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Q4. 次の衆院選はいつ頃行うのが適切だと思いますか 次の衆院選の適切な実施時期については できるだけ早い時期に (63.8%) ( 前月調査比 4.1 ポイント増 ) が 6 割を超え 予算成立前後に (12.5%) ( 前月調査比 1.2 ポイント減 ) 次の衆院議員の任期をむかえる頃に (7.


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( ウ ) 年齢別 年齢が高くなるほど 十分に反映されている まあまあ反映されている の割合が高くなる傾向があり 2 0 歳代 では 十分に反映されている まあまあ反映されている の合計が17.3% ですが 70 歳以上 では40.6% となっています

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(2) あなたは選挙権年齢が 18 歳以上 に引き下げられたことに 賛成ですか 反対ですか 年齢ごとにバラツキはあるものの概ね 4 割超の人は好意的に受け止めている ここでも 18 歳の選択率が最も高く 5 割を超えている (52.4%) ただ 全体の 1/3 は わからない と答えている 選択肢や

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朝日 TV 2015/4/18-19 原発政策安倍内閣は 今後の電力供給のあり方について検討しているなかで 2030 年時点で 電力の 2 割程度を 原子力発電で賄う方針を示しています あなたは これを支持しますか 支持しませんか? 支持する 29% 支持しない 53% わからない 答えない 18%

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2. 政党支持率政党支持率は 自民党が前回に比して 増加 が 2 社から 5 社に増え 減少 が 7 社から 3 社に減少した 立憲民主党は 前回に比して 増加 が 6 社 減少 が 2 社 変わらず 1 社となっており 前回と同じ結果になっている 他の政党は大きな変化がない 表 1 参照 3. 憲

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日本の国際化と市民の政治参加 選挙に関する世論調査 調査報告書 2010 年 7 月 日本の国際化と市民の政治参加 選挙に関する世論調査 研究プロジェクト 研究代表者 : 松谷満 ( 桐蔭横浜大学 )

1. 調査の概要本調査では 東京都 大阪府在住の 3,000 名の皆様に調査へのご協力をお願いしました 東京都と大阪府で無作為に市区を選び 東京では中央区 文京区 目黒区 杉並区 練馬区 町田市 大阪では 生野区 東住吉区 豊中市 高槻市 枚方市 岸和田市を対象市区としました 調査にご協力いただく方の選出には選挙人名簿を用い 各市区 250 名の皆様を調査対象者として選ばせていただきました 2009 年の 10 月から 12 月にかけて質問用紙をお送りし 合計 977 名の皆様にご回答いただくことができました ご協力いただいた方の内訳は 男性 476 名 (48.7%) 女性 501 名 (51.3%) 20-34 歳 150 名 (15.4%) 35-49 歳 269 名 (27.6%) 50-64 歳 289 名 (29.6%) 267 名 (27.4%) でした 2. 政治 投票について 1 衆院選 :2005 年と 2009 年で逆転した比例区の投票先 その他, 1% 社民党, 4% 共産党, 10% 公明党, 7% 民主党, 24% 2005 年比例区投票先棄権, 自民党, 42% その他, 1% みんな, 4% 社民党, 5% 共産党, 9% 公明党, 6% 2009 年比例区投票先 棄権, 自民党, 22% 民主党, 3 まず 衆議院選挙での投票先 ( 比例区 ) は上図のように変化しました 郵政民営化が争点となった 2005 年の選挙では 自民党 が 42% でもっとも多く ついで 民主党 24% 共産党 10% 公明党 7% 社民党 4% となっています 一方 政権交代が起こるかどうかが注目を集めた 2009 年の選挙では 民主党 が 3 でもっとも多く ついで 自民党 22% 共産党 9% 公明党 6% 社民党 5% みんなの党 4% となっています 2005 年と 2009 年とを比較すると 自民党と民主党に対する投票の割合がほぼ逆転し 他の政党についてはあまり変化がないことがわかります 2005 年に自民党に投票した人が 2009 年にどういった投票をしたかをみると 自民党 44% 民主党 37% みんなの党 5% 棄権 7% となっています このように 2005 年には自民党に投票した人のうち 4 割弱が 2009 年の選挙で民主党に投票したことが政権交代の背景にあるといえます 1

2 衆院選 : 投票先を変えたのはどのような人か 2005 2009 比例区投票先 ( 性別 ) 男性 16% 1 20% 41% 6% 女性 20% 46% 自民自民 民主民主その他棄権 2005 2009 比例区投票先 ( 年齢別 ) 17% 12% 41% 17% 10% 19% 4 11% 16% 17% 20% 44% 3% 29% 11% 1 41% 2% 自民自民 民主民主その他棄権 2005 年と 2009 年で投票先を自民党から民主党に変えたのはどのような人なのでしょうか 性別と年齢別でみた結果が上図になります 性別でみると 自民党から民主党に投票先を変えたのは男性 1 女性 と男性でやや多くなっています また 二回の選挙とも民主党に投票した人も男性で多くなっています 年齢別でみると 20-34 歳では 17% が二回の選挙とも棄権したと回答しました 65 歳以上では二回とも自民党に投票した人が 29% と他の年齢層よりも多くなっています そして 35-49 歳と 50-64 歳の年齢層で 自民党から民主党に投票先を変えた人がそれぞれ 19% 17% と他の年齢層よりも多くなっています 結果を整理すると 投票先を自民党から民主党に変えた人は男性にやや多く 30 代後半から 60 代前半までの中間的な年齢層で多いということがわかります 2

3 知事選 : 政党を横断する投票行動 2007 年東京都知事選での投票行動 ( 支持政党別 ) 自民党民主党公明党共産党支持政党なし 19% 7 42% 29% 6% 86% 24% 54% 43% 17% 3% 5% 5% 23% 3% 29% 石原慎太郎浅野史郎吉田万三その他棄権 2008 年大阪府知事選での投票行動 ( 支持政党別 ) 自民党 83% 5% 11% 民主党 66% 15% 16% 公明党 87% 共産党 32% 12% 40% 12% 支持政党なし 54% 10% 4% 31% 橋下徹熊谷貞俊梅田章二その他投票に行かなかった 次に 東京都と大阪府の最近の知事選挙での投票行動を支持政党別にみると上図のようになっています 東京都知事選では自民党と公明党が石原候補を 民主党などが浅野候補を実質的には支援していました 自民党と公明党の支持層はほとんどが石原候補に投票したことがわかります 一方 民主党の支持層は 42% が石原候補に投票するなど投票先が分散していました 大阪府知事選では自民党と公明党が橋下候補を 民主党などが熊谷候補を実質的には支援していました 自民党と公明党の支持層はほとんどが橋下候補に投票したことがわかります 一方 民主党の支持層も 66% が橋下候補に投票していました この結果から 石原知事と橋下知事はともに 自民党と公明党の支持層のみならず 支持政党がない無党派層と民主党ほか対立候補を立てた政党の支持層からも幅広く票を得ており それゆえに選挙で大きな差をつけて勝つことができたといえます 3

4 知事選 : 年齢別にみる投票先 2007 年東京都知事選での投票行動 ( 年齢別 ) 39% 16% 11% 35% 50% 16% 24% 51% 20% 7% 17% 59% 19% 石原慎太郎浅野史郎吉田万三その他の候補者投票に行かなかった 2008 年大阪府知事選での投票行動 ( 年齢別 ) 49% 7% 44% 64% 4% 22% 67% 69% 15% 橋下徹熊谷貞俊梅田章二その他の候補者投票に行かなかった 知事選での投票行動を年齢別にみた結果が上図です 東京 大阪ともに年齢が上がるほど投票率が高いことがわかります 東京都知事選で石原候補に投票したのは 65 歳以上で 59% 35-49 歳と 50-64 歳の年齢層では約半数となっています 一方 20-34 歳では 39% と他の年齢層よりも低くなっています 大阪府知事選で橋下候補に投票したのは 35 歳以上の 3 つの年齢層ではすべて 6 割を超えています 一方 20-34 歳では 49% と他の年齢層よりも低くなっています このように 石原知事と橋下知事は幅広い年齢層から幅広く票を得て当選したといえます ただ 若い世代では投票自体を棄権する人が非常に多くなっており 国政選挙より知事選挙でとくにその傾向がはっきりとうかがえます 4

5 知事に対する支持 : 高い支持を得る橋下知事 支持が低下した石原知事 石原知事に対する支持 ( 年齢別 ) 42% 27% 17% 4 24% 12% 43% 25% 20% 25% 30% 23% 23% 支持するある程度支持するあまり支持しない支持しない 橋下知事に対する支持 ( 年齢別 ) 43% 50% 4% 3% 44% 49% 6% 1% 50% 42% 4% 4% 4 36% 12% 4% 支持するある程度支持するあまり支持しない支持しない 知事を支持するかどうかについての回答を年齢別にみた結果が上図です 石原知事に対する支持 ( 支持する と ある程度支持する ) は全体では 57% となっています 支持率は年齢層でそれほど違いはありませんが で 支持する が 25% と目立って高くなっています ただ 以前の世論調査の結果などと比較すると 石原知事に対する支持は低下しているといえます 橋下知事に対する支持は全体では 90% と非常に高率です 年齢別にみると で不支持 ( あまり支持しない と 支持しない ) が 16% とやや高くなっています 橋下知事は年齢の高い世代よりむしろ若い世代で高い支持を得ているという点が 石原知事とはやや異なります また 選挙では橋下知事に対する投票がきわめて少なかった共産党の支持層においても 63% が支持すると回答しています 橋下知事に対する支持がいかに高いものであるかを示す結果といえるでしょう 5

6 知事を支持する理由 : 石原知事のリーダーシップ 橋下知事の語り口 知事を支持する理由 石原知事 34% 41% 69% 10% 9% 橋下知事 47% 51% 3 2 10% 12% 期待感 語り口 本音の発言 リーダーシップ 実行力 組織 団体との対決姿勢 政治的な理念 思想 具体的な政策 知事を支持すると回答した場合には その理由についても回答をお願いしました 6 つの選択肢からよりあてはまるものを 2 つ選ぶという方法をとった結果 上図のようになりました 石原知事については リーダーシップ 実行力 が 69% ともっとも多く 次いで 語り口 本音の発言 41% 期待感 34% となっています 橋下知事については 語り口 本音の発言 が 51% 期待感 が 47% と多くなっています 次いで リーダーシップ 実行力 3 組織 団体との対決姿勢 2 となっています どちらの知事についても 政治的な理念 思想 や 具体的な政策 はあまり選択されていません 石原知事と橋下知事はその理念や政策の中身よりもむしろ リーダーシップや発言のしかたなど政治手法における特徴によって支持されているといえます また 年齢別に知事を支持する理由をみたところ 石原知事については 20-34 歳で ( 何かやってくれそうな ) 期待感 が多く選ばれているとの違いがみられます 橋下知事については 下図のように 20-34 歳と 35-49 歳で リーダーシップ 実行力 が多く選ばれており 35-49 歳と 50-64 歳で 語り口 本音の発言 が多く選ばれています 知事を支持する理由 ( 橋下知事 ) 30% 37% 36% 47% 46% 45% 57% 56% リーダーシップ 実行力語り口 本音の発言 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 6

3. 外国 外国人に対する意識 1 諸外国への好感度 : 近隣諸国は好感度が低め 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 日 0.5 1.0 2.48 本1.47 ドイツ1.13 1.09 アメリカブラジル0.42 0.37 韓国ロシア 0.41 中国好感度の国別平均 7 カ国について もっとも好き+3 から もっとも嫌い-3 までで評価していただいた回答の平均値をみると もっとも高いのは日本 ( 2.48) です 続いてドイツ アメリカ ブラジル 韓国 ロシア 中国となっています 近隣諸国の好感度が低いのが特徴といえるでしょう 0.71 好感度の国別平均 ( 年齢別 ) 0.59 0.37 0.10 2.21 2.29 2.56 2.75 中国好感度 日本好感度 1.0 0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 また 日本 中国については年齢による違いがみられます どちらも年齢の高い世代で好感度が高く 若い世代で好感度が比較的低いといった傾向がみられます 7

2 外国人との交流 : 若い世代で多い交流経験 外国人との交流 外国人との交流 ( 年齢別 ) なし 31% 83% 79% 66% あり 69% 53% 一緒に働いたり 友人としてつきあったり 一緒に勉強するなど あいさつ程度のつきあいという方も多いですが 外国人との交流がある方は 69% となっています 年齢別にみると 20-34 歳では 83% 35-49 歳では 79% が外国人との交流があると回答しています 逆に では 53% と低くなっています このように若い世代で外国人との交流経験が多いことがわかります 3 外国人の増加について : 分かれる賛否と国 地域による違い 外国人の増加について 反対 賛成 やや反対 3 やや賛成 41% 外国人の増加について ( 年齢別 ) 22% 39% 34% 5% 15% 44% 37% 5% 44% 37% 7% 6% 35% 45% 賛成やや賛成やや反対反対 8

外国人の増加に 賛成 やや賛成 との意見は 54% 反対 やや反対 との意見は 46% と完全に二分されています 年齢別にみると若い世代のほうが外国人の増加に賛成であり では 賛成 やや賛成 との意見は少なくなっています 外国人の増加について ( 国 地域別 ) アメリカ西ヨーロッパ韓国東南アジア南米中国中近東 16% 9% 34% 32% 31% 7% 24% 6% 23% 47% 46% 39% 43% 44% 43% 45% 29% 30% 10% 1 1 17% 25% 25% 賛成やや賛成やや反対反対 国 地域別にみると アメリカや西ヨーロッパ出身の外国人の増加については 賛成 やや賛成 の割合が高く 60% 程度となっています 一方 韓国や東南アジア 南米出身の外国人については 40% 程度 中国や中近東出身の外国人については 30% 程度が 賛成 やや賛成 との意見です このように 外国人の出身国 地域によって増加の賛否が大きく異なっています 4 外国人増加の影響 : どちらかといえば否定的影響を懸念する人が多い 外国人増加の影響について 日本人の働き口が奪われる 12% 22% 32% 24% 10% 治安 秩序が乱れる 26% 41% 23% 7% 4% 日本社会の活性化 11% 25% 40% 16% そう思う ややそう思う どちらともいえない あまりそう思わない そう思わない 外国人増加の影響については とくに 治安 秩序が乱れる という項目で そう 思う ややそう思う という回答が 67% と多くなっています 日本人の働き口が奪 われる という項目では そう思う ややそう思う という回答は 34% 日本社会 が活性化する という項目では 36% となっており こうした意見は必ずしも一般的で ないことがわかります 9

5 外国人の権利について : 文化的権利は容認 政治的権利は反対が多い 外国人の権利を認めるべきか 義務教育を受ける権利 48 33 13 34 子どもに母語教育を受けさせる権利 38 26 24 7 6 公営住宅への入居の権利 24 31 28 11 7 母国の習慣を守る権利 20 26 33 13 8 地方参政権 20 25 25 12 18 地方公務員になる権利 17 24 29 14 16 生活保護の受給の権利 16 21 31 17 15 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% そう思うややそう思うどちらともいえないあまりそう思わないそう思わない 外国人の権利を認めるべきかどうかについては 上図のような意見の分布となりました 義務教育を受ける権利と母語教育を受けさせる権利については 賛成の意見が多くなっています それに対して 地方参政権 地方公務員になる権利 生活保護の受給の権利については 反対の意見が比較的多くなっています 外国人の地方参政権を認めるべきか ( 年齢別 ) 25% 23% 2 10% 19% 27% 31% 10% 19% 26% 23% 1 19% 34% 19% 19% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% そう思うややそう思うどちらともいえないあまりそう思わないそう思わない 最近 政治的な争点として注目を集めるようになった地方参政権については 年齢による差がみられます 若い世代はどちらかというと参政権の付与には賛成の意見が多いのに対し では賛成の意見が少なくなっています * 以上の結果は 2009 年 10~12 月時点のものであり 現在の意見の分布とはかなり異なる可能性もあります 10