第 4 回冬季研究会中学校 D 小川先生の授業から学んだこと 平成 24 年 1 月 8 日実施報告者那珂市立第二中学校伊藤紳一郎 1 研修会資料 より研修会資料富士市立富士川第二中学校小川富江英語 3 年生 Debate 授業の流れ Option:(City life is better than country life.) 前時まで 1くじでグループを賛成派か反対派 ( 都市部での生活派 か 田舎での生活派 ) を決める 2 立論を考える< 班 > ワークシート4まで ( 自分の立場を主張する理由を3つ書く ) 完成する 3 教師は, 回収したワークシートをもとに, それぞれの班からの意見をまとめた 立論ワークシート を作成する 多様な意見が出るように, 様々な意見を提示する 同じだと話し合いにならないから 本時 1 立論発表賛成派 反対派それぞれ班ごとに発表する 2 作戦タイム 10 分 カードに書く< 班 > ワークシート右 相手の意見に対して反論を考えよう の欄をカードにしたものに書く 3 反対尋問書いたカードを電子黒板に投影して, 発表する 4 作戦タイム 5 分 < 班 > ここまでが共通課題 ----------------------------------------------------------------------------------------- ここからはジャンプの課題 5ここから自由に誰でもどんなことについても質問 意見を言う 6 途中作戦タイムを入れる 2 分 ( 軌道修正のため ) 7カードをワークシート右の欄に貼る 8 自分の考えをまとめる 5 分 2 授業ビデオから学んだこと (1) 上記 2 作戦タイム においては, すべての生徒がグループで学び合っていた (2) 辞書を引く生徒をのぞきこんだり, 書いた英文を見合ったりしていた (3) グループ活動を切る際には, 間延びさせない時間帯で, スパッと切り, 次の活動に進ませた (4) グループ学習では, 男女がやわらかく, 自然に語り合っていた (5)3 反対尋問 においては, 発表する子は, 大きな声でできていた 普段からさせているのだろう 英語での発表となるため, 教師が適宜説明を入れていた (6)5の ディベート においては, 自分の思いを英語で伝える 日本語が混じりながらも伝えようとする子どもの姿が印象的だった
( 発表できたのは, クラス 36 人中,13 人 その内訳は, 男子 10 人, 女子 3 人であった ) また, 次から次へ, 止まらずに子どもたちだけで, 論戦を繰り広げる姿に圧倒された 本当に英語の力 ( 読む, 聞く, 話す, 書く ) がなければできないこと 日頃から, その力をつけさせる授業をしているのだろう 安心して意見が言える 意見を聞いてくれる 学級づくり 学校づくりをしているからできることだろう 詰まりながら発表をしている男子をグループの女子がサポートする場面があった 子どもが意見を発表する際, 教師が, 難しい表現 語の意味を適宜説明し, 子どもを つなぐ 役目を担っていた 教師は, 決して前に出ず ( 教え込まず ), 子どものつなぎ役に徹していた 発表者以外の 聴いている子どもたち がどれだけ理解できているのか, 心配になるくらいに, 英語を使って話していた 英語が得意な一部の人だけが学んでいるのではないのか? と考えてしまった ( 途中, 賛成派と反対派の生徒の2 人だけの論戦もあったので ) グループ活動の形態であるのにも関わらず, 発表者の方を見て, 意見を聴いている生徒が多かった どのような学習形態でも, 友達の話を聴く という指導を徹底しているのだろう 発表をするときは, 教室の全体, 友達に向かって意見を発表していた (7)8 自分の考えをまとめるでは, 教師の 自分の考えを書いてみよう という指示の後, 全員が一斉に自分の考えを書き始めた これは, 全員がディベートを聴いていたから であり, ディベートを聞きながら, 自分なりの考えを持てたから 意見を発表した子どもたちだけでなく, 意見を言わなくても聞いて学んでいたのだ ( 黙って聴いているだけではなかったのである!) ということを授業の最後の場面で感じ取ることができた 3 グループ協議 参観者から学んだこと (1) 相手に ( 自分の意見を ) 伝えようと, チャレンジしていた ( 日本語が交じったり, 友達に支えてもらったりしながら ) (2)3 年生ともなると, 英語は学力差が開いてしまうのだが, すべての子どもが授業に参加していた (3) ディベートでは, 発言する子が限られていたが, 自分の考えをまとめる という場面において, すべての子どもが書いていたので, ずっと聴いていた子どもも 聴いて学んでいた と思われる (4) ディベートのルールを覚えるのは難しいと思うが, 子どもたちはよく活動していた (5) ディベートの最中, 作戦タイム を入れたことで, それまで発表できなかった子が発表できた (6) 言いたいことがなかなか言えない というストレスは, 子どもにとって, 良い刺激になる 刺激があるから, 学ぼうとする (7) 学び合い ができている お互いにプリントを見せ合う, どんどんグループの友達のワークシートを覗き込む, グループの友達のプリントを取って見るのも OK, ということを自然に行っていた (8) ディベートをしているときの雰囲気がとてもあたたかかった
(9) ディベートとは, 勝敗を決めるものであるが, 勝敗を決めず, 自分の意見をもち, 意見を言い合う 形式にしていた (10) ディベートが教師の補助がなくてもできるようになるとよい (11) 子どもたちの身体から, 伝えたいことがにじみ出ていた (12) 子どもたち自身が, プリントを足掛かりとして, 学び合い という思いで授業に参加していた (13) 子どもたちが活発に意見を言いあえるのは, 普段の積み重ねがあってこそ 4 スーパーバイザーから学んだこと (1) 男女の仲が良く, 積極的に授業に取り組んでいる (2) ディベートの場面において, 女子が登場しないのが残念 ( 発表したのは1 人 ) 女子が参加していれば, さらに深まったかもしれない クラス全体で, 学びの質を高めるには, 女子の参加が必要 そのための手立てがほしい (3) ディベートとしての深まりが欲しかった 都会の暮らし, 田舎の暮らしについての表面的な意見だけだった (4) ディベート中の教師のポジショニングについて教師は,9 グループあるうち,2 班と3 班の間に立っており, 全体が見渡せる場所にいなかった 全体が見渡せる場所にいるとよい (5) ディベートでの話題が, ワークシートの域を出ていなかった (6) 女の子の表情がやわらかい 男の子を支えている (7) ディベートだから, ジャッジをするべきジャッジがあるから 聞く し, 夢中になるのではないか (8) ( 英語で ) ディベートをする という時点で, ジャンプ しているのではないか (9) 協同的な学びにおいて, ディベートは, 大きな可能性をもっている いろいろな形があるので, 各学校で挑戦してほしい (10) ディベートの意義とは 1 友達の意見を聴ける 2もう1 人の自分になれる (11) 教師によって, 仕組まれていた 授業であった辞書を使わないと書けない ( 表現できない ), 既習の文法事項を使わなければいけない,( ディベートにおいては ) ~ said と, 前の人の意見につなげなければ, 自分の意見を言えない, というような しかけ がある授業だった グループのままディベートをしていた コの字にし, 顔を見合いながら意見を発表する方がよい 5 小川先生の話から学んだこと (1) ディベートは,2 年時に国語の授業でやっているので, 子どもたちはやり方については知っていた 英語でのディベートは, 今回で3 回目である やはり, やっているから, 意見を言い合えるのだ (2) ディベートにジャッジを入れなかった理由ジャッジを入れると, 子どもたちは 戦闘モード になってしまう だから, 英語の授業においては, 英語で自分の意見を言う, 英語で話をするのは楽しいことを実感する という目的にして授業をした そして, 意見が言えなかった子どもにも, あ ~, しゃべれるようになりたい と
思わせるようにしたかった (3) 教科書について教科書は完全にマスターさせる そこで, 単元ごとに, 必ずジャンプの課題を与えるようにしている 例えば, 教科書に関連する DVD を見せ, 感想を書かせる等 (4) ディベートをするために毎時間, 自由会話 という時間を取り, テーマも日替わりにして, 会話をさせてきた (5) 普段の取り組み 英語は技能教科である 身体で覚えさせるために, 1 毎日英文日記を書かせる 2 提出物は 100% 出させ, 添削する 自己表現課題においては, 読んで笑っちゃうようなものにしよう という課題を設定し, 子どもの学習意欲を喚起している 6 佐藤学先生から学んだこと (1) 女の子をディベートに参加させることは必要である もし, 女の子たちが活躍したら という発想をもつことが大事 そのために, ディベートにおいては, 女の子を指名する (2) 中学 高校においては,6:4(7:3でもいいくらい) で女の子を活躍させるなぜかと言うと, 女の子の方が精神年齢が高く, 問題も起こりがちである だから, 授業という場で, 出させる ことが必要である
資料 1 研修会資料 1
資料 2 研修会資料 2