Microsoft Word - 03 総論.doc

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計画の今後の方向性

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2 基本理念と基本目標 本市のまちづくりの指針である 第 2 次柳井市総合計画 は 平成 29 年 3 月に策定 されました この総合計画では すべての市民が健康で安心して暮らせる 人にやさ しいまちづくり を健康 福祉分野の基本目標に掲げ その実現を目指しています これは 高齢者も含めた全ての市民


神奈川県における高齢者を取り巻く状況 1 総人口の推移 ( 人口減少時代へ ) 本県における総人口は 平成 27 年度に約 915 万人となり その5 年後までには 人口のピークから人口減少時代へ入っていくことが予測されています 本県における総人口の推移 注 1 平成 22 年度までは 国勢調査によ

資料 目 次 事業方針 実施計画 みんなで福祉の風土を広げよう 住民 関係機関 団体のネットワークで身近な福祉活動を進めよう 一人ひとりの安全で安心な暮らしを守ろう Ⅳ 推進基盤の強化 主な年間行事等

高齢者を取り巻く状況 将来人口 本市の総人口は 今後も減少傾向で推移し 平成32年 2020年 には41,191人程度にまで減少し 高齢 者人口については 平成31年 2019年 をピークに減少に転じ 平成32年 2020年 には15,554人程度 になるものと見込まれます 人 第6期 第7期 第8

第 2 章垂水市地域包括ケアシステムの概要 1 垂水市の地域包括ケアシステムの考え方地域包括ケアシステムとは 高齢者等に関わる様々な人や社会資源が 地域の中でつながりを持って高齢者等の生活を支える仕組みです 高齢者については 介護が必要な状態になっても住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう 医

栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 二期計画 ) 概要版 1 計画の目的と背景 高齢化が急速に進行する中 平成 24 年 3 月に県土整備部と保健福祉部が連携のもと高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく 栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 以下 現計画 という ) を策定し 高齢者が安心して快適に暮

Microsoft Word - 単純集計_センター長.docx

地域包括ケアシステムの構築について 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年を目途に 重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう 医療 介護 予防 住まい 生活支援が包括的に確保される体制 ( 地域包括ケアシステム ) の構築を実現 今後

多賀町地域福祉活動計画案(概要版)


計画の概要 太田市地域福祉計画 太田市地域福祉活動計画とは? 太田市地域福祉計画市民のみなさまからご意見を伺いながら作成した 今後の地域福祉の方向性 将来像を示した太田市の計画です 太田市地域福祉活動計画社会福祉法人太田市社会福祉協議会が策定した 地域の社会福祉を推進するための具体的な活動計画です

基本理念 第 6 期計画では 高齢者が住み慣れた地域で健康でいきいきと充実した生活を送ることができる地域社会の構築をめざしてきました 第 7 期計画においても 第 6 期計画の基本理念を継承し 総合計画における高齢者福祉の施策の実現をめざして 住んでよかった亀岡 老後も楽しい亀岡 を本計画の基本理念

Microsoft Word - ●【本編】おおた高齢者施策推進プラン180313 《最終校正》

3 高齢者 介護保険を取り巻く現状 1 人口 高齢化率本市は高齢化率が 45% を超えており 本計画の最終年度である 2020( 平成 32) 年度には 高齢化率 48.0% 2025( 平成 37) 年度には高齢化率 49.7% まで増加することが推計されます また 2018( 平成 30) 年以

Microsoft Word - 3

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第 2 章高齢者を取り巻く現状 1 人口の推移 ( 文章は更新予定 ) 本市の総人口は 今後 ほぼ横ばいで推移する見込みです 高齢者数は 増加基調で推移し 2025 年には 41,621 人 高齢化率は 22.0% となる見込みです 特に 平成 27 年以降は 後期高齢者数が大幅に増加する見通しです

- 目次 - Ⅰ 計画策定の趣旨等 1 Ⅱ 船橋市における自殺の現状 2 Ⅲ 船橋市の自殺対策における取組 3 Ⅳ 船橋市の自殺対策推進体制 6

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

板橋区版 AIP の構築に向けた取組に関する検討報告書 < 概要版 > 平成 28 年 2 月 板橋区

まちの新しい介護保険について 1. 制度のしくみについて 東温市 ( 保険者 ) 制度を運営し 介護サービスを整備します 要介護認定を行います 保険料を徴収し 保険証を交付します 東温市地域包括支援センター ( 東温市社会福祉協議会内 ) ~ 高齢者への総合的な支援 ( 包括的支援事業 )~ 介護予

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

泉大津

1 計画策定の背景と趣旨 昭和 56(1981) 年の 完全参加 をテーマとする 国際障害者年 を契機に, 障害者福祉は大きく変化しました 国では, 平成 5(1993) 年 3 月に 障害者対策に関する新長期計画 が策定され, 同年 12 月には 障害者基本法 * が施行されました 以後も, 平成

01 表紙 雛形(都道府県、市町村、関係団体)介護保険計画課

区分

第1章 計画の基本的考え方 態を改善して地域社会への参加等を通じ 生きがいや役割を持てるようにすることが 重要です 4 住まい 持ち家や賃貸住宅だけでなく 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など 多様な形態の住まいを含みます 生活の基盤である住まいは 高齢者のプライバシー と尊厳が十分に守ら

負担割合の引き上げ 一定以上所得者の利用者負担の見直し 保険料の上昇を可能な限り抑えつつ 制度の持続可能性を高めるため これまで一律 1 割に据え置いている利用者負担について 相対的に負担能力のある一定以上の所得の方の自己負担割合を 2 割とする ただし 月額上限があるため 見直し対象者の負担が必ず

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はじめに

都市部の高齢化対策に関する検討会資料


北多摩南部圏域 東京都 武蔵野市 三鷹市 府中市 調布市 施設 36% 小金井市 狛江市 凡例 円グラフの大きさ 1,百万円未満 延べ 5百人未満 施設 居住系 1% 在宅 51% 在宅 71% 居住系 13% 大 中 小 1,百万円以上 1,百万円未満 1,百万円以上 5百人以上 1,百人未満 1

区西北部圏域 豊島区 北区 板橋区 練馬区 1,000百万円未満 500百人未満 居住系 在宅 51% 在宅 71% 居住系 13% 大 中 施設 19% 施設 36% 凡例 円グラフの大きさ 小 東京都 1,000百万円以上 10,000百万円未満 10,000百万円以上 500百人以上 1,00

整整合合 本計画は 第三次宜野湾市総合計画 ( 案 ) に則するものとして位置づけられます また 第 2 次宜野湾市男女共同参画計画 や他の関連する計画との整合性をもったものとして定めています 一方 本計画には母子の健康確保を盛り込むことが定められていることから 宜野湾市母子保健計画 は本計画に包含

表紙裏 ( 空白 )

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1102 請求誤りによる実績取り下げ 1109 時効による保険者申立ての取り下げ 1112 請求誤りによる実績取り下げ ( 同月 ) 1129 時効による公費負担者申立ての取り下げ 1142 適正化 ( その他 ) による保険者申立の取り下げ 1143 適正化 ( ケアプラン点検 ) による保険者申

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地域福祉とは 住民による自主的な活動や行政などの公的サービスを活用しながら 個人が人としての尊厳を持って家庭や地域の中で その人らしい自立した生活を送れるように支える ものです 計画の内容は 少子高齢化が急速に進む中で 核家族化が進行し地域意識は希薄化し 家庭や地域で 支え合う力が弱まりつつあります

千葉県 地域包括ケアシステム構築に向けた取組事例 1 市区町村名 銚子市 2 人口 ( 1) 68,930 人平成 25 年 4 月 1 日現在 ( ) 3 高齢化率 ( 1) 65 歳以上人口 20,936 人 ( 高齢化率 30.37%) ( ) (65 歳以上 75 歳以上それぞれについて記載

2 居宅サービス事業所の状況

スライド 1

地域包括ケア構築に向けた実態調査の実施 ひとり暮らし高齢者 高齢者のみ世帯 の全てを訪問形式で調査 地域全体で生活支援等必要なサービス内容を検討 H24 年度 H24.7 月 ~ひとり暮らし実態調査 ( 訪問 ) 集計 解析 ( 名古屋大学 )1 H 福祉を考える集会 ( 住民 関係者

第3節 重点的な取り組み

富山県 地域包括ケアシステム構築に向けた取組事例 ( 様式 ) 1 市区町村名 富山市 2 人口 ( 1) 322,059 人 ( 平成 25 年 3 月末現在 ) ( 8,253 人 ) 3 高齢化率 ( 1) 65 歳以上 26.1% ( 30.3% ) (65 歳以上 75 歳以上それぞれにつ

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キーワード 住民参加の介護予防 シルバーリハビリ体操指導士 シルバーリハビリ体操 フリフリグッパー体操 住民主体の介護予防事業及び認知症対策の推進 茨城県利根町 この事例の特徴 茨城県立健康プラザが 地域支援事業開始前より介護予防を推進するために開催してきたシルバーリハビリ体操指導士養成講習会を修了

【最終版】医療経営学会議配付資料 pptx

地域子育て支援拠点事業について

各論第 3 章介護保険 保健福祉サービスの充実

平成17年度社会福祉法人多花楽会事業計画(案)

月額報酬対象サービス月途中の事由 区分変更( 要介護 1~ 要介護 5の間 要支援 Ⅰ 要支援 Ⅱ) 小規模多機能型居宅介護介護予防小規模多機能型居宅介護複合型サービス ( 看護小規模多機能型居宅介護 ) 区分変更( 要介護 要支援 ) サービス事業所の変更( 同一サービス種類のみ ) 事業( 指定

PowerPoint プレゼンテーション

第2節 茨木市の現況

藤沢型地域包括ケアシステムの推進について 平成 30 年 2 月藤沢市議会定例会厚生環境常任委員会資料 1 ⅠⅠ 中長期を見据えた検討体制の見直し 1 これまでの経過等について現在, 国では 地域共生社会 の実現に向け, 様々な改革が進められており, 平成 30 年 4 月に施行される社会福祉法の一

月額報酬対象サービス月途中の事由 区分変更( 要介護 1~ 要介護 5の間 要支援 Ⅰ 要支援 Ⅱ) 小規模多機能型居宅介護介護予防小規模多機能型居宅介護複合型サービス ( 看護小規模多機能型居宅介護 ) 区分変更( 要介護 要支援 ) サービス事業所の変更( 同一サービス種類のみ ) 事業( 指定


周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

11 平成 21 年度介護予防事業実施状況について 平成 22 年 7 月 大阪市健康福祉局健康づくり担当

予定 地域密着型通所介護 に関する Q&A 通所介護事業所のうち 小規模な通所介護事業 ( 利用定員が 18 人以下の予定 ) については 平成 28 年 4 月 1 日から 地域密着型通所介護 として地域密着型サービスに移行することになりました つきましては その取扱いについてまとめましたので参考

Ⅰ-9_(資料9)_月額包括報酬の日割り請求にかかる適用_

事務連絡

Microsoft PowerPoint - 地域密着型サービスについて(長岡市)

1 広島市障害者計画の策定について

平成 28 年度介護保険事業状況報告 ( 年報 ) のポイント 1 第 1 号被保険者数 (28 年 3 月末現在 ) (29 年 3 月末現在 ) 3,382 万人 3,440 万人 ( 対前年度 +59 万人 +1.7% 増 ) ( 単位 : 万人 ) 3,500 3,000 2,500 2,0

小規模多機能型居宅介護 介護予防小規模多機能 区分変更 ( 要介護 1~ 要介護 5 の間 要支援 Ⅰ 要支援 Ⅱ) 型居宅介護く ) 区分変更 ( 要介護 要支援 ) サービス提供日 サービス事業所の変更 ( 同一サービス種類のみ ) ( 通い 訪問又は宿泊 ) 事業 ( 指定有効期間 ) 受給資

サービス提供体制強化加算に関する届出書 [ 定期巡回 随時対応型訪問介護看護事業所 ] 1 事業所名 平成年月日 2 異動区分 1 新規 2 変更 3 終了 3 届出項目 1 サービス提供体制強化加算 (Ⅰ イ ) 2 サービス提供体制強化加算 (Ⅰ ロ ) 4 研修等に関 1 する状況 3 サービ

8_月額包括報酬の日割り請求にかかる適用について

Ⅰ-9_(資料9)_月額包括報酬の日割り請求にかかる適用_

<総論>

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

高齢者虐待防止対応マニュアル別冊 6 関係機関との連携 (1) 各機関の役割 市町村や地域包括支援センター等の関係機関は それぞれ対応可能な範囲があります 範囲を超えた対応は行うことができません また 事例によって関係機関の対応を依頼する場合があります 市町村が中心となるコアメンバー会議によって 大

西東京市介護保険事業計画(第3期)中間のまとめ構成案

01 【北海道】

案 参考資料 1 健康長寿笑顔のまち 京都推進プラン ( 計画期間 : 平成 30 年 ~34 年度 ) 身体活動 運動分野抜粋案 1

6 基本理念及び基本目標 第 11 節 (1) 基本理念 すべての人が人間として尊ばれ 生きがいを持ち 心豊かに 安全に安心して暮らせる長寿社会の実現 (2) 基本目標 1 生涯をいきいきと暮らせる健康づくり ~ 健康寿命の延伸を目指して~ 2 社会参加と生きがいづくりの推進 3 地域における自立し

第 2 章近江八幡市を取り巻く状況と今後の課題 1 データからみえる地域福祉の状況 1 人口の状況近江八幡市は 平成 22 年 3 月に旧近江八幡市と旧安土町が合併し 人口 8 万人を超える市となりました 旧市町の人口を合計した数値を見ると 平成 12 年から平成 22 年は横ばいで推移していますが

人口構造の変化 1

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第 1 部 施策編 4

一宮市住宅マスタープラン ~ 住み続けたいまち 住んでみたいまち 人々が生き生きと暮らせるまち ~ 概要版 平成 2 5 年 3 月 一宮市

Taro-素案(全体版)

Ⅱ 各論第 2 章 各 論 第 2 章 介護と医療 関係機関の連携 第 1 節 介護と医療 関係機関の連携 1 連携のための関係機関のネットワークづくり 現状 課題 平成 19 年度に内閣府が公表した 高齢者の健康に関する意識調査 によると 多くの高齢者が要介護状態になっても 可能な限り住み慣れた地

住所地特例に係る事務の見直しの概要について Ⅱ- 資料 2 本事務は 介護予防 日常生活支援総合事業の実施時期に係わらず 平成 27 年 4 月から 全ての市町村において必要な事務であるので 留意されたい 1. 平成 27 年 4 月からの住所地特例に係る事務の見直しの概要 住所地特例の対象施設にサ


施策の方向 2 生活機能 身体機能を維持するための高齢者の健康づくり 年齢を重ねても できるだけ長く自立した活力ある生活を営むためには 高齢者の生きがいづくりや社会参加の支援とともに 要支援 要介護状態の主な原因疾患であるロコモティブシンドローム ( 運動器症候群 ) や 脳血管疾患 認知症などの予

第2節 茨木市の現況

Microsoft Word - Ⅰ-7_(資料7)_留意事項_

広島市障害者計画 2013 ー 2017 平成 25 年 3 月 広島市

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

事業内容

社会福祉法人による生計困難者に対する利用者負担の減免

(2) 高齢者の福祉 ア 要支援 要介護認定者数の推移 介護保険制度が始まった平成 12 年度と平成 24 年度と比較すると 65 歳以上の第 1 号被保険者のうち 要介護者又は要支援者と認定された人は 平成 12 年度末では約 247 万 1 千人であったのが 平成 24 年度末には約 545 万

第 1 章計画の策定にあたって 2 計画の課題 (1) 地域包括ケアシステムの基本的理念と深化 推進 地域包括ケアシステム とは 地域の実情に応じて 高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 ( 要介護状態若しくは要支援状

Transcription:

第 1 計画の策定の趣旨と位置づけ 1 計画策定の趣旨 (1) 高齢化の進行本市の高齢化率 (65 歳以上人口の総人口に占める割合 ) は 昭和 60 年の国勢調査で全国平均を上回り それ以降上昇を続けています 国立社会保障 人口問題研究所 の推計によると 戦後のベビーブーム世代 いわゆる 団塊の世代 が75 歳以上となる平成 37 年 (2025 年 ) には 本市の人口の 33.5%( およそ3 人に1 人 ) が65 歳以上 20.7%( およそ5 人に1 人 ) が75 歳以上になると予測されています (2) これまでの取組み本市では 平成 5 年度に 高齢化社会のモデル都市づくり を進めるためのマスタープランとして 北九州市高齢化社会対策総合計画 を策定し 5 年ごとの実施計画に基づいて 高齢化に対応する市民サービスの充実や行政体制の整備を進めてきました これらの成果を踏まえ さらなる高齢化に対応するため 平成 18 年度からは新たな計画として 北九州市高齢者支援計画 を3 年ごとに策定し 現在は第三次計画 ( 平成 24~26 年度 ) に基づいてさまざまな高齢者施策を推進しています (3) 高齢者と地域を取り巻く課題高齢化の進行により 介護が必要な高齢者や認知症高齢者の増加 また これに伴う家族介護者の負担や不安への対応が課題となっています また 一人暮らしの高齢者や高齢者夫婦のみ世帯の増加 生活様式や価値観の多様化などに伴う地域の見守り 支え合い機能の変容により 高齢者の 家族や地域からの孤立 の問題も深刻なものとなっています 一方 国においては 社会保障 税一体改革 により すべての世代が安心と納得を実感できる 全世代型 の社会保障制度への転換を目指しています 1

(4) 北九州市らしい高齢者施策の更なる推進本市の平均寿命は男性 78.85 歳 女性 86.20 歳 ( 平成 22 年都道府県別生命表 ) に達しており 人生 90 年時代 をどう生きるかは一人ひとりの問題であるとともに 社会全体の問題にもなっています また 介護や認知症の問題は 人生の中で誰もがいずれ何らかの形で関わることになると考えられます これらの問題に対応することは 新しい地域づくりの契機ともなるものであり 行政サービスや制度の充実だけでなく 地域や社会 さらには個人も 人生 90 年時代 に対応した新しい価値観や新しい地域 新しい社会をつくっていくことが一人ひとりの幸福にもつながります さらに 住まいや住まい方 介護や予防のあり方も 多様なニーズや状態に対応するために これまでの取組みに加え 新しいことにチャレンジして選択肢を増やしていくことが必要です このようなことから 本市のこれまでの取組みを基礎として 北九州市らしい高齢者施策の更なる推進を図るとともに 市民一人ひとりがいきいきと安心して暮らし ともに支え合う地域づくりに参加するためのきっかけとなるよう 地域社会全体で共有する高齢者支援の指針として 第四次北九州市高齢者支援計画 ( 計画期間 : 平成 27~29 年度 ) を策定するものです 2

2 計画策定の背景 ~ 第三次高齢者支援計画の成果 ~ 平成 24 年 3 月に策定した 第三次北九州市高齢者支援計画 では 家庭 地域 社会全体で安心のきずなを結び すべての市民が生涯を通じてその人らしく いきいきと活躍できる 参画と共生のまちづくり を基本理念として 地域社会を構成する地域住民 地域団体 保健 医療 福祉関係者 NPO ボランティア団体 民間企業などと協働しながら 健康づくり 介護予防 生きがい 社会参加 認知症対策 権利擁護 介護保険サービスなど さまざまな事業に取り組んできました その中で 先進的あるいは特色ある事業としては 健康づくり 介護予防の充実 各校区に設置された市民センターを活用し 地域保健関係者や地域住民 関係者が連携して健康づくりを進める 市民センターを拠点とした健康づくり事業 介護予防 生活習慣改善等の取組みや健康診査の受診等をポイント化し そのポイントを健康グッズなどと交換する 健康マイレージ事業 本市が開発した ひまわりタイチー や きたきゅう体操 を通して介護予防の普及 啓発を図る 百万人の介護予防事業 高齢者等の健康づくりに効果的な健康遊具を設置した公園で健康づくり教室などを開催する 公園で健康づくり事業 生きがい 社会参加 地域活動の推進 産業活動や社会貢献活動の担い手として活躍できるスキルを身につけるために 起業独立や NPO 活動などの夢の実現に向けた実践的な講座を行う 生涯現役夢追塾 高齢者の参加しやすいボランティア活動 生涯学習活動 仲間づくりのイベントなどに関する各種情報をホームページや窓口で情報提供を行う 高齢者いきがい活動支援事業 高齢者が介護保険施設等でボランティア活動を行った場合に その活動を評価してポイント化し ポイントを換金または寄付することができる 介護支援ボランティア事業 3

街中の未利用市有地や公園の一部を無償で地域の自治組織等に貸し出し 花壇や菜園などに活用してもらう まちの森プロジェクト ( 政令市では初め ての取組み ) 総合的な認知症対策の推進 認知症の人やその家族を地域で温かく見守り 支える 認知症サポーター の養成に取組む 認知症サポーターキャラバン事業 ( 総人口に占める認知症サポーターの割合は政令市トップクラス ) 認知症の人や家族などが抱える不安や悩みなどが気軽に相談できるよう 認知症介護経験者等が対応するコールセンターを設置し 認知症の人や家族への精神面での効果的な支援を行う 認知症コールセンター事業 身近な相談と地域支援体制の強化 地域の見守りネットワークの網の目を細かくしていくことで 支援を必要としている方を必要な制度 サービスにつなげる本市独自の取組みである いのちをつなぐネットワーク事業 介護に関する相談をはじめ 高齢者の様々な相談に対応する総合相談窓口である 地域包括支援センター の市直営による運営 ( 直営は政令指定都市では本市のみであり 区の各窓口等と連携し相談等に迅速に対応しています ) 身近なところに商店がなく日々の買い物に不安を抱えた高齢者などの 買い物弱者 の問題に 地域住民や民間事業者が行う支援活動をサポートする 地域協働による買い物支援の推進 などが挙げられます 介護保険制度においては 訪問介護 通所介護 小規模多機能型居宅介護などの在宅サービス 地域密着型サービスの提供 平成 24 年度に創設された新たなサービスである 定期巡回 随時対応型訪問介護看護や複合型サービスの整備 また 特別養護老人ホームやグループホームの着実な整備など サービスの充実を図りました 特別養護老人ホームの入所受入れ等の調査では 前回調査 ( 平成 23 年度 ) と比べ 早期に入所する方の割合が高くなっています これらの取組みに対する市民の評価としては 平成 26 年度の市民意識調査に おいて 高齢社会対策 の評価が 34 項目中 11 位となっています また 健 4

康づくりの推進 については 平成 22 年度の5 位から26 年度は3 位に上昇しています 日本経済新聞社が 平成 25 年 8 月に全国の市町村と東京 23 区を対象に行った 全国市区 高齢化対応度 調査 では 政令指定都市の中で第 1 位 (702 0 市区町村中第 5 位 ) と非常に高い評価を得ています 一方 市政要望 ( 平成 26 年度市民意識調査 ) では 高齢社会対策の推進 が この20 年間ほぼ一貫して第 1 位となっており 高齢社会対策に対する市民の強い関心と多くの期待が寄せられています 第三次高齢者支援計画の主な取組みは 資料編 に掲載 5

3 計画の位置づけ (1) 法定計画として策定 本計画は 介護保険法 ( 第 117 条 ) に規定されている 介護保険の各サービスの見込量やその確保のための方策などを定める 介護保険事業計画 ( 第 6 期 ) 及び老人福祉法( 第 20 条の8) に規定されている 老人福祉計画 を包含したものです また 厚生労働省が策定した 認知症施策推進 5か年計画 ( 通称 : オレンジプラン ) 及び 認知症施策推進総合戦略( 通称 : 新オレンジプラン ) の方向性を踏まえ 本市独自の方策を加えた 認知症対策の基本的方向を示す 北九州市認知症施策推進計画 ( 通称 : 北九州市オレンジプラン ) の内容も含んでいます 図 1-3-1 国の法定計画等との関係 第四次北九州市高齢者支援計画 老人福祉計画 高齢者福祉に関すること など 介護保険事業計画 介護給付等サービスの見込み 費用の見込みと保険料 など 北九州市オレンジプラン 認知症予防 早期診断 早期対応 地域 民間の取組み など 6

(2) 元気発進! 北九州 プランの分野別計画として策定本計画は 誰もが元気で安心して地域で生活できるまちづくりを目指した 本市の基本構想 基本計画である 元気発進! 北九州 プラン ( 平成 20~3 2 年度 ) に基づく分野別の計画として位置づけられるものです したがって 本計画の推進にあたっては 元気発進! 北九州 プラン の各分野別計画である 北九州市障害者支援計画 元気発進! 子どもプラン や 北九州市高齢者居住安定確保計画 北九州市新成長戦略 などと相互に連携を図っていきます (3) 北九州市の地域福祉( 地域福祉計画 ) を基盤として策定地域福祉の推進にあたっては 行政はもとより 地域住民 地域団体 保健 医療 福祉関係者 NPO ボランティア団体 民間企業などが一体となって 身近な見守りや交流など 地域における様々な取組みを進める必要があります 本市では このような取組みを進めるため 地域社会全体で共有する指針として平成 22 年度に 北九州市の地域福祉 ( 地域福祉計画 ) を策定しています 本計画における地域の交流 見守り 支援などの施策の展開にあたっては 地域福祉計画で進められる地域の基盤づくりのもと 様々な関係団体と行政が連携 協働しながら取組みを進めます (4) 北九州市自治基本条例 を踏まえて策定社会経済情勢が急速に変化し 人々の価値観や行政ニーズが多様化する時代にあっては これまで以上に的確に市民の意思を踏まえながら市政運営を行っていくことが必要です 時代の変化や地域の実情に応じた独自の住民自治の拡充を図るため 本市では 平成 22 年度に 市政運営の基本原則や市政への市民参画 コミュニティ活動のあり方などの自治に関する基本事項を定めた 北九州市自治基本条例 を制定しました 本計画は 本市の自治運営における基本ルールである当該条例の趣旨を踏まえて策定し 当該条例の指針に基づいて施策を推進していきます 7

8 地域の基盤づくりその他の保健福祉計画その他の関連計画 元気発進! 北九州 プラン ( 市基本構想 基本計画 ) 北九州市地域福祉計画北九州市の地域福祉北九州市地域福祉活動第四次計画(北九州市社会福祉協議会)第四次北九州市高齢者支援計画北九州市障害者支援計画北九州市健康づくり推進プラン第二次北九州市食育推進計画北九州市人権行政指針連携 ( ) 北九州市自治基本条例 地域福祉の連携を目的とする団体として 社会福祉協議会が地域でさまざまな活動を行っており 北九州市社会福祉協議会は 行政計画との整合を図りながら地域活動を推進するため 平成 23 年 4 月に 北九州市地域福祉活動第四次計画 を策定しています (5) 市民 関係団体などの幅広い意見を踏まえて策定本計画は 保健 医療 福祉関係者や学識経験者 公募による市民代表からなる 北九州市高齢者支援と介護の質の向上推進会議 で出された意見や 平成 25 年度に行った 北九州市高齢者等実態調査 等の各種調査の結果 市民生活や地域に密着したテーマについて市民の意見を伺う 地域ふれあいトーク や 関係団体の意見を聴く会 における意見などを踏まえて策定したものです 図 1-3-2 第四次北九州市高齢者支援計画の位置づけ ( 各種計画 条例との関係 )

4 計画の期間 この計画の期間は 平成 27 年度から 29 年度までの 3 年間とします 図 1-3-3 第四次北九州市高齢者支援計画の期間 北九州市基本構想基本計画地域福祉 H24 年度 H25 年度 H26 年度 H27 年度 H28 年度 H29 年度 元気発進! 北九州 プラン ( 基本計画は H32 年度まで 12 年間 ) 北九州市の地域福祉 2011~2020 (H32 年度まで 10 年間 ) 高齢者 支援 第三次北九州市高齢者支援計画 (H24 年度 ~H26 年度 ) 第四次北九州市高齢者支援計画 (H27 年度 ~H29 年度 ) 参考 計画期間の根拠について 介護保険事業計画 は3 年を1 期として策定することが介護保険法第 117 条第 1 項に規定されています また 介護保険事業計画 と 老人福祉計画 は 一体のものとして作成することが介護保険法第 117 条第 6 項及び老人福祉法第 20 条の8 第 7 項に規定されています 以上のことを踏まえ この計画の期間は3 年としています 9