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-3- Ⅰ 市町村国保の状況 1 特定健康診査受診者の状況 平成 23 年度は 市町村国保 (41 保険者 )98,439 人の特定健康診査データの集計を行った 市町村国保の診者数は男性 女性ともに 歳の割合が多く 次いで 歳 歳の順となっている 男性 女性 総数

肥満者の多くが複数の危険因子を持っている 肥満のみ約 20% いずれか 1 疾患有病約 47% 肥満のみ 糖尿病 いずれか 2 疾患有病約 28% 3 疾患すべて有病約 5% 高脂血症 高血圧症 厚生労働省保健指導における学習教材集 (H14 糖尿病実態調査の再集計 ) より

山梨県生活習慣病実態調査の状況 1 調査目的平成 20 年 4 月に施行される医療制度改革において生活習慣病対策が一つの大きな柱となっている このため 糖尿病等生活習慣病の有病者 予備群の減少を図るために健康増進計画を見直し メタボリックシンドロームの概念を導入した 糖尿病等生活習慣病の有病者や予備

Microsoft PowerPoint - 2.医療費プロファイル 平成25年度(長野県・・

,995,972 6,992,875 1,158 4,383,372 4,380,511 2,612,600 2,612, ,433,188 3,330, ,880,573 2,779, , ,

ただ太っているだけではメタボリックシンドロームとは呼びません 脂肪細胞はアディポネクチンなどの善玉因子と TNF-αや IL-6 などという悪玉因子を分泌します 内臓肥満になる と 内臓の脂肪細胞から悪玉因子がたくさんでてきてしまい インスリン抵抗性につながり高血糖をもたらします さらに脂質異常症

宗像市国保医療課 御中

事象 :2 健診項目の中で特定健診必須項目に未受診の項目が存在する 返戻事由健診結果データ異常備考検査項目エラー返戻コード 03 特定健診で必須となっている健診項目に実施されていない項目が存在します 別表: 特定健診項目存在チェックシート を参考に健診結果を入力してください 事象 :3 生活機能評価

カテゴリー別人数 ( リスク : 体格 肥満 に該当 血圧 血糖において特定保健指導及びハイリスク追跡非該当 ) 健康課題保有者 ( 軽度リスク者 :H6 国保受診者中特定保健指導外 ) 結果 8190 リスク重なりなし BMI5 以上 ( 肥満 ) 腹囲判定値以上者( 血圧 (130 ) HbA1

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

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結果の概要

死亡率 我が国における疾病構造 生活習慣病は死亡割合の約 6 割を占めている 我が国の疾病構造は感染症から生活習慣病へと変化 死因別死亡割合 ( 平成 24 年 ) 生活習

データを正しく 活用していただくために 今回は 平成 23 年度に市町村国保で実施した特定健診結果のみ集計しています 今後 協会けんぽ沖縄支部の結果とあわせて 改めてデータ集を発行する予定です 1. 集計対象者 今回の集計対象者は 平成 23 年度に特定健康診査を受診した者 ( 市町村国保分のみ )

[ 原著論文 ] メタボリックシンドローム該当者の年齢別要因比較 5 年間の健康診断結果より A cross primary factors comparative study of metabolic syndrome among the age. from health checkup resu

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2

平成 27 年 10 月 6 日第 2 回健康増進 予防サービス プラットフォーム資料 協会けんぽ広島支部の取り組み ~ ヘルスケア通信簿について ~ 平成 27 年 10 月全国健康保険協会広島支部 協会けんぽ 支部長向井一誠


第 3 期 特定健康診査等実施計画書 平成 30 年 4 月 長野県医師国民健康保険組合

(6/5 19:00修正)資料3 標準的な健診・保健指導プログラム改定のポイント (2) (2)

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平成22年度インフルエンザ予防接種費用補助実施要綱

2. 栄養管理計画のすすめ方 給食施設における栄養管理計画は, 提供する食事を中心とした計画と, 対象者を中心とした計画があります 計画を進める際は, それぞれの施設の種類や目的に応じて,PDCA サイクルに基づき行うことが重要です 1. 食事を提供する対象者の特性の把握 ( 個人のアセスメントと栄

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SoftBank 301SI 取扱説明書

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調査の概要 本調査は 788 組合を対象に平成 24 年度の特定健診の 問診回答 (22 項目 ) の状況について前年度の比較から調査したものです 対象データの概要 ( 全体 ) 年度 被保険区分 加入者 ( 人 ) 健診対象者数 ( 人 ) 健診受診者数 ( 人 ) 健診受診率 (%) 評価対象者

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大阪府医師国民健康保険組合 特定健康診査等実施第 2 期計画 ( 平成 25 年 7 月 1 日 ) 1. 計画策定の背景昭和 36 年の国民皆保険の成立により わが国の平均寿命は飛躍的に伸び 今や世界一の長寿国となった しかし 世界に冠たるこの国民皆保険制度は 平均寿命の伸びによる高齢化の急激な進

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< 運動指導 その他 > SPS の検査結果に基いて 運動指導および栄養指導を行いました 運動指導は エアロビック ダンス ウォーキング 筋力トレーニング ストレッチ体操を中心に行いました 教室期間中はトレーニングルームとプールが無料で使用でき 各個人に合ったメニューを作成し指導を行いました また

もくじ特定健診 保健指導とは 1 生活習慣病を 本気 で防ぐ! 生活習慣病を 根こそぎ 防ぐ! 2 生活習慣をチェック 改善する絶好のチャンス! 4 特定健診について Q 特定健診を受けるのはどんな人? Q どんな検査を受けるの? Q その検査でなにがわかるの? 8 Q 結果はどのように判断されるの

( 様式甲 5) 氏 名 忌部 尚 ( ふりがな ) ( いんべひさし ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲第 号 学位審査年月日 平成 29 年 1 月 11 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 Benifuuki green tea, containin

(5) 食事指導食事指導は 高血圧の改善 耐糖能障害の改善 代謝異常の改善について 各自の栄養状況 意欲などに応じて目標をたて これを達成できるよう支援する形で行った 開始時点で 食事分析を行い 3ヶ月ごとに 2 回進捗状況を確認する面接を行った 1 年後に終了時点の食事分析を行った 各項目の値の増

健康診断結果の 見方のついて

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女性23名(平均年齢50

厚生労働省のメタボ政策について

1 ししつ脂質 いじょうしょう へ 高脂血症から 脂質脂質異常症 医療法人将優会クリニックうしたに 理事長 院長牛谷義秀 脂質異常症とは 血液中に含まれる LDL( 悪玉 ) コレステロールと中性脂肪中性脂肪のどちらか一方 あるいは両方が過剰の状態 または HDL( 善玉 ) コレステロールが少ない

特定健康診査及び特定保健指導に係る自己負担額の医療費控除の取扱いの一部変更について(厚生労働省健康局長、保険局長:H )

はじめに第1章基本方針第2章岐阜市の現状第3章第4章第二次ぎふ市民健康基本計画の評価今後の取り組み第5章効果的な推進体制第6章参考資料7 第 3 章岐阜市の現状 1 岐阜市の人口統計 (1) 人口の推移 本市の人口は 昭和 60 年以降 減少傾向にあったものの 平成 18 年柳津町との合併により 一

このシートは 下記のから9のカテゴリーをチェック () することで 御社の健康づくりの現状と その先の取り組みを設定するための参考とすることができます 各カテゴリーの設問については できている 5 点 もう一歩 2 点 できていない 0 点で採点することで それぞれの項目における現状を点数で把握する

婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M

2) エネルギー 栄養素の各食事からの摂取割合 (%) 学年 性別ごとに 平日 休日の各食事からのエネルギー 栄養素の摂取割合を記述した 休日は 平日よりも昼食からのエネルギー摂取割合が下がり (28~31% 程度 ) 朝食 夕食 間食からのエネルギー摂取割合が上昇した 特に間食からのエネルギー摂取

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第三期特定健康診査等実施計画 ニチアス健康保険組合 最終更新日 : 平成 30 年 02 月 20 日

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日本スポーツ栄養研究誌 vol 目次 総説 原著 11 短報 19 実践報告 資料 45 抄録

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別紙様式 (Ⅱ) 商品名 : 伝統にんにく卵黄 (31 粒入り 62 粒入り ) 食経験の評価 1 喫食実績による食経験の評価 安全性評価シート 喫食実績の有無 : あり なし ( あり の場合に実績に基づく安全性の評価を記載) 本製品 伝統にんにく卵黄 と同等の製品は 1993 年 11 月より日

(別紙様式1)

高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に

(3) 摂取する上での注意事項 ( 該当するものがあれば記載 ) 機能性関与成分と医薬品との相互作用に関する情報を国立健康 栄養研究所 健康食品 有効性 安全性データベース 城西大学食品 医薬品相互作用データベース CiNii Articles で検索しました その結果 検索した範囲内では 相互作用

日本の糖尿病患者数は増え続けています (%) 糖 尿 25 病 倍 890 万人 患者数増加率 万人 690 万人 1620 万人 880 万人 2050 万人 1100 万人 糖尿病の 可能性が 否定できない人 680 万人 740 万人

近畿税理士国民健康保険組合 第二期特定健康診査等実施計画 ( 案 )

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はじめに

結果の概要 Ⅱ 結果の概要第 1 部糖尿病等の状況 1. 糖尿病 表 1 解析対象者 ( 人 ) 総数 20~29 歳 30~39 歳 40~49 歳 50~59 歳 60~69 歳 70 歳以上 ( 再掲 )40-74 歳 総数 4, ,008 2,

第43号(2013.5)

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

特定健康診査等実施計画 平成 20 年 3 月 水俣市国民健康保険

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第 2 達成目標 1. 特定健康診査の実施に係る目標国が示す指針においては 平成 24 年度における特定健康診査の実施率目標を 70.0% とされており 平成 20 年度から平成 24 年度まで 実施率目標を達成できるよう段階的に実施率を引き上げていくこととする 2. 特定保健指導の実施に係る目標国

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別紙1 参加医療施設における本研究実施に関する掲示ポスター

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目次 1. 作成の目的 2. 提言 3. 思春期 ( 高校生 ) の生活習慣病に関する統計値 4. 思春期 ( 高校生 ) の生活習慣病に関する診断基準値 (1) 本提言での診断基準値の考え方 (2) 本提言での診断基準値 5. 生活習慣病一次予防のための提言の根拠 (1) 提言の根拠 (2) 提言

50 生化学検査 420 3J 総ビリルビン 数字 PQ 5 NNN.N mg/dl mg/dl 3J010 総ビリルビン 3J 生化学検査 430 3B GOT(AST)

東日本大震災被災者し

人間ドック結果報告書 1/5 ページ 所属 : 株式会社 ケンコウタロウ健康太郎 様 性別 / 年齢 男性 / 49 歳 生年月日 昭和 40 年 3 月 17 日 受診日 平成 26 年 5 月 2 日 受診コース 人間ドック ( 胃カメラ ) 問診項目 今回前回前々回平成 26 年 5 月 2

Microsoft Word - 44-第4編頭紙.doc

平成30年度特定保健指導元気ガイド

わが国における糖尿病と合併症発症の病態と実態糖尿病では 高血糖状態が慢性的に継続するため 細小血管が障害され 腎臓 網膜 神経などの臓器に障害が起こります 糖尿病性の腎症 網膜症 神経障害の3つを 糖尿病の三大合併症といいます 糖尿病腎症は進行すると腎不全に至り 透析を余儀なくされますが 糖尿病腎症

特定健康診査等実施計画


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2 11. 脂肪 蓄 必 12. 競技 引退 食事 気 使 13. 日 練習内容 食事内容 量 気 使 14. 競技 目標 達成 多少身体 無理 食事 仕方 15. 摂取 16. 以外 摂取 17. 自身 一日 摂取 量 把握 18. 一般男性 ( 性. 一日 必要 摂取 把握 19. 既往歴 図

保健機能食品制度 特定保健用食品 には その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をすることができる 栄養機能食品 には 栄養成分の機能の表示をすることができる 食品 医薬品 健康食品 栄養機能食品 栄養成分の機能の表示ができる ( 例 ) カルシウムは骨や歯の形成に 特別用途食品 特定保健用

まず 内部精度管理については 健診機関で 検体の採取 輸送 保存 測定 検査結果の管理 安全 管理者の配置などについて常に管理して 検査値の精度を保証することが必要とされます 外部精度管理については 日本医師会 日本臨床検査技士会 全国労働衛生団体連合会などの外部精度管理事業を少なくとも一つは定期的

平成20年度厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業)

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標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12

特定健康診査等実施計画 東京スター銀行健康保険組合 平成 25 年 4 月

スライド 1

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牛乳 乳製品摂取とメタボリックシンドローム に関する横断的研究結果発表 説明資料 2010.8.26

調査 研究概要 1

1. 乳業メーカー 4 社の協力で大規模調査を実施 2 牛乳 乳製品とメタボリックシンドロームとの関係を大規模調査で研究 食生活 生活習慣と健康に関する調査研究 概要 調査対象者 20 代 ~60 代の乳業メーカー ( 日本ミルクコミュニティ 明治乳業 森永乳業 雪印乳業 ) 勤務者および家族 調査対象者数発送数 :22,504ss 2セット=45,008ss * 検診受信済み従業員数 :21,355 名回収数 :11,026ss * 従業員のみ回収数 7,650 名分 ( 回収率 :35.8%) 和文論文における解析対象者 : *8,659 名 ( 非喫煙者 6,548 名 喫煙男性 2,111 名 ) 調査内容日常の食生活の把握 (45 項目 ) 普段の運動と日常の生活の様子の把握結果 (12 項目 ) 調査スケジュール 2008 年 10 月 ~2009 年 3 月 : 調査実施期間 / データ収集期間 2009 年 3 月 ~2010 年 1 月 : 解析 2010 年 1 月 : 論文投稿 (18 項目 ) 健康診断の

2. 各専門分野の著名な先生で調査研究会を展開 3 調査研究会 * 敬称略 ( 座長 ) 折茂肇 健康科学大学学長 ( メンバー ) 門脇孝 大橋靖雄 東京大学大学院医学系研究科糖尿病 代謝内科教授 東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻生物統計学教授 細井孝之国立長寿医療センター臨床研究 治験推進部長 上西一弘 石田裕美 田中司朗 女子栄養大学栄養生理学研究室教授 女子栄養大学給食 栄養管理研究室教授 京都大学医学部附属病院探索医療センター検証部助教

メタボリックシンドローム判定基準 -1 4 和文論文においては下記の判定基準を用いて 積極支援 判定されたものを メタボリックシンドローム該当者 とした 基準値 内臓脂肪型肥満 特定保健指導判定 に基づく 独自の階層化基準腹囲男性 85cm 以上 女性 90cm 以上 または腹囲上記基準未満かつBMI( 体重 身長 身長 )25 以上 " 女性の場合 腹囲 80cm 以上を基準とする場合も含め 2パターンで分析を行う 高血糖空腹時血糖値 100mg/dl 以上 またはヘモグロビン A1C 5.2% 以上 高血圧 血清脂質異常 喫煙 収縮期血圧 130mmHg 以上 または拡張期血圧 85mmHg 以上 中性脂肪値 150mg/dl 以上 または HDL コレステロール値 40mg/dl 未満 現在喫煙者 判定方法 内臓脂肪型肥満 判定方法 ( 対象年齢 20~69 才 ) 腹囲基準値超腹囲基準値超 BMI 超 BMI 超 BMI 超 高血糖高血圧血清脂質異常現在喫煙有無 2 項目以上 異常あり 1 項目 異常あり なし 3 項目以上 異常あり 2 項目 異常あり 1 項目 異常あり なし 積極的支援 動機付け支援 積極的支援 動機付け支援

メタボリックシンドローム判定基準 -2 5 本研究においては前頁の判定基準を用いて 積極支援 判定されたものを メタボリックシンドローム該当者 としたが 下記に留意し分析を行った * 判定の対象年齢は 20~69 歳とし 女性の腹囲は 80cm 以上とした * 指標項目の治療に係る薬剤を服薬中の場合は 当該項目については基準範囲を逸脱しているものとみなして異常ありとする * 成人後の既往歴において 指標項目にかかる疾病 ( 高血圧 糖尿病 高脂血症 ) を有している者は当該項目については異常ありとする * 成人後の既往歴において 動脈硬化系疾患を有している者は メタボリックシンドローム該当 とする 分析において * 全ての解析は男女別に行い 牛乳牛乳 乳製品摂取量とメタボリックシンドローム有病率と乳製品摂取量とメタボリックシンドロの関連における交絡調整のため 喫煙者は層別して解析した

1. 研究仮説 6 牛乳 乳製品の摂取量が多い人では メタボリックシンドロームの有病率は低い

分析結果 ( 要旨 ) 7

牛乳 乳製品摂取量とメタボリックシンドロームの関連 8 牛乳 乳製品摂取量を四分位に分け 最小値 ~ 第 1 四分位点までの摂取量最小層 ( 男性 0mg~100mg 未満 / 女性 0mg~100mg 未満 ) を1とした場合のオッズ比は下記のようになった 女性 牛乳 乳製品摂取量 第 1 四分位 ~ 第 2 四分位 層 100mg 以上 200mg 未満 第 2 四分位 ~ 第 3 四分位 層 200mg 以上 303mg 未満 第 3 四分位 ~ 最大値 層 303mg 以上 0.57 0.60 0.63 95% 信頼区間 0.39-0.83 0.44-0.91 041 0.41-0.87 087 男性 第 1 四分位 ~ 第 2 四分位 層 100mg 以上 202mg 未満 第 2 四分位 ~ 第 3 四分位 層 202mg 以上 334mg 未満 第 3 四分位 ~ 最大値 層 334mg 以上 0.87 0.84 0.80 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 0.66-1.14 0.64-0.11 0.60-1.06 * 年齢 エネルギー摂取量 アルコール摂取量 および身体活動量で調整

2. 調査の主な結果 9 牛乳 乳製品の摂取が多い人では メタボリックシンドロームが少なかった 最も多く牛乳最も多く牛乳 乳製品を摂取する女性グループでは 乳製品を摂取する女性グルプ 最も飲まないグループと比べてメタボリックシンドロームの有病率が 40% 少なかった 最も多く牛乳 乳製品を摂取する男性グループでは 最も飲まないグループと比べてメタボリックシンドロームの有病率が 20% 少ない傾向

牛乳 乳製品摂取量とメタボリックシンドローム判定項目との関連 摂取量四分位ベース 10 各摂取量レベルのグルーブ毎に 以下の Mts 関連指標の推定平均値を算出し グループ間での有意差を検証した 女性 メタボリックシンドローム基準の異常者割合の減少傾向あり (HDL 除く ) 腹囲 (cm) 牛乳 乳製品摂取量によるカテゴリー 四分位区分 * C1 C2 C3 C4 76.6 74.5 74.9 74.7 p 値 <0.01 ** BMI(kg/m 2 ) 21.8 21.3 21.3 21.4 <0.01 ** BMI 値 25 以上を対象 収縮期血圧 (mmhg) 拡張期血圧 (mmhg) 117.2 115.4 114.8 114.5 <0.01 ** 空腹時血糖 (mg/dl) HbA1c(%) 中性脂肪 (mg/dl) 83.88 78.4 75.4 71.8 <001 <0.01 ** HDL(mg/dl) 68.2 71.4 71.7 73.4 <0.01 ** * 摂取量四分位区分 C1:0mg 以上 100mg 未満 C3:200mg 以上 303mg 未満 C2:100mg 以上 200mg 未満 C4:303mg 以上

牛乳 乳製品摂取量とメタボリックシンドローム判定項目との関連 摂取量四分位ベース 11 各摂取量レベルのグルーブ毎に 以下の Mts 関連指標の推定平均値を算出し グループ間での有意差を検証した 男性 メタボリックシンドローム基準の異常者割合の減少傾向あり 牛乳 乳製品摂取量によるカテゴリー 四分位区分 * C1 C2 C3 C4 p 値 腹囲 (cm) BMI(kg/m 2 ) 収縮期血圧 (mmhg) 拡張期血圧 (mmhg) 空腹時血糖 (mg/dl) HbA1c(%) 有意差なし 124.8 124.4 123.9 122.9 0.04 * 77.7 77.2 76.7 76.2 0.03 * 中性脂肪 (mg/dl) HDL(mg/dl) * 摂取量四分位区分 C1:0mg 以上 100mg 未満 C3:202mg 以上 334mg 未満 C2:100mg 以上 202mg 未満 C4:334mg 以上

3. 腹囲 BMI 臨床検査に関する結果 12 牛乳 乳製品の摂取は メタボリックシンドロームの構成要素と関連した 女性では 牛乳 乳製品の摂取が多いほど乳製品の摂取が多いほど 腹囲 BMI 中性脂肪 血圧 は低く HDL は高かった 血圧 : 収縮期血圧 男性では 牛乳 乳製品の摂取が多いほど 血圧 は低かった

牛乳 乳製品の摂取量が多い者にはメタボリックシンドローム該当者が少ない なぜ?

牛乳 乳製品摂取による体脂肪減少のメカニズム ( 仮説 ) カルシウム 牛乳 乳製品摂取量 利用可能なエネルギー 満腹感の増加 カルシウムと脂肪酸の結合 消費エネルギー 脂肪分解脂肪の酸化脂肪合成食事誘導性産熱除脂肪 ( 筋肉 ) へのシフト 体脂肪 体脂肪の変動は利用可能なエネルギーと消費エネルギーのバランスによって決まる カルシウムや牛乳 乳製品の摂取量が増えると 利用可能なエネルギーが減少し エネルギー消費量が増加する (Teegarden D(11) より作図 )

カルシウム摂取 ビタミン D 栄養状態と脂肪代謝の関係 カルシウム摂取量 Vitamin D 1,25(OH)2D PTH 25(OH)D 脂肪細胞 脂肪分解 脂肪酸 PTH: 副甲状腺ホルモン 1,25(OH)2D: 活性型ビタミン D カルシウム摂取量の増加 ビタミン D 栄養状態の改善は 脂肪細胞での脂肪分解を促進する (Teegarden D(11) より作図 )

PTH と 1,25(OH)2D のエネルギー代謝調節に対する役割 カルシウム摂取量 Vitamin D 1,25(OH)2D PTH 25(OH)D 脂肪細胞 脂肪分解 脂肪酸 肝臓 食事性脂肪 筋 脂肪酸化 食事誘導性産熱 カルシウム摂取量の増加 ビタミン D 栄養状態の改善は 脂肪細胞での脂肪分解を促進する そして PTHと1,25(OH)2Dの抑制などを通して 筋と肝臓での脂肪酸化と食事誘発性熱産生を増加させる (Teegarden D(11) より作図 )

牛乳 乳製品と血圧 牛乳には多くのカルシウムが含まれているが このカルシウムは血圧を低下させることが知られている また 牛乳に含まれるカゼインやホエイタンパク質が消化管で分解される際に生成するペプチドには降圧作用を有するものがあることが知られている ヨーグルトの中にはすでにペプチドとして存在しているものもある これらのペプチドは主にアンジオテンシン変換酵素の作用を阻害することで 降圧作用を有することが報告されている 海外の報告ではフラミンガム研究 CARDIA 研究 ホノルル心臓研究などで 乳製品摂取量と血圧の間には負の相関関係が報告されている