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Foreword

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1. 改正内容 事業者が 以下 (1) 又は (2) の期間中に調整対象固定資産 1 の課税仕入れを行い かつ その仕入れた日の属する課税期間 ( 以下 取得課税期間 といいます ) の消費税の確定申告を一般課税で行った場合には 取得課税期間の初日から原則として 3 年間は免税事業者になることができ

1. 租税協定の機能 日本と香港との間では これまで租税協定は存在しなかったため 本協定により 日本と香港において課税できる範囲が明確に限定 制限され 両者間の二重課税が減少すると考えます そのため 本協定の締結は 日本又は香港での経済 投資活動について課税に対する安定性を与えるものと考えられます

2 災害関係費用全般 ( 被災した法人の災害による損失や被災者に対して支援を行った法人に関する法人税の取扱い ) (1) 被災した法人側における取扱い 1 災害により滅失 損壊した資産等被災に伴い次のような損失又は費用が生じたときには その損失又は費用の額は損金の額に算入 1 商品や原材料等の棚卸資

Ⅱ 義援金を募集する募金団体の確認手続 [Q7] 当団体は 関係する個人 法人から義援金を預かり これを取りまとめた上で 一括して地方公共団体に対して支払います 預かった義援金が 国等に対する寄附金 に該当することについて税務署の確認を受けた場合 当団体に寄附をした個人 法人に対して発行する預り証に

B 事例 1: 日本赤十字社と公益財団法人公益法人協会ともに 所得控除方式 を適用し ffff た場合に還付される税金について 前提 1 寄附先の名称等 ( 弊協会の他に 東日本大震災の義援金として日本赤十字社に寄附したものと仮定 ) 名称金額備考 日本赤十字社 ( 東日本大震災義援金 ) 30,0

ファイナンス形態のタックス プランニング 買収資金をいかに調達するかは 常に M&A における初期段階からの主要な論点です 自己資金で賄うだけでなく 投資効率を上げるため 投資資金の一部を外部金融機関等からの借り入れにより調達した上でターゲットを買収することが多いためです 税務上の観点からは 買収資

事業承継税制の全体像は ( 図表 1) の通りである ( 図表 1) 事業承継税制の全体像 経営者 1 代目 経営者 2 代目 一括贈与 大臣認定 贈与税の課税 贈与税の納税猶予の適用 相続税の納税猶予制度と同様 雇用確保を含む 5 年間の事業継続を行い その後も株式を継続保有 生前贈与により株式の

平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税務上の措置 ( 手続 )FAQ 平成 30 年 7 月広島国税局 平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税制上の措置 ( 手続 ) 等につきまして 照会の 多い事例を取りまとめましたので 参考としてください 目次 Ⅰ 災害にあった場

2. サプライチェーン マネジメントと国際税務戦略 サプライチェーン マネジメントと国際税務戦略には密接なつながりがあります グローバルに事業を展開している多国籍企業のサプライチェーンは 複数の国の複数の関係会社を通じて行われているのが通常であり 関係会社間の製品やサービスの取引価格は 移転価格税制

IFRSポイント講座 第9部 引当金

1% 子会社の清算に係る繰越欠損金の引継ぎ等 概要 平成 22 年度税制改正後においては 平成 22 年 1 月 1 日以後の解散決議により 完全支配関係がある子法人が清算した場合のその清算法人株式の譲渡損益については その清算法人株式を簿価で譲渡したものとして 親法人で譲渡損益 ( 清算損 ) を

Ⅲ 納付 [Q6] 申告 納付等の期限の延長が認められた場合 延滞税 利子税はどのようになりますか また 加算税は賦課されますか 7 [Q7] 今般の熊本地震災害により被害を受けましたが 納税の猶予はどのような場合に受けることができますか 8 [Q8] 納税の猶予の 相当の損失 とはどの程度の損失を

Ⅲ 納付 [Q10] 申告 納付等の期限の延長が認められた場合 延滞税 利子税はどのようになりますか また 加算税は賦課されますか 7 [Q11] 今般の北海道胆振東部地震により被害を受けましたが 納税の猶予はどのような場合に受けることができますか 8 [Q12] 納税の猶予の 相当の損失 とはどの

完全支配関係の添付書類 ( 出資関係図 ) (1) 出資関係図の記載例 (Q&A 問 1) 平成 22 年度税制改正で グループ法人税制が導入されたことに伴い 法人税の確定申告書に 内国法人との間に完全支配関係がある法人との関係を系統的に示した図 ( 以下 出資関係図 という ) を添付することが定

Microsoft Word - 東日本大震災により被害を受けた場合の相続税・贈与税の取扱い

収益事業開始届出 ( 法人税法第 150 条第 1 項 第 2 項 第 3 項 ) 1 収益事業の概要を記載した書類 2 収益事業開始の日又は国内源泉所得のうち収益事業から生ずるものを有することとなった時における収益事業についての貸借対照表 3 定款 寄附行為 規則若しくは規約又はこれらに準ずるもの

1. 上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に対する税率の特例の見直し 居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者が 平成 21 年 1 月 1 日から平成 23 年 12 月 31 日までの間に支払を受ける上場株式等の配当所得の申告分離課税に係る税率と 上場株式等の譲渡による譲渡所得等に対する税率が

旬刊経理情報 No.1270 平成 23 年 1 月 日発行 届出等の手続がますます重要に! 租税条約の改正 締結動向と実務上の留意点 Contents 近年の租税条約の改正による恩典の拡大と租税回避防止規定の設置 新型条約で有利になった利子 配当 使用料に係る源泉所得税 クロスボーダー

EU EU TradeWatch CBP: Customs and Border Protection EU JCCC Joint Customs Cooperation Committee C-TPAT: Customs-Trade Partnership Against Terro

Microsoft PowerPoint 寄附金控除制度概要.ppt

イ税務署へ確定申告書を提出し 所得税の住宅ローン控除の適用を受けている 退職所得 山林所得がある方 所得税の平均課税の適用を受けている方は 住宅ローン控除申告書を提出することにより控除額が大きくなる場合があります 申告書を提出される方は3 月 15 日 ( 月 ) までに申告してください 申告しなけ

〇本事例集は 平成 31 年 3 月を期限とした個人の確定申告について 国税通則法関連 ( 所得税 の納税地を含む ) の 誤りやすい事例 について取りまとめています 〇本事例集は 誤りやすい事例 を載せた後に 正しい解釈 処理方法を提示しています なお 無用 な文字数 ページ数の増加を避けるため

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

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平成23年度税制改正の主要項目

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作成する申告書 還付請求書等の様式名と作成の順序 ( 単体申告分 ) 申告及び還付請求を行うに当たり作成することとなる順に その様式を示しています 災害損失の繰戻しによる法人税 額の還付 ( 法人税法 805) 仮決算の中間申告による所得税 額の還付 ( 法人税法 ) 1 災害損失特別勘

Report

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はじめに 昨年 9 月のリーマンショック以降 不況の波は日本経済にも多大なる影響を与えており 日本を代表する上場企業が相次いで業績の下方修正を行っている このような状況の中で 親会社単体のみならず グループ会社全体でリストラを検討している企業は少なくないと思われるが 国内子会社の清算は 当該リストラ

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2. 雑損控除の適用における 損失額の合理的な計算方法 雑損控除の計算において 災害により被害を受けた住宅や家財 車両の損失額は その損失の生じた時の直前におけるその資産の価額を基として計算することとされていますが 1 住宅の主要構造部に損壊がある場合で かつ 2 損害を受けた資産について個々に損失

IFRSポイント講座 第8部 連結(1)

所得税の確定申告の手引き

(4) 今月下旬に所得税法施行令を改正するとともに 法令解釈通達を発遣し 上記のとおり 保険年金 に係る所得税の取扱いを変更いたします 取扱い変更後 所得税の還付の手続きが可能となります なお 納税者の方々には 次の点にご注意いただく必要があります 所得税が納めすぎとなっていた場合の還付手続きには

役員の債務保証料 1. 概要オーナー社長の場合は 自社の銀行借入金に代表者個人が連帯債務保証をしている場合があります このような場合は 法人からオーナー個人に債務保証料 ( 信用保証料 ) を支払うことが出来ます 当然 会社では法人税の計算上で損金計上することが出来ます 2. 注意点 (1) 債務保

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

納税証明書を請求される方へ

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公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

第2 質疑応答

日本版スクーク ( イスラム債 ) に係る税制措置 Q&A 金融庁

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

の両方を提出する必要がある 問 3 還付額は 領収証に記載されている金額を還付するのか それともレセプト情報から自己負担分を計算するのか 領収証により保険診療に係る一部負担金の額を確認して還付する 問 4 領収証の紛失 または医療機関等の全壊等により 対象の被保険者が負担した一部負担金の額の確認が取

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(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

2 税務署への提出方法の選択 画面において 書面提出 をクリックする 3 申告書等印刷を行う際の確認事項 画面において ご利用のパソコンの環境が推奨環境を満たしていることを確認の上 ご利用のパソコンの環境 (O S/ ブラウザ /PDF 閲覧ソフト ) が以下の推奨環境を満たしている をチェックする

万元は売上収入または売上原価の減算項目として計上しなければならない 当局の審査時に追徴課税及び所得税法第 110 条による処罰を避けるため 営利事業者に作業屑及び廃材の売却収入がある場合 当年度の売上収入または売上原価の減算項目として計上すべきことにつき 当局は注意喚起している 関連法定の規定に疑義

PG_第3期期末配当の取扱いに関するQA

第68回税理士試験 消費税法 模範解答(理論)

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新規文書1

医療費控除が変わります!!! 1 領収書の提出等が不要となりました 2 明細書 ( 集計表 ) の提出が必要となりました 3セルフメディケーション税制が創設されました 医療費控除の明細書 ( 集計表 ) を提出することにより 医療費 の領収書の提出又は提示が不要となりました 医療費の領収書は 自宅で

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金


[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

ワコープラネット/標準テンプレート

ワコープラネット/標準テンプレート

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【表紙】

新・NPO法人申請マニュアル.pwd

租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) 第十条の二 第四十二条の五 第六十八条の十 租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) ( 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除 ) 第十条の二青色申告書を提出する個人が 平成三十年四月一日 ( 第二号及

川崎市条例指定制度の手引き 川崎市 平成 24 年 7 月発行

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

はじめに 日本の親会社が海外子会社の清算 整理を行う場合には まず日本の国内税法における取扱いに留意する必要がある 内国法人は原則として日本の法人税法上の諸規定に基づいて全世界所得課税に服するわけであるから当然のことである 特に 海外子会社の清算 整理に際して適用される特別な規定 が整備されているわ

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

1 医療費控除の適用を受ける場合の手続 ( 制度改正の概要 ) 問医療費控除を受ける場合の手続が変わったと聞いたのですが 具体的にどのよう に変わったのでしょうか 答平成 29 年度の税制改正に伴い 医療費控除の適用を受ける場合に必要な提出書類の簡略化が図られています 具体的には 医療費控除の適用を

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

平成20年2月

Microsoft PowerPoint - 資料8-3_ユースケース資料.pptx

平成19年度市民税のしおり

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IFRSポイント講座 第6部 金融商品

第11 源泉徴収票及び支払調書の提出

内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

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1. みなし配当とは? A Q1. みなし配当の定義とみなし配当が生じる取引について教えてほしい みなし配当とは 以下 1~6 の事由により法人が株主へ金銭等の交付を行った場合において その交付金銭等の合計額がその法人の資本金等の額又は連結個別資本金等の額のうち交付の基因となった株式に対応する部分を

地方法人特別税の創設と税務への影響 1. 地方法人特別税の創設 2008 年度の税制改正により 地域間の税収偏在の是正に対応するため 法人事業税の税率を引き下げた上で その一部を分離する形で新たに国税として地方法人特別税が創設されました 所得割及び収入割の標準税率を引き下げて法人事業税の約半分に当た

平成 28 年度市民税 県民税申告の手引き 申告書を提出しなければならない人平成 28 年 1 月 1 日現在 幸手市内に住所を有する人 (1 月 2 日以降に幸手市に転入した人は従前の住所地で申告を行ってください ) ただし 次に該当する人は この申告をする必要はありません 1 平成 27 年分の

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Microsoft Word - 02手引(説明).doc

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Microsoft Word - FP2級法改正情報 doc

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

申告所得税関係 手続名 帳票名平成年分セルフメディケーション税制の明細書 ( 次葉 ) 特定証券投資信託に係る配当控除額の計算書 平成 年分給与所得の源泉徴収票 ( 平成 28 年以降用 ) 平成 年分特定口座年間取引報告書 ( 平成 28 年以降用 ) 平成 年分公的年金等の源泉徴収票 ( 平成

[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所

今回の変更点 所得税H22.16(震災特例法対応)

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

ジットカード発行会社が交付したカードを提示してその国外居住親族が商品等を購入したこと等により その商品等の購入等の代金に相当する額の金銭をその居住者から受領した 又は受領することとなることを明らかにする書類 注意事項 1 送金関係書類については 原本に限らずその写しも送金関係書類として取り扱うことが

4 住宅購入 名称住宅購入に対する各種税金と給付金に関する支援 担当部課 概要新築または中古の住宅を取得するとかかる税金があります また 所得税控除や給付金が支払われる制度もあります 1. 不動産取得税 ( 県税 ) 土地や家屋などの不動産の取得時に 県が課税する税金です お問い合わせ先 神奈川県藤

インド税制の概要 DTC GST へと統合 インドの税制は 大きく直接税と間接税に区分されており 主な税目は次のとおりである 直接税 所得税 : 法人税 個人所得税 配当分配税 ミニマム代替税 等 富裕税 間接税 関税 物品税 サービス税 付加価値税 中央政府売上税 等 直接税には 1961 年所得

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平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

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2011 年 3 月号 -2 日本 Newsletter 東北地方太平洋沖地震に関連する税務上の諸取扱いについて Contents 1. 義援金等を支出する場合の取扱い 2. 災害を受けた取引先に対する支援の取扱い 3. 災害を受けた従業員等に対する災害見舞金等に係る取扱い この度の東北地方太平洋沖地震により被災された皆様方には 心からお見舞い申し上げます 皆様方の安全と 被災地の一日も早い復旧 復興を心よりお祈り申し上げます 本号では 東北地方太平洋沖地震に係る義援活動に関する税務上の取扱い及び同地震に関連して国税庁等から公表されている情報についてご紹介します 4. 自社製品等を提供する場合の取扱い 5. 義援金等の募金活動を行う場合の取扱い 6. 申告期限の延長等

1. 義援金等を支出する場合の取扱い 法人又は個人が東北地方太平洋沖地震に関して支出した表 1 に掲げる義援金等については 税務上の優遇措置 ( 寄附金控除等 ) の対象になります ( 表 1) 税務上の優遇措置の対象となる義援金等の例 寄附先 内容 1 国又は地方公共団体 直接寄附した義援金等 2 日本赤十字社 直接 東北関東大震災義援金 口座へ寄附した義援金 3 新聞 放送等の報道機関 直接寄附した義援金等で最終的に国又は地方公共団体に拠出されるもの 4 社会福祉法人中央共同募金会 直接 各県の被災者の生活再建のための基金 として寄附した義援金等 5 6 社会福祉法人中央共同募金会 1 から 5 以外 (NPO 法人や民間ボランティア団体等向けの寄附金等 ) 直接 地震災害におけるボランティア NPO 活動支援のための募金 ( 平 23.3.15 財務省告示第 84 号 ) として寄附した義援金等 寄附した義援金等が 募金団体を通じて 最終的に国又は地方公共団体に拠出されることが明らかであるもの (1) 税務上の取扱い 1 法人の場合 支出した義援金等の額の全額が損金の額に算入されます ( 法法 373) 2 個人の場合 支出した義援金等の額は寄附金控除の対象となり 平成 23 年度分の所得税の確定申告においては 以下の算式により計算した金額を所得の金額から控除することができます ( 所法 7812) ( 寄附金控除額 ) 以下 1 又は 2 のうち少ない方の額 - 2,000 円 1 所得金額 40% 2 義援金等の額 (2) 税務上の優遇措置を受けるための手続き 支出した義援金等につき税務上の優遇措置を受けるためには 以下 1 又は 2 の手続きが必要になります 1 法人の場合 確定申告書の別表 14(2)( 寄附金の損金算入に関する明細書 ) に義援金等に関する事項を記載し 義援金等を寄附したことが確認できる書類 ( 注 1) を保存する必要があります 2 個人の場合 確定申告書に寄附金控除に関する事項を記載し 義援金等を寄附したことが確認できる書類 ( 注 1) を確定申告書に添付するか 確定申告書を提出する際に提示する必要があります ( 注 1) 義援金等を寄附したことが確認できる書類 国や地方公共団体の採納証明書 領収書 募金団体が発行する預り証 日本赤十字社や中央共同募金会の 東北関東大震災義援金 への寄附を郵便振替で行った場合には 郵便窓口で受け取る半券 ( 受領証 ) なお 募金箱への義援金は これらの書類が発行されないことから 税務上の優遇措置の対象とはなりません 2

2. 災害を受けた取引先に対する支援の取扱い * 法人がその得意先等に対して売掛金等の債権を免除等した場合に その免除等をしたことに合理的な理由がなければ 原則的にはその得意先等に対して寄附金又は交際費等を支出したものとして取り扱われることになります しかし 得意先等が被災した等の事情がある場合には 売掛金等の債権の免除等が得意先等の復旧の支援を目的として一定期間内に行われたものである限り 寄附金又は交際費等には該当しないこととされています 具体的な取扱いは 以下表 2 をご参照ください ( 表 2) 売掛債権等の免除等の取扱い 売掛債権等の免除等 ( 法基通 9-4-6 の 2 措通 61 の 4(1)-10 の 2) 無利息貸付等 ( 法基通 9-4-6 の 3) 災害見舞金等 ( 措通 61 の 4(1)-10 の 3) 内容 法人が 災害を受けた取引先 ( 注 2) に対して売掛金 未収請負金 貸付金その他これらに準ずる債権の全部又は一部を免除した場合 法人が 災害を受けた取引先 ( 注 2) に対して低利又は無利息による融資をした場合 法人が 災害を受けた取引先 ( 注 2) に対して災害見舞金を支出し又は事業用資産の供与又は役務の提供を行った場合 取扱い 免除による損失の額は 寄附金又は交際費等に該当しないものとされ 全額損金の額に算入されます 通常収受すべき利息と実際に収受している利息との差額について寄附金としての認定課税は行われず 全額損金の額に算入されます これらに要した費用は交際費等に該当しないものとされ 全額損金の額に算入されます 目的災害を受けた取引先の復旧支援被災前の取引関係の維持 回復 期間 取引先が通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間内 ( 注 2) 取引先とは 以下の相手先をいいます 得意先 特約店 仕入先 代理店 下請工場 上記のほか 実質的な取引関係にあると認められる者 * 参考資料 : 税務研究会出版局 法人税基本 ( 通達逐条解説 五訂版 ) 3. 災害を受けた従業員等に対する災害見舞金等に係る取扱い (1) 災害見舞金 法人及び事業を営む個人 ( 以下 使用者 ) が 災害により被害を受けた自己の従業員等若しくは自己の従業員等と同等の事情にある専属下請先の従業員等又はその親族等 ( 以下 従業員等 ) に対して支給する一定の災害見舞金については その支給を受けた従業員等において所得税は非課税となるため 支給する使用者において源泉徴収をする必要はありません ( 所基通 9-23) また 使用者においては その支給する災害見舞金品の額は 福利厚生費として損金の額に算入されます ( 国税庁 災害に関する主な税務上の取扱いについて (3) 平成 23 年 3 月 24 日 ) (2) 無利息又は低利率貸付け 使用者が災害を受けた自己の役員又は使用人に対し金銭を無利息又は低利率で貸し付けたことにより その貸付けを受けた役員又は使用人が受ける経済的利益で 以下の要件を満たすものについては 所得税は非課税として取り扱われます ( 所基通 36-28) 災害により臨時的に要することとなった多額な生活資金に充てるための貸付けに係るものであること その貸付けの返済に要する期間として合理的と認められる期間内に受ける経済的利益であること また 貸付けを行う使用者においては その経済的利益が上記の非課税として取り扱われる要件を満たし かつ 給与として経理しなかったものであるときは 給与としては取り扱われません ( 法基通 9-2-10) 3

4. 自社製品等を提供する場合の取扱い 法人が不特定又は多数の被災者の方々を支援するために緊急に行う以下の提供に要する費用の額は 寄附金又は交際費等には該当せず その原価の額は法人税の所得金額の計算上 損金の額に算入されます ( 法基通 9-4-6 の 4 措通 61 の 4(1)-10 の 4) 自社製品等の提供 法人名が表示されていない物品や他から購入した物品のうち一定のものの提供 法人の業務がサービスの提供である場合の役務の提供 法人の社宅や研修所等の提供 5. 義援金等の募金活動を行う場合の取扱い 募金団体が受ける義援金等が 最終的に国や地方公共団体に拠出されるものであることが新聞報道 募金要綱 募金趣意書等で明らかにされており そのことが税務署において確認できれば 上記 1 表 16 の義援金等に該当するものとして取り扱われます 詳細は 国税庁 国等に対する寄附金又は災害義援金等に関する確認事務について ( 事務運営指針 )( 平成 14 年 2 月 25 日課法 2-3 ほか ) をご参照ください 6. 申告期限の延長等 (1) 青森県 岩手県 宮城県 福島県又は茨城県に納税地がある場合 1 申告期限等 平成 23 年 3 月 11 日以後に到来する全ての国税に関する申告 納付等の期限が延長されました 平成 22 年確定申告分の振替納付日も延長されます 申告期限等がいつまで延長されるかについては 今後 被災された方の状況に十分配慮して検討されるとのことです 2 還付金の支払について 東北地方太平洋沖地震による災害により 通常の執務体制が確保できない税務署においては 還付金処理が迅速に行えない場合があるとのことです 詳細は 国税庁 東北地方太平洋沖地震により多大な被害を受けた地域における申告 納付等の期限の延長の措置について ( 平成 23 年 3 月 15 日 ) をご参照ください (2) 上記 (1) 以外の都道府県に納税地がある場合 上記 (1) 以外の都道府県に納税地がある場合であっても 東北地方太平洋沖地震により納税者が家屋等に損害を受ける等の直接的な被災を受けたこと等により申告等を行うことが困難であるときは 申告等の期限延長が認められました この場合 状況が落ち着いた後 災害による申告 納付等の期限延長申請書 に必要事項を記載し 税務署に提出する必要があります 詳細は 国税庁 交通手段や通信手段の遮断又はライフラインの遮断などによる申告 納付等の期限延長について ( 東北地方太平洋沖地震関係 ) ( 平成 23 年 3 月 14 日 ) をご参照ください 4

本号は 平成 23 年 3 月 24 日現在の法令等に基づいて記載しています 今後の法改正等によって 取扱いが異なることとなる可能性がありますことをご了承ください 本号に記載していない 災害により滅失 損壊した資産等 復旧のために支出する費用 災害見舞金に充てるために同業団体等へ拠出する分担金等 取引先に対する災害見舞金等 等の取扱いについては 以下をご参照ください 国税庁 災害に関する主な税務上の取扱いについて 平成 23 年 3 月 22 日 http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/atsukai/index.htm 義援金関係 財務省 平成 23 年東北地方太平洋沖地震等に係る指定寄附金の指定について 平成 23 年 3 月 15 日 http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/230315shiteikifukin.pdf 国税庁 東北地方太平洋沖地震に係る義援金等に関する税務上の取扱いについて 平成 23 年 3 月 18 日 http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/gienkin.pdf 国税庁 募金団体を通じた義援金等に係る税務上の確認手続きについて 平成 23 年 3 月 15 日 http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/gien/index.htm 国税庁 国等に対する寄附金又は災害義援金等に関する確認事務について ( 事務運営指針 )( 平成 14 年 2 月 25 日課法 2-3 ほか ) http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/gien/01.pdf 申告関係 国税庁 交通手段や通信手段の遮断又はライフラインの遮断などによる申告 納付等の期限延長について ( 東北地方太平洋沖地震関係 ) 平成 23 年 3 月 14 日 http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/kigenencho.htm Ernst & Young アーンスト アンド ヤングについて アーンスト アンド ヤングは アシュアランス 税務 トランザクションおよびアドバイザリーサービス の分野における世界的なリーダーです 全世界の 14 万 1 千人の構成員は 共通のバリュー ( 価値観 ) に 基づいて 品質において徹底した責任を果します 私どもは クライアント 構成員 そして社会の可能 性の実現に向けて プラスの変化をもたらすよう 支援します アーンスト アンド ヤング とは アーンスト アンド ヤング グローバル リミテッドのメンバーファーム で構成されるグローバル ネットワークを指し 各 メンバーファームは法的に独立した組織です アーンスト アンド ヤング グローバル リミテッドは 英国の保証有限責任会社であり 顧客サービスは 提供していません 詳しくは www.ey.com にて紹介 しています について は 長年 にわたり培ってきた経験と国際ネットワークを駆使 し 常にクライアントと協力して質の高いグローバル なサービスを提供しております 企業のニーズに 即応すべく 国際税務 M&A 組織再編や移転価格 などをはじめ 税務アドバイザリー 税務コンプライ アンスの専門家集団として質の高いサービスを提供 しております 詳しくは www.eytax.jp にて紹介して います 国税庁 青森県 岩手県 宮城県 福島県 茨城県における国税に関する申告期限等を延長する件 平成 23 年 3 月 15 日 http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/kokuji/110315/index.htm 国税庁 東北地方太平洋沖地震により多大な被害を受けた地域における申告 納付等の期限の延長の措置について 平成 23 年 3 月 15 日 http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/index.htm 国税庁 納税地を所轄する税務署管轄外に避難されている方へのお知らせ 平成 23 年 3 月 22 日 http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/kankatu_gai/index.htm つなぎ法案 衆議院 国民生活等の混乱を回避するための租税特別措置法等の一部を改正する法律案 http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g17701004.htm 衆議院 国民生活等の混乱を回避するための地方税法の一部を改正する法律案 http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g17701005.htm タックスライブラリーのお知らせ ウェブサイトの タックスライブラリー では ニュースレター ( 原則毎月発行 ) 専門雑誌掲載記事 出版書籍などをご紹介しております http://www.ey.com/jp/ja/services/tax/tax-library ニュースレター全般に関するご質問 ご意見等がございましたら 下記までお問い合わせ下さい 2011 Ernst & Young Shinnihon Tax. All Rights Reserved. EYTAX SCORE CC20110325-1 本書又は本書に含まれる資料は 一定の編集を経た要約形式の情報を掲載するものです したがって 本書又は本書に含まれる資料のご利用は一般的な参考目的の利用に限られるものとし 特定の目的を前提とした利用 詳細な調査への代用 専門的な判断の材料としてのご利用等はしないでください 本書又は本書に含まれる資料について を含むアーンスト アンド ヤングの他のいかなるグローバル ネットワークのメンバーも その内容の正確性 完全性 目的適合性その他いかなる点についてもこれを保証するものではなく 本書又は本書に含まれる資料に基づいた行動又は行動をしないことにより発生したいかなる損害についても一切の責任を負いません コーポレート コミュニケーション部 Tax.Marketing@jp.ey.com