11 月 01 日 阪神港国際コンテナ戦略港湾推進事務局( 準備室 ) を大阪港埠頭 公社内に設置 平成 23 年 03 月 31 日 改正港湾法の公布 平成 23 年 04 月 1 日大阪港埠頭株式会社及び神戸港埠頭株式会社が新外貿法の指定を受 け 本格的に業務開始 阪神港国際コンテナ戦略港湾推進

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平成20年度国家予算

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目次 1. 大阪港の概要 1 大阪港の概要 大阪港の位置 大阪港の取扱貨物量 外貿コンテナ貨物の取扱状況 大阪港の再編計画 2. 対象事業の概要 5 整備目的 事業の主な経緯 整備対象施設の概要 事後評価に至る経緯 3. 費用対効果分析 7 便益項目の抽出 需要の推計 便益計測 荷主の輸送コストの削

資料 3-1 国際コンテナ戦略港湾政策について 平成 30 年 11 月 6 日関税 外国為替等審議会関税分科会国土交通省港湾局

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目 次 1 はじめに 1 2 経営理念 1 3 基本方針 2 4 経営目標 3 5 経営環境の認識 4 6 中期的重要施策と推進策 5 2

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コンテナ戦略港湾に寄港する欧州基幹航路を週3便に増やす し 阪神国際港湾株式会社が設立され 同年11月28日に国土 とともに 北米基幹航路のデイリー寄港を維持 拡大する こ 交通大臣が同社を港湾運営会社として指定した同年12月26 とを設定し 概ね10年以内に 国際コンテナ戦略港湾におい 日には同社

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岡山大学経済学会雑誌 47(3),2016, 研究ノート 港湾運営会社制度の特徴と課題 津守貴之 目次問題の所在 1. 港湾運営会社制度の概要と特徴 2. 制度設計の問題点とその経緯および背景小括 問題の所在本稿の目的は次の2 点である 1 港湾運営会社制度の制度設計の基本的な問題点の

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東南アジア航路 韓中航路 日韓航路等において スペース交換 航路の合理化 新航路の共同開設などについて加盟船社同士が協調することで 競争力の回復を図ることを目的としている KSP は 2017 年 11 月の第 1 弾では東南アジア航路で 3 隻 釜山 - 博多 門司航路で 4 隻の撤退 2018

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

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港湾局運営方針の概要 平成 25 年度港湾局運営方針局運営の基本的な考え方 ( 抜粋 ) 埋立事業においては 限られた財源を有効に活用する必要があることから 事業の選択と集中により新島および夢洲地区を重点的に整備するとともに 23 年度 関西イノベーション国際総合特区 に指定された夢洲地区においては

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資料 2-2(1) 小樽港本港地区 臨港道路整備事業 再評価原案準備書説明資料 平成 21 年度北海道開発局

別紙 Ⅰ 対象事業の概要環境影響評価法 ( 平成 9 年法律第 81 号 以下 法 という ) 第 15 条に基づき 事業者である国土交通省関東地方整備局及び横浜市から 平成 30 年 6 月 22 日に送付のあった環境影響評価準備書 ( 以下 準備書 という ) の概要は次のとおりである 1 事業

はじめに 都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域は 都市再生特別措置法 ( 平成 14 年 4 月 5 日公布 平成 14 年 6 月 1 日施行 以下 法 という ) に基づき 国が政令で指定するものです 1 都市再生緊急整備地域 趣旨 都市機能の高度化及び都市の居住環境の向上を図るため

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第6回議論における補足資料

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新設 拡充又は延長を必要とする理地方公共団体の実施する一定の地方創生事業に対して企業が寄附を行うことを促すことにより 地方創生に取り組む地方を応援することを目的とする ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 少子高齢化に歯止めをかけ 地域の人口減少と地域経済の縮小を克服するため 国及び地方公共団体は まち

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日本海側拠点港の対象 < 対象港湾 > 日本海側に存在する国際拠点港湾及び重要港湾 26 港 < 対象機能 > 1. 輸送モード 国際海上コンテナ 国際フェリー 国際 RORO 船 外航クルーズ( 定点クルーズ 背後観光地クルーズ ) 国際定期旅客 2. 貨物 原木 その他の貨物 資料 : 国土交通

News Release 2014 年 3 月 24 日 伊丹市と新関西国際空港株式会社が 伊丹市域におけるまちづくりの推進 について合意 伊丹市と新関西国際空港株式会社は 伊丹市域の生活環境の改善 地域コミュニティの再生等を図るためのまちづくりを連携して推進するため 2014 年 3 月 24 日

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お客様各位 2018 年 6 月 14 日 井本商運株式会社代表取締役社長井本隆之 東京 / 横浜 - 神戸 - 門司 / 博多航路 増便 神戸 - 名古屋 / 四日市航路 新設のご案内 初夏の候 貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます 平素は格別のご高配を賜り 厚く御礼申し上げます さて こ

目次 1. 事業の概要 1 (1) 事業の目的 1 (2) 事業の経緯 5 (3) 事業の概要 6 2. 投資額及び整備期間 7 (1) 投資額 ( 事業費 ) 7 (2) コスト縮減結果 7 (3) 整備期間 7 3. 事業の必要性等 8 (1) 本整備事業による効果 8 (2) 定量的な効果 9

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平成23年度都市・土地・PFI税制改正に対する要望

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税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

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輸出許可一般的な輸出申告による輸出通関 搬出許可概 要 輸出通関における保税搬入原則の見直しが施行されました - お知らせ - 輸出通関における保税搬入原則の見直しについては 当該見直しを盛り込んだ関税改正法が平成 23 年 3 月 31 日に成立し 同年 10 月 1 日より施行されました これに

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数値目標 事業開始前 ( 現時点 ) 平成 28 年度 (1 年目 ) 平成 29 年度 (2 年目 ) 平成 30 年度 (3 年目 ) 港湾取扱貨物量 556 万トン 4 万トン 0 万トン 20 万トン 観光入込客数 2,899.4 万人回 -9.5 万人回 1.9 万人回 1.9 万人回 7

H28秋_24地方税財源

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東京港コンテナふ頭の取扱貨物の現状 外貿コンテナ取扱量の推移 ( 平成 5(1993)~ 平成 28(2016) 年 ) 平成 28 年 425 万 TEU コンテナ貨物の輸出入別取扱量 コンテナ貨物の相手地域別取扱量 平成 28 年東京港港勢より作成 平成 28 年東京港港勢より作成 東京港 42

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11


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目 次 1. 事業の概要 1) 事業の目的 P 1 2) 概要及び進捗状況 P 2 2. 事業の効果 1) 効果項目の抽出と便益の計測 P 3 2) 便益として計測する効果 1 陸上輸送コスト削減便益 P 4 2 滞船コスト削減便益 P 5 3) その他の効果 1 排出ガス発生の抑制 P 6 2 沿

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望の内容平成 28 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) ( 経済産業省経済産業政策局産業再生課 ) 制度名産業競争力強化法に基づく事業再編等に係る登録免許税の軽減措置 税 目 登録免許税 ( 租税特別措置法第 80 条 ) ( 租税特別措置法施行令第 42 条の

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福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

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工期 : 約 8 ヶ月 約 11 ヶ月 1-3 工事名 : 大阪港北港南地区岸壁 (-16m)(C12 延伸 ) 埋立工事 ( 第 2 工区 ) 2) 工事場所 : 大阪市此花区夢洲東 1 丁目地先 3) 工期 : 約 9ヶ月 4) 工事概要 : 埋立工 1 式 ( 工事発注規模 )2 億 5,00

( 事業所税の課税標準の特例 ) 第三十三条 ( 略 ) 2~5 ( 略 ) 6 平成二十九年四月一日から平成三十一年三月三十一日までの期間 ( 以下この項において 補助開始対象期間 という ) に政府の補助で総務省令で定めるものを受けた者が児童福祉法第六条の三第十二項に規定する業務を目的とする同法

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

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平成 31 年度税制改正に関する内閣府主管項目のポイント 1 子ども 子育て支援の推進 子ども 子育て支援における制度の見直しに伴う税制上の所要の措置 ( 国税 地方税 ) 経済財政運営と改革の基本方針 ( 平成 30 年 6 月 15 日閣議決定 ) において 3 歳から 5 歳まで (0 歳から

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様式第一六(第12条関係)

Taro-資料 1.jtd

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【日証協】マイナンバー利活用推進小委員会提出資料

道路建設事業の再評価項目調書 とのみ 事業名 一般国道 2 号 富海拡幅 事業 一般国道 事業 国土交通省 区分 主体 中国地方整備局 やまぐちしゆうなんへた 起終点自 : 山口県周南市戸田延長 3.6km 事業概要 やまぐちほうふとのみ 至 : 山口県防府市富海 おおさか きたきゅうしゅう 一般国

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東アジアへの視点

⑴ 政策目的 市街地再開発事業の推進により 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るとともに コンパクトシティの推進及び密集市街地の解消を図る 新設 拡充又は延長を必要とする理由 ⑵ 施策の必要性 以下の施策の推進のため 本措置の延長により 民間事業者による早期かつ着実な保留床の取得を促

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

新設 拡充又は延長を必要とする理由(1) 政策目的 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備する観点や低炭素化 循環型の持続可能な社会の実現の観点から 中古住宅取得や増改築等工事の適用要件の合理化や増改築等工事の対象を拡充することにより 中古住宅の流通促進 住宅ストックの循環利用に資する (

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

産業構造が変化し 情報のグローバル化や新興国の技術進歩 国際物流ネットワークの充実により 国際分業化が進行し 輸出入にかかる物流網の重要性が増している しかしながら 滋賀県のような内陸部では 港頭地区などと比較して輸出入にかかるリードタイムが長く 輸送コストが高くなるため 荷主企業の経営負担を大きく

資料2 紙類の判断の基準等の設定に係る検討経緯について

望の内容平成 30 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) ( 経済産業省中小企業庁経営支援部創業 新事業促進課 ) 制度名 産業競争力強化法に基づく創業支援事業計画の認定自治体における登録免許税の軽減措置の延長 税 目 登録免許税 ( 租税特別措置法第 80 条第

Transcription:

3 国際コンテナ戦略港湾 の取り組み (1) これまでの経過国土交通省は 釜山港等アジア諸国の港湾との国際的な競争がますます激化するなか コンテナ港湾について 更なる 選択 と 集中 により国際競争力を強化するため 国際コンテナ戦略港湾を選定することとし 国際コンテナ戦略港湾検討委員会 において選定基準を提示し 港湾管理者等の応募を募った 国際コンテナ戦略港湾検討委員会において 応募者 ( 阪神港 京浜港 伊勢湾 北部九州 ) が提出した計画書が採点され 平成 22 年 8 月に国土交通省により阪神港と京浜港が国際コンテナ戦略港湾に選定された その後 国土交通省は平成 23 年 3 月に港湾法を改正し 国際コンテナ戦略港湾を港湾法上の港格として新たに 国際戦略港湾 として位置付け 直轄港湾工事の国費負担率の引き上げ及び対象施設の拡充を行うとともに コンテナ埠頭等を一体的に運営する株式会社を港湾運営会社として指定するなど民の視点を導入し効率的な港湾運営を実現するための所要の措置 ( 行政財産の貸付制度や無利子貸付制度の創設等 ) を講じてきた さらに 国際コンテナ戦略港湾政策をより強力に推進するため 国において平成 25 年 7 月に 国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会 が設置されるとともに 学識経験者や業界関係者等の委員による議論を踏まえ 平成 26 年 1 月に最終とりまとめが公表された この最終とりまとめにおいて示された個別施策は 以下の3 本の柱としている 1) 国際コンテナ戦略港湾への 集貨 2) 国際コンテナ戦略港湾への産業集積による 創貨 3) 国際コンテナ戦略港湾の 競争力強化 一方 阪神港においては 1 西日本から貨物を集める 集貨 2 産業の立地促進により新たな貨物を生み出す 創貨 3 民の視点による港湾経営主体の確立など 競争力強化 に取り組んでいる また 阪神港では 平成 23 年度に創設された 総合特区制度 を活用し 一部事業において税制上の特例措置を受けるとともに 規制の特例措置や税財政支援等に係る提案項目の実現に向けて取り組んでいるところである ( 参考 ) 平成 21 年 10 月 21 日国土交通大臣 更なる 選択 と 集中 による拠点港湾を選定する 平成 22 年 2 月 2 日阪神港国際コンテナ戦略港湾促進協議会を設置 2 月 8 日阪神港国際コンテナ戦略港湾促進協議会が政府に提案書提出 5 月 12 日阪神港国際コンテナ戦略港湾促進協議会が政府に要望書提出 8 月 6 日国際コンテナ戦略港湾選定 9 月 21 日阪神港国際コンテナ戦略港湾総合特区を阪神港国際コンテナ戦略港湾促進協議会から内閣官房へ提案 -23-

11 月 01 日 阪神港国際コンテナ戦略港湾推進事務局( 準備室 ) を大阪港埠頭 公社内に設置 平成 23 年 03 月 31 日 改正港湾法の公布 平成 23 年 04 月 1 日大阪港埠頭株式会社及び神戸港埠頭株式会社が新外貿法の指定を受 け 本格的に業務開始 阪神港国際コンテナ戦略港湾推進事務局 を神戸港埠頭株式会社 内に設置 9 月 30 日 関西イノベーション国際戦略総合特区申請 12 月 22 日 関西イノベーション国際戦略総合特区指定 12 月 26 日 大阪港港湾計画に 効率的な運営を特に促進する区域 を位置づけ 平成 24 年 3 月 09 日 国際戦略総合特別区域計画 ( 第 1 次 ) 認定 税制支援 ( 株式会社上組の物流倉庫 < 神戸港 >) 6 月 19 日 特定埠頭群の区分の指定 ( 大阪港 神戸港 ) 8 月 28 日 大阪港 神戸港の両埠頭株式会社による特例港湾運営会社の指定申請 9 月 28 日 国際戦略総合特別区域計画 ( 第 3 次 ) 認定 税制支援 ( 商船港運株式会社の荷役機械 < 神戸港 >) 10 月 17 日 大阪港 神戸港の両埠頭株式会社への特例港湾運営会社の指定 12 月 28 日 大阪港埠頭株式会社の運営計画の変更認可大阪港 神戸港の両埠頭株式会社による特定埠頭群の運営開始 平成 25 年 3 月 29 日 国際戦略総合特別区域計画 ( 第 5 次 ) 認定 金融支援 ( 株式会社辰巳商会の荷役設備 < 神戸港 >) 7 月 10 日 国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会の設置 ( 第 1 回委員会 ) 12 月 26 日国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会第 5 回委員会の開催 平成 26 年 1 月 20 日国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会 最終とりまとめ公表 8 月 28 日 国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会 第 6 回委員会の開催 10 月 1 日大阪港 神戸港の両埠頭株式会社を上下分離方式により経営統合し 阪神国際港湾株式会社 として業務開始 10 月 10 日阪神国際港湾株式会社による港湾運営会社の指定申請 11 月 14 日国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会 創貨ワーキンググループの設置 ( 第 1 回ワーキンググループ開催 ) 11 月 28 日阪神国際港湾株式会社への港湾運営会社の指定 12 月 26 日阪神国際港湾株式会社に対して国及び民間銀行が出資 平成 27 年 2 月 27 日国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会 第 2 回創貨ワーキンググループの開催 3 月 30 日 阪神国際港湾株式会社の運営計画の変更認可 総合特区は阪神港関係のみ記載 -24-

(2) 阪神港の目標阪神港の国際競争力の強化に向け 利用者に対し高水準な物流サービスを提供できるよう 国との緊密な連携のもと 様々な施策に取り組んでいく 1 阪神港の目指すべき姿戦略港湾阪神港の目指すべき姿 1 西日本の産業と国際物流を支えるゲートポートとして 機能拡大 ( 基幹航路維持 拡大 ) 2 釜山港等東アジア主要港湾と対峙できる コスト リードタイム等の港湾サービスを確保し 国内ハブ機能再構築 3 基幹航路の拡大に向けた取扱貨物量を確保 東アジアの国際ハブポートとして機能 2 阪神港の目標貨物量阪神港は西日本のゲートポートとして アジア主要港並みのサービス水準を提供することにより 西日本諸港の海外トランシップ貨物等を阪神港に集約し 取扱貨物量を増加して 基幹航路の拡充を図る 阪神港における集貨目標貨物量 集貨目標貨物量 2015 年 490 万 TEU 現状 (2008 年 ) 400 万 TEU うち北米航路 47 万 TEU うち北米航路 70 万 TEU フィーダー 38 万 TEU フィーダー 110 万 TEU 2020 年 590 万 TEU トランシップ 0 トランシップ 20 万 TEU うち北米航路 75 万 TEU フィーダー 130 万 TEU トランシップ 100 万 TEU 集貨目標貨物量 区分 2008 年実績 2015 年 2020 年 外貿コンテナ取扱貨物量 400 万 TEU 約 490 万 TEU 約 590 万 TEU 内航フィーダー鉄道 トラックフィーダー 国際トランシップ 38 万 TEU 0 万 TEU 110 万 TEU 130 万 TEU 20 万 TEU 100 万 TEU TEU:twenty-footequivalent unit 20 フィートコンテナ ( 長さ約 6メートル ) を 1 単位として換算したコンテナの個数 -25-

(3) 阪神港の具体的な取り組み 1 国際コンテナ戦略港湾への 集貨 阪神港では 内航フィーダーのクレーン使用料の 50% 減額措置やモーーダルシフト補助制度の実施など いち早く内内航フィーダー強化に取り組んできた また 大阪港では 従前前から内航フィーダー船を直接コンテナターミナルに着岸させる 直着け ( じかづけ ) を行いい 内外貿の一体運用を行ってきている さらに充実した内航フィーダー網を整備するため 平成 23 年 4 月から 700 総トン以上の大型内航フィーダー船へのインセンティブを実施するとともに 平成 23~25 年度にかけてモーダルシフト補助制度度 および集荷インセンティブ制度を創設し 運運用を行った 平成 26 年度以降の集貨貨策としては 阪神国際港湾株式会社が中心となって 国 大阪市 神戸市からも支援を行い 内航コンテナ船等によるコンテナ貨物の集貨貨や 航路充実のための各種インセンティブを実施してきている また 集貨施策の一つととして 内陸部の集貨拠点であるインランドポートの構築にむけて 平成 24 年 10 月に阪神インランドコンテナデポを滋賀県に設置し 現在在も継続して運営している インランドポートの実現により 荷主の輸送コストの削減や輸送送時間の短縮等が図られ 阪神港の利便性の向向上が期待されるものである 一方 阪神港としてのポートセールス活動は 平成 23 年 4 月に大阪阪市 神戸市 大阪と神戸の両埠頭株式会社のの 4 者により 阪神港国際コンテナ戦略港湾推進進事務局を設置し 阪神港セミナーや地方での阪神港説明会等を開催してきている 平成 26 年度においては 広島 京都 神戸 大阪 東京 大分 松松山で阪神港の取り組みや集貨施策等を紹介する阪神港説明会を国の協力も得て開催し 荷主主企業や物流企業等 延べ 452 社 870 名に参加加いただいている 平成 27 年度においても引き続き 国 神戸市及び阪神国際港湾株式式会社と連携し ポートセールス活動や集貨インセンティブ等を実施する 阪神港インランドポート阪神港の内航フィーダー網 釜山港 金沢港 釜山港 T/S 北米 荷主 空コンテンテナ 実入コンテナ 阪神港 IP インランドポート 北米 釜山港 T/S 阪神港直送阪神港 IP 利用 ( 点線は空コンテナ ) -26-

2 国際コンテナ戦略港湾への産業集積による 創貨 夢洲コンテナターミナルと連携して国際物流の一層の効率化を図るため ターミナル背後の用地 ( 約 40ha) を 産業 物流ゾーン と位置づけ 企業の立地需要に応じた用地提供を行うとともに 総合特区制度の活用などにより物流関連企業や先端産業など創貨企業の集積を図る また 国においては 国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会 の下に本市も参画した 創貨ワーキンググループ を平成 26 年 11 月 14 日に設置しており 創貨の取り組み状況や現状分析が議論されるなど 創貨について実務的な検討が進められているところである 3 国際コンテナ戦略港湾の 競争力強化 コンテナ船の大型化や取扱貨物量の増大等に対応するため 大水深コンテナターミナルの整備や 港湾法に規定する 港湾運営会社制度 の活用などにより 港湾コストの削減や 利便性向上のための取り組みを推進し 国際コンテナ戦略港湾の 競争力強化 を図る 1) 港湾施設の機能強化大阪港では 基幹航路におけるコンテナ船の大型化の進展や夢洲コンテナターミナルの取扱貨物量の増加に対応するため 主航路の浚渫と夢洲 C12 岸壁の延伸等を進めている < 主航路浚渫 ( 計画 )> 水深 16m 幅員 560m( 平成 27 年 3 月時点で水深 15m 幅員 400m) < 夢洲コンテナターミナル ( 計画 )> 水深 15~ 16m 3バース 延長 1,350m ( うち平成 27 年 3 月時点で C12 岸壁延伸部 250m は工事中 ) ターミナル面積 67.5ha ( うち平成 27 年 3 月時点で C12 岸壁延伸部 12.5ha は工事中 ) 荷役機械 11 基 ( うち平成 27 年 3 月時点で 8 基が供用 ) 2) 民の視点に立った港湾経営主体の確立阪神港として国際競争力の強化を図るためには 港湾の経営に対して民の視点を導入し 阪神港におけるコンテナ埠頭やフェリー埠頭などの一体的な運営による効率化や コスト低減並びにサービス向上を図ることが必要である そこで 阪神港においては 平成 23 年 4 月に大阪港 神戸港の両埠頭公社をそれぞれ株式会社化するとともに 両港の埠頭株式会社を平成 27 年までに経営統合する計画を 1 年前倒しし 平成 26 年 10 月に 阪神国際港湾株式会社 を設立した また 同年 11 月には同社が阪神港の 港湾運営会社 として国の指定を受けるとともに 12 月には国の出資を受けて我が国初の 特定港湾運営会社 となっている なお 統合形態としては 資産を保有する下物会社と その資産を借り受けて運営を行う上物会社に分離させて統合する上下分離方式としており 大阪港 神戸港の両埠頭株式 -27-

会社については 既存資産及び下物施設の保有 維持管理等を行う会社として存続してい る 統合会社の概要は以下のとおり 社名 : 阪神国際港湾株式会社 ( 英文 :Kobe-OsakaInte rnational 本社所在地 : 神戸市中央区御幸通 8 丁目 1 番 6 号神戸国際会館 20 階 設立日 : 平成 26 年 10 月 1 日 ( 水 ) PortCorporat ion) 設立時取締役 : 代表取締役会長犬伏泰夫 ( 元神戸港埠頭株式会社社長 ) 資本金 :7 億 3,000 万円 資本準備金 :7 億 3,000 万円 代表取締役社長川端芳文 ( 元大阪港埠頭株式会社社長 ) 発行株式数 :29,200 株 ( 国 34% 神戸市 31% 大阪市 31% 民間銀行 4%) 4 国際戦略総合特区の取り組み 国際戦略総合特区 は 我が国の経済成長のエンジンとなる産業 機能の集積拠点の形成を図るため 規制の特例措置 税制 財政 金融上の支援措置等を総合的に行うもので 阪神港では この総合特区制度を活用した 国際コンテナ戦略港湾の実現を目指して取り組んできた 平成 23 年 9 月には 京都 大阪 兵庫の 3 府県 京都 大阪 神戸 3 政令市が 阪神港を含む 9 地区からなる 関西イノベーション国際戦略総合特区 の共同申請を行い 同年 12 月に 国際戦略総合特区 の指定を受けた 関西イノベーション国際戦略総合特区 は 医療や環境 エネルギーなどの先端技術をいち早く実用化し市場に結びつける仕組み イノベーション プラットフォーム を構築し 産業の国際競争力の強化を目指すものであり このなかで阪神港は イノベーションを下支えする基盤としての物流インフラに位置付けられている 平成 24 年 3 月には 国際戦略総合特別区域計画 が認定されたが これまで提案している規制緩和 税財政支援等の制度化に向けては 一部を除き 現在も国等と協議 調整しているところであり 国との協議が整い 特区制度として追加された特例措置を活用する場合は 国際戦略総合特別区域計画 ( 変更 ) の認定申請を行っていくことになる -28-

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