1. 事業の概要 富山県をモデルとした地方型グローバル IT エンジニアの育成評価報告書 ( メモ ) 平成 27 年 1 月 9 日 評価分科会 富山県内の IT 企業に対してグローバル化対応のアンケート調査を実施した その結果 現状ではグロ ーバル化に対するニーズが低いことわかった つまり グローバル IT 人材を育成し 海外と連携して新し い IT 産業を掘り起こし 推進しようとするニーズが現段階では まだ低いことがわかった 現在 あらゆる産業において グローバル化対応が叫ばれている中 これは残念なことである このよう に まだ国際対応ニーズが高まっていない富山県の IT 産業に IT 企業の元請化や海外連携による共同 開発 およびソフトウエア製品の現地生産とその普及促進 強化を図る可能性について検討する そのた めに 先ず 富山県の将来のグローバル化対応を担う若手 IT 人材を対象に 教育機関が率先して グロ ーバル人材育成の可能性を検証する 具体的には 次の 2 つの IT 人材 ( モデル ) が育成できるかどうか 検証する 1) 県内 IT ニーズを掘り起こし 海外 IT 技術者と連携し提案型のシステム企画を行うことができる人材を育 成する 2) 海外の IT エンジニアと 言葉の壁をのりこえ 目的とするソフトウエアを協働で開発することができる人 材を育成する 2. プロジェクトの目的 : (1) 目的昨年度までの事業成果である各種教材 ( 基礎英語 PBL 教材 ブリッジ SE 育成教材など ) を活用して 学生が英語によるコミュニケーション力をより高度に発展させ グローバルな IT エンジニアとして IT 現場で活用できることを目的とする 特に企画提案作業から海外エンジニアと共同でシステム開発を実施することにより 企画提案力及びリーダシップ力を身につけることを目的とする (2) 方法具体的には 事前にアジャイル開発手法を理解し 実際に即したグローバル開発環境で 海外 IT 技術者と連携してシステム開発を実施する 企画提案 システム開発および作業完了までの一連の作業プロセスを実践しながら 体系的に学ぶ 最後に 開発教材を使用して 一連の開発作業を実践することにより 学生が何を習得し 何ができるようになり どのように成長したかを客観的に評価する (3) 実施計画概要 1)26 年 10 月 : 開発用サーバ準備 フィリピンおよびインドネシア側学生へのプロジェクト事前説明 指導 開発環境の構築と確認 日本側学生に対する事前英語学習の実施 開発手法の事前指導 環境設定等 2)26 年 11 月 : 開発実施 1( スプリント1) オブジェクト納品 1( スプリント1) 振り返り実施 1( スプリント1) 開発実施 2( スプリント2) の一部実施 3)26 年 12 月 : 開発実施 2( スプリント2) オブジェクト納品 2( スプリント2) 振り返り実施 2( スプリント2) 日本側結合テスト実施 日本側への納品およびプロジェクトクローズ 4)27 年 1 月 : 開発成果発表 ( プレゼンテーション ) 1
(4) 実証講座の目的 : 1) 昨年度までの事業成果に基づき 開発教材を活用して 学生が英語コミュニケーションをより高度に発展させ グローバルな IT エンジニアとしての実力および資質を備えることを目的とする 2) 企画提案の段階から海外エンジニアと共同で各種作業 システム開発を実施することにより 企画提案力およびリーダシップ力を身に付ける 3) アジャイル開発手法を理解し システム開発を実施し 完了するまでのプロセスを 実践を通して体系的に学ぶ 4) 当教材を使用することにより 学生がどのように成長したかを客観的に評価する (5) 実証講座のための開発教材 1 学生用説明資料 2サンプル要求仕様書 3サンプルソースプログラム一式 ( アンドロイド端末用 ) 4サンプルプログラム一式 ( サーバサイト用 ) 5アンドロイド開発環境構築手順書 6サーバ環境構築手順書 7RedMine 使用説明書 その他 実証事件に必要な説明書 指導書など (6) 実証実験講座の実施体制と方法 開発対象 1) 開発対象は 地図を利用した観光用のアプリケーション とし この Android アプリケーションを開発する 2) ベースとなる Android アプリケーションのメニュー 地図情報機能 投票機能を教材として用意する 3) 海外の学生には メニュー上の1 機能 (1 画面 ) を割当てて 各国に適した観光機能を検討 実装してもらう 4) 日本の学生は 海外学生の検討した機能の確認 質問対応 実装したプログラムの確認を行う 日本の学生は 基本的には機能の実装は行わない 5) 開発方式はアジャイルのスクラムを使用する 6) フィリピン インドネシア学生がそれぞれ地図情報を使った機能を検討 実装する 日本の学生は開発を行わない 開発体制および方法 : 1) スプリントと呼ばれる反復期間を各国 2 回実施する 2) 実証期間は 2 か月を予定する 3) 参加学生は日本学生 4 名 ( リーダ 1 名 フィリピン対応 1 名 インドネシア対応 1 名 技術対応 1 名 ) フィリピン学生 3 名 インドネシア学生 3 名である 4) 役割分担は別紙 3. 評価の概要 : 何を どのように評価したか? ここがポイント! (1) 評価の目的本プロジェクトは 前述のように 昨年度までの事業成果である各種教材 ( 基礎英語 PBL 教材 ブリッジ SE 育成教材など ) を活用して 学生が英語によるコミュニケーション力をより高度に発展させ グローバルな IT エンジニアとして海外 IT エンジニアと協調して 問題なく開発作業ができることを目的としている 特に 今回のプロジェクトでは フィリピン インドネシア2カ国の海外エンジニアと連携し 企画提案作業からシステム開発および評価までを実施することにより 企画提案力及びリーダシップ力を身につけることが出来るかどうか 検証することを目的としている 2
(2) 評価項目と内容今回は 学生が何ができるようになったのか リテラシーとコンピテンシーにおいて どのように態度変容があったのか? 変容 ( 変化 ) がポイントとなる 1)Android アプリケーションを開発することにより 日本の学生が海外の学生 ( フィリピン及びインドネシア ) とどのように協調してシステム開発を実施し 推進することができる 2) あらかじめ準備された顧客要望を実現するため 日本と海外の学生が共同で設計作業 製造 納品が計画通り実施できる 3) アジャイル開発手法 (Scrum フレームワークを使用 ) によるシステム開発を理解し 実行できる アジャイル開発手法の 4つの基本理念 である次の4つことができたか 1. プロセスやツールよりも人と人同士の相互作用を重視する 2. 包括的なドキュメントよりも動作するソフトウェアであることを重視する 3. 契約上の交渉よりも顧客との協調を重視する 4. 計画に従うことよりも改変に対して臨機応変に対応することを重視する アジャイル開発手法の最も重要な特徴は顧客を満足させ 価値あるソフトウェアを早くリリースさせ それを継続することである 4)Redmine により プロジェクト管理及び システム開発が正しく実行できる (3) 評価基準 評価指標 どんな基準で実施したのか? 4. 評価の結果今回は 学生が何ができるようになったのか リテラシーとコンピテンシーにおいて どのように態度変容があったのか? 変容 ( 変化 ) がポイントとなる (1)Prog によるコンピテンシー ( 人間力 対応力 ) の評価 : 企業が最も注目する 3 つの項目は 主体性 ねばり強さ コミュニケーション力である これら 社会人基礎力がどのように伸びたのか Prog の結果を出してもらう Prog のしくみ どんなことがわかるのか? どんな情報が得られるのか 別紙 Prog 報告書の見方 今回 地方型グローバル IT エンジニア育成 プロジェクトの評価に Prog を適用した理由はリテラシー :( 知識を獲得しそれを利用して問題解決を図る力 ) コンピテンシー :( 身に着けた行動特性 ) がどう変容したか? A 君 B 君 C 君 8 名 (2)Prog による評価結果何がわかるのか? Prog で得た結果と 実証実験 での実作業との関係? (3)Prog の結果をどう利用するか? どのように成長したか? (4) 学生のリテラシー 習得したスキル 環境構築に対する (5) 実証実験のための教科書開発 3
5. 今後の展望 課題の部分 今後に期待する部分 提言などを記述する 6. まとめ 今回のプロジェクトでは アンドロイドアプリケーション開発を通して 日本の学生達が海外の学生達 ( フィリピン及びインドネシア ) と どのように協調してシステム開発を遂行したかを検証する また教材として準備した顧客の要望を実現する為に 日本と海外の学生が共同で ( 協調して ) 設計作業 製造 納品を実施できたかどうかを検証することである またアジャイル (Agile/ 敏捷 ) 開発手法 (Scrum フレームワークを使用 ) によるシステム開発を理解し 実行できたかどうか検証することであった さらに Redmine によるプロジェクト管理及び システム開発が正しく実行されたかどうかを評価することであった --------------アンケート- ------------------ 1) フィリピン訪問前に事前評価として実施した 河合塾の PROG の結果 評価例: 学生は9 月の初期状態では の知識 スキルであった 開発した教材を利用して学生がどのように成長したか 2) 日本の学生が フィリピン ( マカティ大学 ) インドネシア( ダルマ プルサダ大学 ) の学生と どんな作業を どのように協調 連携して実施したか? 評価例 : 学生は当初は コミュニケーションができずに 苦労したが を勉強することにより の知識を習得し ** ができるようになった 3) 今回は 学生の協調性と グローバル化 がキーワードです 特にどのようなコミュニケーション手法により どのような協調作業が行われたか? 評価例 : メールの使い方 簡単な会話ができるようになった 4) 共同で行った設計作業の進め方 連携方法など評価例 : の作業は ** で行い 結構 よいコミュニケーションにより連携していた 実装内容 検証方法など 5) 学生がどのように成長したか ( 何ができるようになったか ) 評価例 : 当初 PROG の結果に見るように の状態であったが ** の作業は連携して実現した 5) Redmine の理解と運用操作 開発作業 グローバル環境で手法を学びつつどのように作業を進めたか? 評価例 : 新しいアジャイル手法を習得し その手法に従って を完成させた 6) 富山の学生のプロジェクトにおけるそれぞれの役割の理解と実施状況評価例 : プロジェクトマネージャ システムアーキテクト プロジェクトオーナ 開発者はそれぞれ役割を理解し プロジェクトが進行した 7) アンドロイド開発環境の構築スキル評価例 : アンドロイド開発環境の構築はスキルは 短時間で問題なく習得した 8) グローバル環境の中で学生がどのように主体性を発揮し チャレンジ力を持って作業を行ったか 9) アンドロイドのアプリケーション開発を通して 日本の学生達が海外の学生達 ( フィリピン及びインドネシア ) と どのように協調 連携してシステム開発を遂行したか? 4
10) あらかじめ準備された顧客要望を実現する為に 日本と海外の学生が共同で設計作業 製造 納品の一連の作業が実施できたか? 11) アジャイル開発手法 (Scrum フレームワークを使用 ) によるシステム開発を理解し 自際の作業が実行できたか? 12)Redmine を利用して プロジェクト管理及び システム開発が正しく 効率よく実行できたかどうか? 13) 開発した教材が有効であったかどうか? 見やすさ 理解しやすさなど評価例 : 当初 予想しなかったことが学生の自主的なチャレンジ力やアイデアで 進行できた 3つのロール ( 役割 ) (1) プロダクトオーナー ( 製品の責任者 ) はプロダクトオーナーとしての責任 役割を理解し 作業を実施したか? [5 十分に果たした 4まあまあ果たした 3わからない ( 何とも言えない ) 2あまり果たせなかった 1 全く果たせなかった ] (2) スクラムマスター ( スクラムの番人 チームを守る人 ) はプロダクトオーナーとしての責任 役割を理解し 作業を実施したか? [5 十分に果たした 4まあまあ果たした 3わからない ( 何とも言えない ) 2あまり果たせなかった 1 全く果たせなかった ] (3) チーム ( プロジェクトにフルタイム参加する開発メンバー プログラマ アーキテクト デザイナーの集合 ) [5 十分に果たした 4まあまあ果たした 3わからない ( 何とも言えない ) 2あまり果たせなかった 1 全く果たせなかった ] 4つのミーティング (1) スプリント計画会議 ( スプリントのゴールとスプリントバックログを決定する会議 ) は予定どおりできたか? (2) ディリースクラム ( 毎日 15 分の報告会 (3つの質問)) は予定どおりできたか? (3) スプリントレビュー ( 計画し完了したストーリのデモの実施 ) は予定どおりできたか? (4) ふりかえり ( うまくいったこと いかなかったことを報告すること ) は予定どおりできたか? Redmine の利用クライアント環境の構築 ( インストール ) とサーバ環境の構築 1) フィリピン訪問前に事前評価として実施した 河合塾の PROG の結果 5
評価例 : 学生は9 月の初期状態では の知識 ** のスキルであったが 実施後は ** であった 2) 日本の学生が フィリピン ( マカティ大学 ) インドネシア( ダルマ プルサダ大学 ) の学生と どんな作業を どのように協調 連携して実施したか? 評価例 : 学生は当初は コミュニケーションができずに 苦労したが を勉強することにより の知識を習得し ** ができるようになった 3) 今回は グローバル環境の中での学生の協調性がキーワードです 特にどのようなコミュニケーション手法により どのような協調作業が行われたか? 評価例 :** を学習し メールの使い方 簡単な会話ができるようになった 4) 共同で行った設計作業の進め方 連携方法など評価例 : の作業は ** で行い 結構 よいコミュニケーションにより連携し 作業を進めた 5) 学生がどのように成長したか ( 何ができるようになったか ) 評価例 : PROG の結果に見るように 当初は の状態であったが a,b,c の各作業は連携してできるようになった 5) Redmine の理解と運用操作 開発作業 グローバル環境で手法を学びつつどのように作業を進めたか? 評価例 : 新しいアジャイル手法を習得し 習得した手法に従って を完成させた 6) 富山の学生のプロジェクトにおけるそれぞれの役割の理解と実施状況評価例 : プロジェクトマネージャ システムアーキテクト プロジェクトオーナ 開発者はそれぞれ自分の役割を理解し プロジェクトを進行させた プロジェクトを進める際の課題やその解決策についても理解し 実践できている 7) アンドロイド開発環境の構築スキル評価例 : アンドロイド開発環境の構築は 短時間で問題なく実現できた 8) グローバル環境の中で学生がどのように主体性を発揮し チャレンジ力により作業を行ったか 評価例 : 当初 あまり期待しなかった作業 a b cなどの作業が学生の自主的なチャレンジ力やアイデアで 実現できた 9) アジャイル手法の スクラム (scrum) を十分に理解し 実践できたか? 1 3 校のコミュニケーションは? 作業遂行上問題なかったか? スムーズ出会ったか 支障はなかったか? 2 Prog テストの差分 9 月第一回テストと 12 月実施の第二回テストとの差分 ( ア ) ここは国際人としての人間力 気づき でも良い 気づきがあったかどうか? ( イ ) どれくらい伸びたの? 学生が何ができるようになったの? 3 開発教材の有効性評価 作業に役立ったか? 4 作業の進め方はスムーズであったか? 5 アジャイルの理解と作業の実施はうまく 予定どおり推進できたか? 6 役割分担はうまくいったか 連携はうまくいったか 行かなかった場合の例 7 9 月実施の英語力 UP は役立ったか 6