全国におけるポジショニング

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4 子育てしやすいようにするための制度の導入 仕事内容への配慮子育て中の社員のため以下のような配慮がありますか? 短時間勤務ができる フレックスタイムによる勤務ができる 勤務時間等 始業 終業時刻の繰上げ 繰下げによる勤務ができる 残業などの所定外労働を制限することができる 育児サービスを受けるため

ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)  レベル診断チェックシート


中小企業のための「育休復帰支援プラン」策定マニュアル

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男女共同参画に関する意識調査

参考 1 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに

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厚生労働省発表

男女共同参画に関する意識調査

25~44歳の子育てと仕事の両立

1. 職場愛着度 現在働いている勤務先にどの程度愛着を感じているかについて とても愛着がある を 10 点 どちらでもない を 5 点 まったく愛着がない を 0 点とすると 何点くらいになるか尋ねた 回答の分布は 5 点 ( どちらでもない ) と回答した人が 26.9% で最も多かった 次いで

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - H29 結果概要

参考 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに 家

十和田市 事業別に利用数をみると 一時預かりは 年間 0 (.%) 以 上 (.) - (.%) の順となっています 問. 一時預かり ( 年間 ) n= 人 以上. 幼稚園の預かり保育は 年間 0 (.%) 以上 (.%) (.%) の順となっています ファミリー サポー

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2. 調査結果 1. 回答者属性について ( 全体 )(n=690) (1) 回答者の性別 (n=690) 回答数 713 のうち 調査に協力すると回答した回答者数は 690 名 これを性別にみると となった 回答者の性別比率 (2) 回答者の年齢層 (n=6

平成28年度企業主導型保育事業の助成決定について(第1回)

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第 1 章調査の実施概要 1. 調査の目的 子ども 子育て支援事業計画策定に向けて 仕事と家庭の両立支援 に関し 民間事業者に対する意識啓発を含め 具体的施策の検討に資することを目的に 市内の事業所を対象とするアンケート調査を実施しました 2. 調査の方法 千歳商工会議所の協力を得て 4 月 21

第第第ライフスタイルに対する国民の意識と求められるすがた50 また 働いていないが 今後働きたい と回答した人の割合は 男性では 7.4% であるのに対し て 女性は19.1% である さらに 女性の中では 30 代の割合が高く ( 図表 2-1-2) その中でも 特に三大都市圏で高い割合となってい

調査の概要 少子高齢化が進む中 わが国経済の持続的発展のために今 国をあげて女性の活躍推進の取組が行なわれています このまま女性正社員の継続就業が進むと 今後 男性同様 女性も長年勤めた会社で定年を迎える人が増えることが見込まれます 現状では 60 代前半の離職者のうち 定年 を理由として離職する男

2015年 「働き方や仕事と育児の両立」に関する意識(働き方と企業福祉に関する

従業員に占める女性の割合 7 割弱の企業が 40% 未満 と回答 一方 60% 以上 と回答した企業も 1 割以上 ある 66.8% 19.1% 14.1% 40% 未満 40~60% 未満 60% 以上 女性管理職比率 7 割の企業が 5% 未満 と回答 一方 30% 以上 と回答した企業も 1

「終活」に関する意識調査

幼児期の教育 保育の需給計画 ( 平成 28 年度実績 ) の点検 評価結果について 資料 2 1 需給計画の策定 かながわ子どもみらいプラン においては 待機児童の解消を図り 子育て家庭のニーズにあった就学前児童の教育 保育の提供体制の充実を計画的に進めるため 各年度 ( 平成 27 年度 ~ 平

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スライド 1

調査結果 1. 働き方改革 と聞いてイメージすること 男女とも 有休取得 残業減 が 2 トップに 次いで 育児と仕事の両立 女性活躍 生産性向上 が上位に 働き方改革 と聞いてイメージすることを聞いたところ 全体では 有給休暇が取りやすくなる (37.6%) が最も多く 次いで 残業が減る (36

流山市子ども・子育て会議

平成20年1月15日

調査実施の背景 わが国では今 女性活躍を推進し 誰もが仕事に対する意欲と能力を高めつつワークライフバランスのとれた働き方を実現するため 長時間労働を是正し 労働時間の上限規制や年次有給休暇の取得促進策など労働時間制度の改革が行なわれています 年次有給休暇の取得率 ( 付与日数に占める取得日数の割合

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子ども・子育て支援新制度の解説資料 1.制度概要 その1

7 8 O KAYAKU spirit I O K T C % E C O M T O K T T M T I O O T C C C O I T O O M O O

調査結果 転職決定者に聞く入社の決め手 ( 男 別 ) 入社の決め手 を男 別でみた際 性は男性に比べると 勤務時間 休日休暇 育児環境 服装 オフィス環境 職場の上司 同僚 の項目で 10 ポイント以上 かった ( 図 1) 特に 勤務時間 休日休暇 の項目は 20 ポイント以上 かった ( 図

我が国の女性の活躍推進に向けて

1 少子化に対する県民の問題意識 少子化に対する問題意識 約 9 割の人が少子化を問題であると回答しています 出生率低下に関する認識 原因 出生率低下の原因は 子育て費用の負担が大きい 安心して子育てできる社会制度が十分でない などと捉えられています 図表 1 少子化に対する問題意識 2.2% 2.

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調査実施の背景 2015 年 4 月から子ども 子育て支援新制度 以下 新制度 が施行され 保育事業の拡大が図られます そのため保育人材の確保が重要な課題となっており 保育士確保のための取組が強化されています しかし保育士のみでは必要量を満たせないことから 子育て分野で働くことに関心のある地域住民に

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規定例 ( 育児 介護休業制度 ) 株式会社 と 労働組合は 育児 介護休業制度に関し 次 のとおり協定する ( 対象者 ) 育児休業の対象者は 生後満 歳に達しない子を養育するすべての従業員とする 2 介護休業の対象者は 介護を必要とする家族を持つすべての従業員とする 介護の対象となる家族の範囲は

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小-労働法ハンドブック-18.indd

希望するみんなが保育園に入れる社会をめざす会 潜在待機児童数に関する考察 1. はじめに希望するみんなが保育園に入れる社会をめざす会 ( 以降 本会 と記す ) では 待機児童が概ねゼロになる状況をめざす上で 保育園を増やしても待機児童問題が解消されない原因を把握し その原因を

1. 交際や結婚について 4 人に3 人は 恋人がいる または 恋人はいないが 欲しいと思っている と回答している 図表 1 恋人が欲しいと思わない理由は 自分の趣味に力を入れたい 恋愛が面倒 勉強や就職活動に力を入れたい の順に多い 図表 2 結婚について肯定的な考え方 ( 結婚はするべきだ 結婚

1 子ども 子育て支援新制度がはじまります 子ども 子育て支援法 等の成立により すべての子どもと子育て家庭を総合的に支援していく 子ども 子育て支援新制度 が平成 27 年 4 月から全国的にスタートします 子ども 子育て支援新制度 では 幼稚園や保育所 地域の子育て支援の充実を図るとともに 認定

教育 保育提供体制 平成 27 年度 見込量 確 ( 提保供方量策 ) 子ども 子育て支援事業の確保方策について 市全域 認定こども園 保育所 地域型保育 1 号認定 2 号認定 3 号認定 3 歳以上教育希望 3 歳以上教育希望 3 歳以上保育必要 1~2 歳保育必要 0 歳保育必要

Microsoft Word 結果の概要(1世帯)

草津市 ( 幼保一体化 ) 集計表 資料 4 幼児教育と保育の一体的提供のための現況調査 ( 施設アンケート ) 速報 平成 25 年 7 月草津市 1

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図表 1 人口と高齢化率の推移と見通し ( 億人 ) 歳以上人口 推計 高齢化率 ( 右目盛 ) ~64 歳人口 ~14 歳人口 212 年推計 217 年推計

第 5 章管理職における男女部下育成の違い - 管理職へのアンケート調査及び若手男女社員へのアンケート調査より - 管理職へのインタビュー調査 ( 第 4 章 ) では 管理職は 仕事 目標の与え方について基本は男女同じだとしながらも 仕事に関わる外的環境 ( 深夜残業 業界特性 結婚 出産 ) 若

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長野県の少子化の現状と課題

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電通総研、「女性×働く」調査を実施

平成 26 年 8 月 仙台市 認可保育所利用申請者数 15,077 人 14,340 人 13,826 人 認可保育所入所者数 13,994 人 13,401 人 13,069 人 市の保育施策で対応している児童数 人 174 人 157 人 待機児童数 人 533 人 4

23 歳までの育児のための短時間勤務制度の制度普及率について 2012 年度実績の 58.4% に対し 2013 年度は 57.7% と普及率は 0.7 ポイント低下し 目標の 65% を達成することができなかった 事業所規模別では 30 人以上規模では8 割を超える措置率となっているものの 5~2

第5回「仕事・会社に対する満足度」調査  

社内様式 2 育児 介護 休業取扱通知書 平成年月日 会社名 あなたから平成年月日に 育児 介護 休業の 申出 期間変更の申出 申出の撤回 がありました 育児 介護休業等に関する規則 ( 第 3 条 第 4 条 第 5 条 第 7 条 第 8 条及び第 9 条 ) に基づき その取扱いを下のとおり通

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2. 子ども人口の推計について 人口推計は 今後の教育 保育の量の見込みを算出する上で非常に重要であるため 改めて平成 30 年度及び平成 31 年度の人口推計値を算出しました 当初計画値と実績値を比較すると 人口は計画値ほど減少しないことから平成 30 年度以降も人口減少は緩やかなものとして見直し

育児休業申出書式例

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1 調査目的 今年度策定する 津山市総合戦略 で 子どもを産み 育てやすい環境づくりに 向けた取組みを進めるにあたり 出産 子育ての現状を把握するために実施した 2 調査内容の背景と設問設定理由国では 出生率を 2.07 まで高めることで 2060 年に現状の社会構造を維持できる人口 1 億人程度を

調査要領 1. 調査の目的 : 人口減少による労働力不足が懸念されるなかで 昨年 4 月には女性活躍推進法 ( 正式名称 : 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律 ) が施行されるなど 女性の社会進出がさらに進むことが期待されている そこで 女性の活躍に向けた取り組み状況について調査を実施す

平成 27 年 3 月 田川市

スライド 1

スライド 1

正社員はピンク色で示されています 未婚や既婚で子どもがいないときは ある程度正社員の割合は高いのですが 子どもが 3 歳以下のときからぐっと減りまして その後子どもの年齢が上がっていっても正社員の割合は上がってきません 子どもが大きくなると 働いている割合は徐々に上がっていきますが パート アルバイ

希望をかなえるまちづくり 結婚 出産 子育て 結婚 出産 子育ての希望実現 1 結婚や出産に対する支援の充実 一人ひとりが結婚や出産について諦めることなく取 り組める環境をつくることによって まちに家族を持つこ との幸せをもたらします 結婚を希望する人の未婚率の改善 結婚や妊娠 出産に関するライフプ

4-1 育児関連 育児休業の対象者 ( 第 5 条 第 6 条第 1 項 ) 育児休業は 男女労働者とも事業主に申し出ることにより取得することができます 対象となる労働者から育児休業の申し出があったときには 事業主は これを拒むことはできません ただし 日々雇用される労働者 は対象から除外されます

地域子育て支援拠点事業について

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関東地方の者が約半数を占める (45.3%) 続いて近畿地方 (17.4%) 中部地方 (15.0%) となっている 図表 2-5 地域構成 北海道 東北関東中部近畿中国四国九州 沖縄総数 (%) 100.0% 8.9% 45.3%

社内様式 2 育児 介護 休業取扱通知書 あなたが平成年月日にされた 育児 介護 休業の申出について 育児 介護休業等に関する規則 第 3 条 第 7 条 に基づき その取扱いを下のとおり通知します ( ただし 期間の変更の申出があった場合には下の事項の若干の変更があり得ます ) 1 休業の期間等

2016 年度の主な活動実績 2WAY マネジメント 2WAY コミュニケーションをより充実させ 効果的な面談を実施するための運用について 2016 年度も継続して 労使間で協議を重ねま した また One NEC Survey( 従業員意識調査 ) の結果もふまえ 各職場でのマネジメント向上施策を

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第 2 章 子どもと子育てを取り巻く現状


育児のための両立支援制度 制度の概要 ( イメージ ) 出生 1 歳 1 歳 6か月 3 歳就学 パパ ママ育休プラス 1 歳 6 か月延長 ( 子の年齢 ) ⑴ 育児休業 Ⅰ Ⅱ 努力義務 ⑵ 短時間勤務制度 ⑶ 所定外労働の免除 努力義務 努力義務 ⑷ 子の看護休暇 ⑸ 法定時間外労働の制限 ⑹

女性が働きやすい環境を整え社会に活力を取り戻す

結婚しない理由は 結婚したいが相手がいない 経済的に十分な生活ができるか不安なため 未婚のに結婚しない理由について聞いたところ 結婚したいが相手がいない (39.7%) で最も高く 経済的に十分な生活ができるか不安なため (2.4%) 自分ひとりの時間が取れなくなるため (22.%) うまく付き合え

(2) 月額の手取り収入と扶養控除について 図 2: 月額の手取り収入について ( 既婚女性 n=968 未婚女性 n=156) 図 3:( 上 ) 扶養控除や健康保険免除について ( 月収 10 万円未満 n=802 月収 10 万円以上 n=166) ( 下 ) 働く際に扶養控除などを気にしてい

2019 年 3 月 経営 Q&A 回答者 Be Ambitious 社会保険労務士法人代表社員飯野正明 働き方改革のポイントと助成金の活用 ~ 働き方改革における助成金の活用 ~ Question 相談者: 製造業 A 社代表取締役 I 氏 当社における人事上の課題は 人手不足 です 最近は 予定

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飾区子ども 子育て支援ニーズ調査速報値 参考資料 1 問 1. お住まいの地域 1. 東部地域 702 ( 21.2) 2. 西部地域 1,118 ( 33.8) 3. 南部地域 855 ( 25.9) 4. 北部地域 608 ( 18.4) 5. 無回答 24 ( 0.7) 合計 3,307 (

子ども・子育て会議(第7回) 次世代育成支援対策推進法の延長等の検討について

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02世帯


1 お子さんとご家族の状況について 子どもをみてもらえる親族 知人 0 歳 1 2 歳 3~5 歳ともに 緊急時もしくは用事の際には祖父母等の親族にみてもらえる が最も多く 60 を超えています 0 歳児は他の年齢に比べて 日常的に祖父母等の親族にみてもらえる が 37.1 となっています 少数では

申出が遅れた場合は 会社は育児 介護休業法に基づき 休業開始日の指定ができる 第 2 条 ( 介護休業 ) 1 要介護状態にある対象家族を介護する従業員 ( 日雇従業員を除く ) 及び法定要件を全て満たした有期契約従業員は 申出により 介護を必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲で

必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲内で 3 回を上限として介護休業をすることができる ただし 有期契約従業員にあっては 申出時点において 次のいずれにも該当する者に限り 介護休業をすることができる 一入社 1 年以上であること二介護休業開始予定日から 93 日を経過する日から

今後の雇用均等行政について

Transcription:

月月 女性の仕事と子育てに関する調査 ~ 求められる社員の理解と意識改革 ~ 少子高齢化に伴う労働力不足が顕著化してきており 女性の労働力に注目が集まっている しかしながら 就業を希望しながらも仕事と育児を両立させるための条件等が合わず 出産を機に退職することも多く 働き続けることができる職場環境等の構築が求められている そこで当研究所では 熊本県内に在住する女性を対象に 子育て支援や女性の活躍推進に関するアンケート調査を実施した 本稿では その調査結果等を踏まえて 出産後も働き続けるための支援や女性の活躍を推進するために必要なものなどを明らかにしていきたい 調査結果のポイント 1. 子育てしながら働く上で困ったことは 子どもが急病になった時の仕事の調整 が 76.8 と最も多く 学校行事等への参加と仕事の調整 (5.) 子どもの長期休暇の時の仕事の調整 (32.6) となった 2. 男性社員の家事 育児の参加に向けた職場の取り組み状況は 取り組んでいない が 45.2 と最も多く あまり取り組んでいない (3.7) の合計は7 割を超えている これに対して 積極的に取り組んでいる は 5.8 ある程度取り組んでいる が 18.3 となった 3. 仕事と育児の両立のために職場で必要なことは 休暇を取得しやすい職場環境 が 68.4 と最も多く 上司の理解 (68.3) 同僚の理解 協力 (61.5) と続いている 4. 勤務先における女性の活躍推進の状況は 進んでいる (17.2) ある程度進んでいる (31.8) の合計は49. だった 一方で 進んでいない (25.8) あまり進んでいない (25.2) の合計は51. となった 5. 女性の活躍推進のために必要なことは 長時間労働を前提としない働き方 が 5.6 と最も多く 経営者 管理職の意識改革 (47.) 男性社員の意識改革 (45.7) と続いた 調査の概要 1. 調査対象 : 熊本県在住の2 歳以上 5 歳未満の働いている女性及び働いていないがいずれ働く予定の女性 2. 調査期間 :217 年 2 月 21 日 ~23 日 3. 調査方法 : 調査会社登録モニターへのネット調査 ( 調査会社 : マクロミル ) 4. 有効回答 :621 人 回答者の属性 全体 2 代 3 代 4 代 全体 未婚 未既婚 既婚 子どもの有無 子どもあり 子どもなし 就業状況 働いている 働いていない 621 311 31 285 336 465 156 1. 5.1 49.9 45.9 54.1 74.9 25.1 27 141 66 52 155 155 52 1. 68.1 31.9 25.1 74.9 74.9 25.1 27 99 18 13 14 155 52 1. 47.8 52.2 49.8 5.2 74.9 25.1 27 71 136 13 77 155 52 1. 34.3 65.7 62.8 37.2 74.9 25.1 1

1. 出産時 出産後の支援 (1) 末子出産時の就業状況子どもがいる働く女性に対して 末子出産時の就業状況をたずねると 育児休業を取得して仕事を続けた が 36.8 と最も多く 育児休業を取得しないで仕事を続けた (7.9) を合計すると 44.7 となり 4 割を超える女性が出産後も仕事を継続していた これに対して 仕事をやめた は 31.1 だった ( 図表 1) 年代別にみると 4 代は 育児休業を取得して仕事を続けた が 18.9 となり 2 代 ( 55.2) 3 代 (54.5) に比べて低くなっている 図表 1 末子出産時の就業状況 (n=19) 2 4 6 8 1 全体 31.1 36.8 7.9 24.2 2 代 41.4 55.2. 3.4 3 代 18.2 54.5 12.1 15.2 4 代 36.8 18.9 7.4 36.8 仕事をやめた育児休業を取得して仕事を続けた育児休業を取得しないで仕事を続けた出産時は仕事をしていなかった (2) 子育て支援制度の利用状況子どもがいる 188 人に職場の子育て支援制度の利用についてたずねると 育児休業 が 42. と最も多く 以下 子どもの看護休暇 (17.6) 短時間勤務制度 (16.5) と続いている 3 歳未満の子どもがいる人が利用できる 短時間勤務制度 は 1 日の所定労働時間を原則 6 時間に短縮する制度であるが その利用は1 割強にとどまり 多くの女性は時間を短縮することなく働いているようである また どれも利用しなかった が 42.6 と最も多いことが目を引いた 自由回答をみると 両親に預かってもらった という意見があり 両親等親族の支援を受けている人もいるようである 一方で 育児休業などの休みが取りにくい という意見も見受けられ 子育て支援制度があるにもかかわらず 利用しにくい職場もあると思われる ( 図表 2) 2

3 55.1 37.2 15.8 15.8 14.4 1.2 7.4 5.3 4.6 3.9 1.8 1.4.4.4 4.2 1 2 3 4 5 6 認可保育所幼稚園認定こども園放課後児童クラブ一時預かり保育病児保育認可外保育施設ファミリー サポート センター事業所内保育所 1 小規模保育 2 家庭的保育 ( 保育ママ ) 3 子育て短期支援ベビーホテルベビーシッター 女性の仕事と子育てに関する調査 (3) 子育て支援サービスの利用状況次に 子どもがいる 285 人に子育て支援サービスの利用についてたずねた 認可保育園 が最も多く 55.1 以下 幼稚園 (37.2) 認定こども園 放課後児童クラブ (15.8) と続いている ( 図表 3) 215 年 4 月に子ども 子育て支援新制度がスタートしたことで 幼稚園と保育所の両方の機能を併せ持つ認定こども園の件数が増加しており 認可保育所 幼稚園に次ぐ利用となったようである また 放課後児童クラブ は 15.8 となり 子育て中の女性にとって子どもの受け皿になっていることがうかがえた 新たな保育の場として設置された 小規模保育 家庭的保育 ( 保育ママ ) は 保育需要が最も多い ~2 歳児を預かる施設であり 待機児童解消の一助となることが期待されているが 利用は少ないようである 図表 2 子育て支援制度の利用状況 ( 複数回答 ) (n=188) 42. 17.6 16.5 7.4 6.4 5.3 1.1 42.6 5.9 1 2 3 4 5 育児休業子どもの看護休暇短時間勤務制度所定外労働 ( 残業 ) の免除深夜労働の制限法定時間外労働の制限どれも利用しなかったわからない 図表 3 子育て支援サービスの利用状況 ( 複数回答 ) (n=285) 1 事業所内保育所 : 会社の事業所の保育施設などで 従業員の子どもと地域の子どもを一緒に保育する 2 小規模保育 :~2 歳児を対象とした定員 6~19 人以下の少人数で行う保育 3 家庭的保育 : 家庭的保育者の居宅や保育のために借りたマンション等で ~2 歳児を対象とした定員 5 人 ( 保育ママ ) 以下の少人数で行う保育

(4) 育児休業取得者への支援次に 育児休業を取得する際に欲しい支援をたずねると 休業前に面談を実施 休業中に職場からの定期的な連絡 復職前に人事担当者と復職に向けた面談 が 32.9 となり 同率で上位を占めた また 復職後のキャリアプランの策定 は18.6 復職後に研修の実施 は12.9 だった ( 図表 4) 育児休業取得者は 休職中の職場に関する情報不足を不安に感じていると思われ 復職後に行われる支援よりも休業中の連絡や復職に向けた支援を望んでいるようである 図表 4 育児休業を取得する際に欲しい支援 ( 複数回答 ) (n=7) 6 全体 2 代 3 代 4 代 4 32.9 32.9 32.9 2 休業前に面談を実施 休業期中的にな職連場絡からの定 復復職職前にに向人け事た担面当談者と 18.6 復職後ンののキャ策定リアプ ラ 14.3 12.9 休業中に紹通介信教育等の 復職後に研修の実施 4.3 休た業懇中談に休会業の開者催を集め 7.1 2. 仕事と育児の両立に向けて (1) 子育てをしながら働く上で困ったこと子どもがいる19 人に子育てしながら働く上で困ったことをたずねると 子どもが急病になった時の仕事の調整 が76.8 と最も多く 以下 学校行事等への参加と仕事の調整 (5.) 子どもの長期休暇の時の仕事の調整 (32.6) となり 仕事の調整に関する項目が上位になった 自由回答をみると 子どもの急病などで休みづらい という意見があり 突発的な休暇に対して理解が得られにくい職場もあると思われ 同僚などに気を使いながら休暇を取得する人もいるようである また 配偶者の協力 は 3.5 となり 配偶者に対して家事や育児への協力を期待している女性もいると思われる ( 図表 5) 4

図表 5 子育てをしながら働く上で困ったこと ( 複数回答 ) (n=19) 1 8 76.8 全体 2 代 3 代 4 代 6 5. 4 2 た時の仕事の調整 子どもが 急病になっ 学校仕行事事の等調への整参加と 32.6 3.5 時の仕事の調整 子どもの 長期休暇の 配偶者の協力 21.1 保育所等への送迎 16.3 15.3 12.1 塾など習い事への送迎 両親等親族の協力 仕職事場との子理育解て不両足立への 2.6 (2) 男性社員の家事 育児の参加への取り組み次に 子育てしながら働く上で配偶者の協力の必要性を感じている女性がいる中で 男性社員の家事 育児への参加に向けた職場の取り組みを女性目線でみることにする 働いている 465 人にたずねると 取り組んでいない が 45.2 と最も多く あまり取り組んでいない (3.7) を合わせると 7 割を超えている これに対して 積極的に取り組んでいる は 5.8 で ある程度取り組んでいる の 18.3 と合わせると 24.1 だった 男性社員の家事 育児への参加に向けた取り組みはこれからのようである ( 図表 6) 図表 6 男性社員の家事 育児の参加に向けた職場の取り組み (n=465) 積極的に取り組んでいる 5.8 取り組んでいない 45.2 ある程度取り組んでいる 18.3 あまり取り組んでいない 3.7 5

(3) 男性の家事や育児への参加を進めるために必要なことさらに すべての人に対して 男性の家事や育児への参加を進めるためにどのようなことが必要かをたずねると 男性社員の家事 育児への職場の理解 が 65.7 と最も多く 以下 子育て支援制度( 育児休暇等 ) の充実 (47.3) 短時間勤務など柔軟な働き方の推進 (46.9) 長時間労働の是正 (42.2) と続いている ( 図表 7) 男性の家事や育児への参加を進めるためには 経営者や管理職がその必要性を理解し 支援することが必要だと思われる また 上司が職場の応援体制を整えることで 同僚の理解も得やすくなり 育児休暇等を取得するなど 家事や育児に参加する男性が増えることが期待される また 自由回答の中には 夫の協力が必要だが 帰ってくるのは夜中で土日も仕事でいない という意見がみられた 男性が家事や育児に参加するためには 長時間労働を前提とした働き方を見直し 業務の効率化や短時間勤務なども含めて 早期終業のための仕組みづくりが必要だと思われる 図表 7 男性の家事や育児への参加を進めるために必要なこと ( 複数回答 ) (n=621) 8 65.7 6 4 2 児男へ性の社職員場のの家理事解 育 47.3 46.9 子休育暇て支等援 ) の制充度実 ( 育児 全体 2 代 3 代 4 代 短な時働間き勤方務のな推ど進柔軟 42.2 長時間労働の是正 3.6 援男制性度社紹の員介活の用子事育例ての支 17.7 性育社児員休と業の復情帰報後交の換女 3.9 (4) 仕事と育児の両立のために職場で必要なこと仕事と育児を両立させるために職場で必要なことをすべての人にたずねた 休暇を取得しやすい職場環境 が 68.4 と最も多く 以下 上司の理解 (68.3) 同僚の理解 協力 (61.5) 子育て支援制度の充実 (6.2) と続いている ( 図表 8) 自由回答をみると 会社全体の理解の向上 協力体制の強化 上司次第で復帰後の希望休暇の取りやすさなど違った 上司の意思統一をはかってほしい スタッフの少ない職場だと休みがもらい辛いので労働環境を整えて欲しい という意見が見受けられた また 女 6

性の理解不足 という意見もあった 仕事をカバーする女性の中には 子育て中の女性の休暇取得等について 負担がかかり迷惑だと考える人もいるようである さらに 働きやすいというよりは 休みやすい職場環境が必要 という意見がみられた 子育て中の女性は 子どもの行事などで休暇を取得する機会が多く 休暇を取得しやすい職場環境を重視しているようだ 図表 8 仕事と育児の両立のために職場で必要なこと ( 複数回答 ) (n=621) 8 68.4 68.3 6 4 61.5 6.2 54.1 47.7 47. 43.6 38.3 3.8 2 休暇を取環得境しやす い職場 上司の理解 同僚の理解 協力 子育て支援制度の充実 務時間の設定 短時間勤務など柔軟な勤 暇制度 半日や時間単位の有給休 子育てに関援する経済的支 向けた支援 育児休業後の職場復帰に 在宅勤務充な実ど勤務形態の 所定外労働 ( 残業 ) の免除 1.8 3. 女性の活躍推進に向けて (1) 女性の活躍推進 が進んでいる企業イメージ 女性の活躍推進 が進んでいる企業のイメージをすべての人にたずねると 出産 育児後も働き続ける女性が多い が 8.8 と最も多く 以下 評価 キャリアアップなどに男女差がない (57.3) 女性の平均勤続年数が長い (48.5) 管理職として働く女性が多い (39.3) と続いている ( 図表 9) 女性の社会進出が進み 出産後も働く女性が増加する一方で 働くことを希望しながらも 勤務条件などが合わず退職を余儀なくされることもある そのため 出産や育児後も働き続ける女性が多い企業は 働く環境を整えるなどの対策がなされていると推察され 女性の活躍を推進していると認識されるようである また 管理職は男性だけという職場もあると推察され 女性もキャリアアップを目指すことができる男女平等な職場という点も女性は活躍するために必要だと考えているようである 7

図表 9 女性の活躍推進 が進んでいる企業イメージ ( 複数回答 ) (n=621) 1 8.8 8 6 4 2 出産 育女児性後がも多働いき続ける 57.3 評価 男キャ女リ差アアがないップな どに 48.5 女性の平均い勤続年数が長 全体 2 代 3 代 4 代 39.3 38. 管理職として い働く女性が多 女性の意れ見ていが業る務に活かさ 31.7 3.6 女性の業務範囲が広い 男性の進育し児てい休業る取得を推 15.6 女性の比率が高い.6 (2) 勤務先における女性の活躍推進の状況次に 勤務先における女性の活躍推進の状況についてすべての人にたずねた 進んでいる (17.2) ある程度進んでいる (31.8) の合計は 49. であった 一方で 進んでいない (25.8) あまり進んでいない (25.2) の合計は 51. となった ( 図表 1) 自由回答をみると 進んでいる と回答した女性からは 女性管理職が多い 女性の意見が通りやすい という意見がみられた さらに 育児休業後復帰する人が多い 急な休みも取りやすい という意見も見受けられた 一方で 進んでいない と回答した女性では 男性優位な職場 女性社員への評価が低い 働く女性に理解がない という意見がみられた 図表 1 勤務先における女性の活躍推進の状況 (n=465) 進んでいない 25.8 あまり進んでいない 25.2 進んでいる 17.2 ある程度進んでいる 31.8 8

(3) 女性の活躍推進のために必要なこと女性の活躍推進のために必要だと思うことをすべての人にたずねた 長時間労働を前提としない働き方 は5.6 と最も多かった 保育所等へ子どもを預けて働く女性は 子どもの迎えなどによる時間的制約があり 残業を前提とした職場では働き続けることが難しくなると推察される 女性が働くためには 子どもの年齢に合わせた勤務時間の設定や短時間勤務など 長時間労働を前提としない働き方が必要だと思われる 自由回答をみると 勤務時間の短縮や週 3~4 日勤務など幅広い勤務体制が必要 短時間でもその人にあったスタイルで働ける自由な勤務時間の設定 という意見がみられ 状況に合わせた働き方を望む人もいるようである 次に 経営者 管理職の意識改革 で 47. 男性社員の意識改革 は 45.7 であった 自由回答をみると 女性は仕事に関して意識が低いと思い込んでいる男性社員がいる まだまだ男女で扱いの差がある まずは男性社員側の意識改革をしてほしい という意見がみられた また 女性は庶務などの簡易的な事務作業を割り当てられている という意見も見受けられ 女性だから という意識から 業務などに男女差を設けることもあるようである このような処遇は 女性のやる気を削ぐことにつながりかねないため 女性を戦力として捉え 業務の幅を広げるなどの意識改革が必要だと思われる また 女性自身の意識改革 は34.1 となり 男性だけでなく 女性自身も高い職業意識を持ち どのように働きたいかを考えるなどの意識改革が求められるだろう 自由回答をみると 男女に関係なく 個人の得意分野が生かされる職場環境 女性管理職を何人などではなく 女性男性に関わらず能力のある人が相応の評価を受ける社会であってほしい という意見がみられ 能力を活かした仕事を行い 正当に評価されることを望んでいる人もいるようである さらに 社会全体が男性基準なのでそこにあてはめるのは無理 新しい仕組みが必要 女性の活躍推進は 働く場所だけ提供すればいい訳ではない なぜ働けないのかを調べて解決すべき という意見もみられた 社員の意識改革などに加え 社内における女性の活躍を阻害している制度などを見直し すべての人が働きやすい環境を構築することも必要であろう 9

図表 11 女性の活躍推進のために必要なこと ( 複数回答 ) (n=621) 6 5.6 5 4 3 2 1 方 長時間労働を前提としな い働き 47. 45.7 経営者 管理職の意識改革 男性社員の意識改革 39.5 男性の家事 育児参加 全体 2 代 3 代 4 代 36.9 在宅勤務など性勤務形態の多様 34.1 33.8 女性自身の意識改革 管理職への積極登用 23. 22.9 22.2 女性社員への教育機会の拡充 女性採用比率の増加 充実 ロール モデル となる 女性社員の 12.9 キャリ アパス の多様化 2.1 おわりに今回の調査結果をみると 女性が活躍できる環境づくりには 単に支援制度を充実させるだけでなく 支援を行うタイミングや利用するための環境を整えることが必要だとわかった そのためには 上司や同僚は子育てしながら働く女性の状況を理解し フォローする体制などを確立することが必要だと思われる また 職場によっては 様々な支援制度があるにもかかわらず 利用されていないこともあると推察される 女性の実情を把握することは 働き続けるために本当に必要としている支援の実施にもつながるだろう また 女性が担当する業務を限定せず 能力を活かした仕事を任せることは キャリアアップにつながると推察され 業務内容に男女差をなくすことも女性の活躍を推進することに結びつくと思われる 以上 1