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世田谷区

1 整備目標 方針 地区名大井五 七丁目 西大井二 三 四丁目地区位置東京都品川区大井五 七丁目 西大井二 三 四丁目の全域地区の現況 課題 現状 当地区は 品川区の南に位置しており 北側に滝王子通り 東側に補助 28 号線 ( 池上通り ) 西側にJR 東海道新幹線及びJR 横須賀線 南側に大田区

板橋区

1 整備目標 方針 地区名 大森中地区 ( 西糀谷 東蒲田 大森中 ) 西糀谷一丁目 西糀谷四丁目 北糀谷二丁目 東蒲田二丁目の全域位置大森中二丁目 大森中三丁目 西糀谷二丁目 西糀谷三丁目 東蒲田一丁目 南蒲田一丁目の各一部地区の現況 課題 現況 当地区の幹線道路沿いは商業 業務施設及び中高層の集

第18期火災予防審議会地震対策部会

別記様式第4

2 計画 ( 素案 ) からの主な変更点 1 はじめに頁主な変更点 1 これまでの経緯に 不燃化特区補助制度の指定 地区計画と都市防災不燃化促進事業の導入についての記載を追加 また 大和町中央通り沿道地区は 平成 26 年に不燃化特区補助制度 ( 平成 32 年度まで ) の対象区域に指定されるとと

葛飾区

1 整備目標 方針 地名 位置 地の現況 課題 羽田二 三 六丁目地 ( 大田 ) 東京都大田羽田二丁目 三丁目 六丁目 現状 独立住宅を中心に 集合住宅や併用住宅も含めた住居系の土地利用がほとんどを占めている 幅員 4m 未満の道路が大半を占めており 幅員 2.7m 未満の道路も多くなっている ま

江東区

ば避難できる確率が 97% 以上となることから 地区内閉塞度が 3 以上と判定した地区を 閉塞危険性が高い地区とした ( 以下 延焼危険性及び閉塞危険性を合わせて 延焼危 険性等 という ) これらにより 各市区町は 23 年度末までに最低限の安全性が確 保できる見込みがない重点密集市街地のうち延焼

都市計画変更素案に関する説明会 建築規制の変更に関する説明会 特定整備路線補助 29 号線 井 東 込区間 (JR 横須賀線 区界 ) 沿道 日時 : 平成 29 年 8 3 ( ) 場所 : 品川区 伊藤 学校 前方右側に手話通訳者を配置しております 必要な方はお近くの席にお移り願います 1 本日

都市防火研究と災害調査

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大谷周辺地区 及び 役場周辺地区 地区計画について 木原市街地 国道 125 号バイパス 役場周辺地区 (43.7ha) 美駒市街地 大谷周辺地区 (11.8ha) 地区計画の概要 地区計画とは住民の身近な生活空間である地区や街区を対象とする都市計画で, 道路や公園などの公共施設の配置や, 建築物の

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不燃化推進特定整備地区整備プログラム/北区/志茂地区

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序章 計画改定の背景 足立区では 昭和 57 年 3 月に 大地震による火災から区民の生命と財産を守る た め 足立区防災まちづくり基本計画 を策定し この計画に基づき各種事業を展開し てきました その後 平成 7 年 1 月 17 日に発生した阪神 淡路大震災では 密集市街地に被害が 集中し 改め

防災まちづくりの具体的な方向性を示す 方針 は 防災まちづくりに関するキーワードごとに 以下の12 項目にまとめました 防災まちづくりの方針 防災( 安全 安心 ) 地域コミュニティ ひと 1 多様な世代の交流や地域活動への参加が 防災 減災活動を支えるまち ( 自助 共助の話し合いが活発に行われて

計画的な再開発が必要な市街地 特に一体的かつ総合的に再開発を促進すべき地区 市町名 名称 再開発の目標 土地の合理的かつ健全な高度利用及び都市機能の更新に関する方針 特に整備課題の集中がみられる地域 ( 課題地域 ) 地区名 西宮市 C-4 浜脇 ( 約 175ha) 居住環境の向上 良好な都市景観

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( 新 ) 藤沢都市計画住宅市街地の開発整備の方針 平成年月 神奈川県 藤沢 住宅 -1

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

目次 方針策定の背景 1-1. 用途地域指定の基本的な考え方 1-2. 住居系 [ 第一種低層住居専用地域 ] [ 第二種低層住居専用地域 ] [ 第一種中高層住居専用地域 ] [ 第二種中高層住居専用地域 ] [ 第一種住居地域 ] [ 第二種住居地域 ] [ 準住居地域 ] [ 田園住居地域 ]

目次 1. 市街化調整区域の土地利用方針について... 1 (1) 策定の目的... 1 (2) 方針の位置付け 市街化調整区域の課題 土地利用の方針... 3 (1) 土地利用の基本的な方針... 3 (2) 地区ごとの土地利用方針 開発計画等の調整

(3) 東京都が掲げている目標を確実に達成するには 延焼遮断帯の形成やその主要な要素である特定整備路線の整備 老朽木造建築物の除去等の施策をより強制力をもって展開することが必要であり 一定の私権の制限もやむを得ないと考える その際 移転や住替えを余儀なくされる住民へ移転先をしっかりと確保するなど き

( 対象区域 ) 第 5 地区計画の対象区域は 工業団地 ( 国母工業団地 南部工業団地 機械金属工業団地 ファッション工業団地 ( アリア ディ フィレンツェ ) をいう 以下同じ ) の区域内及び隣接地又は近接地 ( おおむね工業団地から500メートル以内 ) とする ( 区域の設定 ) 第 6

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目次 ( )

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第 Ⅱ ゾーンの地区計画にはこんな特徴があります 建築基準法のみによる一般的な建替えの場合 斜線制限により または 1.5 容積率の制限により 利用できない容積率 道路広い道路狭い道路 街並み誘導型地区計画による建替えのルール 容積率の最高限度が緩和されます 定住性の高い住宅等を設ける

建物の建築の基準についての 都市計画変更 案に関する説明会 大田区東馬込二丁目 ( 補助 29 号線沿道地区 ) 高度地区の変更 防火地域の変更 用途地域の変更 日時 : 平成 30 年 11 月 19 日 ( 月 ) 場所 : 大田区立馬込小学校 大田区 1 本日の説明項目 1 本説明会の主旨 2

柏駅西口北地区まちづくり


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筑豊広域都市計画用途地域の変更 ( 鞍手町決定 ) 都市計画用途地域を次のように変更する 種類 第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域第二種中高層住居専用地域 面積 約 45ha 約 29ha 建築物の容積率 8/10 以下 8/10 以下 建築物の建蔽率 5/10

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News Release 2014 年 3 月 24 日 伊丹市と新関西国際空港株式会社が 伊丹市域におけるまちづくりの推進 について合意 伊丹市と新関西国際空港株式会社は 伊丹市域の生活環境の改善 地域コミュニティの再生等を図るためのまちづくりを連携して推進するため 2014 年 3 月 24 日

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本日の説明内容 1 板橋駅西口周辺地区のまちづくり 2 板橋駅西口地区都市計画素案について 1 市街地再開発事業 2 地区計画 3 高度利用地区 4 高度地区 3 今後のスケジュール 1

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表1-表4-2

東京都市計画第一種市街地再開発事業前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業位置図 東京停車場線 W W 江戸橋 JCT 日本橋茅場町 都 道 一石橋 5.0 特別区道中日第 号線 江戸橋 15.

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山手地区の概要 面積 約50ha 用途地域 工業地域 建ぺい率 60 容積率 200 高さの限度 第一種高度地区 最高限20m 2

計画書

4-2 地域の課題人口の減少により 町内では老朽化した空き家 空き店舗が随所に見られるようになっており 平成 28 年 3 月に町内を調査したところ 空き家 空き店舗と思われる建物が 159 軒存在していることが判明した 特に 商店街 公共機関 医療機関等が近接する利便性の高い中心市街地における空き

指定標準 適用区域 建ぺい率 容積率 建築物の高さの最高限度 m 用途地域の変更に あたり導入を検討 すべき事項 ( 注 2) 1. 環境良好な一般的な低層住宅地として将来ともその環境を保護すべき区域 2. 農地等が多く 道路等の都市基盤が未整備な区域及び良好な樹林地等の保全を図る区域 3. 地区計

建築基準法第 43 条第 2 項第 2 号の規定による許可の同意の取扱い基準 平成 18 年 6 月 1 日東広島市建築審査会 建築基準法 ( 以下 法 という ) 第 43 条第 2 項第 2 号の規定により許可を行う場合, 次 に定める基準のいずれかに該当する建築物の敷地については, 建築審査会

四国中央市住宅マスタープラン 概要版 平成 30 年 3 月四国中央市 Since

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地区区分とまちづくり方針 D

渋谷区

病院等における耐震診断 耐震整備の補助事業 (1) 医療施設運営費等 ( 医療施設耐震化促進事業平成 30 年度予算 13,067 千円 ) 医療施設耐震化促進事業 ( 平成 18 年度 ~) 医療施設の耐震化を促進するため 救命救急センター 病院群輪番制病院 小児救急医療拠点病院等の救急医療等を担

平井二丁目付近地区地区計画の概要 平井二丁目付近地区地区計画の概要をお示しします 詳しくは 同封の 平井二丁目付近 地区計画書 計画図 をご確認ください 地区計画の区域地区計画の対象区域は 下図のとおりです 平井二丁目付近地区 ( 約 28.6ha) 江戸川区平井一丁目 平井二丁目及び 小松川三丁目

Taro-03_H3009_ただし書同意基準

名前 第 1 日目 建築基準法 2 用途規制 1. 建築物の敷地が工業地域と工業専用地域にわたる場合において 当該敷地の過半が工業地域内であると きは 共同住宅を建築することができる 2. 第一種低層住居専用地域内においては 高等学校を建築することができるが 高等専門学校を建築する ことはできない

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~ 災害に強く 安全で安心して住み続けられるまちの実現に向けて ~ 荒川二 四 七丁目地区地区計画 ( 平成 30 年 4 月 1 日変更 ) 道路 公園などの地区施設や地区にふさわしい建築物の用途 形態などを定めることにより 地区の特性に合わせたきめ細やかなまちづくりを実現するための都市計画制度で

大阪府営門真住宅まちづくり基本構想 平成 25 年 6 月 大阪府 門真市

ア土地利用の現況 土地利用の現況 (P3 に土地利用現況図を示す ) 当地区の区域面積は約 28.6ha で 土地利用の状況は 宅地面積の合計が 19.88ha(69.5%) 道路 公園 河川の公共系用地 ( 墓地含む ) 面積の合計が 8.72ha(30.5%) となっている 宅地の土地利用面積の

Ⅰ 用途地域指定の基本方針 1 用途地域別 市街地像 と指定の基本方針 1 2 境界の設定 4 3 用途地域見直しの時期 5 4 その他の地域地区や地区計画の活用 6 Ⅱ 用途地域の指定基準 第一種低層住居専用地域 7 第二種低層住居専用地域 9 第一種中高層住居専用地域 11 第二種中高層住居専用

目 次 1 基本方針 再開発を促進すべき地区等の整備又は開発の方針... 2 別表再開発促進地区の整備又は計画の概要... 3 都市再開発方針図 ( 総括図 )... 6 都市再開発方針附図

西原町 2~4 丁目地区 区域図 西原町 2~4 丁目地区 低密度住宅ゾーン 中密度住宅ゾーン 戸建ての低層住宅地を主体に落ち着いた雰囲気を持った良好な居住環境の形成を誘導します また 都市農地の保全に努め 農地と共存した良好な居住環境の形成を誘導します 低層住宅と中高層住宅が調和した良好な居住環境

建築基準法第 43 条第 2 項第 2 号の規定による許可の基準 ( 包括同意基準 ) 平成 30 年 9 月 28 日 加古川市都市計画部建築指導課

これまで検討してきた内容をとりまとめた 住みよいまちづくり計画 ( 素案 ) に関して みなさまのご意向をご確認させていただく最終アンケートを実施致します 特に 住みよいまちづくり計画 ( 素案 ) の第 5 章 地区計画で定めるルールについての検討 については みなさまがお持ちの土地 建物の使い方

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第 3 章密集市街地の再生に向けた基本的な考え方 (1) 評価指標と対象地域 1 評価指標密集市街地とは 密集法において 老朽化した木造の建築物が密集し 十分な公共施設が整備されていないことなどにより 火事又は地震が発生した場合において延焼防止機能や避難機能が確保されていない市街地 と位置づけられています そこで 木造建物が多いことなどによる 延焼危険性 と 狭い道路が多いことによる 避難 消火の困難性 を評価指標とします 延焼危険性 で市街地を評価し 避難 消火の困難性 とあわせて 町丁目ごとにデータを分析し 優先度を設定します 図 4 密集市街地の評価指標 延焼危険性 による評価 避難 消火の困難性 による評価 指標 1 不燃領域率 <70% 指標 2 指標 3 不燃領域率 <40% かつ木防建ぺい率 20% 優先度 4 優先度 2 優先度 1 優先度 3 4m 未満道路に接道する建物割合 >50% 一部で延焼の 恐れがある町丁目 大火の恐れがある町丁目 ( 周辺まで延焼の恐れ ) 狭い道路が多く避難 消火が困難な町丁目 密集市街地 図 5 評価の流れ指標 3 指標 1 指標 2 延焼の恐れがあるはいいいえ防災まちづくりの優先度市街地火災が 不燃領域率 <70% 不燃領域率 <40% かつ木防建ぺい率 20% 生じにくいまち 大火の恐れがある はい いいえ 避難 消火が困難 4m 未満道路に接道する建物割合 >50% 指標 3 避難 消火が困難 4m 未満道路に接道する建物割合 >50% はい優先度 1 優先度 2 いいえはい優先度 3 優先度 4 いいえ 大火の恐れがある 避難や消火が困難 一部で延焼の恐れがある 高い 8

指標 1 不燃領域率 1) が 70% 未満 住宅戸数密度が 30 戸 /ha 未満の町丁目や 開発許可基準に適合した計画的団 地は除く 指標 2 不燃領域率 1) が 40% 未満かつ木防建ぺい率 2) が 20% 以上 指標 3 幅員 4m 以上の道路に接していない敷地に建つ建物が過半 道路中心線が確定し 現道が整備され 建替時に後退用地を舗装するルールが定められた道路は 確実な拡幅整備が見込まれるため 幅員 4m 以上の道路 に準じる道路とみなす 1) 不燃領域率 について 地域内において道路 公園などのオープンスペースや燃えにくい建物が占める割合 概ね40% 以上の水準に達すると焼失率は急激に低下し 隣接区域への延焼危険性も低下する 70% 以上に達すると焼失率がほぼ0% となる Ρ: 関東大震災規模の地震が発生した場合の出火率 2つのケース 阪神 淡路大震災では 0.00042 不燃領域率 (%) の計算方法 空地率 +(1- 空地率 /100) 不燃化率 40 空地率 (%) 1,500m2以上の公園等と幅員 6m 以上の道路が占める面積の割合 ( 短辺もしくは直径が 10m 以上でかつ面積が100m2以上の空地を加えることもできる ) 不燃化率 (%) 総建築面積のうち 耐火建築物の建築面積に 準耐火建築物の建築面積の8 割を加えた面積が占める割合 2) 木防建ぺい率 について 地区内において木造建物が占める割合 概ね20% 以下の水準に達するとほぼ焼失しない市街地になる 木防建ぺい率 (%) の計算方法 木造建物 ( 防火木造含む ) の建築面積 地区面積 100 20 9

2 対象地域 ア密集市街地再生方針の対象とする密集市街地密集市街地再生方針では 延焼の恐れがある町丁目 ( 優先度 1~4) が存在する市街地を 方針の対象とする 密集市街地 とします その上で まちづくりの優先度を踏まえた取り組みを行います なお 現在密集事業を進めている地区では 整備計画に基づく事業を引き続き実施します イまちづくりの優先度が高い密集市街地 ( 密集市街地再生優先地区 ) 大火の恐れがある町丁目( 優先度 1 及び2) は 地震時などに火災が発生すると周辺の町丁目まで延焼する可能性が高いことから これらの町丁目が連続している市街地では 広範囲に延焼が拡大する恐れがあります このような市街地を 密集市街地再生優先地区 として示し 優先的に防災まちづくりに取り組んでいきます 密集市街地再生優先地区の中でも 幅員 4m 未満の狭い道路が多く 避難や消火が困難な町丁目 ( 優先度 1) は 特に防災まちづくりの優先度が高いと考えられます 密集市街地再生優先地区 の基準 大火の恐れがある町丁目 ( 優先度 1 及び2) が概ね5ha 以上連続している地区 これらに隣接する町丁目のうち 木造の建築物が多く 一体的に延焼する危険性のある箇所を含める 道路 河川 線路敷など一定の幅をもった地形 地物で分断される小規模な箇所は 延焼する確率が低くなるため除外する ウ密集市街地再生優先地区以外の密集市街地密集市街地再生優先地区以外の密集市街地は 地域の自発的な取り組みにより防災まちづくりが進捗し 防災性を向上するための目標や 道路の配置などを地区計画などで定められた地区において 順次 延焼危険性や避難 消火の困難性による優先度に応じた施策を展開していきます そのため 密集市街地再生優先地区以外の密集市街地の位置や優先度は 地域における防災まちづくりの動きにあわせて 個別に情報提供していきます 10

図6 密集市街地の対象地域 模式図 灘山麓 六甲山系 兵庫山麓 戦災復興 震災復興の 事業区域 東垂水 神戸港 長田南部 大火の恐れがある町丁目が連続し 広範囲に延焼が拡大する恐れがある市街地 密集市街地再生優先地区 密集市街地再生優先地区 大火の恐れがあり 避難や消火が困難な町丁目 優先度1 大火の恐れがある町丁目 優先度2 一部で延焼の恐れがあり 避難や消火が困難な町丁目 優先度3 一部で延焼の恐れがある町丁目 図7 密集市街地 優先度4 密集市街地再生優先地区の位置 区域は方針決定時に公表します 灘山麓 兵庫山麓 長田南部 東垂水 11

(2) 密集市街地の整備目標 1 防災面の向上 ア燃え広がりにくいまちづくり 2025 年 ( 平成 37 年 ) の目標 密集市街地再生優先地区において広範囲に燃え広がる危険性を解消する 大火の恐れがある町丁目 ( 優先度 1 及び2) で防災まちづくりに取り組む地区を 大火が生じにくい町丁目 ( 優先度 3 以下 ) にする 密集市街地を安全 安心なまちとして再生していくためには 延焼危険性を低減することが 取り組みの基本となります そこで 老朽木造住宅の除却の促進や 共同建替や建物のルールづくりなどによる不燃化の促進 一定規模以上の空地 道路等の整備などにより 燃え広がりにくいまち をめざします イ建物が倒壊せず 避難が可能なまちづくり 2025 年 ( 平成 37 年 ) の目標 狭い道路が多く避難や消火が困難な町丁目 ( 優先度 1 及び 3) で防災まちづくりに取り 組む地区を 避難や消火がしやすい町丁目 ( 優先度 1 以下 ) にする 道路が狭く避難や消火が困難な密集市街地では 市民のいのちをまもる ためには まず 避難路を確保することが重要です そこで 建物の耐震化の促進や 狭い道路の確実な拡幅整備などにより 建物が倒壊せず 避難が可能なまち をめざします 2 暮らしやすさや地域魅力の向上密集市街地の整備改善を一歩ずつ着実に進めていくためには 防災面の向上とあわせて 地域の価値を高めることにより 地域の協力や民間の参入を促し 建替を促進することが重要です そこで 市民 事業者と行政の協働と参画の取り組みにより 地域の特色やコミュニティを活かした暮らしやすさや地域魅力の向上をはかり 子どもや高齢者など誰もが 住みたい 住み続けたい まちとして再生していくことをめざします 12

(3) 施策展開の方向性 1 確実に整備改善を実現できる手法と支援制度を効果的に組み合わせた施策展開地域ごとの整備目標の達成に向け 着実に整備改善を進めていくための 確実に実現できる手法 と 老朽住宅の除却 建替などに対する権利者等の機運を高めるための 支援制度 とを 地域の実状に応じて 建物単位 道路単位 地区単位で効果的に組み合わせた施策展開をはかります 建物単位では 建替にあわせて 不燃化 耐震化や敷地後退部分の道路舗装を促進します 道路単位では 整備や管理に関するルールをつくることによって拡幅整備を進めます 地区単位では 防災まちづくりの方針や避難路となる道路のあり方等を検討し 地区計画 や 近隣住環境計画 などに位置づけることにより 道路の整備や老朽木造住宅の除却 建替への支援などの施策を 重点的に実施します 2 多様な主体の協働と参画により早期の整備改善を促す施策展開協働と参画のまちづくりにより 狭い道路の拡幅整備による生活利便性の向上や 路地 のよさを活かしたまちづくり 地域の特色あるまちなみの保全 育成 空き地や空き家などを活用した新たな魅力づくりなど 地域の価値を高め 建替更新を促進するための施策展開をはかります また 行政の支援体制やまちづくり支援制度を充実させるとともに 密集市街地の整備改善のノウハウを有する公的団体やコンサルタント 金融機関 不動産や住宅建替の業務に携わっている団体などと連携をはかり 各地区の実状に合った様々な整備手法の導入や 民間資金の活用を促すためのしくみづくりを進めます 3 地域特性に応じた施策展開防災上の課題の大きさ 地形や道路 公園などの状況 生活の利便性 建替の進捗状況 歴史や魅力資源など 地域ごとの特性に応じた施策展開をはかります 地域特性に応じた施策の方向性の例 平坦地で街区外周の道路は整備されているものの 街区内に狭い道路が多く古い木造住宅が密集している地区では 道路の着実な拡幅 整備を進めることにより 沿道建物の建替 改修による耐震化 不燃化を促進するとともに 必要に応じて 下町のコミュニティを育んできた 路地 のよさを継承 改善するルールづくりを行います 斜面地などで道路や公園が著しく不足している地区では 主要な生活道路のあり方を検討するまちづくり協議会等を支援します また 空地を確保して地域の魅力向上に寄与する共用空間として活用する場合には 地域が主体的に維持管理や活用ができるしくみを検討します 13