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個人版事業承継税制の創設 ( 相続税 贈与税 ) 新設 今年度 事業承継税制が抜本的に拡充されたことにより 法人向けの事業承継税制の認定申請件数は飛躍的に増加 ( ) 個人事業者についても 円滑な世代交代を通じた事業の持続的な発展の確保が喫緊の課題となっていることを踏まえ 個人事業者の事業承継を促進

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について

事業承継関連税制について 関東経済産業局 平成 30 年 6 月 中小企業金融課

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

××税制(所得税・法人税・法人住民税・事業税)

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法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

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給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

(1) 改正の内容 内容 現行制度 特例制度 納税猶予対象株式 納税猶予税額 発行済議決権株式総数の 3 分の 2 に達するまでの株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係る贈与税の全額 相続の場合 : 納税猶予対象株式に係る相続税の 80% 取得した全ての株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係

新今回の要望に合関理連性する事項設 拡充又は延長を必要とする理中小企業は地域の経済や雇用を支え 我が国経済全体を発展させる重要な役割を担っている 中小企業の設備投資を促進し 成長の底上げに不可欠な設備や IT 化等への投資の加速化や生産性の向上を図る ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 昨今の中小企業の

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平成16年版 真島のわかる社労士

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平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

1. はじめに 中小企業経営者の高齢化が進展する中 事業承継の円滑化は喫緊の課題です 平成 30 年度税制改正において 事業承継の際に生ずる相続税 贈与税の負担を軽減する 非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例 ( 以下 事業承継税制 ) が抜本的に改正されました 本改正では

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2. 中小企業のための主な優遇制度 注 : 各項目に付記している番号は 関連する参考資料です 番号に対応する資料名などは 5~6 ページに掲載していますのでご参照ください [1] 中小法人等 に適用される主な優遇制度 紙面の都合により ここでは制度の種類と それに関連する参考資料の番号を紹介していま

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1 設備投資をして生産性を高めたい! ~ 中小企業経営強化税制の創設 ~ ~ 固定資産税特例の拡充 ~ 利用できるのは 法 人 個人事業主 法人税 所得税固定資産税 省力化のため セルフレジ ( 複数台合計で約 1,500 万円 ) を導入したい! 何か使える支援策はないかしら? 経営力を向上させる

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

(1) 政策目的 多様な就業の機会を提供すること等により我が国の経済の基盤を形成している中小企業の事業承継を円滑化することにより 中小企業の事業活動の継続を実現し 雇用の確保や地域経済の活力維持につなげることを目的とする (2) 施策の必要性 全国の経営者の平均年齢は年々上昇しており 例えば資本金

ェア また地域医療提供体制の確保のため地域医療構想で合意された病床の再編等の建物及びその附属設備 さらに共同利用の推進など効率的な配置の促進に向けた高額医療機器の 3 点において 特別償却制度の拡充 見直しを行う 税制改正大綱 5 頁記載 医療用機器の特別償却制度について 次の見直しを行う ( 所得

第 5 章 N

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

中小企業等経営強化法の概要

[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺

経営強化法の執行について

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102 第 4 章 農業 農地の承継時の特例 資価格は 国税庁 HPの路線価ページから確認できます なお 平成 30 年度税制改正において 対象となる農地の範囲等が改正されました 詳細は 後記 6を参照してください 3 適用要件 (1) 被相続人この特例の対象となる被相続人は 次のいずれかに該当する

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

参考. 改正前の制度概要 ( 改正対象は太字 ) (1) 税の納税猶予の全体像 ( 概要 ) の要件 会社の代表者であったこと 時には代表権を有していないこと と同族関係者で決議数の 50% 超の株式を保有かつを除いた同族内で筆頭株主であったこと 認定対象会社の要件 の要件 会社の代表者であること

速報!  平成27年度税制改正セミナー

Microsoft PowerPoint - 【別添1】23税制改正の概要.pptx

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個人事業者向けの事業承継税制が創設

サービス業 5 千万円以下 100 人以下政令指定業種固定資産税のゼロ特例や国補助金の優先採択を受けることができます! 1 先端設備等導入計画 の概要 中小企業等が 計画期間内に 労働生産性を一定程度向上させるため 先端設備等を導入する計画を策定し その計画が北九州市の 導入促進基本計画 等に合致す

Ⅰ 法人関連税制 1 減価償却制度 2 年連続の大改正になった背景 減価償却制度については 平成 19 年度税制改正により 残存価額および償却可能限度額の取扱いが廃止される大改正が行われ 定率法はいわゆる 250% 定率法 と呼ばれる従来にない新しい計算の仕組みが採用されました そして平成 20 年

納税猶予打切りリスクの緩和 利子税率の引き下げ 承継 5 年超で 5 年分の利子税の免除 債務控除方式の変更 債務控除を株式以外の財産から行うことで 納税猶予の効果を高める < 平成 27 年度税制改正 > 贈与税の納税猶予 免除制度の拡充 1 代目が存命中に 2 代目が 3 代目に納税猶予 免除制

目 次 < 子ども 子育て > 1 < 健康 医療 > 2 < 医療保険 > 4 < 介護 > 4 < 雇用 > 5 < 年金 > 5 < 生活衛生 > 5 < その他 > 7 * 印を付している項目は他省庁が主管で要望をしている項目

3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

××税制(所得税・法人税・法人住民税・事業税)

個人版事業承継税制の創設について 現行税制上の事業承継支援特例を踏まえた検討

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

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経 ViewPoint 営相談 相続時における小規模宅地等の特例の改正 谷口敬三相談部東京相談室 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 ( 以下 小規模宅地等の特例 ) は 一定の要件を満たす宅地等 ( 特定事業用等宅地等 特定居住用宅地等 貸付事業用宅地等 ) につ

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

2. 二世帯住宅と特定居住用宅地等 [1] 区分所有なし : 外階段 / 親族が取得する場合 Q. 被相続人 A が所有する宅地の上に A の所有する建物があり 1 階に A が居住し 2 階に子 B とその家族が居住しています ( 建物内部では行き来ができない構造 ) A と B は別生計です こ

未成年者控除 障害者控除の見直し 未成年者控除 障害者控除 6 万円 20 歳に達するまでの年数 6 万円 ( 特別障害者 :12 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 10 万円 20 歳に達するまでの年数 10 万円 ( 特別障害者 :20 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 小規模宅地等につ

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

第25回税制調査会 総25-1

新設 拡充又は延長を必要とする理由25-2 ⑴ 政策目的 中小企業は地域の経済や雇用を支え 我が国経済全体を発展させる重要な役割を担っている 中小企業の設備投資を促進し 成長の底上げに不可欠な設備やIT 化等への投資の加速化や生産性の向上を図る ⑵ 施策の必要性昨今の中小企業の業況は持ち直しつつある

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[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

事業承継税制の全体像は ( 図表 1) の通りである ( 図表 1) 事業承継税制の全体像 経営者 1 代目 経営者 2 代目 一括贈与 大臣認定 贈与税の課税 贈与税の納税猶予の適用 相続税の納税猶予制度と同様 雇用確保を含む 5 年間の事業継続を行い その後も株式を継続保有 生前贈与により株式の

2015 年 1 月いよいよ施行! 相続税増税の影響と対策 Part 1 相続税はどう変わる? 影響は? Part 2 相続税の負担を軽減するには?

国土強靱化に資する関係府省庁の税制改正事項は以下のとおり 1. 直接死を最大限防ぐ 新設 1 高規格堤防整備事業に伴う高規格堤防特別区域内の新築の家屋に係る税額の減税措置の創設 ( 固定資産税 ) 人口 資産等が高密度に集積したゼロメートル地帯等を抱える大河川において 堤防決壊による壊滅的な被害を防

Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

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相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

日税研メールマガジン vol.143 ( 平成 31 年 2 月 15 日発行 ) 公益財団法人日本税務研究センター Article 平成 31 年度税制改正大綱の解説 ( 2) 税理士金井恵美子 * 本稿では 前号 ( vol.142) に引き続き 平成 31 年度税制改正の大綱 に示された改正事

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土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

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2018年度税制改正大綱 - 資産税関連の主な改正点

12. 小規模宅地等の特例の見直し 1. 改正のポイント (3) 適用時期平成 30 年 4 月 1 日以後に相続又は遺贈により取得する宅地等に係る相続税について適用される ただし (2)1 の改正について 平成 30 年 3 月 31 日においての別居親族の要件を満たしていた宅地等を平成 32 年

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Ⅲ.( 見直し ) 基礎控除基礎控除について 次の見直しを行う 1 控除額を一律 10 万円引き上げる 2 合計所得金額が 2,400 万円を超える個人についてはその合計所得金額に応じて控除額が逓減し 合計所得金額が 2,500 万円を超える個人については基礎控除の適用はできないこととする 上記の見

- 平成 28 年度税制改正について ( 税制改正大綱 の概要解説 ) - 1. 法人税 改正の概要 (1) 法人税率の引下げ等 現行 28 年度 30 年度 法人税率 23.9% 23.4% 23.2% 法人事業税所得割 6.0% 3.6% 3.6% ( 標準税率 ) 法人実効税率 32.11%

Microsoft Word - 第67号 来年からの贈与税改正と相続時精算課税を選択する際の注意点

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

与党の平成 29 年度税制改正大綱 ( 平成 28 年 12 月 8 日 ) に記載された事項 森林吸収源対策の財源確保に係る森林環境税 ( 仮称 ) の創設について 第一 平成 29 年度税制改正の基本的考え方 6 森林吸収源対策 2020 年度及び2020 年以降の温室効果ガス削減目標の達成に向

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

目 次 最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 1 地価公示価格指数と基礎控除(58 年 =100) の推移 2 最近における相続税の税率構造の推移 3 小規模宅地等の課税の特例の推移 4 相続税負担の推移( 東京都区部のケース ) 5 ( 補足資料 ) 相続税の概要 6 相続税の仕組

改正 ( 事業年度の中途において中小企業者等に該当しなくなった場合等の適用 ) 42 の 6-1 法人が各事業年度の中途において措置法第 42 条の6 第 1 項に規定する中小企業者等 ( 以下 中小企業者等 という ) に該当しないこととなった場合においても その該当しないこととなった日前に取得又

2011年度税制改正大綱(相続・贈与税)

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目次 ページ はじめに 奄美群島の税制特例制度 ( 国税 ) の概要 対象となる業種 対象となる設備投資 事業者 設備投資の規模等の要件 他の国税の優遇措置との比較 ( 例 : 過疎税制 ) 奄美群島の税制特例制度 ( 地方税 ) の概要奄美群島税制まとめ

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A&K パートナーズ税理士法人 秋山税理士事務所 秋山総合研究所 1

平成19年12月○日

消費税 : 課税の適正化について 1 ( これまでの取組み等 ) 1. 総論 社会保障 税一体改革成案 ( 平成 23 年 6 月 30 日政府 与党社会保障改革検討本部決定 ) においては 消費税制度の信頼性を確保するための一層の課税の適正化を行う こととされている ( 参考 ) 平成 23 年度

相続財産の評価P64~75

事業承継税制の拡充・資産税逃れ対策等

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平成 31 年度 税制改正 ( 案 ) のポイント このパンフレットは 平成 31 年度税制改正の大綱 ( 平成 30 年 12 月 21 日閣議決定 ) 及び 所得税法等の一部を改正する法律案 ( 平成 31 年 2 月 5 日閣議決定 ) の内容を分かりやすくまとめたものです 法案成立前の内容で

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平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

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平成 30 年度税制改正 ( 所得税 ) の主な内容 1. 給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除への振替給与所得控除及び公的年金控除の控除額を一律 10 万円引き下げ 基礎控除の控除額が一律 10 万円の引き上げとなる 2. 給与所得控除 公的年金等控除 基礎控除の見直し (1) 給与所得控除の

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平成 31 年度中小企業 小規模事業者関係税制改正について ( 参考資料 ) 平成 30 年 12 月全国商工会連合会

1. 事業承継の円滑化 2. 中小 小規模事業者の 攻めの投資 を支援する税制措置 - 中小企業経営強化税制の延長及び拡充 - 中小企業投資促進税制の延長 - 商業 サービス業 農林水産業活性化税制の延長 - 中小企業防災 減災投資促進税制の創設 3. 中小企業の法人税の軽減税率の延長 1

1. 事業承継の円滑化 2

〇 個人事業者の事業承継税制の創設 創設 相続税 贈与税 10年間の時限措置として 土地 建物 機械等の承継に係る贈与税 相続税の新たな納税猶 予制度を創設 法人の事業承継と同様 承継計画を作成して確認を受ける仕組みとし 承継後は事業 資産 保有の継続を定期的に確認 事業用宅地の面積上限 400 と事業用建物の床面積上限 800 を設定 〇現行の小規模宅地特例 相続により取得した土地 最大400 について 評価額を80 減額 〇創設する税制措置 〇純資産4,800万円以上保有の 個人事業主の事業用資産構成 その他 37% 土地 29% ①土地 建物 機械等の承継に係る贈与税 相続税の100 納 税猶予制度を創設 ②適切な資産区分を行う個人事業者に限定し 10年間の時限措 置として創設 器具備品 2% 機械 4% 建物 28% ③生前贈与時 相続時いずれにも適用可能 出所 中小企業庁アンケート調査 N 93 現行の小規模宅地特例との選択適用 後継者の死亡 一定の重度障害 一定の災害の場合は猶予税額を免除 経営環境変化や心身の故障等により適用対象資産を譲渡又は廃業する場合 その時点の資産価額で猶予税額を再計算し 差額免除 3

参考 小規模宅地等の課税価格の計算の特例 一定の宅地等を相続した場合には その宅地等について 相続税の課税価格に算入すべき価額 の計算上 相続税の課税価格から一定の割合を減額する制度 概 要 適用期間 期限の定めなし 宅地等 被相続人等の事業の用に供されて いた宅地等 減額される割合 適用対象限度面積 特定事業用 貸付事業以外 80 400 特定同族会社事業用 80 400 貸付事業用 50 200 80 330 特定居住用 ① 居住用宅地 を相続で取得した場合 居住用 上限330 まで 80 減額 要件 同居親族が取得し申告期限まで居住 等 ② 事業用宅地 を相続で取得した場合 事業用 上限400 まで 80 減額 要件 相続税申告期限までの事業継続 等 ①居住用宅地②事業用宅地 は併用可能 最大730 まで適用可能 見直し 制度の濫用を防止する観点から ①相続前3年以内に事業の用に供された宅地については 特例の対象から除外する ②ただし ①に該当する宅地であっても 当該宅地の上で事業の用に供される償却資産の価額が 当該 宅地の相続時の価額の15 以上であれば 特例の適用対象とする 4

( 参考 ) 今年度の税制改正で抜本拡充した法人の事業承継税制について 事業承継の際の贈与税 相続税の納税を猶予する 事業承継税制 を 今年度の税制改正で抜本的に拡充 これにより 事業承継時の税負担ゼロ等が実現された 他方で 個人事業者の事業承継を促進するための税制上の措置については 平成 30 年度税制改正大綱において 引き続き総合的に検討することとされていた 〇法人向け事業承継税制の抜本拡充 税制適用の入り口要件を緩和 対象株式数の上限を撤廃し全株式を適用可能に また 納税猶予割合も 100% に拡大することで 承継時の税負担ゼロに 親族外を含む複数の株主から 代表者である後継者 ( 最大 3 人 ) への承継も対象に 中小企業経営の実状に合わせた 多様な事業承継を支援 〇拡充後の法人向け事業承継税制の申請状況 拡充前は 年間 400 件 程度の申請であった 税制適用後のリスクを軽減 5 年間で平均 8 割以上の雇用要件を未達成の場合でも 猶予を継続可能に ( 経営悪化等が理由の場合 認定支援機関の指導助言が必要 ) 売却額や廃業時の評価額を基に納税額を計算し 承継時の株価を基に計算された納税額との差額を減免 経営環境の変化による将来の不安を軽減 〇平成 30 年度与党税制改正大綱 第三検討事項 ( 抜粋 ) 個人事業者の事業承継に係る税制上の措置については 現行制度上 事業用の宅地について特例措置があり 既に相続税負担の大幅な軽減が図られていること 事業用資産以外の資産を持つ者との公平性の観点に留意する必要があること 法人は株式等が散逸して事業の円滑な継続が困難になるという特別の事情により特例が認められているのに対し 個人事業者の事業承継に当たっては事業継続に不可欠な事業用資産の範囲を明確にするとともに その承継の円滑化を支援し代替わりを促進するための枠組みが必要であること等に留意し 既存の特例措置のあり方を含め 引き続き総合的に検討する 5

参考 中小企業の経営者の高齢化の現状等について 今後10年の間に 70歳 平均引退年齢 を 超える中小企業 小規模事業者の経営者は約 245万人となり うち約半数の127万人 日本 企業全体の1/3 が後継者未定 2025年に70歳以上となる個人事業者は 約 150万人と推計される 法人 46% 70歳未満 (79万人) 20年間で経営者年齢の 山は47歳から66歳へ移動 帝国データバンクの企業概要ファイルを再編加工 倒産件数は減少傾向にあるも 休廃業件数は 横ばい 中小企業の倒産件数 個人事業者 27% 70歳未満 (59万人) 73% 70歳以上 (150万人) 平成28年度総務省 個人企業経済調査 平成28年度 (株)帝国データバンクの企業概要ファイルから推計 経営者年齢別の売上高 直近3年間 をみると 若い経営者層では 売上高が増加する傾向 増加 休廃業 解散件数 全体 横ばい 27.5% 30歳未満 減少 44.3% 38.9% 30歳以上40歳未満 44.7% 21.8% 70歳以上 46.7% 14.4% 0% 44.7% 20% 11.6% 43.8% 26.0% 60歳以上70歳未満 13.9% 37.1% 33.8% 50歳以上60歳未満 28.1% 47.2% 51.2% 40歳以上50歳未満 出典 (株)東京商工リサーチ調べ 休廃業 解散件数には大企業も含む 54% 70歳以上 (93万人) 22.4% 29.2% 31.5% 40.9% 40% 60% 80% 100% 平成28年度 中小企業庁委託調査 6

7 2. 中小 小規模事業者の 攻めの投資 を支援する税制措置 - 中小企業経営強化税制の延長及び拡充 - 中小企業投資促進税制の延長 - 商業 サービス業 農林水産業活性化税制の延長 - 中小企業防災 減災投資促進税制の創設

中小企業 小規模事業者の 攻めの投資 を支援する税制措置の延長 ( 法人税 所得税 法人住民税 事業税 ) 中小企業 小規模事業者の 攻めの投資 を後押しするための税制として 中小企業投資促進税制 商業 サービス業 農林水産業活性化税制 中小企業経営強化税制を措置 新しい経済政策パッケージ ( 平成 29 年 12 月閣議決定 ) においては 2020 年までの 3 年間を 生産性革命 集中投資期間 と位置付け 大胆な税制 予算 規制改革等の施策を総動員して 生産性革命 を実現することとしている 引き続き 中小企業の積極的な設備投資を後押しするため 攻めの投資 を支援する税制措置の適用期限を 2 年間延長 概要 適用期限 : いずれの税制措置も平成 32 年度末まで 設備の種類 ( 価額要件 ) 機械装置 (160 万円以上 ) ソフトウェア (70 万円以上 ) 工具 器具備品 (30 万円以上 ) 建物附属設備 (60 万円以上 ) 支援措置 中小企業経営強化税制 即時償却又は税額控除 10%( 7%) 延長 拡充 中小企業投資促進税制 30% 特別償却又は税額控除 7%( 30% 特別償却のみ適用 ) 延長 生産性向上設備 (A 類型 ) 生産性が年平均 1% 以上向上 収益力強化設備 (B 類型 ) 投資利益率 5% 以上のパッケージ投資 商業 サービス業活性化税制 30% 特別償却又は税額控除 7%( 30% 特別償却のみ適用 ) 延長 を付した部分は 資本金 3,000 万円超 1 億円以下の法人の場合 新しい経済政策パッケージ ( 平成 29 年 12 月 8 日閣議決定 )( 抄 ) 2020 年までの 3 年間を 生産性革命 集中投資期間 として 大胆な税制 予算 規制改革等の施策を総動員する これにより 1 我が国の生産性を 2015 年までの 5 年間の平均値である 0.9% の伸びから倍増させ 年 2% 向上 22020 年度までに対 2016 年度比で日本の設備投資額を 10% 増加 32018 年度以降 3% 以上の賃上げ といった目標の達成を目指して 生産性革命 を実現し 国民一人ひとりのやりがいの発揮や 持続的な賃金上昇とデフレからの脱却につなげるとともに 我が国の潜在成長率の向上と国際競争力の強化を実現する 8

〇 中小企業経営強化税制 法人税 所得税 法人住民税 事業税 延長 拡充 中小企業経営強化税制は 中小企業の稼ぐ力を向上させる取組を支援するため 中小企業等経営強化法 による認定を受けた経営力向上計画に基づく設備投資について 即時償却及び税額控除 10 のいずれかの適用を認める措置 中小企業 小規模事業者の生産性向上に向けた設備投資を後押しするため 本税制措置の適用期限を 2年間延長 働き方改革に資する設備 休憩室に設置される冷暖房設備や作業場に設置されるテレワーク用PC等 も本税制措置の適用対象であることを明確化 改正概要 適用期限 平成32年度末まで 資本金3,000万円以上の中小企業者等の税額控除率は7 9

〇 中小企業投資促進税制 法人税 所得税 法人住民税 事業税 延長 中小企業投資促進税制は 中小企業における生産性向上等を図るため 一定の設備投資を行った場合 に 特別償却 30 又は税額控除 7 の適用を認める措置 引き続き 中小企業の設備投資を促すため 本税制措置の適用期限を2年間延長 税額控除は資本金3,000万円以下の中小企業者等に限る 改正概要 適用期限 平成32年度末まで 10

〇 商業 サービス業 農林水産業活性化税制 所得税 法人税 法人住民税 事業税 延長 本税制措置は 消費税率の引上げを見据えつつ 店舗の魅力向上や業務改善等に資する設備投資を促進すること で 商業 サービス業を営む中小企業者等の経営の安定化 活性化を図ることを目的として平成25年度に創設され たもの 商業 サービス業を営む中小企業者等が経営改善指導等に基づき 建物附属設備 1台60万円以上 又は器 具 備品 1台30万円以上 を取得した場合に 取得価額の30 の特別償却又は7 の税額控除 を認める措置 消費税率の引上げを見据えつつ 商業 サービス業を営む中小企業者等の設備投資と経営改善を引き続き促進すべ く 適用期限を2年間延長 改正概要 適用期限 平成32年度末まで 活性化に資する設備の例 税額控除は資本金3,000万円以下の中小企業者等に限る 中小商業 サービス業 店舗内のイメージアップ 集客力の拡大 照明設備 ダウンライト 相談 シャンプー台設備 例1 理容椅子 経営改善指導等 え1 経営改善指導等に基づく 設備投資 例2 冷蔵オープンショーケース 税制措置 特別償却30 又は税額控除7 経営改善指導等を行う機関 商工会 商工会議所 都道府県中小企業団体中央会 商店街振興組合連合会 認定経営革新等支援機関 等 アドバイス書類における追加要件 本税制措置を用いて行う設備投資と経営改善 によって 年間2 以上の売上高又は営業利益 の伸びが達成できると見込まれること を予め明記したうえで アドバイス機関から 経営 改善に係る指導 助言を受けること 11

創設 〇 中小企業防災 減災投資促進税制 法人税 所得税 法人住民税 事業税 自然災害が頻発する中 災害による影響を軽減するための事前対策の強化は喫緊の課題となっている 中小企業が災害への事前対策を強化するための設備投資を後押しするため 自家発電機 制震 免震装置 等の防災 減災設備に対して 特別償却 20 を講じる 事業者が作成した事前対策のための計画を 経済産業大臣が認定 認定計画に含まれる設備の導入に対し て 上記の税制措置を適用 概要 適用期限 平成32年度末まで 税制の概要 対象者 事業継続力強化計画 仮称 の認定を受けた中小企業 小規模事業者 対象設備 事前対策を強化するために必要な防災 減災設備 対象設備 機械設備 100万円以上 自家発電機 排水ポンプ 等 器具備品 30万円以上 制震 免震ラック 衛生電話 等 建物付属設備 60万円以上 止水版 防火シャッター 排煙設備 等 税制措置の内容 対象設備への投資に対する特別償却 20 を講じる 税制措置のスキーム 経済産業大臣 ②申請 ③認定 ① 強化計画 仮称 策定 対象事業者 中小企業 小規模事業者 計画記載事項 取組内容 実施期間 防災 減災設備の内容 等 ⑤税制優遇 ④税務申告 所轄の税務署 12

3. 中小企業の法人税の軽減税率の延長 13

〇中小企業者等の法人税率の特例 ( 法人税 法人住民税 ) 延長 中小企業者等の法人税率について 年間 800 万円以下の所得金額に対する税率は 15% に軽減に軽減されている 海外経済の不確実性や人手不足 労働生産性の伸び悩みや後継者難等を背景とした先行き不透明感が指摘される中 中小企業 小規模事業者の経営基盤を引き続き強化するため 本税制措置の適用期限を 2 年間延長 改正概要 本則 : 期限の定めなし 租税特別措置法 : 適用期限平成 32 年度末まで 中小企業者等の法人税率は 年 800 万円以下の所得金額について 19% に軽減されている ( 本則 ) 当該税率は 平成 33 年 3 月 31 日までの時限的な措置として 更に 15% に軽減 ( 租特 ) 対象本則税率租特税率 大法人 ( 資本金 1 億円超の法人 ) 所得区分なし 23.2% - 中小法人 ( 資本金 1 億円以下の法人 ) 年 800 万円超の所得金額 23.2% - 年 800 万円以下の所得金額 19% 15% 14