国語 求められている学力が見える 主として 知識 に関する問題では ほかの学習や実生活において活用できる知識 技能の習得が求められている 描写 要約 紹介 説明 記録 報告 対話 討論などの言語活動に必要な 基礎的な知識 技能を身につけていること 表現したり理解したりするための言語事項に関する 基礎

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問 題

平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する また 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の

Taro-H29結果概要(5月25日最終)

第 2 章 知 徳 体 のバランスのとれた基礎 基本の徹底 基礎 基本 の定着 教育基本法 学校教育法の改正により, 教育の目標 義務教育の目標が定められるとともに, 学力の重要な三つの要素が規定された 本県では, 基礎 基本 定着状況調査や高等学校学力調査を実施することにより, 児童生徒の学力や学

調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる さらに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイ

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

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平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

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刊行に寄せて 青森県教育委員会では 小 中 高等学校 1 2 年間を見通した 縦の連携 を基軸とした学校教育を推進し 児童生徒の学力向上について取り組むべき方策を検討することを目的に 学力向上庁内戦略会議 を設置し 算数 数学 理科 英語の 3 教科について 児童生徒の学力向上に関する専門的な事項に

2 児童観復習プリントから 乗法の交換法則 4 7=7 乗法の結合法則 = 加減混合の式や乗除混合の式の計算はできていると考えられる しかし 分配法則 6 10=6 9+ や 7 8=7 9 はできない児童が数名いて 定着していないことが分かる また 計算の仕方は理解してい

指導方法等の改善計画について

調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する また 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の

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平成19年度全国学力・学習状況調査の結果をふまえた指導改善策

( ) 除法の意味や割合の意味を理解することに課題があります 例 )A3(1) 120 cmの赤いテープの長さが白いテープの長さの 0.6 倍に当たるとき 二つのテープの長さの関係を表している図を選ぶ 県 31.3%( 全国 34.0%) A8 犬を飼っている 8 人が学級全体の人数の 25% に当

国語 A では, 領域別, 観点別, 問題形式別に見て, どの区分においても全国平均を上回り, 高い正答率でした しかし, 設問別でみると全国および新潟県平均正答率を下回った設問が, 15 問中 1 問, 新潟県の平均正答率を下回った設問は,15 問中 1 問ありました 設問の概要関屋小新潟県全国

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平成 28 年度山梨県学力把握調査 結果分析資料の見方 調査結果概況 正答数分布グラフ 分布の形状から児童生徒の解答状況が分かります 各学校の集計支援ツールでは, 形状だけでなく, 県のデータとの比較もできます 設問別正答率 無解答率グラフ 設問ごとの, 正答率や無解答率が分かります 正答率の低い設

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平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

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国語 A: 本校と全国の領域別平均正答率比較 話すこと 聞くこと 90.8% 書くこと 73.8% 読むこと 74.0% 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 67.0% 考 察 話すこと 聞くこと では 相手や目的に応じて 理由や事例などを挙げなが ら筋道を立てて話すことができています 今後も

H27 国語

解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5

平成 22 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 22 年 4 月 20 日 ( 火 )AM8:50~11:50 平成 22 年 9 月 14 日 ( 火 ) 研究主任山口嘉子 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (105 名 )

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

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平成24年度全国学力・学習状況調査の結果について(概要)

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全国学力 学習状況調査の調査結果の活用による指導改善に向けた説明会 小学校算数 中学校数学部会 全国学力 学習状況調査結果を活用した指導改善 小学校算数 1 平成 19~22 年の 4 年間の調査結果から明らかになった小学校算数の課題について (1) 4 年間の調査結果から課題として考えられる内容

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平成 26 年度 高知県学力定着状況調査結果の概要 速報版 平成 27 年 2 月 高知県教育委員会

1 高等学校学習指導要領との整合性 高等学校学習指導要領との整合性 ( 試験名 : 実用英語技能検定 ( 英検 )2 級 ) ⅰ) 試験の目的 出題方針について < 目的 > 英検 2 級は 4 技能における英語運用能力 (CEFR の B1 レベル ) を測定するテストである テスト課題においては

平成20年度

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

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るかどうか, そして, その予想した事柄を ~は, になる という形で表現できるかどうかをみるものである 正答率は, 48.1% であり, 発展的に考え, 予想した事柄を ~は, になる という形で表現することに課題がある (3) 学習指導に当たって 事柄を予想することを大切にする数や図形について成

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県和歌山市 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

(2) 国語科 国語 A 国語 A においては 平均正答率が平均を上回っている 国語 A の正答数の分布では 平均に比べ 中位層が薄く 上位層 下位層が厚い傾向が見られる 漢字を読む 漢字を書く 設問において 平均正答率が平均を下回っている 国語 B 国語 B においては 平均正答率が平均を上回って

(6) 調査結果の取扱いに関する配慮事項調査結果については 調査の目的を達成するため 自らの教育及び教育施策の改善 各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し 適切に取り扱うものとする 調査結果の公表に関しては 教育委員会や学校が 保護者や地域住民に対して説明責任を果

(2) -2,4,1 3 y=-x-2 をかいた ( 人 ) 4 (1) y=2x-9,y=2x,y=3x+3 (2) y=x+11 (3) 指導観校内の研究テーマが 考える力を引き出す授業のあり方 ということで, 数学科では考える力とは何かを分析し,11 項目に整理した 1 帰納的に考える力 2

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平成 28 年度埼玉県学力 学習状況調査各学年の結果概要について 1 小学校 4 年生の結果概要 ( 平均正答率 ) 1 教科区分による結果 (%) 調査科目 羽生市 埼玉県 国語 算数 分類 区分別による結果 < 国語 > (%) 分類 区分 羽生市 埼

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2、協同的探究学習について

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第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

 

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第 4 学年算数科指導案 平成 28 年 11 月 2 日 ( 水 ) 第 5 校時場所 4 年 2 組男子 22 名女子 10 名指導者垣見遥 ともなって変わる量 思考力 判断力 表現力の育成 ~ 児童の考えを引きだす算数的活動の工夫 ~ 1 単元名 ともなって変わる量 2 単元の目標 ともなって

平成 25 年度学力定着状況確認問題の結果について 概要版 山口県教育庁義務教育課 平成 2 6 年 1 月 1 実施概要 (1) 目 的 児童生徒の客観的な学力状況の経年的な把握と分析を通して 課題解決に向けた 指導の工夫改善等の取組の充実を図る全県的な検証改善サイクルを確立し 県内す べての児童

7 命題の仮定 三角形の合同条件 図形の性質を記号で表すこと 41

第 1 問 2 問題のねらい三角形の形状と三角比に関する命題について, その探究過程の会話文を読みながら, 命題の条件を変えるなどして論理的 発展的に考察する問題である 得られた結果を基に批判的に検討し, 概念を広げたり深めたりする力を問う オ焦点化した問題を目的に応じて数学における基本 72.4

平成 30 年度全国学力 学習状況調査 北見市の結果等の概要 Ⅰ 調査の概要 1 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析するとともに教育施策の成果と課題を検証し その改善を図り 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

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全国学力・学習状況調査の指導改善策

国語 A: 本校と全国の領域別平均正答率比較 領域全国平均正答率下回っているやや下回っているほぼ同じやや上回っている上回っている 話すこと 聞くこと 90.8% 書くこと 73.8% 読むこと 74.0% 伝統的な言語文化と国語の特 質に関する事項 67.0% 漢字を正しく読んだり 文の中で正しく使

6. 単元の展開 ( 全 6 間 ) 学習活動 単元の見通しを持つ 2. 学習計画を立てる 3. 本文を読み, 感想を書く 内容に関する感想 書き方に関する感想 4. 感想や疑問を交流する 指導上のポイント ( ) 学習活動に即した評価規準 ( 関 読 言 ) 既習事項を振り返らせ,

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

算数科学習指導案 広島市立 小学校教諭 1 日時平成 21 年 2 月 日 ( ) 2 学年 5 年 組 3 単元数量関係 割合とグラフ 4 単元について 本単元では, 百分率について理解し, それを用いることができるようにするとともに, 目的に応じて資料を分類整理し, それを円グラフや帯グラフを用

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数学科学習指導案 1 次方程式 ( 中学校第 1 学年 ) 神奈川県立総合教育センター < 中学校 高等学校 > 数学 理科授業づくりガイドブック 平成 22 年 3 月 問題つくりを題材として取り上げ 身近な生活の中にある数量関係を見いだし それを基に文章題を作らせる指導によって 自ら具体的な事象

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教科に関する調査の各問題の分析結果と課題 (3) 中学校数学 B

平成 30 年度全国学力 学習状況調査の結果について 平成 30 年 4 月に全国学力 学習状況調査が実施されました 市内の小学校第 6 学年及び中学校第 3 学年の児童生徒がこの調査を実施しましたので この結果を公表いたします 1 調査の目的 白井市教育委員会 義務教育の機会均等とその水準の維持向

教科の見方 ~ 例算数 ~ 大阪市の平均正答率を表しています ( 算数と理科のみ ) このグラフの項目は 学習指導要領ので平均正答率を表しています このグラフの項目は 問題の内容ごとに平均正答率を表しています 各学での がんばりがみられた点 と がんばりが必要な点 を示しています このグラフの項目は

平成27年度全国学力・学習状況調査結果の概要

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4 調査結果について (1) 教科に関する調査の結果 ( 公立 ) の平均正答率を % として換算した市内の領域 観点 問題形式別正答率 グラフの途切れは, 問題が出題されなかった項目 < 小学校 > : 概要 : 課題 : 今後の学習ポイント国語 A( 基礎 ) 国語 B( 活用 ) 話すこと聞く

< 中学校 A B 問題 > ( 単位 %) 教科富士見市埼玉県全国 国語 A 国語 B 数学 A 数学 B < 中学校国語 A> ( 単位 %) 話すこと 聞くこと

国語 B では 話すこと 聞くこと 領域において 全国及び県平均を上回っているが 他の三つの領域においては 全国及び県平均を下回っている 活用する力を育成する取組のさらなる充実が必要である 設問 1 の目的に応じて 話し合いの観点を整理する力は身についてきている 設問 3 の二つの詩を比べて読み 自

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平成21年度全国学力・学習状況調査の結果分析(非公表資料)

瑞浪市調査結果概略(平成19年度全国学力・学習状況調査)

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目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

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4 単元構想図 ( 全 14 時間 ) 生徒の意識の流れ 表を使って解く 縦 (m) 0 8 横 (m) x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう1 ax = b (x + m) = nは平方根の考えで解くことができる x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう2 x +

Transcription:

増補版 平成 24 年度 全国学力 学習状況調査 小学校授業改善の Strategy vol.4 福岡県では 全国学力 学習状況調査をもとに各教科で求められる知識 技能やそれらを活用する力を効果的に育てる日常の学習指導の改善を進めているところです そこで 4 月に実施された平成 24 年度 全国学力 学習状況調査 の問題 ( 国語 算数 理科 ) を分析し 調査問題から見えてくる 求められる学力 や 具体的な指導のポイント 等をまとめました また 3 か年分の算数の問題を一覧表に整理しました 各学校等において 本資料を活用し授業改善に役立ててください 福岡県教育委員会

国語 求められている学力が見える 主として 知識 に関する問題では ほかの学習や実生活において活用できる知識 技能の習得が求められている 描写 要約 紹介 説明 記録 報告 対話 討論などの言語活動に必要な 基礎的な知識 技能を身につけていること 表現したり理解したりするための言語事項に関する 基礎的な知識 技能を身につけていること 主として 活用 に関する問題では 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する能力や 様々な課題解決のために構想を立てて実践し評価 改善する能力が求められている 新聞や雑誌 テレビ等からの情報を活用することによって課題を多面的に探究できること 伝えたい内容をまとめ表現すること 文章を読んで筆者の主張の内容やその表現方法などを評価できること 求められている学習指導が見える 依頼状や案内状 礼状などの実用的な文章を書く学習では 手紙の目的や意図が相手に的確に伝わるように 必要となる内容を検討したり 吟味したりするように指導すること 前文 本文 末文 後付け などの手紙の基本的な構成を考えて 書く事柄を整理することができるように指導すること 司会や参加者の役割を理解する学習では 司会の役割については 話合いが目的に応じて適切に進行するように 提案者や参加者の発言を整理したり 促したり まとめたりすることなどを 具体な場面に応じて指導すること 参加者の役割については 進行に合わせながら 積極的に自分の考えを発言し話合いに参画するように指導すること 複数の資料を関係付けて読む学習では 読む目的を明確にさせ どのような内容をどのように関係付ければよいかを考えながら読むことができるように指導すること次頁で解説します

具体的な指導のポイントが見える 問題 B3 の四 四十字~六十字で書くことしたり 求めたりすること 理由となる事実を 両方から 二 条件 取読りみ後出 の出題の趣旨正答と解説 解説 1 二つの記事を結び付けながら読み 自分の考えの理由となる事実を 両方から取り出したり まとめ 複数の記事を結び付けながら読み 理由となる事実を基にして自分の考えを記述する問題です 条件に合わせて書きなさい うに考えた理由はくしてきたと考えられます そのよ 日本の女子選手は 世界的に活や問題 つの記事を結び付けながら に続けて 必要な情報を関係付けながら読み取れるようにしよう パンフレットを見て 水族館見学の行動計画を立てる 言語活動例 正答 ( 例 ) 野口みずき選手 渋井陽子選手 高橋尚子選手の三人が二時間十九分台の記録を持ち 世界第十位までに入っているからです (57 字 ) たりして書いていること 2 そのように考えた理由は に続くように 40 字以上 60 字以内で書いていること 具体的な指導のポイント 様々な資料の中から必要な資料を選んだり どのような内容をどのように関係付ければよいかを考えながら読むことができるように 読む目的を明確にすること やってみよう ウ ア イ エ 見学の目的を確認し 調べたいことを具体的に決めてから計画を立てよう ア 時間も限られているよ 自分たちは アザラシとアシカについて調べるんだから ウ を見たらいいのかな 資料 エ オ を見ると どこでどんなことが調べられかが分かるわ オ 資料 イ エ を見ると どこにいつ行けばいいのか分かるから 順路が決められるわ 資料 ウ も イ エ とあわせて見ないと 時間が間に合うか分からないよ 平成 22 年度 授業アイディア例 ( 小学校 ) ( 国立教育政策研究所 )p5 参照

算数 求められている学力が見える 主として 知識 に関する問題では 後の学習や実生活において必要な基礎的 基本的な 知識 技能 の確実な定着が求められている 基準量を求める場合の除法の意味について理解していること 三角形のどの1 辺を底辺としても 高さにあたる線分を特定できること 円を構成する要素について理解していること 百分率について理解していること 主として 活用 に関する問題では 知識 技能を実生活等の様々な場面に活用して問題を解決するために必要な 数学的な見方や考え方 が求められている 物事を観察し 数 量 図形などの視点で的確にとらえることができること 情報を分類整理したり 必要なものを適切に選択したりすることができること 筋道を立てて考えたり 振り返って考えたりすることができること 事象を数学的に解釈したり 自分の考えを数学的に表現したりすることができること 求められている学習指導が見える 知識 技能 を確実に習得させるために 数量の関係を順序よく図に表させ, 式に表して関係を理解させること 三角形の底辺をいろいろな辺にとって 面積を求めさせること 次頁で解説します 円 半円 1/4 円を組み合わせた模様を 中心と半径に注意して作図させること 割合を表すグラフを用いて比べる量ともとにする量の関係をとらえさせること 数学的な見方や考え方 を養うために 身の回りにある事象を数 量 図形に着目して観察させ 数 量の規則性や図形を見いださせること 帰納 類推 演繹の考え方によって数量や図形の性質を明らかにさせること 解決方法や結果の妥当性を吟味させたり 問題の条件を変えて発展的に考えさせたりすること 言葉や数 式 図 表 グラフ等の意味を考えさせたり それらを用いて自分の考えを表現させたりすること

具体的な指導のポイントが見える 問題 3 出題の趣旨 (1) 問題と図を関連づけ 二つの数量の関係を理解しているかどうかをみるものです (2) 1 に当たる大きさを求めるために除法が用いられることを理解しているかどうかみるものです 正答と解説 (1) 正答 4 解説 赤いテープの長さが120cmであり 白いテープの長さが1に当たる大きさになることをとらえ 4を選択する (2) 正答 120 0.6 など 解説 赤いテープの長さが120cmであり 白いテープの長さが1に当たる大きさになると考え 120 0.6と立式する 誤答例 120 0.6 倍 という用語から 赤いテープの長さが 1に当たると考え立式している 具体的な指導のポイント 文章から分かることを順序よく図に表す活動を取り入れる 基準量を求める問題で 乗法の式に表して数量の関係をとらえてから 除法の式に表させる 小数 小数 の図を比較して 割り算が1に当たる数を求める計算であることに気づかせる やってみよう 倍 という表現を含む文章題で 適切に演算決定ができるようにしよう 基準量を求める学習指導の例 1 文章から分かることを順序よく図に表す活動を次のように取り入れる 2 最初に乗法の式に表し 数量の関係をとらえさせて除法の式に表させる ⅰ) 赤いテープの長さが120cm なの ⅰ) 赤いテープの長さは白いテープで 赤いテープに 120cm とかく の長さの0.6 倍 から 乗法の式に表して数量の関係を捉える 3 同様に比較量を求める問題と基準量を求める問題で 2 つの図を比較して共通点や差異点を考えさせる ⅱ) 赤いテープの長さは白いテープの長さの 0.6 倍 なので 白いテープが 1 に当たり 赤いテープより長くなる ⅲ) 赤いテープの長さは白いテープの長さの 0.6 倍 なので 赤いテープの長さ 120cm が割合に当たる大きさになる ( 白いテープ ) 0.6=( 赤いテープ ) ⅱ) 白いテープの長さが分からないので 白いテープの長さを cm とする 0.6=120 ⅲ) 除法の式に表して 基準量 ( 白いテープの長さ ) を求める =120 0.6 かけ算は 1 に当たる数から求める計算 割り算は 1 に当たる数を求める計算 なのね

理科 求められている学力が見える 主として 知識 に関する問題では 論理的な思考力の基盤となる基礎的 基本的な 知識 技能 の確実な定着が求められている 自然の事物 現象の性質や規則性などについて 実感を伴って理解していること 観察 実験の器具や機器などを目的に応じて工夫して扱うとともに それらの過程や結果を的確に記録することができること 主として 活用 に関する問題では 適用する 分析する 構想する 改善する などの 科学的な思考力 表現力をはぐくむことが求められている 学んだ知識を日常生活に当てはめて活用できること( 適用 ) 事象を比較したり 関係付けたり 条件に着目したり 推論したりして問題を解決できること ( 分析 ) 問題を把握し 解決方法を構想したり 解決の結果を考えたりできること( 構想 ) 証拠や理由をもとに意見を述べたり 他者の考えを認識し多様な観点からその妥当性や信頼性を吟味したりできること ( 改善 ) 求められている学習指導が見える 基礎的 基本的な知識 技能 の確実な定着のために 観察 実験をはじめ ものづくり などの具体的な体験を通して 科学の基本的な概念を実感を伴って理解させること 科学的な思考力 表現力 をはぐくむために 知識を日常生活に当てはめて考えさせること 発達の段階に応じて 事象を比較させたり 関係付けさせたり 条件に注目させたり 推論させたりすること 問題解決のために 根拠を基に結果を予想させたり 解決の方法を構想させたりすること 観察 実験などの結果を踏まえ 自分の考えを吟味させたり 他者の考えと比較 させたりすること 次頁で解説します

具体的な指導のポイントが見える 問題 2 の (5) 出題の趣旨 この設問は 植物の受粉について理解し 他の場面で受粉と結実の関係を調べる実験方法について 条件制御の観点から改善できるかどうかを問うた問題です 正答例と解説 番号 1 わけ ( 例 ) 風や昆虫 鳥などによって花粉が運ばれ おしべの花粉がめしべの先につき 受粉してしまうことがあるから 解説 花粉を付けなかった雌花にも実ができた という太郎さんの実験結果について 条件制御の観点から その実験方法を改善することが必要である 具体的な指導のポイント 実験結果が自分の予想や仮説と一致しなかった場合に その原因を既習事項と比較して 考察させる 自分の考えと他者の考えとを比較し 自分の考えを見直す話し合いの活動を充実させる やってみよう 自分の考えを見直す活動 を進めるための教師の発問を工夫しよう 植物の受粉についての実験方法を見直す話し合い活動の例 : 指導の工夫 1 花粉の運ばれ方について再確認する 予想が実験結果と一致しなかったのは どうしてかなぁ 先生の発問 以前 学習したさくらなどの花粉の運ばれ方には どんな方法があったかな 実験の不備を気付かせるために 既習事項を確認させる発問 2 受粉の方法を踏まえて 実験がうまくいかなかった原因を考える 雌花がさいた後にふくろをかぶせたのが いけなかったのかな 先生の発問 虫や鳥 風などによって花粉が運ばれることから考えると 今回 実験がうまくいかなかったわけは何かな 既習事項を踏まえて 実験方法の不備に気付かせる発問 3 実験方法の修正案をまとめる 話し合ったことから この実験方法のどこを変えたらよいですか 話し合いの結果から変える条件と変えない条件を整理させる発問 雌花がさくと自然に受粉することがあるようだから ふくろをかぶせる時期を変えないといけないみたいだわ 先生の発問 虫や鳥 風などによって運ばれるんだったわ ふくろをかぶせる前に 自然に受粉して実ができたんじゃないかしら 今度は 雌花がつぼみの頃から ふくろをかぶせておいて 実験してみようかな