平成 21 年度 第 2 回成果発表会 生活再建の課題 すまいの再建 京都大学防災研究所准教授牧紀男 2010.02.26
すまい再建の 3 層構造 個人 個宅人再によ建る住 / 宅質再の建管支理援 行政による住 家計 市場 住宅産業 住宅政策 ( 公営住宅 民間住宅規制 ) 流通 ( 金融 / 交通 ) 基盤 ( 通信 / エネルギー / 水 ) 巡住構る宅造問再題建のを 社会 / 文化 構造物 自然 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト
2500 万世帯 ( 震度 6 弱以上 ) 居住可能 居住不可 162 万世帯 ( 注 ) 被災地社会での生活 ( ライフライン復旧まで ) 住宅再建 注 :162 万世帯 ={( 風速 15m/s の場合の建物被災が要因の都県別避難者数 *1 ) ( 都県別の世帯数 人口 )} の 1 都 3 県合計 *1: 中央防災会議 首都直下地震被害想定 ( 平成 17 年 2 月 25 日 )( 東京湾北部地震 M7.3 15m/s( 冬 18 時発災 ) または風速 3m/s( 冬 5 時発災 )) の値 http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/shutohinan/8/shiryo_3.pdf 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 2
仮すまい (6 ヶ月後 ) 仮すまい (162 万世帯 ) 応急仮設 12 万世帯 避難所残留 18. 4 万世帯 民間賃貸住宅 74.5 万世帯 応急修理 31 万世帯 親族 知人 26 万世帯 佐藤慶一 中林一樹 翠川三郎 (2008) 地震被害想定を用いた応急住宅対策のミクロシミュレーション - 東京湾北部地震 M7.3 時の応急居住状況の予測 - 都市計画論文集 No43-3 pp.715-720 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 3
首都直下地震の住宅再建にお ける 公 の役割を明確化
住宅再建について 住宅題再の建構を造巡る問 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 5
被害 住み続ける意志 Will 制約 / 能力 Can お金 法的制約 所有関係 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 6
住宅再建を巡る問題構造 被害無し無し無し無し有り有り有り有り 住み続ける意志 制約 / 能力 有り有り無し無し有り有り無し無し 問題無し A 問題なし 問題有り B 都市計画事業の影響 問題無し C 転出 問題有り D 元の家に残らざるをえない 問題無し E 元の場所で再建 問題有り F 都市計画事業で再建 問題無し G 転出 問題有り H 公的支援が必要 都市計画事業 市場 市場 都市計画事業 市場 公営住宅 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト
被災した人々の住宅取得手法は 3 つ 都市計画事業 市場 公営住宅 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 8
個人による住宅再建 市場 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 9
建設労働市場 金融機関 不動産業者 建設業者 新規分譲 金融市場 不動産市場 建設産業市場 住宅売却 転出 住宅調達 ( 移転 ) 転入 立替 修理 ( 移転せず ) 家計 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 10
建設労働市場 金融機関 不動産業者 建設業者 建設労働者 新規分譲 金融市場 住宅物件 不動産市場 既存ストック 建設産業市場 建設サービス お金 住宅売却 住宅調達 ( 移転 ) 立替 修理 ( 移転せず ) 転出 転入 家計 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 11
金融機関 需要の増加 / 供給の減少住宅価格の高騰 不動産業者 需要の増加労働賃金の高騰 建設労働市場 建設業者 建設労働者 新規分譲 お金 需要の増加金利上昇 金融市場 住宅物件 住宅売却 転出 不動産市場 家計 住宅調達 ( 移転 ) 転入 既存ストック 立替 修理 ( 移転せず ) 建設産業市場 建設サービス 需要の増加建設価格の高騰 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 12
市場で発生する問題 金融機関 需要の増加 / 供給の減少住宅価格の高騰 不動産業者 需要の増加労働賃金の高騰 建設労働市場 建設業者 建設労働者 資金調達ができない お金 需要の増加金利上昇 金融市場 住宅物件 住宅売却 転出 新規分譲 不動産市場 住宅調達 ( 移転 ) 既存ストック 不動産情報が流通しない 転入 立替 修理 ( 移転せず ) 建設産業市場 建築物の質が低下する 建設サービス 家計 需要の増加建設価格の高騰 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 13
個人 生活再建 情報が流通しない 建物の質が下がる 資金を調達できない 市場で調達 都市計画事業 公営住宅 すまいの再建 個宅人再によ建る住 / 宅質再の建管支理援 行政による住 巡住宅構る再造問題建のを 家計 市場 住宅産業 住宅政策 ( 公営住宅 民間住宅規制 ) 流通 ( 金融 / 交通 ) 基盤 ( 通信 / エネルギー / 水 ) 社会 / 文化 構造物 自然 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト
住宅再建に関する 公 の役割 1. 住宅の質の確保 ( 建築基準法の運用 ) 2. 住宅情報の流通の確保 3. 低金利融資の実施 4. 公営住宅の建設 5. 都市計画事業の実施 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 15
行政の仕事量を算出する - 東京都を事例として - 都市計画事業 市場 公営住宅 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 16
公営住宅の量 再建不可 静岡 池田他 (2001) 持家 賃貸 建替 68.2 0 新規購入 4.5 5 賃貸住宅 3.9 27.3 公営住宅 17 53.7 親戚 知人 6.1 12.4 その他 0.2 1.7 N=869 N=121 再建不可 仮すまい 1 年 関東 佐藤 (2008) 持家 賃貸 建替 36 0 新規購入 13 12 賃貸住宅 16 37 公営住宅 17 26 親戚等 7 9 仮住まい 10 16 N=8025 N=4575 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 17
災害後のすまい 10 年後のすまい < 全半壊 > 戸建持地 持家 分譲集合住宅 公団 公社 災害時の住まい 公営住宅社宅 借地持家借家 N=336 民間賃貸集合住宅 戸建持地 持家 91.8% 11.1% 0.0% 11.1% 40.0% 20.0% 30.0% 19.4% 分譲集合住宅 2.2% 77.8% 0.0% 5.6% 40.0% 2.9% 3.3% 22.2% 公団 公社 0.0% 3.7% 100.0% 0.0% 0.0% 0.0% 13.3% 5.6% 公営住宅 2.2% 0.0% 0.0% 72.2% 0.0% 0.0% 20.0% 11.1% 社宅 0.5% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 2.8% 借地持家 0.5% 3.7% 0.0% 0.0% 0.0% 74.3% 3.3% 5.6% 借家 1.6% 0.0% 0.0% 5.6% 0.0% 0.0% 30.0% 2.8% 民間賃貸集合住宅 1.1% 3.7% 0.0% 5.6% 20.0% 2.9% 0.0% 30.6% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 平成 17 年兵庫県生活復興調査 を元に再集計 ) 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト
被災から 10 年 どんな家に住んでいるのだろうか? ( 単位 %) (n=1028) 災害時の住まい 戸建持地 持家 分譲集合住宅 公団 公社 公営住宅社宅 借地持家借家 民間賃貸集合住宅 無回答 戸建持地 持家 89.4 10.6 16.7 15.9 28.1 21.2 30.2 21.5 75 分譲集合住宅 3.8 83 19.4 10.1 43.8 5.8 3.8 2.6 災害後の住まい 公団 公社 0 2.1 55.6 0 0 0 9.4 2.2 公営住宅 1.1 2.8 68.1 0 0 11.3 6.5 社宅 0.5 0 21.9 0 0 1.1 借地持家 0.2 1.4 0 3.1 71.2 1.9 2.2 借家 0.9 0.7 1.4 0 0 35.8 2.2 民間賃貸集合住宅 2.2 0.7 5.6 2.9 3.1 1.9 5.7 41.9 無回答 1.8 1.4 2.9 1.4 0 0 1.9 0 100 100 100 100 100 100 100 100 移動せず 90.4 84.6 80 83 71.4 91.9 68.4 56.4 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト兵庫県 a H17 年度
公営住宅約 9 万戸東京都 ( 全 5,086,758 世帯 ) が阪神 淡路大震災の被災者と同様のすまいの変遷プロセスを経たと過程人口増なしと過程 災害後のすまい 戸建持地 持家分譲集合住宅公団 公社 戸建持地 持家 分譲集合住宅 公団 公社 公営住宅 災害前のすまい 社宅 借家 民間賃貸集合住宅 無回答 1,353,627 85,554 35,526 38,240 75,038 49,555 457,926 0 586,231 57,408 591,745 41,269 24,291 105,341 5,866 436,672 0 550,360 0 14,972 118,277 0 0 14,511 42,508 0 (28,842) 公営住宅 16,618 0 5,956 163,784 0 17,445 125,592 0 89,371 社宅 7,554 0 0 0 52,671 0 21,254 0 (159,027) 借家 13,597 4,991 0 3,367 0 55,267 42,508 0 (34,648) 差 民間賃貸集合住宅 33,236 4,991 11,913 6,975 7,456 8,799 809,582 0 (1,053,090) 無回答 27,193 9,981 6,169 3,367 0 2,933 0 0 49,644 1,509,233 712,233 219,111 240,024 240,505 154,377 1,936,041 0 0 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 20
都市計画事業重点密集市街地は都市計画事業を行う 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 21
地区リスト 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 22
東京都の仕事量 都市計画事業 約 27 万世 帯 市場 公営住宅 約 9 万世 帯 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 23
東京都 /8 都県市住宅復興計画を策定する ひょうご住宅復興 3 ヵ年計画 : 民間の供給量を過小評価した 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 24
建設労働市場 金融機関 不動産業者 建設業者 新規分譲 金融市場 不動産市場 建設産業市場 住宅売却 転出 住宅調達 ( 移転 ) 転入 立替 修理 ( 移転せず ) 家計 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 25
東京都 全世帯 :580 万世帯 被害なし 482 万世帯 居住不能世帯数 :98 万世帯 ( 注 ) 公営住宅 9 万世帯 <5 年で完成 > 都市計画 27 万世帯 <10 年で完成 :> 市場で調達 62 万世帯 < 現在の住宅着工戸数で行けば 4 年で完了 > 市場で調達 :62 万世帯 + 新築 ( 平成 20 年の新設住宅着工戸数 :157,169 65 万世帯で済むの戸 ( 東京都内 )) 既存ストックの活用 < 仮すまいに74.5 万戸か> 公営住宅数 関東大都市圏 : 空屋 :1,879,400 戸 ( 別荘等 108,700 を検証 賃貸用 1,098,000 売却用 106,400 その他 404,000 )< 平成 15 年住宅 土地統計調査 > 注 :210 万人 ( 風速 15m 建物被災要因による被災者数 )/1 世帯当たりの人口 (2.13 人 平成 17 年国勢調査 ) 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト 26
首都圏全域でどのような住宅再建計画 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト
被害 震度 住宅所有関係 総世帯数 ( 震度 6 弱以上 ): 10,709,294 世帯住宅を失う世帯数 (15m 冬 18 時 ):162 万世帯滅失率 :15% 震度 一戸建世帯数 長屋建世帯数 共同住宅世帯数 震度 6 弱以上 4,038,771 189,600 6,457,517 震度 持ち家世帯数 公営 都市機構 公社借家世帯数 民営借家世帯数 給与住宅世帯数 間借り世帯数 震度 6 弱以上 5,690,524 783,097 3,673,830 407,926 153,917 集計範囲 : 首都圏 (1 都 3 県 ) 使用資料 :H17 年国勢調査地域メッシュ統計 ( 日本測地系 ) 首都直下地震防災 減災特別プロジェクト