気象庁技術報告第134号表紙#.indd

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宮城県災害時気象資料平成 30 年台風第 24 号による暴風と大雨 ( 平成 30 年 9 月 29 日 ~10 月 1 日 ) 平成 30 年 10 月 3 日仙台管区気象台 < 概況 > 9 月 21 日 21 時にマリアナ諸島で発生した台風第 24 号は 25 日 00 時にはフィリピンの東で

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台風経路図 9 月 5 日 09 時温帯低気圧に変わる 9 月 4 日 14 時頃兵庫県神戸市付近に上陸 9 月 4 日 12 時頃徳島県南部に上陸 8 月 28 日 09 時南鳥島近海で台風第 21 号発生 -2-

1. 地上天気図 ( 左 ) と気象衛星画像 ( 右 : 赤外 ) 平成 30 年 9 月 30 日 15 時 平成 30 年 9 月 30 日 21 時 平成 30 年 10 月 1 日 03 時 - 2 -

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津地方気象台対象地域 : 三重県 平成 29 年 1 月 14 日から 16 日にかけての大雪に関する三重県気象速報 目次 1 気象の状況 (1) 概況 (2) 地上天気図及び気象衛星赤外画像 (3) レーダーエコー (4) 観測記録 2 特別警報 警報 注意報 府県気象情報の発表状況 3 被害状況

平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

1. 天候の特徴 2013 年の夏は 全国で暑夏となりました 特に 西日本の夏平均気温平年差は +1.2 となり 統計を開始した 1946 年以降で最も高くなりました ( 表 1) 8 月上旬後半 ~ 中旬前半の高温ピーク時には 東 西日本太平洋側を中心に気温が著しく高くなりました ( 図 1) 特

資料6 (気象庁提出資料)

三重県における主な気象災害 (1945 年以降 ) 主な被害 2017 年 12 月 15 日現在 発生年月日 1950 ( 昭 25) 9.3 要因 台風第 28 号 ( ジェーン台風 ) 主な被害地域 全域 概況台風第 28 号が紀伊水道に入り 若狭湾に抜けた 風による被害が大きかった 最大風速

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金沢地方気象台対象地域石川県 平成 30 年台風第 21 号に関する石川県気象速報 目 次 1 気象概況 2 気象の状況 3 気象官署と地域気象観測所の極値更新状況 4 特別警報 警報 注意報 気象情報等の発表状況 5 石川県の被害状況等 6 金沢地方気象台の対応状況等 平成 30 年 9 月 7

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昭和 28(1953) 年 8 月 11 日 昭和 32(1957) 年 7 月 25 日 昭和 33(1958) 年 9 月 26 日 南山城の大雨 諫早豪雨 狩野川台風 8 月 13 日に サハリンからオホーツク海に進んだ低気圧から伸びる寒冷前線が 北海道の南東岸から東北地方北部を通って朝鮮半島

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学校安全に関する参考資料1-15

2018 年 12 月の天候 ( 福島県 ) 月の特徴 4 日の最高気温が記録的に高い 下旬後半の会津と中通り北部の大雪 平成 31 年 1 月 8 日福島地方気象台 1 天候経過 概況この期間 会津では低気圧や寒気の影響で曇りや雪または雨の日が多かった 中通りと浜通りでは天気は数日の周期で変わった

避難開始基準の把握 1 水害時の避難開始基準 釧路川では 水位観測所を設けて リアルタイム水位を公表しています 水位観測所では 災害発生の危険度に応じた基準水位が設定されています ( 基準となる水位観測所 : 標茶水位観測所 ) レベル水位 水位の意味 5 4 ( 危険 ) 3 ( 警戒 ) 2 (

(00)顕著速報(表紙).xls

2 気象 地震 10 概 況 平 均 気 温 降 水 量 横浜地方気象台主要気象状況 横浜地方気象台月別降水量 日照時間変化図 平均気温 降水量分布図 横浜地方気象台月別累年順位更新表 横浜地方気象台冬日 夏日 真夏

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あおぞら彩時記 2017 第 5 号今号の話題 トリオ : 地方勤務の先輩記者からの質問です 気象庁は今年度 (H 29 年度 )7 月 4 日から これまで発表していた土砂災害警戒判定メッシュ情報に加え 浸水害や洪水害の危険度の高まりが一目で分かる 危険度分布 の提供を開始したというのは本当ですか

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家族みんなの防災ハンドブック 保存版

平成 29 年 7 月 20 日滝川タイムライン検討会気象台資料 気象庁札幌管区気象台 Sapporo Regional Headquarters Japan Meteorological Agency 大雨警報 ( 浸水害 ) 洪水警報の基準改正 表面雨量指数の活用による大雨警報 ( 浸水害 )

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たり 80mm 以上の雨 ) となり, 佐賀では 14:26 までの 1 時間に観測史上第 2 位の 91mm を記録した ( 図 9.2). 白石では 14:39 までの 1 時間に 72mm と 7 月の観測史上最大を記録した. その後, 全域で雨はいったん弱まったが, 夜遅くに再び南部を中心と

熊谷地方気象台対象地域埼玉県 平成 26 年 2 月 8 日から 9 日にかけての大雪に関する 埼玉県気象速報 1 資料作成の目的 2 気象の状況 3 警報等の発表状況 4 災害の状況 平成 26 年 2 月 10 日 熊谷地方気象台 この資料は速報として取り急ぎまとめたもので 後日内容の一部訂正や

2018年台風21号

7/5 4:00 7/5 8:00 7/5 12:00 7/5 16:00 7/5 20:00 7/6 0:00 7/6 4:00 7/6 8:00 7/6 12:00 7/6 16:00 7/6 20:00 7/6 24:00 7/5 4:00 7/5 8:00 7/5 12:00 7/5 16:

目次 1. はじめに 1 2. 協議会の構成 2 3. 目的 3 4. 概ね5 年間で実施する取組 4 5. フォローアップ 8

あら

(案)

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近畿地方整備局 資料配付 配布日時 平成 23 年 9 月 8 日 17 時 30 分 件名土砂災害防止法に基づく土砂災害緊急情報について 概 要 土砂災害防止法に基づく 土砂災害緊急情報をお知らせします 本日 夕方から雨が予想されており 今後の降雨の状況により 河道閉塞部分での越流が始まり 土石流

本日のお話 大雨から身を守るために 1. 大雨をもたらす気象現象 2. 気象庁が発表する情報と対応 動 3. 急な大雨から身を守るために 4. 情報の入手方法 地震から身を守るために 1. 地震とは 2. 緊急地震速報とは 3. 緊急地震速報を 聞きしたときは 4. 緊急地震速報の入手方法 2

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9 報道発表資料平成 29 年 12 月 21 日気象庁 2017 年 ( 平成 29 年 ) の日本の天候 ( 速報 ) 2017 年 ( 平成 29 年 ) の日本の天候の特徴 : 梅雨の時期 (6~7 月 ) は 平成 29 年 7 月九州北部豪雨 など記録的な大雨となる所があった梅雨の時期

宮城県総合防災情報システム(MIDORI)

資料1-4気象庁資料

長野県農業気象速報(旬報) 平成27年9月上旬

三重県の気象概況 ( 平成 30 年 9 月 ) 表紙 目次気象概況 1P 旬別気象表 2P 気象経過図 5P 気象分布図 8P 資料の説明 9P 情報の閲覧 検索のご案内 10P 津地方気象台 2018 年本資料は津地方気象台ホームページ利用規約 (

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平成 26 年 3 月 28 日 気象庁 特別警報の認知度等に関する調査結果 ( 概要 ) I 調査の概要 1 目的 国民の特別警報に対する認知度 理解度を把握し 今後の特別警報の運用や利活用の促進 当庁 の周知 広報活動に資するための資料の収集 2 調査内容 (1) 特別警報の認知状況 (2) 特

気象庁 札幌管区気象台 資料 -6 Sapporo Regional Headquarters Japan Meteorological Agency 平成 29 年度防災気象情報の改善 5 日先までの 警報級の可能性 について 危険度を色分けした時系列で分かりやすく提供 大雨警報 ( 浸水害 )

Wx Files Vol 年2月14日~15日の南岸低気圧による大雪

第 41 巻 21 号 大分県農業気象速報令和元年 7 月下旬 大分県大分地方気象台令和元年 8 月 1 日

記者発表資料 平成 29 年 1 月 12 日東北地方整備局仙台管区気象台 大雪に対する緊急発表について 今週末にかけての大雪に備え ドライバー等の皆様への呼び掛けについてお知らせします 東北地方では 15 日頃にかけて大雪が継続し 猛吹雪となるところがある見込みです 14 日 ~15 日頃にかけて

平成 27 年度特殊土壌地帯推進調査 ( データ収集 分析 変換等 ) 業務仕様書 1 業務の目的 特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法( 昭和 27 年法律第 96 号 ) は しばしば台風の来襲を受け 雨量が極めて多く かつ シラス ボラ コラ 赤ホヤ ヨナ 花崗岩風化土及び富士マサの特殊土壌

東北地方太平洋沖地震への 気象庁の対応について ( 報告 ) 気象業務の評価に関する懇談会 平成 23 年 5 月 31 日 気象庁 1

ぐに花粉の飛散シーズンに入らなかったのは 暖冬の影響で休眠打破が遅れたことが影響していると考えられます ( スギの雄花は寒さを経験することにより 休眠を終えて花粉飛散の準備に入ると言われています ) その後 暖かい日や風が強い日を中心にスギ花粉が多く飛びましたが 3 月中旬には関東を中心に寒い日が続

豪雨災害対策のための情報提供の推進について

2011年台風12号の概要と今後の課題

Microsoft Word 【洪水予報】報道発表資料_熊谷地台.doc

ダムの運用改善の対応状況 資料 5-1 近畿地方整備局 平成 24 年度の取り組み 風屋ダム 池原ダム 電源開発 ( 株 ) は 学識者及び河川管理者からなる ダム操作に関する技術検討会 を設置し ダム運用の改善策を検討 平成 9 年に設定した目安水位 ( 自主運用 ) の低下を図り ダムの空き容量

324 山本ほか : 山口県東部における梅雨前線に伴う 2005 年 7 月 3 日の豪雨の特徴と浸水被害 2. 梅雨前線による豪雨の特徴 2005 年 7 月 1 日 ~ 4 日の 6 時における地上天 気図を図 1 に,7 月 3 日 6 時の気象衛星 ひまわり の赤外画像 ( 高知大学気象情報

2016年台風発生環境場と台風ハザードマップ

~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

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佐賀県気象月報 平成 29 年 (2017 年 )6 月 佐賀地方気象台

10/23 14:16 大阪府阪南市 さららさん 10/23 6:47 京都府舞鶴市 fitfit さん 南海本線男里川橋梁の落ち込 んだ線路を横から見たら 約 1 メートル程落ち込んでま す 台風の大雨で裏山が崩れました 10/23 9:05 奈良県生駒郡三郷町 エーミール=himiko さん 1

2 気象 地震 10 概 況 平 均 気 温 降 水 量 横浜地方気象台主要気象状況 横浜地方気象台月別降水量 日照時間変化図 平均気温 降水量分布図 平成 21 年 (2009 年 ) の月別累年順位更新表 ( 横浜 ) 23

また 積雪をより定量的に把握するため 14 日 6 時から 17 日 0 時にかけて 積雪の深さは と質 問し 定規で測っていただきました 全国 6,911 人の回答から アメダスの観測機器のある都市だけで なく 他にも局地的に積雪しているところがあることがわかりました 図 2 太平洋側の広い範囲で

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東日本大震災における施設の被災 3 東北地方太平洋沖地震の浸水範囲とハザードマップの比較 4

また 台風 18 号が九州から北海道へ縦断した 17 日 18 日は 全国から 41,000 通以上の写真付きのウェザーリポートが寄せられ 各地の被害状況を詳細に把握することができました 記録的大雨となった大分県からは道路の損壊や大規模冠水のリポートが届き 断続的に強い雨が降った岩手県沿岸からは大規

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1 概要 (1) 資料作成の目的 3 月 1 日から 2 日にかけて 急速に発達した低気圧の影響により 静岡県では 暴風となった所があった この影響で 強風に伴う人的被害や住家の一部損壊などの被害が発生した このときの気象資料をとりまとめる目的で本資料を作成した 本資料は 3 月 2 日 22 時現

避難勧告等の具体的具体的な発令基準発令基準の策定策定にかかるにかかる県の主な取組状況等 年月日種別内容等 H17.3 内閣府が避難勧告等の判断 伝達マニュアル等策定ガイドライン作成 ( ) H 梅雨期及び台風期における防災態勢強化について ( ) H 梅雨期及び台風期における

(5) 私立学校施設災害復旧事業に対する補助私立学校施設災害復旧事業について その 1/2 を補助します (6) 市町村が施行する感染症予防事業に関する負担の特例市町村が行う感染症予防事業 ( 消毒等 ) に要する費用の支弁について 都道府県が全額を負担し 国がその 2/3 を負担します (7) 小

平成 30 年 2 月の気象概況 2 月は 中旬まで冬型の気圧配置が多く 強い寒気の影響を受け雪や雨の日があった 下旬は短い周期で天気が変化した 県内アメタ スの月降水量は 18.5~88.5 ミリ ( 平年比 29~106%) で 大分 佐賀関 臼杵 竹田 県南部で平年並の他は少ないかかなり少なか

目 次 防災気象情報の入手先 1 平成 23 年 7 月新潟 福島豪雨 2 平成 23 年台風第 12 号 3 大雨 4 台風 5 大雨や台風によって起こる災害 6 ~ 9 防災気象情報とその効果的な利用 10 ~ 11 大雨や台風時に発表する主な警報 注意報 12 ~ 13 気象情報 14 土砂災

Microsoft Word - 03.【参考】新旧対照表(中防災).docx

1. 災害の発生を未然に防止するため 防災事務に従事する者の安全確保にも留意した上で 職員の参集や災害対策本部の設置等適切な災害即応態勢の確保を図り 関係機関との緊密な連携の下に 特に以下の取組について万全を期すること 1 危険箇所等の巡視 点検の徹底河川等の氾濫 がけ崩れ 土石流等災害発生のおそれ

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避難を促す緊急行動 被災した場合に大きな被害が想定される国管理河川において 以下を実施 1. 首長を支援する緊急行動 ~ 市町村長が避難の時期 区域を適切に判断するための支援 ~ できるだけ早期に実施 トップセミナー等の開催 水害対応チェックリストの作成 周知 洪水に対しリスクが高い区間の共同点検

Microsoft Word - 615_07k【07月】01_概況

別添 中防災第 1 1 号 平成 29 年 5 月 31 日 各指定行政機関の長各指定公共機関の代表殿 中央防災会議会長 ( 内閣総理大臣 ) 安倍晋三 梅雨期及び台風期における防災態勢の強化について 貴殿におかれては 日頃から各般の施策を通じて災害対策の推進に御尽力をいただいているところであるが

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

殿

平成22年7月

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

前橋地方気象台対象地域群馬県 台風第 17 号に関する群馬県気象速報 目 次 1 資料作成の目的 2 気象状況 3 観測資料 ( 台風経路図 地上天気図 気象衛星画像 総降水量分布図等 ) 4 気象台が執った措置 ( 注意報 警報 気象情報等の発表状況 ) 5 県内の被害状況 ( 群馬県総務部危機管

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津地方気象台 対象地域 : 三重県 平成 26 年 台風第 11 号に関する三重県気象速報 目 次 1 概要 2 気象の状況 3 観測記録 4 特別警報 警報 注意報 府県気象情報の発表状況 5 土砂災害警戒情報の発表状況 6 指定河川洪水予報の発表状況 7 被害状況 8 防災関係機関への説明会等

黄砂消散係数 (/Km) 黄砂消散係数 (/Km) 黄砂消散係数 (/Km) 黄砂消散係数 (/Km) 日数 8~ 年度において長崎 松江 富山で観測された気象台黄砂日は合計で延べ 53 日である これらの日におけるの頻度分布を図 6- に示している が.4 以下は全体の約 5% であり.6 以上の

Microsoft Word - 【修正】2~3月花粉飛散傾向まとめ.doc

佐賀県の地震活動概況 (2018 年 12 月 ) ( 1 / 10) 平成 31 年 1 月 15 日佐賀地方気象台 12 月の地震活動概況 12 月に佐賀県内で震度 1 以上を観測した地震は1 回でした (11 月はなし ) 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 図 1 震央分布図 (2018 年 1

2018_1.pdf

2. エルニーニョ / ラニーニャ現象の日本への影響前記 1. で触れたように エルニーニョ / ラニーニャ現象は周辺の海洋 大気場と密接な関わりを持つ大規模な現象です そのため エルニーニョ / ラニーニャ現象は周辺の海流や大気の流れを通じたテレコネクション ( キーワード ) を経て日本へも影響

鬼怒川緊急対策プロジェクト 鬼怒川下流域 茨城県区間 において 水防災意識社会 の再構築を目指し 国 茨城県 常総市など 7市町が主体となり ハードとソフトが一体となった緊急対策プロジェクトを実施 ハード対策 事業費合計 約600億円 ソフト対策 円滑な避難の支援 住民の避難を促すためのソフト対策を

平成 24 年台風第 4 号により三重県津市なぎさまち付近で発生した高潮 高波による浸水被害 (6 月 19 日 ) の現地調査報告 注 : この資料は速報としてまとめたものであり データについては後日修正することがあります 平成 24 年 7 月 17 日 津地方気象台 本件に関する問い合わせ先津

試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 29 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

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気象庁技術報告第 134 号 2013 年 * 第 1 章平成 23 年の顕著現象と災害の概要 1.1 平成 23 年の気象の状況 23 2011 7 6 7 8 7 27 30 23 7 23 21 25.6 26 1951 15 2003 4 39 14 6 12 15 3 23 12 8 9 15 9 23 7 12 15 1.2 23 7 3 1.2.1 6 19 851.5mm 39.4m/s 2 1 150 45 23 8 18 台風経路図 ( 台風第 6 号 ) 7 月 24 日 21 時温帯低気圧に変わる 1.2 顕著気象現象と災害の概要 (1) 台風第 6 号 7 12 9 6 19 23 20 10 22 24 21 7 月 19 日 23 時頃徳島県南部に上陸 7 月 12 日 9 時台風第 6 号発生 1.2.1 6 9, 21, 5

2020639_ 気象庁技術報告 _ 第 134 号 _2 校 _ 磯山 _CS<P6> 気象庁技術報告 第 134 号 2013 年 7 月新潟 福島豪雨のほうが平成 16 年 7 月新潟 2 平成 23 年 7 月新潟 福島豪雨 7 月 27 日から 30 日にかけて 日本海の北陸の 福島豪雨よりも少なかった 沿岸付近で発生した雨雲が新潟県中越地方や福島 これは 堤防嵩上げなどの河川改修や 遊水地 県会津地方に次々と流入し 同じ地域で雨が持続 の設置 内水処理のための雨水貯留管設置など した 特に 28 日から 30 日にかけては 前線が ハード対策の強化が行われたこととともに 気象 朝鮮半島から北陸地方を通って関東の東海上にか 情報で 平成 16 年新潟 福島豪雨に匹敵する大 けて停滞し 前線に向かって非常に湿った空気が 雨 と呼びかけたことで 報道機関による特集へ 流れ込み 大気の状態が不安定となって 新潟県 とつながり 危機感が住民に伝えられたこと ま と福島県会津を中心に記録的な大雨となった 7 た 新潟県内の市町村では 平成 16 年の教訓を 月 28 日から 30 日の天気図を第 1.2.2 図に示す 受けて 避難勧告等の具体的な判断基準を定め この豪雨は この地域に大きな被害をもたらし 今回の豪雨でも早めに避難勧告等を発令 その情 た 平成 16 年 7 月新潟 福島豪雨 を上回る記 報を広報車 エリアメール ラジオ テレビなど 録的な大雨となった 総降水量図を第 1.2.3 図に 複数の手段によって住民に伝えたこと などが今 総降水量を比較した表を第 1.2.1 表に示す しか 回の被害の軽減に役立ったと考えられる し被害は 第 1.2.2 表に示したとおり 平成 23 年 これらの詳細は以降の章で記述する 7 28 9 7 27 9 第 1.2.2 図 7 29 9 7 30 9 平成 23 年 7 月 27 日 30 日の天気図 16 7 11 9 14 9 23 7 27 21 30 12 ( ) 431mm ( ) 626.5mm ( ) 711.5mm ( ) 369mm mm 第 1.2.3 図 平成 23 年 7 月新潟 福島豪雨 左 と平成 16 年 7 月新潟 福島豪雨 右 の総降水量の分布図の比較 6

気象庁技術報告第 134 号 2013 年 1.2.1 23 7 16 7 20 3 25 1mm 26 0.5mm 23 7 23 7 27 21 30 12 16 7 16 7 11 9 14 9 平成 23 年 平成 16 年 地点 降水量 地点 降水量 日降水量の最大値総降水量の最大値 新潟県新潟県加茂市宮寄上 ( ミヤヨリカミ ) 加茂市宮寄上 ( ミヤヨリカミ ) 290.0mm 626.5mm 長尾市栃尾 ( トチオ ) 長尾市栃尾 ( トチオ ) 421mm 431mm 福島県福島県只見町只見 ( タタ ミ ) 只見町只見 ( タタ ミ ) 430.0mm 711.5mm 只見町只見 ( タタ ミ ) 只見町只見 ( タタ ミ ) 325mm 369mm 1.2.2 23 7 16 7 23 7 23 12 28 16 7 16 9 10 死者 行方不明者数 住家被害 土砂災害 平成 23 年 7 月新潟 福島豪雨 6 10,132 262 平成 16 年 7 月新潟 福島豪雨 16 13,875 400 (3) 台風第 12 号 8 25 9 12 30 9 2 3 10 18 4 5 15 12 1.2.4 1.2.5 8 30 17 9 5 24 1814.5mm 6 17 5 1.2.3 1.2.6 1.2.7 台風経路図 ( 台風第 12 号 ) 9 月 5 日 15 時温帯低気圧に変わる 9 月 3 日 18 時過ぎ岡山県南部に再上陸 8 月 25 日 9 時台風第 12 号発生 9 月 3 日 10 時頃高知県東部に上陸 1.2.4 12 9, 21, 7

2020639_ 気象庁技術報告 _ 第 134 号 _2 校 _ 磯山 _CS<P8> 気象庁技術報告 第 1.2.5 図 第 134 号 2013 年 気象衛星赤外画像 平成 23 年 9 月 3 日 10 時 第 1.2.3 表 総降水量が年降水量平年値の 5 割を越えた地点 8 月 30 日 17 時 9 月 5 日 24 時 @ 統計値を求める対象となる期間に欠測がある値 都道府県 奈良県 奈良県 三重県 地点 吉野郡上北山村上北山(カミキタヤマ) 吉野郡十津川村風屋(カゼヤ) 多気郡大台町宮川(ミヤガワ 1814.5mm 総降水量 (mm) 1814.5 1360.0 @ 1630 平年値 平年値に対する (mm) 総降水量の割合( ) 2713.5 66.9 2314.0 58.7 3147.5 51.8 1630.0mm mm 第 1.2.6 図 8 月 30 日 0 時から 9 月 4 日 24 時までの総降水量分布図 8

S<P8> 2020639_ 気象庁技術報告 _ 第 134 号 _2 校 _ 磯山 _CS<P9> 気象庁技術報告 第 134 号 2013 年 第 1.2.7 図 台風第 12 号の豪雨に伴う河道閉塞箇所 平成 23 年 9 月 13 日 国土交通省水管理 国土保全局砂防部報道発表資料より 赤枠 土砂災害防止法に基づく緊急調査対象箇所 黄枠 その他河道閉塞発生箇所 大雨となり 西日本の一部で暴風となったほか 2.2.5.4 図参照 で 明治 22 年 8 月 18 日から 20 西日本太平洋側では大しけとなった 日までの総降水量が 1295.4mm に達しており 奈 この台風により 和歌山県と奈良県で死者 66 良県及び和歌山県で大水害が発生した 57 か所 名 行方不明者 15 名となり 全国では死者 78 名 の河道閉塞 1,247 人の死者などを出す大災害で 行方不明者 16 名となった また 四国から北海 あった 道にかけての広い範囲で住家被害が 28,439 棟 平成 23 年台風第 12 号では 気象台の発表した 土砂災害が 203 か所に上り また 田畑の冠水な 防災情報が 利用者である市町村の担当者や住民 どの農林水産業への被害 鉄道の運休などの交通 に危機的な状況を十分に伝えきれていなかったこ 障害 停電 断水が発生した 被害状況は平成 と 中山間地域では避難場所や避難経路の確保が 23 年 12 月 28 日内閣府まとめによる 難しいなどの理由で避難勧告の発令を見送った市 今回の台風と規模や経路が非常によく似た台 町村もあったこと 夜間の短時間の猛烈な雨に見 風として 明治 22 年 1889 年 8 月の台風 第 舞われ 避難に必要な時間を十分に確保できなか 2.2.5.3 図参照 がある 両事例ともに 台風中心 ったこと などが防災上の課題としてあげられる が日本海側に進んだ後も大雨が継続している点で もよく似ている 和歌山県田辺市の田邊観測所 第 9 これらの詳細は 以降の章で記述する

気象庁技術報告第 134 号 2013 年 (4) 台風第 15 号 9 13 15 15 16 20 21 45m/s 21 14 21 22 15 1.2.8 21 30.5m/s 24.3m/s 1 1.2.9 9 18 1 11,579 194 23 12 28 台風経路図 ( 台風第 15 号 ) 9 月 22 日 15 時温帯低気圧に変わる 9 月 21 日 14 時頃静岡県浜松市付近に上陸 9 月 13 日 15 時台風第 15 号発生 1.2.8 15 9, 21, 10

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