抗感が 男性本人 職場の雰囲気 さらには社会一般に根強く存在していることがあげられます こうした現状を打開するためには 男性が子育てに関わっていきたいというニーズを持つことが前提条件となるわけですが それを実現するためには それを受容する職場の環境整備が強く求められます 例えば育児休業を取得したくても 職場に迷惑をかける という意識が 休業の申し出を躊躇させている例は実に多いです 育児は女性の役割という意識こうした現状は 育児は女性の役割 という固定的な意識に根ざした部分が大きいようです 育児休業と同様に家庭の事情を理由に取得する介護休業と比較すると 休業取得者に占める男性比率は 介護休業の場合は 30%( 平成 20 年度 ) ですから 育児休業の場合の男性の利用者の低さは際立っています 親の介護と子どもの育児 同じ家庭責任であるにもかかわらず 本人そして周囲が受け止める意識には大きな違いがあるようです 仕事の進め方の問題育児休業を利用しようとしても 周囲に迷惑をかけてしまうという遠慮から希望を言い出しにくい背景には 仕事の進め方にも問題がある場合があります 長時間労働が恒常化している 休暇取得が進まない といった状況があるとすれば 仕事の進め方や役割の分担が曖昧で 情報共有や引継ぎのルール化が明確でないという 職場の仕事の進め方の問題もあるのではないでしょうか 仕事の進め方自体を見直すことも 重要なポイントです Q 職場としてメリットはあるのか? 仕事の効率化 情報共有化男性の育児参加は 職場にとってマイナスと考えられがちです ところが 視点を変えてみると そのメリットにも気がつきます 育児休業や短時間勤務などの制度利用者がでることにより 当然人員減に対する職場での対応が求められることになり それが 職場の中の仕事の効率化 情報共有化の仕組み等を進めていくきっかけとなることが期待できます 7
組織の柔軟性の向上育児休業を取った職員の仕事内容が非定型的で基幹的な場合は 臨時職員で対応するには限界があります このため 男性の育児休業取得が進めば 職場内で業務の進め方やその配分方法を見直すなどの取組が必要となってくるわけですが 育児休業を契機として こうした取組みが進めば 育児休業以外の場合の不測の欠員という事態にも対応しうるなど 組織のフレキシビリティが高まり 職場の危機管理能力が高まるといえるでしょう Q 今後どのような取組みが必要か? 父親休暇の検討出産支援休暇の平均取得日数がほぼ最大限活用されている実態と国に育児参加休暇 (5 日以内 ) があることを考えると 父親休暇等の検討が必要となります 妻の出産時や出産直後に 年次有給休暇取得を奨励したり 父親休暇 ( 出産後の特別休暇制度 ) 等の制度化を図る等 1~2 週間程度の短期の休暇取得を推進することは重要です この期間は 出産に立ち会う あるいは出産後の妻をサポートするという意味でも 育児以外にも男性に重要な役割が期待される時期といわれています 短期間の休業を一般化することによって 子育てのために仕事を休むということが特別のことではなくなることが期待できます 1 週間程度の休暇であれば 忌引き休暇や夏季休暇と同様であり また短期であることから仕事への影響も小さいと考えられ 職場の抵抗も小さいのではないでしょうか 出産はあらかじめ時期をある程度特定化できる点も 仕事のやりくりという点からみると受け入れやすいと思われます 具体的には次のような制度対応が考えられます 妻の出産後の有給休暇取得の奨励 妻が専業主婦や産後休業中であっても 少なくとも産後 8 週間までは 男性も育児休業を取得することができることの周知を徹底する 妻の出産後の 父親休暇 等特別休暇制度の導入を検討する (4) 時間外勤務の縮減 目標 ア. 事務の簡素合理化の推進 1 係ごとに事務処理計画表の作成を行い 事務効率化を図る 2 会議 打合せについて 可能なものは立ったまま行ったり 全庁 LANの電子会議室を活用するなど 一層の簡素合理化を図る 3 定型的事務については 事務処理のマニュアル化を一層図る 4 新たに行事等を実施する場合には 目的や効果 必要性等について十分検討し 既存の行事等との関係を整理し 代替的に廃止できるものは廃止します 8
検証 引き続き事務の簡素合理化を推進します イ. 時間外勤務の縮減のための意識啓発等 1 恒常的に時間外勤務が多い職場の管理職からヒアリングを行う 2 意識向上を図るため 自己診断チェックリストを作成し 職場に配布します 3 管理監督者は 時間外勤務の多い職員に対し健康管理に特に気を配るよう心掛けます 4 時間外勤務縮減のための取組事例を収集し 全庁 LAN を通じて情報提供を行います 5 各職場に 時短推進員 を設置し 組織的な取り組みを推進します 超過勤務月 80 時間 100 時間超え人数の推移 (H17~20) 超過勤務月 80 時間 100 時間超え人数の推移 ( 各年度月別 ) 9
検証 超過勤務月 80 100 時間越えの人数は平成 17 年から平成 20 年にかけ 増加している傾向である 月毎の80 100 時間越えの推移をみると 一年を通じ概ね W 型 となっており 8 月 12 月を下限として 年度末 年度初めが最も多くなっている 区の仕事は 年度主義であり また異動の時期が重なるこの時期に いかに備えるかがポイントである 引き続き 現在行っている過重労働対策 ( 超過勤務月 100 時間超え職員及び管理監督者への面接等 ) の充実を図る ゆでカエル 撲滅キャンペーンを実施する ウ. 定時退庁の実施 1 各職場に応じた 独自の定時退庁日を設定する等の取り組みを推進します 2 定時退庁を率先垂範するなど 管理職の指導による定時退庁の実施 徹底を図ります 定時退庁実績 H17 H18 H19 H20 H21 7 月 8 日 ( 水 ) 実施せず実施せず 10 月 24 日 ( 水 ) 11 月 5 日 ( 水 ) 11 月 5 日 ( 水 ) 検証 引き続き 年 2 回程度定時退庁日を設定し 時短推進員を中心に各職場で時短の取組みを行う (5) 休暇の取得の促進 目標 ア. 年次有給休暇の取得の促進 1 係単位で年次有給休暇取得計画表等を作成し 計画的な取得促進を図ります 2 管理監督者は 職員の年次有給休暇の取得状況を把握し 計画的な取得を促進します 3 メイン サブなど 業務の変りが出来る体制を整え 取得環境を改善 4 管理職も自ら率先して 計画的に休むよう努めます イ. 連続休暇等の取得の促進 1 週休日や国民の祝日 夏季休暇と組み合わせた年次有給休暇の取得 2 家族の記念日 運動会や授業参観などの学校行事への参加の取得 3 GW やお盆期間における会議は 開催しないよう努める 職員一人あたりの年次有給休暇の年間平均取得日数目標を 16 日 ( 取得率 80%) とする 10
検証 管理職の取得日がかなり低い傾向にあり 管理職を中心に意識改革が必要である キャンペーン等の意識啓発活動実施 (H20 1 1 運動 : 年休を1 年で1 日多く取ろう ) 連続休暇促進運動実施 くっつきゅ ~か ( 金の靴 月の靴 ) 1 年を通じ 比較的仕事が落ち着く期間にまとめて年休を取る スマイルホリデー ウ. 子の看護のための休暇の取得の促進小学校の始期に達するまでの子を看護するための休暇 ( 年 5 日以内 ) 目標 1 制度の周知をさらに図り 希望取得 100% を目指す 2 周囲に対する気兼ねがなくなるような職場の雰囲気作り 検証 H17 H18 H19 H20 3.4 日 3.4 日 3.5 日 3.1 日 282 人 272 人 239 人 225 人 制度の周知とともに 幼児は病気をする可能性が高いこと ( 保育園等の環境 ) の周知も行い 職場に理解を求める 11
(6) 異動についての配慮 目標 異動希望調査票などを通じて 可能な範囲で子育ての状況に応じた人事上の配慮を行う 検証 引き続き人事上の配慮を行う 2 その他の次世代育成支援対策に関すること (1) 子育てバリアフリー 目標 1 乳幼児を連れた来庁者の多い庁舎には 授乳室やベビーベッドの適切な設置を検討 2 職員は 子どもを連れた人への配慮等 ソフト面でのバリアフリーを推進します 検証 子育て関連部署がある本庁舎 2 階 ( 西棟 ) に授乳室及びベビーベットを設置 また 保育課にベビーベッドを配置 引き続き必要な個所に設置するよう検討していく (2) 子ども 子育てに関する地域貢献活動等 目標 ア. 子ども 子育てに関する地域貢献活動 1 スポーツや文化活動など 地域の子育て活動への職員の参加を奨励 2 管理監督者は 職員が地域活動に参加しやすい職場の雰囲気作りを心掛ける イ. 安全で安心して子どもを育てられる環境づくりへの参加 1 地域住民の自主的な防犯活動や少年非行防止活動等への職員の参加を奨励 2 管理監督者は 職員が地域活動に参加しやすい職場の雰囲気作りを心掛ける 検証 引き続き推奨 雰囲気作りを行う 12
(3) 子どもとふれあう機会の提供 目標 1 職員のレクリエーション行事を実施するにあたっては 子どもを含めた家族全員が参加できるように配慮します 検証 引き続き実施にあたって配慮をする 13