経済財政モデル の概要 経済財政モデル は マクロ経済だけでなく 国 地方の財政 社会保障を一体かつ整合的に分析を行うためのツールとして開発 人口減少下での財政や社会保障の持続可能性の検証が重要な課題となる中で 政策審議 検討に寄与することを目的とした 5~10 年程度の中長期分析用の計量モデル 短

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財政政策の考え方 不況 = モノが売れない仕事がない ( 失業増加 ) が代わりにモノを買う! 仕事をつくる ( 発注する )! = 財政支出拡大 ( がお金を使う ) さらに乗数効果で効果増幅!! 3 近年の経済対策の財政規模 名 称 内閣 事業規模 公共投資 減税 財政規模 日本経

資料 1-2 中長期の経済財政に関する試算 ( 平成 29 年 7 月 18 日経済財政諮問会議提出 ) 本試算は 経済財政諮問会議の審議のための参考として 内閣府が作成し 提出するものである 内閣府

タイトル

第45回中期経済予測 要旨

つのシナリオにおける社会保障給付費の超長期見通し ( マクロ ) (GDP 比 %) 年金 医療 介護の社会保障給付費合計 現行制度に即して社会保障給付の将来を推計 生産性 ( 実質賃金 ) 人口の規模や構成によって将来像 (1 人当たりや GDP 比 ) が違ってくる

日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

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長と一億総活躍社会の着実な実現につなげていく 一億総活躍社会の実現に向け アベノミクス 新 三本の矢 に沿った施策を実施する 戦後最大の名目 GDP600 兆円 に向けては 地方創生 国土強靱化 女性の活躍も含め あらゆる政策を総動員することにより デフレ脱却を確実なものとしつつ 経済の好循環をより

短期均衡(2) IS-LMモデル

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財政再建は待ったなし

2 / 6 不安が生じたため 景気は腰折れをしてしまった 確かに 97 年度は消費増税以外の負担増もあったため 消費増税の影響だけで景気が腰折れしたとは判断できない しかし 前回 2014 年の消費税率 3% の引き上げは それだけで8 兆円以上の負担増になり 家計にも相当大きな負担がのしかかった

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目 次 (1) 財政事情 1 (2) 一般会計税収 歳出総額及び公債発行額の推移 2 (3) 公債発行額 公債依存度の推移 3 (4) 公債残高の累増 4 (5) 国及び地方の長期債務残高 5 (6) 利払費と金利の推移 6 (7) 一般会計歳出の主要経費の推移 7 (8) 一般会計歳入の推移 8

(1987) (1990) (1991) (1996) (1998) (1999) (2000) (2001) (2002) 3 ( ) ( ) hkyo

目 次 (1) 財政事情 1 (2) 一般会計税収 歳出総額及び公債発行額の推移 2 (3) 公債発行額 公債依存度の推移 3 (4) 公債残高の累増 4 (5) 国及び地方の長期債務残高 5 (6) 利払費と金利の推移 6 (7) 一般会計歳出の主要経費の推移 7 (8) 一般会計歳入の推移 8

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公表内容 2 本機関は業務規程第 22 条に基づき 需要想定の前提となる経済指標として 以下の項目の見通しを策定し 公表します ( 全国の経済見通しの策定 ) 第 22 条本機関は 需要想定の前提となる人口 国内総生産 (GDP) 鉱工業生産指数 (IIP) その他の経済指標について 当年度を含む

公表内容について 2 本機関は業務規程第 20 条に基づき 需要想定の前提となる経済指標として 以下の項目の見通しを策定し 公表しました ( 全国の経済見通しの策定 ) 第 20 条本機関は 需要想定の前提となる人口 国内総生産 (GDP) 鉱工業生産指数 (IIP) 等の経済指標について 当年度を

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( 参考 ) と直近四半期末の資産構成割合について 乖離許容幅 資産構成割合 ( 平成 27(2015) 年 12 月末 ) 国内債券 35% ±10% 37.76% 国内株式 25% ±9% 23.35% 外国債券 15% ±4% 13.50% 外国株式 25% ±8% 22.82% 短期資産 -

【NO

経済 財政 社会保障の一体的建て直し 強い経済 税収の基盤 重要な成長分野 健康 分野で需要と雇用を創出 成長を実現する予算編成 持続可能な財政の下で可能となる消費 保険料の基盤 社会不安の最小化 強い財政 最大の支出項目 安定財源の確保による持続可能な 社会保障制度の確立 ( 抜本的税制改革による

図 4-1 総額 と 純計 の違い ( 平成 30 年度当初予算 ) 総額ベース で見た場合 純計ベース で見た場合 国の財政 兆円兆 国の財政 兆円兆 A 特会 A 特会 一般会計 B 特会 X 勘定 Y 勘定 一般会計 B 特会 X 勘定 Y 勘定

一般会計 特別会計を含めた国全体の財政規模 (1) 国全体の財政規模の様々な見方国の会計には 一般会計と特別会計がありますが これらの会計は相互に完全に独立しているわけではなく 一般会計から特別会計へ財源が繰り入れられているなど その歳出と歳入の多くが重複して計上されています また 各特別会計それぞ

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その 1 の財政状況は? 平成 28 年度一般会計決算からの財政状況を説明します 1 平成 28 年度の主なお金の使い道は? その他の経費 212 億 93 万円 扶助費 82 億 3,606 万円 16.7% 43.0% 義務的経費 219 億 7,332 万円 人件費 44.5% 79 億 8,

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イクル成分 のみから 需要側の動きの 仮置き値 の作成を行う これにより 次 QE から 2 次 QE への改定幅を縮小させることが期待される 本改善策は 22 年 4-6 月期 次 QE から導入する 本改善策の効果について 一定の仮定をおいて試算を行ったところ 民間企業設備の 2 年 7-9 月


要旨 :1. 先般政府が公表した 財政運営戦略 の内容は 次のとおり 1 財政健全化の目標として 国 地方のプライマリー収支 ( 対 GDP 比 ) を 2015 年度までに半減 2020 年度までに黒字化することが明記された 目標実現のための方策として ペイアズユーゴールールや 基礎的財政収支対象

いずれも 賃金上昇率により保険料負担額や年金給付額を65 歳時点の価格に換算し 年金給付総額を保険料負担総額で除した 給付負担倍率 の試算結果である なお 厚生年金保険料は労使折半であるが 以下では 全ての試算で負担額に事業主負担は含んでいない 図表 年財政検証の経済前提 将来の経済状

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図 1 では プライマリーバランスが 11 兆円の赤字であることがわかる この赤字が消えてプライマリーバランスが均衡する姿を想像すると 下の2つの式が成り立つ 経常的歳入 = 経常的歳出 国債発行 = 国債費 国債発行 = 国債費 の式に注目すると 償還費用を賄うために新規に国債を発行しても国債残高

第 7 章財政運営と世代の視点 unit 26 Check 1 保有する資金が預貯金と財布中身だけだとしよう 今月のフロー ( 収支 ) は今月末のストック ( 資金残高 ) から先月末のストックを差し引いて得られる (305 頁参照 ) したがって, m 月のフロー = 今月末のストック+ 今月末

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変量自己回帰 ) モデルやDSGE( 動学的確率的一般均衡 ) モデルなど様々な予測のためのモデルが開発されていますが 統計上の要求からVARモデルやDSGEモデルは四半期や月次単位といった比較的多くのデータが必要で 市町村や都道府県レベルで 年単位のデータしか得られない場合は同時方程式モデルを採用

スライド 1

1. 復興基本法 復興の基本方針 B 型肝炎対策の基本方針における考え方 復旧 復興のための財源については 次の世代に負担を先送りすることなく 今を生きる世代全体で連帯し負担を分かち合うこととする B 型肝炎対策のための財源については 期間を限って国民全体で広く分かち合うこととする 復旧 復興のため

Spring と概念上の異同がある さらに, 社会保障関連では国民経済計算体系 (SNA) においても, 給付は 付表 9. 一般政府から家計への移転の明細表 ( 社会保障関係 ) ( 以下, これを社会保障給付という なお, 統計の定義から公的扶助等は含まれない ) において, また

P10 第 2 章主要指標の見通し 第 2 章主要指標の見通し 1 人口 世帯 1 人口 世帯 (1) 人口 (1) 人口 平成 32 年 (2020 年 ) までの人口を 国勢調査 ( 平成 7 年 ~22 年 ) による男女各歳人口をもとにコーホー 平成 32 年 (2020 年 ) までの人口

経済情報処理のための Mathematica 課題 改訂新里 課題 1 微分次の関数を微分せよ 1 f(x)=x 3-2x+x/(x+1) 2 f(x)=(x+1)(x 2 +1)-1/(x 3 +1) 3 f(x)=(2x+3)(x 3-2)+(2x+3)/(x 2 +1) 課題

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1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

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歳入総額 区分 平成 年度の財政フレーム ( 単位 : 百万円 ) 30 年度 31 年度 合計 構成比 構成比 構成比 263, % 265, % 529, % 一般財源特別区税特別区交付金その他特定財源国 都支出金繰入金特別区債 167

1 概 況

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人口減少と将来の労働力不足について(資料編)

1. 財政状況の年度推移 ( 一般会計 ) (1) 決算概況 ( 単位 : 億円 ) グラフの解説 一般会計の歳入 歳出の規模は増加傾向にあり 平成 27 年度の決算規模は 歳入 歳出ともに過去最大規模となっています 実質収支は 黒字を継続しており 27 年度は約 49 億円 前年度と比べると約 1

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平成 27 年度内閣府年央試算の概要 資料 1-1 一定の前提の下で 今後の経済見通しを試算すると 各種施策の推進等により 雇用 所得環境が引き続き改善し 交易条件も改善する中で 平成 27 年度から平成 28 年度にかけて実質 GDP は 1% 台半ばから後半の成長 名目 GDP は 3% 近い成

本日の主な内容 1.. 総論 主要国の GDP 成長率 人口伸び率 主要国の経済規模 2.. 日本経済の見通し 人口動態と労働力人口 潜在成長率と実質 GDP 成長率 GDP ギャップと物価上昇率 日本経済再生への処方箋 1

Ⅱ 国際収支とグローバルインバランス

2. 年金額改定の仕組み 年金額はその実質的な価値を維持するため 毎年度 物価や賃金の変動率に応じて改定される 具体的には 既に年金を受給している 既裁定者 は物価変動率に応じて改定され 年金を受給し始める 新規裁定者 は名目手取り賃金変動率に応じて改定される ( 図表 2 上 ) また 現在は 少

経済変動論 0

このジニ係数は 所得等の格差を示すときに用いられる指標であり 所得等が完全に平等に分配されている場合に比べて どれだけ分配が偏っているかを数値で示す ジニ係数は 0~1の値をとり 0 に近づくほど格差が小さく 1に近づくほど格差が大きいことを表す したがって 年間収入のジニ係数が上昇しているというこ

2010年9月21/22日用 為替の決定理論

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経済財政モデル について 2010 年 11 月 8 日内閣府計量分析室

経済財政モデル の概要 経済財政モデル は マクロ経済だけでなく 国 地方の財政 社会保障を一体かつ整合的に分析を行うためのツールとして開発 人口減少下での財政や社会保障の持続可能性の検証が重要な課題となる中で 政策審議 検討に寄与することを目的とした 5~10 年程度の中長期分析用の計量モデル 短期的には需給不均衡の存在を認めつつ 時間の経過とともに GDP ギャップが縮小し 中長期的には経済理論に基づき物価や金利が変動して需要と供給が均衡した成長に移行していく姿が描写できるように設計 ( 年次データ ) P.1

経済財政モデル の概要 モデルは大きく 4 つのブロックから構成 人口構造 労働供給ブロック 人口 マクロ経済ブロック 年齢別 性別人口 社会保障給付 負担 賃金物価 金利賃金 政府消費政府投資 社会保障ブロック 社会保障公費負担 財政ブロック ( 注 ) 矢印は主要な波及経路を例示したもの P.2

経済財政モデル の構成 モデルは内部で自律的に変動するように方程式化された 2,300 個余りの内生変数と 1,500 個余りの外生変数から成り立つ 内生変数 ( 方程式数 ) 推計式 定義式 外生変数 人口構造 労働供給 168 0 168 299 マクロ経済 281 49 232 133 財政 1182 12 1170 660 国債 地方債 942 0 942 452 その他 240 12 228 208 社会保障 714 50 664 464 医療 113 21 92 88 年金 314 25 289 164 介護 273 0 273 208 その他 14 4 10 4 合計 2345 111 2234 1556 P.3

人口構造 労働供給ブロック のイメージ 社会保障ブロック 労働参加率 基礎人口数 労働力人口数 失業率 失業率 就業者数 マクロ経済ブロック 雇用者比率 雇用者数 マクロ経済ブロック 社会保障ブロックに推計値をフィードバック P.4

マクロ経済ブロックのイメージ財政 社会保障ブロック人口構造 労働供給ブロック総需要 国民所得 労働市場 就業者 給付 負担 消費 所得 財市場 労働力 失業率 GDP ギャップ 総供給 政府消費政府投資 物価等 設備投資 TFP 資本ストック 輸出入 為替レート 金利 マネーサプライ 対外関係 金融市場 P.5

財政ブロックのイメージ 財政ブロックはマクロ経済ブロックより与えられる経済状況に基づき SNAや会計ベースの国と地方のバランスシートから財政状況を算出国 一般会計 税収等 社会保障費 その他の歳出 社会保障ブロック マクロ経済ブロック 地方交付税 地方 普通会計 医療 介護 年金などの推計値 所得などの経済状況 地方交付税 税収等 社会保障費 その他の歳出 政府消費や政府投資として推計値がマクロ経済ブロックにフィードバック P.6

社会保障ブロックのイメージ 社会保障ブロックは医療 年金 介護 その他の4つのサブブロックから構成され 人口やマクロ経済状況より 種々の社会保障関係費用を算出 医療サブブロック 人口構造労働供給ブロック 人口 年金サブブロック 介護サブブロック 給付負担 マクロ経済ブロック マクロ経済ブロック 賃金 物価 その他社会保障 ( 雇用保険など ) 社会保障公費負担 財政ブロック P.7

年次モデル 1 年目 2 年目 3 年目 4 年目 5 年目内閣府1.06 0.99 0.78 0.54 0.38 民間機関5 4 2 - - IMFモデルの乗数 1 公共投資を GDP の 1% 継続的に増加させたときの実質 GDP の乗数 経済財政モデル (2010 年度版 ) 日経センター猿山研究員モデル (2010) 電中研財政 = マクロ経済連動モデル (2009) 0.97 1.17 1.17 1.12 1.03 1.03 2.06 2.39 - - MULTIMOD Mark Ⅲ(1998)* Exchange rate target 1.5 1.2 0.4 0.2 0.5 Inflation target 0.4-0.1 0.2 0.2 電中研フォワード ルッキング型マクロ計量モデル (2007)* Money target 0.6 0.1 0.1 0.2 0.2 P.8

モデルの乗数 2 公共投資を GDP の 1% 継続的に増加させたときの実質 GDP の乗数 ( つづき ) 四半期モデル 1 年目 2 年目 3 年目 4 年目 内閣府短期日本経済マクロ計量モデル (2008 年版 ) 電中研短期マクロ計量経済モデル (2006) 1.00 1.10 0.94-1.08 1.21 1.10 1.10 Romer/Bernstein(2009) 1.44 1.57 1.57 1.55 Smets/Wouters(2007) * 0.89 0.61 0.44 0.40 ( 注 ) 1. 東アジアリンクモデル 電中研フォワード ルッキング型マクロ計量経済モデルについては 名目公共投資を名目 G DP 比 1% 増加させた場合の実質 GDP の乗数 2. 日経センター猿山研究員モデルについては 名目公共投資を追加したケースについて 実質対実質 を事後的に計算したもの 3. 電中研財政 = マクロ経済連動モデル 電中研短期マクロ計量モデルについては 名目公共投資を年間 1 兆円増加させた場合の実質 GDP の増加分 ( 兆円 ) 4.Romer/Bernstein,Smets/Wouters については 2009 年第 1 四半期に政府支出を GDP1% 分継続的に増加させた場合の 2009~2012 年の第 4 四半期における実質 GDP の乗数 なお Romer/Bernstein は FF レートを継続的に 0% に固定 Smets/Wouters は 2009~2010 年は FF レートを 0% に固定するものと想定 5.* のついたモデルは フォワード ルッキング型の計量モデル P.9

モデルの乗数 3 個人所得税を名目 GDP 比 1% 相当継続的に減税したときの実質 GDP の乗数 1 年目 2 年目 3 年目 4 年目 5 年目 経済財政モデル (2010 年度版 ) 0.49 0.81 0.80 0.59 0.39 内閣府短期日本経済マクロ計量モデル (2008 年版 ) 電中研財政 = マクロ経済連動モデル (2009) 電中研短期マクロ計量経済モデル (2006) 0.23 0.60 0.60 - - 0.25 1.24 1.72 - - 0.59 0.92 0.98 1.05 - ( 注 ) 1. 電中研財政 = マクロ経済連動モデル 電中研短期マクロ計量モデルについては 家計部門の所得 富等に課される経常税を各年 1 兆円継続的に減少したときの実質 GDP の増加分 ( 兆円 ) P.10

モデルの乗数 4 政策変更による実質 GDP への影響 ( 経済財政モデル 2010 年度版 ) 公共投資を継続的に実質 1% 分増加個人所得税を継続的に名目 1% 分減税 1.5 1.5 1.0 1.0 0.5 0.5 0 1 2 3 4 5 0 1 2 3 4 5 法人税を継続的に名目 1% 分減税 消費税率を継続的に 2% ポイント減税 1.5 1.5 1.0 1.0 0.5 0.5 0 1 2 3 4 5 0 1 2 3 4 5 P.11

経済財政の中長期試算 1 経済財政の中長期試算 は 新成長戦略 及び 財政運営戦略 の参考として 経済成長 財政健全化 安心できる社会保障制度の構築という 3 つの課題の相互連関を明らかにする観点から作成 公表 ( 本年 6 月 22 日 ) 経済について 2 つのシナリオを想定 慎重シナリオ : 内需 外需の環境について慎重な前提の下に試算 財政健全化の道筋を示すに当たって基本となる慎重な経済見通し 成長戦略シナリオ : 内需 外需の環境について堅調に推移するとの前提の下に試算 新成長戦略 で示された目標である 2020 年までの平均で名目 3% 実質 2% を上回る成長を達成する経済見通し P.12

慎重シナリオ成長戦略シナリオ経済想定経済財政の中長期試算 2 試算の主な前提は以下のとおり TFP 上昇率 労働参加率 2010 年度まで足元の低い水準 (0.3% 程度 ) で推移した後 2020 年度にかけて 1983 年 2 月から 2009 年 3 月まで ( 第 10 循環から第 14 循環 ) の平均である 1.1% 程度まで徐々に回帰 各性別 各年齢階層別の参加率が足元の水準で横ばい 2010 年度まで足元の低い水準 (0.3% 程度 ) で推移した後 2020 年度にかけて 1983 年 2 月から 93 年 10 月まで ( 第 10 循環から第 11 循環 ) の平均である 1.9% 程度まで徐々に上昇 労働市場改革を受け 女性 高齢者を中心に 各性別 各年齢階層別の参加率が上昇 世界経済成長率 2012 年度以降 IMF の見通しをもとにした成長率を 0.8% 程度下回る 年率 4.3%~ 4.5% 程度で推移 2012 年度以降 IMF の見通しをもとに 年率 5.1%~5.3% 程度で推移 財政想定 ( 歳出 ) 中期財政フレームに沿って 基礎的財政収支対象経費 ( 一般会計歳出から国債費等を除いたもの ) を 2011 年度から 2013 年度にかけて 2010 年度の規模で横ばい その後の期間については 社会保障歳出は高齢化要因で増加 それ以外の一般歳出は実質横ばい ( 物価上昇率並み増加 ) ( 税制 ) 現行税制を継続 P.13

経済財政の中長期試算 3 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0-1.0-2.0 各シナリオにおける経済成長の姿は以下のとおり 慎重シナリオ 実質成長率 2.6 1.1 1.9 1.2 1.6 1.6 潜在成長率名目成長率 2011~2020 年度の平均 実質成長率 1.3% 名目成長率 1.7% -3.0-4.0-5.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0-1.0-2.0-3.0-4.0 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 2022 成長戦略シナリオ 3.4 3.6 実質成長率 2.6 2.1 2.3 1.6 潜在成長率名目成長率 実質成長率 2.2% 名目成長率 3.2% -5.0 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 2022 P.14

経済財政の中長期試算 4 各シナリオにおける財政の姿は以下のとおり (%) 国 地方の基礎的財政収支 ( 対 GDP 比 ) 2.1-2.0 2.7-2.0-4.0-6.0 6.4 4.2 3.8-4.0-6.0-8.0-8.0-1 成長戦略シナリオ 慎重シナリオ -1-12.0 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 2022 (%) 260 公債等残高 ( 対 GDP 比 ) -12.0 ( 年度 ) 260 240 220 223.4 240 220 200 197.0 200 180 171.1 184.3 192.2 180 160 140 慎重シナリオ 成長戦略シナリオ 160 140 120 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 2022 120 ( 年度 ) P.15

経済財政の中長期試算 5 本試算では 慎重シナリオにおける財政状況と財政健全化目標を比較し 必要な収支改善幅を提示 < 必要な収支改善幅 > 国 地方の基礎的財政収支赤字 (GDP 比 ) を 2015 年度までに半減 2020 年度までに黒字化するためには 2015 年度で GDP 比 1% ポイント程度 2020 年度で 4% ポイント程度の収支改善が必要 それ以降 公債等残高対 GDP 比を安定的に低下させていくためには 成長率と金利の相対的関係にも依存するが 4% ポイントを上回る収支改善が必要 (%) 4.0 2.0-2.0 国 地方の基礎的財政収支 ( 対 GDP 比 ) 財政健全化目標に沿った場合 4.0 2.0-2.0-4.0-6.0-8.0 6.4 4.2 3.8 慎重シナリオ -4.0-6.0-8.0-1 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023-1 ( 年度 ) P.16