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日本海側拠点港の形成に向けた計画実現方策についてーコンテナ物流情報サービスを事例としてー 齋藤輝彦 1 大谷琢磨 2 一木慎太朗 2 2 中村昂雅 1 港湾空港部港湾物流企画室 ( 950-8801 新潟県新潟市中央区美咲町 1-1-1) 2 港湾空港部港湾計画課 ( 950-8801 新潟県新潟市中央区美咲町 1-1-1) 2011 年 11 月に国土交通省において, 対岸諸国の経済発展を我が国の成長に取り込み, 国際競争力を強化するために, 日本海側拠点港の選定が行われた. 今後, 官民が連携して所定の目標に向かって取り組んでいく必要がある. 本稿では, 日本海側拠点港の形成に向けた計画実現方策の一助として,2012 年 1 月に新潟港へ導入されたコンテナ物流情報サービス (Colins) を紹介するとともに, その施策の有効性について検証を試み, 日本海側港湾における Colins の有効活用方策を提案する. キーワード日本海側拠点港, 新潟港, コンテナ物流情報サービス,Colins 1. はじめに 中国 韓国 ロシアなど日本海周辺の対岸諸国は近年著しい経済発展を遂げている.2007 年には中国が米国を抜き, 日本最大の貿易相手国となり, ロシアの WTO 加盟が 7 月に迫るなど, 対岸諸国と我が国の経済関係はますます深まっていくものと思われる. こうした中, 太平洋側港湾に比べて地理的に有利な位置にある日本海側港湾が, 中心的な役割を果たすことが期待されている. また,2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災により, 東北地方及び北関東地方の太平洋側港湾が甚大な被害を受けたが, 被災地の生活や産業活動に欠かせない石油製品や原材料の輸入等に, 日本海側港湾が活用されるなど, 日本海側港湾が被災した太平洋側港湾の代替機能を果たした. このような状況を踏まえ, 国土交通省港湾局は 2011 年 11 月に, 日本海側対岸諸国の経済発展を我が国の成長に取り込み, 国際競争力を強化すること, また, 太平洋側港湾の代替機能の確保により災害に強い物流ネットワークを構築するとともに, 防災機能の確保を図ることを目的として, 日本海側拠点港の選定を行った. 選定の結果, 北陸地方整備局管内 ( 以降 北陸管内 という.) 港湾からは, 新潟港, 直江津港, 伏木富山港, 金沢港, 敦賀港が選定された. 今後, 拠点港計画で掲げた所定の目標を達成するため, 北陸地域の地理的優位性を活かした安定的な物流ネット ワークの確立が必要となる. 近年, あらゆる分野で IT 化が進んでいるが, 港湾物流の分野では, コンテナ一つを扱うにもその関係者も多く, 必要な情報が分散しがちである. そのため情報入手の遅れがトラブルや輸送効率の低下を招いている. こうした問題を解決するために, 国土交通省では, 個別に提供され分散していた情報を集約し, 関係者同士が情報を共有できるようコンテナ物流情報サービス ( 以降 Colins という.) を 2010 年 4 月に供用した. なお, Colins とは Container Logistics Information Service の各語の頭文字をとったものである. 本稿では, まず日本海側拠点港の選定経緯,Colins の概要について紹介する. その後,Colins 施策の有効性について検証を行い, 最後に日本海側拠点港の形成に向けて Colins の有効活用方策を提案する. 2. 日本海側拠点港の選定について (1) 選定までの経緯 2010 年 11 月より 日本海側拠点港の形成に関する検討委員会 が開催され, 日本海側対岸諸国の経済発展を我が国の成長に取り込むための, 日本海側港湾のあるべき姿 の検討が開始された.2011 年 6 月における検討委員会では, 東日本大震災の港湾への影響を踏まえ, 日本海側港湾のあるべき姿 に防災の観点が追加された. 特に, 国際競争力強化の観点に加え, 災害に強い物流ネ

ットワーク構築の観点等を盛り込み, 太平洋側港湾の代替機能の確保, 及び, 防災機能の確保についても併せて求められることとなった. 表 -2 日本海側拠点港計画書記載項目 ( 国際海上コンテナ, 国際フェリー 国際 RORO 船 ) (2) 目的と目標日本海側拠点港の募集にあたり, 日本海側港湾のあるべき姿 の中で目的と目標が示された 1) ( 表 -1). 表 -1 日本海側拠点港の目的と目標 (3) 選定結果について日本海側に位置する国際拠点港湾及び重要港湾 26 港を対象に, 港湾管理者による公募に基づき, 日本海側拠点港の形成に関する検討委員会での検討を経て選定が行われた. 選定の結果, 日本海側拠点港 に 19 港 28 計画が選定された ( 図 -1). 日本海側拠点港 は各輸送モード 貨物別に選定され, 国際海上コンテナについて, 新潟港, 伏木富山港, 金沢港が, 国際フェリー 国際 RORO 船について, 伏木富山港, 敦賀港が, 外航クルーズ ( 背後観光地クルーズ ) について, 伏木富山港, 金沢港が,LNG について, 直江津港 新潟港がそれぞれ選定された. なお管内港湾からは, 新潟港と伏木富山港の 2 港は 総合的拠点港 として選定された. 図 -1 日本海側拠点港 (4) 北陸管内港湾の計画書について北陸管内港湾の中で 日本海側拠点港 に選定された港湾の計画書 2) について, 国際海上コンテナと国際フェリー 国際 RORO 船の記載項目を表 -2 に記す. 3. 北陸管内港湾の優位性と計画実現に向けた課題 (1) 北陸管内港湾の優位性北陸管内港湾は日本海側のほぼ中央に位置しており, 中国, 韓国とロシア極東地域に近接している. 特に中国東北部から陸と日本海を経由して日本の西岸に到着する初の航路である日本海横断航路は,3 カ国を含む環日本海経済圏の協力強化に向けた重要な航路であり, 今後北陸管内港湾の重要性も高まっていくと考えられる. これらの特徴は, 三大港湾にない北陸管内港湾が有する地理的な優位性と言える. また, 東日本大震災においては, 東北 - 関東間の交通ネットワークに機能制限や不全が生じたために, 新潟港, 酒田港, 秋田港などの日本海側港湾は被災港の代替港や支援物資の輸送拠点としての役割を担った. 例えば, 新潟港では震災直後に被災港に入港予定であった船舶の受入や畜産用飼料の東北 北関東方面への出荷に利用された. 新潟港のコンテナ取扱量推移を図 -2 に示す. 震災後の 3 月,4 月,5 月と連続で単月での過去最高値を更新している. 我が国は過去に多くの地震被害にあってきたが, 特に東海地震, 東南海地震, 南海地震は, その想定規模も大きい上, 今後 30 年間に発生する可能性も高いと予測されている. 北陸管内港湾は, 大規模震災が予想される近畿圏, 中京圏, 関東圏の代替機能を確保する上で重要な役割を果たすことが期待される. また, 北陸管内港湾の外貿コンテナ貨物量は, 太平洋側 5 大港の貨物量が伸び悩む近年においても, 中国 ロシアといった対岸諸国の経済発展を受けて, リーマンショックによる一時的な落ち込みはあるものの 5 大港を上

TEU 22,000 20,000 18,000 16,000 14,000 12,000 2009 年 2010 年 2011 年 2.25 2.00 1.75 1.50 (1999 比 ) 東京港横浜港名古屋港大阪港神戸港北陸管内平均 10,000 8,000 1.25 6,000 4,000 1.00 2,000 0 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 0.75 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 図 -2 新潟港の月別コンテナ取扱量推移 ( 出典 : 新潟港統計年報より作成 ) 図 -3 外貿コンテナ取扱貨物量の伸び (1999 年基準 ) ( 出典 : 国土交通省港湾局調べ ) 回る伸びを示している ( 図 -3). (2) 計画実現に向けた課題北陸管内港湾管理者は計画実現に向け, 集荷力の向上やアジア諸国との航路の拡充, 港湾荷役のサービス向上等の強化を図ることを目標としている. 利用者の利便性の向上を図るため, 荷役の効率化やトレーラーの渋滞緩和につながるヤードの拡張, 荷主へのタイムリーな情報提供等の港湾機能の強化が課題となっている. また, 国際海上コンテナ輸送で荷主企業が国内港湾を選択する際には, 港湾荷役の迅速さ や 港までの国内輸送費の安さ といった取組について重視していることが明らかになっている 3). 4. コンテナ物流情報サービス (Colins) について 一般に, 港湾物流の混雑を解消するための手段として, 荷役機器の増加, ゲートオープン時間の延長, ヤードの拡張, インランドデポでの貨物一時保管などが挙げられる. しかし, これらの対策を講じたものの, 顕著な効果が見られないため, 混雑要因の分析を行ったところ 情報の共有化不足による混雑 が判明したという事例が博多港 CY で報告されている 3). 近年, あらゆる分野で IT 化が進み, 情報通信分野や陸上運送分野において, 情報の収集, 保存, 利用する場等の基盤となる情報共有システムの構築が進んでいる. 一方, 港湾物流の分野では, 関係者が多く必要な情報が分散しがちであり, 情報共有システムの構築が進んでいなかったため, 情報入手の遅れがトラブルや輸送効率の低下を招いていた. また, 中小や零細企業においては, 資金や技術不足により情報共有システムが構築できず, 不利な状況を強いられていることから, 関係者間でリアルタイムでの情報交換, 情報共有が可能となる公共による情報共有システムの構築が望まれてきた. そこで, 国土交通省は, コンテナ物流情報を一元的に 提供するシステム コンテナ物流情報サービス (Colins) ( 以降 Colins という.) を, スーパー中枢港湾を核としたコンテナ物流の総合的集中改革プログラム の一貫として 2010 年 4 月よりスタートした. (1) Colins の概要 Colins は, 輸入コンテナ搬出可否情報, フリータイム情報, 船舶動静情報, 港頭地区渋滞情報, ゲートオ - プン時間情報, 貨物の位置情報などのコンテナ物流情報を, ターミナルオペレーター, 荷主, 海貨業者, 運送事業者間で共有化するためのウェブサイト型の情報システムである. コンテナ物流情報を一元的に情報共有することで, ターミナルオペレーター, 荷主, 海貨業者, 運送事業者等関係者で情報共有を図ることが可能となる ( 図 -4). (2) Colins 参加コンテナターミナル 2010 年 4 月にサービス提供が開始されて以来,2012 年 5 月末日時点までに, 京浜港, 阪神港, 四日市港, 博多港, 新潟港のコンテナターミナルで Colins を導入している ( 表 -3).Colins を導入しているターミナルの外貿コンテナ取扱個数は, 全国のコンテナターミナルにおける外貿コンテナ取扱個数の 70% を占めていることから ( 図 - 5),Colins にアクセスすることで, 日本に輸出入される 7 割のコンテナ貨物の情報が閲覧可能となる. 図 -4 Colins のトップページ

図 -5 表 -3 Colins 参加コンテナターミナル Colins 参加ターミナルがコンテナ貨物取扱数に占める割合 ( 国土交通省港湾局調べ,2011 年速報値 ) また,2012 年 1 月には本州日本海側港湾で初めて, 新潟港東港区西ふ頭地区コンテナターミナルで Colins を導入した. 今後, 北陸管内港湾では伏木富山港に接続が予定されている. (3) Colins の提供サービス及び導入効果 a) 混雑状況ウェブカメラ画像運送事業者 ( 旅客や貨物の運送をする業者 ) はこれまで, ターミナルゲートや周辺道路における混雑, 休業などのゲート状況が把握できなかった. そのため, 適切な配車ができずターミナル周辺における輸送車両の集中などを原因とする渋滞が頻発しており, その解消が課題となっていた. Colins では 5 分間隔で配信される混雑状況ウェブカメラ画像により最新の混雑状況が確認できるため, ゲートの混雑を回避し, 待機時間の少ない計画的な配車を行うことが可能となり, 周辺道路の渋滞の緩和にもつながる. また, ドライバー自身も携帯電話でコンテナターミナルの混雑状況を確認し, 空いている時間に合わせて, コンテナターミナルへ向かい荷物を受け取ることで, 待ち時間を削減することもできる. b) 輸入コンテナ搬出可否情報海上コンテナ物流の関係者は, これまでコンテナターミナルから貨物が搬出できるかどうかの情報をリアルタイムに入手するツールを持っていなかったため, 貨物ごとの搬出可否の確認を, 電話や FAX で行わねばならなかった.Colins の輸入コンテナ搬出可否情報により, これまでコンテナターミナルへの電話での問い合わせが必要だった搬出可否情報をウェブサイトで検索することが可能となる. コンテナ番号 B/L 番号を入力することで, 船社 船名 コールサイン, コンテナターミナル, コンテナヤード搬入日時, 搬出可否, 税関許可, 検査状況なども確認できる. 携帯電話からも利用可能であり,10 分間隔で更新される最新情報を確認できる. また予めメール配信設定をしておくことで, コンテナヤード搬出が可能になった時点でメールが配信され, 情報が更新されるまで何度も Colins にアクセスしなくとも必要な情報を得ることができ, 業務を効率化できる. c) 船舶動静情報 ( 入出港予定時間 一括搬入日等 ) 船舶動静情報は, 各コンテナターミナルが個別に情報を提供しているため, 荷主や物流事業者はその分散した情報にそれぞれアクセスして状況を把握しなければならなかった.Colins の船舶動静情報により, 着岸時刻 ( 予定 実績 ), 離岸時刻 ( 予定 実績 ), おおまかな位置情報 ( 港域内 港域外 ) などを確認できる. 海貨事業者 ( 荷主からの委託を受けて海運貨物受渡しを行う業者 ) は, 船舶動静情報 ( 着岸予定時刻 ) を予め把握することで, 搬出期限の長さに応じて, 陸送会社に対して効率的な配車を指示することができる. d) ゲートオープン時間情報コンテナターミナルの昼休みの営業, 連休の前後, 台風等悪天候による営業時間の変更など, コンテナターミナルから提供される情報が掲示板形式で表示されるので, コンテナターミナルの状況をリアルタイムで把握することが可能である. e) 貨物トラッキングシステム海上コンテナ輸送は, 荷主, 船社, 海貨, コンテナターミナル, 税関, 検疫, 陸送など多くの関係者の協同によって成り立っているため, 個々の最適行動が必ずしも物流全体での最適行動になっていない場合があった. そこで Colins では, 情報提供範囲を陸域 ( コンテナターミナルからバンプール ) までに拡張し, コンテナの位置情報 ステイタス情報を検索できるシステム ( 貨物トラッキングシステム ) を 2011 年 1 月にサービス開始した. これにより, 海上と倉庫を結ぶ一貫したコンテナの動静を荷主, 海貨業者, 陸送事業者が Colins を通じて情報共有することが可能となり, 以下のような効果が期待できるようになった. 1 配車やコンテナ, 荷役機械等の管理が容易になり作業効率が向上

図 -6 Colins のサービスについて ( 出典 : 国土交通省港湾局 ) 2 保税地域での搬入確認後の申告などをキーとした次ステップのプロセスの自動化 3 混載する貨物のタイミングを合わせることが容易 4 事前の貨物ステイタスを把握することにより, 貨物の引取 引渡の精度が向上 5 輸送状況のデータの蓄積 分析を行うことによってリードタイムや在庫の削減を検討することも可能また,Colins は EPC( 無線 IC タグの ID) に関する情報を共有するための標準的なインターフェイスを提供できる EPCIS 機能を備えており,Colins で提供するコンテナ情報を直接自社のシステムに取り込んで物流計画の分析 検討が可能となる. f) Colins の導入効果 Colins の導入の定性的な効果は上記で述べてきたところであるが, 定量的に把握できるものとして, コンテナターミナルへの電話問い合わせ件数の減少 ゲートトラブル件数の減少 が挙げられる. 国土交通省港湾局が行った調査では,Colins 導入の前後で, ターミナルへの電話問い合わせ件数は約 38% の減少, ゲートトラブル件数は約 10% の減少が確認された 4). 5. Colins 機能の拡張と北陸管内港湾の今後の展望 (1) Colins 機能の拡張 a) 鉄道貨物システムとの接続国土交通省は, トラッキング機能を拡張し,JR 貨物が所有する鉄道コンテナ位置情報システム (IT-FRENS) と Colins とのシステム接続を行った ( 図 -7). 具体例として,2012 年 5 月に開始された上海港の羅徑 ( ラケイ ) ターミナルとの連携が挙げられる. 上海港から博多港までの航路においては Colins により荷主に貨物 図 -7 鉄道貨物システムとの接続 ( 出典 : 国土交通省港湾局 ) 情報を提供し, 福岡貨物ターミナル駅から工場の最寄り駅までの鉄道輸送においては,IT-FRENS によりコンテナ位置情報 ステイタス情報を提供できるようになっている. b) ITS との接続 ITS( 高度道路交通システム ) は, 自動車と道路を包括的に一体のシステムとして捉え, 情報通信技術を活用して高度化を図るものである. 身近な例を示すと, カーナビゲーションで表示される渋滞情報は, 高速道路や一般道に設置したビーコンから取得されている. 陸上運送分野においては, 貨物とそれを運ぶトラックの情報が紐付けされており, 貨物の位置情報 ステイタス情報を確認できる. 宅配便等では既に確立しているシステムだが, ITS と Colins が連携すれば, より緻密な貨物追跡が可能となる. 博多アイランドシティ次世代物流研究会 ( 以降 物流研究会 という.) では,ITS スポットを活用した初の物流効率化の実証実験を平成 24 年 2 月から開始した ( 図 -8).ITS スポットは, 全国の高速道路上を中心として約 1,600 箇所, 都市間高速道路については,JCT

図 -8 実証実験のイメージ図 ( 出典 : 国土交通省港湾局 ) ( 約 90 箇所 ) の手前も含め, おおむね 10~15km おきに設置され, 広範囲の道路交通情報提供や安全運転支援などのサービスを提供している. 今回の実証実験では, 九州地方の ITS スポット で物流事業者の実験車両のプローブ情報 ( 走行位置などの情報 ) を収集し, このデータをリアルタイムで物流研究会へ情報提供し, 車両の運行管理や荷物の配送管理に活用するとしている. 今後, コンテナに EPC( 無線 IC タグの ID) を搭載し ITS と連動させれば, 既存のトラッキングではドライバー等による手動入力が必要であった位置情報を自動取得が可能となる. こうした情報をリアルタイムで把握することにより, 貨物にトラブルが発生した場合にも即時に対応できることになる. また, データを蓄積することにより, 道路混雑状況などを考慮した物流システムを確立することも可能となる. (2) 海外システムとの連携について (NEAL-NET) 荷主 物流事業者は常に最適な物流を目指しているが, 材料の調達から製造, 販売というサプライチェーンは今や海外にまで広がっており, 貨物の位置 ステイタス情報を逐一把握することは非常に困難である. そこで, 海外におけるサプライチェーン全体の 見える化 を目的に, まずはそれを北東アジアで実現させようという動きが 北東アジア物流情報サービスネットワーク (NEAL-NET) にて進められてきた. 日本の Colins と韓国の SP-IDC 中国の LOG-INK というそれぞれの国の物流情報サービスを連動させるもので, 現段階では, 日中韓の船舶動静情報を相互に提供するところまで実現している. (3) 北陸管内港湾の今後の展望 Colins の導入により期待される効果等をこれまで述べてきたが, これを北陸管内港湾に適用した場合に期待できる効果を以下に例示する. 中国東北部 極東ロシアが仕向国 原産国である貨物 に着目すると, その多くは京浜港を選択することが多いのだが, その貨物が 急ぐ貨物 ( 高付加価値貨物 ) である場合には, 速達性 定時性がより一層求められるので, 北陸管内港湾が選択される可能性がある. 北陸管内港湾は, 太平洋側港湾に比べて中国 ロシアに対する地理的優位性があり, ターミナル周辺道路の混雑は格段に少ない. また今後, コンテナターミナルへ直接鉄道を乗り入れたり, 日本海横断航路の安定的な就航が実現すれば, より一層安定的な物流ルートを確保することにつながり, 今後も発展が予想される対岸諸国の経済発展を我が国の成長に取り込むことが期待できる. 新潟港では既に Colins を導入しており, こうした物流ルートの優位性を検証することが可能であるので, 荷主に対して 利便性の高い港湾 をアピールすることができるのではないか. 6. おわりに 本稿では, 日本海側拠点港の形成に向けた北陸管内港湾の動向や課題について述べ, その課題の解決策の一助として Colins を紹介した.Colins は単にコンテナ情報を提供するツールに過ぎないのだが, 今や国際物流において迅速な意思決定を行うためには, リアルタイムの情報は不可欠である. こうした現状において, これまで大企業でしか実現できなかった貨物位置情報 ステイタス情報を,Colins を利用することによって, 物流に関わる全ての関係者が安価に入手できるようになったことはとても意義深い. 今後, 日本海側拠点港形成の実現を図る上でも, こうしたソフト施策とハード施策一体となった取り組みを積極的に進めてまいりたい. 参考文献 1) 国土交通省 : 日本海側港湾のあるべき姿 (http://www. mlit.go.jp/ common/000146420.pdf),2011 2) 国土交通省 : 日本海側拠点港 における各応募者からの計画書の概要について ( http://www.mlit.go.jp/report/press/ port04_hh_000035.html ),2011 3) ( 社 ) 日本港湾協会港湾政策研究所 : 港湾レポート, 博多物流 IT システムレポート (http://www.phaj.or.jp/distribution/ report/data/it_hkt_report.pdf),2012 4) 国土交通省 : コンテナ物流情報サービス (Colins) の取組状況について (http://www.mlit.go.jp/report/press/port02_hh_000045.html) /,2012