スタンダードプリコーション (標準予防策) と 感染経路別予防策

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それでは具体的なカテーテル感染予防対策について説明します CVC 挿入時の感染対策 (1)CVC 挿入経路まずはどこからカテーテルを挿入すべきか です 感染率を考慮した場合 鎖骨下穿刺法が推奨されています 内頚静脈穿刺や大腿静脈穿刺に比べて カテーテル感染の発生頻度が低いことが証明されています ただ

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鼻腔内 ( 人工呼吸器装着者 ) 安全に吸引が実施できる者を選定すること及び緊急時に備える STEP1 安全管理体制確保 評価項目内容実施者 留意事項 考えられるえられる主なリスク 必要な知識知識 技術 利用者の状態に関する情報を共有し 報告 連絡 相談等の連携体制を確保する ( 急変 事故発生時の

6/10~6/16 今週前週今週前週 インフルエンザ 2 10 ヘルパンギーナ RS ウイルス感染症 1 0 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 8 10 咽頭結膜熱 急性出血性結膜炎 0 0 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 流行性角結膜炎 ( はやり目 )

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はじめに 高齢者施設等で抵抗力が低い利用者をケアするには 介護スタッフの感染予防が必要です 施設は重度の利用者が中心になり さまざまな基礎疾患を抱えているため 感染しやすい状態の方が急増しています 介護スタッフが感染源にならないための予防策と 介護スタッフ自身の安全なケアの方法が重要となってきます

る 時間外に感染対策室に緊急報告が必要な場合は 当直師長から感染対策看護師へ連絡を行う ( 小児科患者の報告については 集団発生や感染対策上重要な感染症の場合を除き小児科定点報告書等で代用する ) 6) 感染対策室から サーベイランス結果の報告を病院各部署へ E メールで行う ( 不定期 ) 3.

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Transcription:

標準予防策 と 感染経路別予防策

本日の研修内容 標準予防策について 感染経路別予防策について

標準予防策とは Standard Precaution 全ての患者は感染症に罹患している可能性がある 感染者と非感染者を区別しない 検査を提出していないだけなのかも まだ発見されていない感染症かも

標準予防策とは Standard Precaution すべての患者の血液 体液 ( 汗を除く ) 分泌物 排泄物 粘膜 損傷した皮膚 を感染の可能性のある物質とみなし対応することで 患者と医療従事者双方における院内感染の危険性を減少させる予防策 感染症の有無に関らず全ての患者に適用する疾患非特異的予防策

標準予防策の基本は Standard Precaution 手指衛生と 防護用具の着用

手指衛生のポイント 1 適切なタイミング 2 適切な手技

手指衛生のタイミング 患者と直接接する前 中心静脈カテーテル挿入する際に 滅菌手袋を着用する前 尿留置カテーテル 末梢静脈テーテルなど侵襲的医療器具を挿入する前 患者の健常皮膚に接触した後

手指衛生のタイミング 体液 排泄物 粘膜 創処置のあと 同一患者の汚染部位から清潔部位に移る時 * 手袋着用の有無にかかわらず * 手袋を外したあと

感染対策の基本は手指衛生 CDC (2002 年 ) 医療現場における手指衛生のためのガイドラン 従来の 石鹸と流水による手洗い よりも 擦式消毒用アルコール製剤を使用した手指消毒 を推奨 目に見える汚れがある 目に見える汚れがない 抗菌液体石けん + 流水 速乾性擦式手指消毒剤

ウェルパス 1ml 手洗い前 手洗い後 ウェルパス 3ml 手洗い前 手洗い後

速乾性手指消毒剤の使用 手あれに注意! 消毒効果がある 手あれで皮膚が傷つくと 時間がかからない 皮膚のバリア機能が破壊 シンクや水道管を必要としない 微生物の定着や伝播の要因 ペーパータオルがいらない ハンドクリームやローション 速効性がある を使用 手あれを防ぎましょう! アルコールによる脱脂

手洗い前 手洗い後 石鹸で 10 秒手洗い 石鹸で 20 秒手洗い 手洗い前 手洗い後 12

手の 洗い残し が多い部位 指先 ( 爪の部分 ) 親指の裏側指の間手のしわの部分手荒れの部分 手の甲 手のひら INFECTION CONTROL 2000 Vol.9 No.4

爪は伸びていませんか? 1 爪は短く切っておく また 時計や指ましょう! 輪も外しておきます 腕時計をはずし しっかりと ワンプッシュ 2 まず 流水で十分に手を濡らす 3 適量の液体石鹸を手にとる 泡タイプも導入しています 4 石けんを手全体になじませ 手のひらを擦り洗いする 5 手の甲を擦り洗いする 6 指の間を洗う INFECTION CONTROL 2007 vol.16

爪の間も! 7 指先を立てるようにして擦り洗いする 8 親指を擦り洗いする 手袋を着用していても 汚染しやすい部位です 9 手首を擦り洗いする 10 流水で十分に洗い流す 手荒れ予防にはすすぎが重要 11 ペーパータオルで押さえつけるように 水分をよく拭き取る 12 水を止める場合は 肘を使うか ペーパータオルを使用する INFECTION CONTROL 200vol.16

防護具の選択 対象 : すべての患者 血液 体液 分泌液 排泄物などが 手に触れる可能性 衣服へ飛散する可能性 目に飛散する可能性 口 鼻に飛散する可能性 17

防護具の着脱方法 着用順序 手洗いまたはアルコール消毒 プラスチックエプロンマスクゴーグル 外す順序 手袋ゴーグルプラスチックエプロンマスク 手袋手洗いまたはアルコール消毒 18

首の後ろがミシン目になっています まずはエプロン 紐をしっかり結ばないと ピラピラとあっちこっちを汚染してしまいます

次にマスク ひだを伸ばして ノーズピースを 鼻に合わせる INFECTION CONTROL 2007 vol.16

そしてゴーグル 最後に手袋 INFECTION CONTROL 2007 vol.16

どれから外していくの?

まず手袋 表面は不潔裏面は清潔 INFECTION CONTROL 2007 vol.16

最後は 裏返った手袋のなかに 片方の手袋がすっぽり!! 表の汚染面に触れないよう注意しながら 内表になるようクルクル折り込みながら INFECTION CONTROL 2007 vol.16

次はゴーグルを外す 後面は汚染していない 前面は汚染している 汚染しているレンズ表面に触れないよう 耳にかかる部分を手でつまみ廃棄します その次はエプロン INFECTION CONTROL 2007 vol.16

前面は汚染している 汚染している面を内側にし クルクルの折り込みまがら脱いで下さい 軽く引っ張ると 首の後ろのミシン目が切れます後ろの腰ひもも 軽く引っ張るとミシン目が切れます 最後は小さくまとめて 感染性ゴミ箱へ廃棄!

最後にマスク 後面は汚染していない 前面は汚染している 汚染しているマスク表面に触れないよう 耳にかかるゴムの部分を手でつまみ廃棄します INFECTION CONTROL 2007 vol.16

標準予防策 すべての患者に標準的に行われる 感染経路を遮断する 空気感染予防策結核麻疹水痘など 飛沫感染予防策風疹流行性耳下腺炎インフルエンザなど 接触感染予防策 クロストリテ ィウム テ ィフィシルノロウイルス MRSA など

接触感染とは 主な疾患 クロストリディウム ディフィシル MRSA ノロウイルスなど 患者と直接接触することで伝播する直接感染と汚染した器具や衛生材料などを介して伝播する間接感染があります

病原微生物の汚染状況 患者さんが触れない環境も汚染されています 30 The Risk of Hand and Glove Contamination after Contact with a VRE (+) Patient Environment. Hayden M, ICAAC, 2001, Chicago, IL.

患者配置 接触感染予防策 個室管理 ( 原則 ) PPE( 手袋 エプロン ) 血液 排泄物 創部排膿 ( 汚物 ) など接触時 患者から離れたら取り除き手指衛生 PPE 脱いだ後は 周囲の環境に触れない

接触感染予防策 器具の取扱い 血圧計 聴診器 体温計など 患者に直接接触する医療器具は患者専用とすることが 望ましい やむをえず共有する場合 使用後速やかに洗浄 消毒する 患者の移動 必要な場合のみに制限する

飛沫感染とは 主な疾患 風疹 流行性耳下腺炎 インフルエンザなど 水分 落下速度 30~80 cm / 秒 5 ミクロン以下 飛沫粒子 5 ミクロン (1 ミクロンは 1 ミリの 1000 分の 1) より大きい飛沫粒子が会話や咳 気管内吸引処置などによって周囲に飛散して伝播する

息と飛沫の動き こんな所まで飛んでます 宮崎市郡医師会のブログより

飛沫感染 飛沫感染の確定された危険範囲は 患者の周囲 1メートル 天然痘の実験的研究 2003 年のSARSアウトブレイク調査 飛沫曝露を防御するためのマスクをいつ装着するべきなのか 決定の単一の基準として 1メートル と用いるべきではない 患者から2~3メートル以内 あるいは入室時にマスク装着することが慎重な対応 とされた 35

患者配置 飛沫感染予防 個室管理 ( 原則 ) ベット間は 2m 以上離すか カーテンで隔離する 病室の扉は開けたままでよい サージカルマスクの着用 患者の 2~3m 以内 あるいは病室内で業務をするとき 患者の移動 移動制限をし やむをえない場合患者にサージカルマスクを着用

空気感染とは 主な疾患 5ミクロン以下 結核 麻疹 飛沫核 水痘 など 落下速度 0.06~1.5cm / 秒 5 ミクロン (1 ミクロンは 1 ミリの 1000 分の 1) 以下の飛沫核が長い時間空中を浮遊して 空気の流れにのって伝播する

空気感染予防策 患者配置 病室は陰圧個室とする ( 西病棟 1 6 階 東病棟 4 階 ) 病室の扉は常時閉鎖 患者の移動制限呼吸器防護具の着用 医療者はN95マスクの着用 患者の病室外への移動時はサージカルマスク

標準予防策と感染経路別予防策 実践への応用 これまでの話しをもとに 感染対策について考えてみましょう! 39

Q1. 40 始める前に 必要なことはありませんか?

A1. 手指衛生 ( 手指消毒 ) 患者に使用していない針のみ 41 点滴用処置台の上に手指消毒剤を設置しましょう! 処置台の上を整理整頓し 作業前にはアルコールで拭きましましょう!

Q2. 不適切な箇所はありませんか? 42

A2. 手袋 手袋を脱ぎ 手指消毒をしてから入力しましょう! 勤務終了時には PDA をアルコールで拭いていますか? 43

Q3. 44 不適切な箇所はありませんか?

A3. 防護用具 手袋 ビニールエプロン マスク ゴーグルが必要です 尿が飛び散らないように 静かに流しましょう! 45

46 不適切な箇所はありませんか?

A4. 鼻を触っています 黄色ブドウ球菌が 表皮ブドウ球が 鼻腔粘膜 皮膚 髪の毛には病原体が定着 業務中は 鼻 目 髪の毛などを触らない習慣をつける もし触ってしまったら手指衛生が必要 47

Q5. インフルエンザ 入室前に必要なことは? 48

A5. 手指衛生と サージカルマスクの着用です マスクは正しく着用しましょう 49

50

Q6. 麻疹 入室前に必要なことは? 51

A6. 手指衛生 N95 マスクの着用 抗体のない人は N95 マスクの着用が必要です 抗体がある人の場合は? 52 患者が咳をしている場合は サージカルマスクの着用が必要です

引用 参考文献 1)INFECTION CONTROL. メディカ出版.2007 vol.16 2) 感染管理に関するツール集. 認定病院患者安全推進協議会発行. 2006 3) 医療現場における手指衛生のためのCDCガイドライン. メディカ出版.2003 4) 廣瀬千也子監修 : 感染管理 QUESTION BOX2 標準予防策と感染経路予防策職業感染対策. 中山書店.2006 5) 矢野邦夫 向野賢治訳 : 医療現場における隔離予防策のためのCDC ガイドライン- 感染性微生物の伝播予防のために-. メディカ出版. 2007

ご静聴ありがとうございました