平成27年度 高等学校家庭科 研究の実際(5)

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平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

スライド 1

3 第 3 学年及び第 4 学年の評価規準 集団活動や生活への関心 意欲態度 集団の一員としての思考 判断 実践 学級の生活上の問題に関心 楽しい学級をつくるために を持ち 他の児童と協力して意 話し合い 自己の役割や集団と 欲的に集団活動に取り組もう してよりよい方法について考 としている え 判

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Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

H30全国HP

第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

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3. ➀ 1 1 ➁ 2 ➀ ➁ /

項目評価規準評価方法状況 C の生徒への対応 関心意欲態度 1 自の考えを持ち 積極的に交流 討論している 2 自らの言葉で 中学生にかりやすく紹介文を書こうとしている 交流 討論で得た仲間の意見を取り入れて 自らの考えを深めるよう促す 参考例を示したり 書き出しを例示したりして 参考にするように指

国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

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第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

いろいろな衣装を知ろう

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

夫婦間でスケジューラーを利用した男性は 家事 育児に取り組む意識 家事 育児を分担する意識 などに対し 利用前から変化が起こることがわかりました 夫婦間でスケジューラーを利用すると 夫婦間のコミュニケーション が改善され 幸福度も向上する 夫婦間でスケジューラーを利用している男女は 非利用と比較して

難聴児童の伝える力を 高めるための指導の工夫 -iPadを活用した取り組みを通して-

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

上に食に関する指導の充実が求められている 食環境の乱れが社会的課題とっている今日 中学生が食生活の自立を目指した学習をすることは大切なことであるので 本時は 自分や家族の食生活の中で見付けた問題点の改善に自主的に取り組むことができるように 指導を進めることにした 指導に当たっては これまでの学習を踏

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ICTを軸にした小中連携

(4) 学校の規則を守っていますか (5) いじめは, どんな理由があってもいけないことだと思いますか

(3) 将来の夢や目標を持っていますか 平成 29 年度 平成 28 年度 平成

平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

の間で動いています 今年度は特に中学校の数学 A 区分 ( 知識 に関する問題 ) の平均正答率が全 国の平均正答率より 2.4 ポイント上回り 高い正答率となっています <H9 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平

2年生学級活動(性に関する指導)指導案

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41 仲間との学び合い を通した クラス全員が学習に参加できる 授業づくり自分の考えを伝え 友達の考えを聞くことができる子どもの育成 42 ~ペア グループ学習を通して~ 体育における 主体的 対話的で深い学び を実現する授業づくり 43 ~ 子どもたちが意欲をもって取り組める場の設定の工夫 ~ 4

フトを用いて 質問項目間の相関関係に着目し 分析することにした 2 研究目的 全国学力 学習状況調査結果の分析を通して 本県の児童生徒の国語及び算数 数学の学習 に対する関心 意欲の傾向を考察する 3 研究方法平成 25 年度全国学力 学習状況調査の児童生徒質問紙のうち 国語及び算数 数学の学習に対

1

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

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実践 報告書テンプレート

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自己紹介をしよう

(4) ものごとを最後までやりとげて, うれしかったことがありますか (5) 自分には, よいところがあると思いますか

(4) ものごとを最後までやり遂げて, うれしかったことがありますか (5) 難しいことでも, 失敗を恐れないで挑戦していますか

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英語科学習指導案 京都教育大学附属桃山中学校 指導者 : 津田優子 1. 指導日時平成 30 年 2 月 2 日 ( 金 ) 公開授業 Ⅱ(10:45~11:35) 2. 指導学級 ( 場所 ) 第 2 学年 3 組 ( 男子 20 名女子 17 名計 37 名 ) 3. 場所京都教育大学附属桃山中

1. 交際や結婚について 4 人に3 人は 恋人がいる または 恋人はいないが 欲しいと思っている と回答している 図表 1 恋人が欲しいと思わない理由は 自分の趣味に力を入れたい 恋愛が面倒 勉強や就職活動に力を入れたい の順に多い 図表 2 結婚について肯定的な考え方 ( 結婚はするべきだ 結婚

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

4 研究主題との関連 自分を見つめ 友達の思いを大切にする子供の育成 道徳授業の充実を通して 研究主題に迫るために 4 年生では子供たちの目指すべき児童像を 自分の思いを見つめる子 友達の思いに気付く子とした また 目指すべき具体的な児童像を 資料の世界観に浸り 登場人物に自分を重ねながら登場人物の

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eラーニング「事前学習」終了後受講者アンケート

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PowerPoint プレゼンテーション

≪障がい者雇用について≫

(3) 資料について本資料は混雑したお店で孫が積んである段ボールを崩してしまい困っているおばあさんの代わりに わたし とその友達の友子が 整理していると 事情の知らない店員に叱られてしまう その後 おばあさんにお礼を言われたが わたし と友子はすっきりしないで帰る 数日後 店員からお詫びの手紙が来た

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

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調査の結果 問 1 あなたの性別は 調査に回答していただいた生徒の性別は 男 が問 % 女 が 49.5% です 男 女 問 2 あなたは, 生まれてからずっと鈴鹿市に住んでいますか 生まれたときから鈴鹿市に ずっと住ん

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4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

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第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

トコラージュ というメディアの形態を提案する 本単元では 説明文の 構成メモ をフォトコラージュの形でまとめる このことにより 資料を活用して説明文を書くことが容易になる フォトコラージュとは次に示すように 2 枚以上の写真と それに対する説明文を対応させた情報伝達の形式である 本学級では 社会科の

参考 調査員調査の対象者へのアンケート ( 平成 21 年 4 月実施 ) の概要 1 目的総務省統計局が調査対象者から直接 調査員調査の実施状況を把握し 平成 20 年度の委託業務の中で調査員調査の検証を行うとともに 今後の民間調査機関への指導についての参考資料を得る また 本アンケートでは 回答

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

(4) ものごとを最後までやり遂げて, うれしかったことがありますか (5) 難しいことでも, 失敗を恐れないで挑戦していますか

性別 女性 48% 男性 52% 男性 女性 年齢 29 歳 5% 30 歳以上 16% 20 歳未満 21 歳 1% 1% 22 歳 7% 23 歳 10% 20 歳未満 21 歳 22 歳 23 歳 28 歳 8% 24 歳 14% 24 歳 25 歳 26 歳 27 歳 27 歳 12% 26

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

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あったらいいな ! こんなあそび場 (わたしの町大好き)

人的環境の整備 教師 友達 分かりやすい説明の手本となるように, 話す速さや声の大きさを意識して簡潔に話したり, 話すポイントを視覚的に示したりする 道案内の手順を知ることや説明原稿の作成に時間が掛かった場合は, 教師間で役割分担しながらアドバイスする グループ内での自分の役割が明確になるように,

指導内容科目国語総合の具体的な指導目標評価の観点 方法 読むこと 書くこと 対象を的確に説明したり描写したりするなど 適切な表現の下かを考えて読む 常用漢字の大体を読み 書くことができ 文や文章の中で使うことができる 与えられた題材に即して 自分が体験したことや考えたこと 身の回りのことなどから 相

3-2 学びの機会 グループワークやプレゼンテーション ディスカッションを取り入れた授業が 8 年間で大きく増加 この8 年間で グループワークなどの協同作業をする授業 ( よく+ある程度あった ) と回答した比率は18.1ポイント プレゼンテーションの機会を取り入れた授業 ( 同 ) は 16.0

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第 1 章調査の実施概要 1. 調査の目的 子ども 子育て支援事業計画策定に向けて 仕事と家庭の両立支援 に関し 民間事業者に対する意識啓発を含め 具体的施策の検討に資することを目的に 市内の事業所を対象とするアンケート調査を実施しました 2. 調査の方法 千歳商工会議所の協力を得て 4 月 21

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年賀状作成時の重視点 2 1. は メッセージ重視 は ビジュアル重視 とに今年の年賀状作成時の重視点を聞いたところ とに今年の年賀状作成時の重視点を聞いたところ は ビジュアル ( 絵柄や写真 ) よりもメッセージ ( 言葉 ) を重視は ビジュアル ( 絵柄や写真 ) よりもメッセージ ( 言葉

『いい夫婦の日』夫婦に関するアンケート調査 【プレゼント編】調査報告書

教育 学びのイノベーション事業 ( 平成 23~25 年度 ) 総務省と連携し 一人一台の情報端末や電子黒板 無線 LAN 等が整備された環境の下で 教科指導や特別支援教育において ICT を効果的に活用して 子供たちが主体的に学習する 新たな学び を創造する実証研究を実施 小学校 (10 校 )

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◎公表用資料

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ている それらを取り入れたルーブリックを生徒に提示することにより 前回の反省点を改善し より具体的な目標を持って今回のパフォーマンスに取り組むことができると考える 同に そのような流れを繰り返すことにより 次回のパフォーマンス評価へとつながっていくものと考えている () 本単元で重点的に育成をめざす

Microsoft Word - 社会科

(2) -2,4,1 3 y=-x-2 をかいた ( 人 ) 4 (1) y=2x-9,y=2x,y=3x+3 (2) y=x+11 (3) 指導観校内の研究テーマが 考える力を引き出す授業のあり方 ということで, 数学科では考える力とは何かを分析し,11 項目に整理した 1 帰納的に考える力 2

3 時限目日本にあるブラジル生まれの食べ物を知る 4 時限目なぜピラルクがへっているのかを考えて, 自分たちに何ができるのか考える 一部が隠れた写真を使い, 日本にあるブラジルのものを考える活動を行う 感想を交流する ピラルクがへっているのかを考えて, 自分たちに何ができるのか考える活動を行う 感想

ご主人へはチョコレート ( または贈り物 ) を贈りましたか? 93% (6,740) 7% (534) 贈った 贈らなかった (n=7,274 バレンタイン直後実施アンケート結果 ) 夫はホワイトデーに贈り物をしない? ご主人にバレンタインデーの贈り物をした人に ご主人からホワイトデーの贈り物はあ

(2) 国語科 国語 A 国語 A においては 平均正答率が平均を上回っている 国語 A の正答数の分布では 平均に比べ 中位層が薄く 上位層 下位層が厚い傾向が見られる 漢字を読む 漢字を書く 設問において 平均正答率が平均を下回っている 国語 B 国語 B においては 平均正答率が平均を上回って

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考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

(2) 計画学習課題 学習内容 時間 連立方程式とその解 二元一次方程式とその解の意味 2 連立方程式とその解の意味 ( 本時 1/2) 連立方程式の解き方 文字の消去の意味 加減法による連立方程式の解き方 5 代入法による連立方程式の解き方 連立方程式の利用 問題を解決するために 2つの文字を使っ

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

第 2 学年 1 組英語科学習指導案 日時平成 30 年 11 月 2 日 ( 金 ) 5 校時 (14:00~14:50) 場所第 2 学習室指導者教諭天津貴志 1. 育成する能力 学習指導要領内容 (4) イ 身近な話題について 事実や自分の考え 気持ちなどを整理し 簡単な語句や文を用いてまとま

Transcription:

(5) 考察 本研究では 高等学校家庭科における思考力 判断力 表現力を高めるための授業づくり を目指して 主体的 協働的な学習である 知識構成型ジグソー法 を取り入れ ICTの活用も考えながら授業に取り組みました 今回の取組が生徒の思考力 判断力 表現力を高めるのに有効であったか 生徒のワークシート 授業における話合い アンケートなどを用いて検証します 思考力 判断力 表現力を高めるための授業の工夫について学んだことを実生活につなげ 課題を解決していくための自分なりの価値観を形成するには 協働的な学習としてのアクティブ ラーニングが効果的であり 協働的な学習の中で多様な価値観を獲得することが大切であるという視点から 知識構成型ジグソー法 に取り組みました アワークシートによる考察 授業において 提示した課題は図 4 のとおりです この課題に対し 知識構成型ジグソー法 に取り組 む前後の思考の変化を ワークシートより検証します 図 4 授業で提示した課題 知識構成型ジグソー法 では 学習活動の始めと終わりに自分一人で考える時間が設けてあります そこで ワークシートを工夫し ジグソー活動の前と後の思考の変化を見ることができるようにしました まずは ジグソー活動に OneNote を使用しましたので Jグループの OneNote の記録と生徒の会話を例に挙げ どのような話合いが行われ どのような思考に至ったのかを見たいと思います ジグソー活動中の会話の内容 ( 進行役 =S2 記録役 =S4) S3 調べて 障害者の課題も大切だけど 少子高齢社会だから何となく A か B なのかなあ? S1 待機児童がいるって問題じゃない? S2 じゃあ A にする? S1 でも 休暇とか制度とかがちゃんとあったら 子育てとかもちゃんとできるんじゃないかな S2 なるほど D の内容が他のやつにも反映されるってことだよね S1 うん S4 そうだよね S3 障害者の雇用とかも企業の制度とかと関係してるだろうし S2 D の男女共同参画がすべてに関わってるってことね S4 子育てをするにはお金も必要だから働かないといけないし 企業の理解とかが必要だと思う あと 佐賀県は男性の家事労働時間が全国最下位だから 家庭内の理解も必要じゃない? S2 男女共同参画が一番解決したい課題でいいですか? 図 5 ジグソー活動中の会話 研究の実際 (5)-1

( 子育てに関する課題 ) ( 高齢者に関する課題 ) S1 S2 ( 障害者に関する課題 ) ( 男女共同参画に関する課題 ) S3 図 6 OneNote の記録 ( ジグソー活動用 ) 図 7 OneNote の記録 ( クロストーク用 ) Jグループに関しては エキスパート活動で調べた内容を図 6のようにまとめてグループ内で報告した後 前頁図 5のような会話を行っています 少子高齢社会の課題ということで 最初は子育てに関する課題を一番に解決しなければならないという意見が出されました しかし 子育ての課題を調べた S1が 子育ての課題は重要だけど男女共同参画の課題を解決することで子育ての課題が解決されるのではないかという意見を出しました その後は S1の意見にグループ全員が納得した状況になり 図 7のように意見がまとまりました Jグループでは 各分野の課題を重要度はどれかという視点で考えていたところに S1の意見で課題の関連性について考える視点が新たに加わり思考が深まったことが分かります 次に 活動前後の個人の意見の変化を考察したいと思います 生徒に提示した課題は 4つの項目から選ぶものでしたが 子育てに関する課題に一番力を入れるべきだと考える生徒が最も多く 活動前後どちらにお 研究の実際 (5)-2

いても半数を超えていました 活動前と活動後では 高齢者の課題を選択する生徒が減り 他の課題を選択する生徒が増えました ジグソー活動において様々な意見を聞き それぞれのデータや課題を比較することで 少子高齢社会において解決すべき点は次世代を担う子供に関する課題と考えた生徒が多かったことが分かります 男女共同参画に関する課題については 先に取り上げた Jグループのように 子育てや介護 企業の雇用や制度に目を向け 他の課題との関連性がある総合的に解決すべき課題と捉え選択した生徒が増えたと考えられます ( 図 8 表 6) ワークシートの個人の意見については グループ内でまとまった意見とは異なり ジグソー活動を通して他者の意見を取り入れたり エキスパート資料をそれぞれ比較しながら考えたりした結果であり 生徒一人一人が自分で考え納得した意見を書いていると判断でき 差はありますが思考が深まったと言えるのではないかと思います 子育て高齢者障害者男女共同参画 45 50 9 26 4 7 5 14 0 10 20 30 40 50 60 ( 人 ) 活動前活動後 図 8 活動前後の意見の変化 生徒 A 生徒 B 生徒 C 生徒 D 生徒 E 生徒 F 表 6 活動前後のワークシート記述内容の変化 活動前高齢者 高齢者高齢者の数が増えているし 生活面で困っている人もたくさんいると思うから 高齢者高齢者が多いから 子育て現在の子育てを見直せば 次世代の子育ても変えることができるから 高齢者高齢者が増えていっているから 人が増えたとしても対策をしていかないといけないから 子育て小さい子供たちだけで遊んでいる場所が危ないと思うことがある 活動後子育て子育て支援の制度がまだまだで 子育てのために仕事を辞めてしまい そのまま働くことができない人も多い 子育て支援を充実することによって 男女共同参画にもつながると思うから 男女共同参画男女共同参画に関する問題は 子育てや介護の問題ともつながっているということが分かり この問題を解決すれば 他の問題も改善されると思ったから 障害者差別 偏見が増えているから 障害者の雇用状況の改善が見られないから 子育て次世代を見越して より良い社会をつくっていくためには 子育てに力を入れることにより 子供たちが生まれ育った地域に定住させ 人口を増やすことができると思うから 高齢者介護を必要としている高齢者が増えているが 介護休暇などが施されていない 仕事に意欲的な高齢者が多いが雇用はどうなるのか気になるから 男女共同参画夫婦間での居心地が良くなれば 結婚し子供を育てる家庭も増え 少子高齢社会も改善されるのではないかと思う 研究の実際 (5)-3

今回の授業では 家族 男女共同参画 子供 高齢者 と学んできた後の 共生社会 の内容を取り扱いました 最終的に授業で生徒に問いたい課題は 地域活動に参加することや様々な立場の人たちとお互いに支え合うことについてどう思うか という自身に引き付ける課題でした これまでの授業では 普通に問い掛けても 協力することは大切だと思う や 地域活動に参加していきたい 等の短い解答が多かったのですが 今回は 知識構成型ジグソー法 で自身の答えを出す前段階の課題について学習しました すると 次のような これまでの授業ではあまり出てこなかった意見が出てきました お互いの立場に立って考えることの重要性が分かりました 困ったときはお互い様という考え方は地域で安心して暮らすためにも大切だと思います 自分だけではなく 偏っていないものの見方を知ることは大切だと感じた 人との関わりは人生において避けられないので お互いを理解しながら生活していきたい 地域活動を高齢者に任せきりにせず できる範囲で参加していきたい 地域の子供たちの宿題を見るなど 自分ができることをやっていきたいと思った イアンケート調査による考察次に アンケート調査から 知識構成型ジグソー法 を授業に取り入れたことで 生徒の思考力 判断力 表現力が高まったかについて検証します 授業に対する取組状況を見ると エキスパート活動において責任をもって取り組んだ生徒が 78.5%( 図 9) いることから 授業に対して主体的に取り組んだ状況がうかがえます また 課題に対する考えが深まったとする生徒は 67.1% でした ワークシートの活動後の意見について 記述内容が増えた生徒が約 70% であったため 思考の深まりがワークシートに反映されていると判断してよいと考えます ( 図 10) ワークシートについては 先に検証した通りです どちらともいえ ない 19.0% 責任をもって 取り組めた 78.5% 責任をもって取り組めなかった 2.5% どちらともいえ ない 26.6% あまり変わら なかった 6.3% 考えが深まった 67.1% 図 9 エキスパート活動において責任をもって取り組めましたか? 図 10 授業の始めと終わりでは 課題に対する考えは深まりましたか? 続いて 知識構成型ジグソー法 について記述式で回答してもらった結果を示します 4 項目いずれに ついても が多数を占めました ( 図 11~ 図 14) 具体的な意見は次の通りです 班のみんなと協力することについて 自分の中では出てこなかった考えが出た 意見に違いがあって良いと思う 話合いに積極的に加わることができた みんなと一緒に考えることで考えが深まったと思う 仲が深まっていいと思う 自分以外の考えをたくさん聞けたのでいろんなことをより深く考えることができた 個人の方がよい 10% 8% 82% 図 11 班のみんなと協力することについて 研究の実際 (5)-4

他のエキスパートから教えてもらうことについて その人の捉え方が聞けて良かったと思う 自分の考えを深めるのに役立った 要約された情報を手に入れることができるので 頭に入りやすい 整理しやすい 他人の観点を知ることができてうれしい みんなしっかり読み取りができていた 新しい発見が多くあった 自分は知らない状態から教えてもらうので 真剣に取り組めた 考えが広がるのでいいと思う 情報提供のみで考察が足りない部分があった エキスパートとして他の人に教えることについて 班の他のメンバーに伝えるための工夫などをする努力が自然とできて良い さらに考えが深まる コミュニケーション能力が高まるので良いと思う 他人に分かりやすく伝えることを心掛けるので 要約する能力が向上すると思う 責任感が生まれて授業に参加しようとするから良いと思う 自分の作業効率が悪かったら 周りに迷惑をかけるので あまり好きではない 調べる上で自分にも新しい発見がある 他人が知らない情報を伝えるのは難しかった 5% 0% 95% 図 12 他のエキスパートから教えてもらうことについて 31% 思考の深ま 49% りに関する意見 20% 図 13 エキスパートとして他の人に教えることについて クロストークで他のグループの意見を聞くことについて 少し変わった視点で考えるきっかけになった 様々な考えを聞くことで 自分の考えもより深まると思う 考えが広がるのでいいと思う 全体の意識が高まる クラス全体で意見の交換や確認ができるので良いと思う 自分たちのグループと異なる意見もあって新しい発見があった 興味 関心が高まった 様々な見方の違いがおもしろかった 0% 14% 86% 図 14 エキスパートとして他の人に教えることについて 生徒の主な意見を挙げてみましたが エキスパート活動 ジグソー活動 クロストークのいずれの活動においても 思考の深まりや 他者に伝えるための表現力 新たな気付きなど 思考力 判断力 表現力の高まりに関する記述が見られました また 特徴的なものとして ジグソー活動となる 他者に伝える 他者に教える 場面では 他の活動に比べて 思考の深まりに関する記述が多く見られました ジグソー活動とクロストークにおいては 家庭科で重視している多様な価値観の形成につながる記述も見られ 協働的な学習である 知識構成型ジグソー法 が家庭科の思考力 判断力 表現力を高める学習方法として 非常に有効であることが分かりました 研究の実際 (5)-5

ウ授業における ICT 活用について 知識構成型ジグソー法 における ICT 活用例については 研究の実際 (3) でまとめていますが 今回 知識構成型ジグソー法 を取り入れた学習を行うにあたり ジグソー活動中の生徒の意見の共有場面をどのように作るかという目的で学習用 PCの使用方法を考えました 高等学校家庭科では これまでも様々な場面で協働的な学習を行ってきています しかし 各グループ内での意見の共有はなされているものの どのような意見が出たかなどは 生徒一人一人のワークシートでもなかなか確認 評価しにくい状況にあります そこで ジグソー活動場面で 同じシートに入力することで 入力内容が同期されるという特徴を持つ OneNote を使用することにしました OneNote を使用することで 自分が担当したエキスパート以外のエキスパートの内容は入力せずに済み 他者がまとめたエキスパートの内容と合わせて一つの画面で共有できるようになります また どうしても話すのが苦手な生徒についても 文字で自分の意見を相手に伝えることも可能になると考えます 実際に 授業で OneNote を使用しましたが 生徒の意見にもあるように 意見や情報共有の目的では効果的な使い方であったといえます ( 表 7 図 15 図 16) OneNote については 生徒達自身は初めて使用するソフトでしたが あまり戸惑うこともなく使用できていたようです ジグソー活動中にも これ便利 面白い などの発言が出ていました しかし 同期に少し時間がかかる 入力に一生懸命でなかなか話が進まないなどの状況が見られました 今回は 2 時間のうち 1 時間で 知識構成型ジグソー法 の学習を行いましたが それぞれの活動に十分な時間を確保していれば ジグソー活動時の意見交換の内容などもゆっくり入力することが可能となり さらに OneNote を使用した効果が表れていたのではないかと思います 表 7 OneNote と学習用 PCの使用について OneNote 言葉では説明しにくいことが画面を通して伝わることがあるので 便利だと思う 友だちの意見がまとめて見られたので良かった ノートを見せ合うより効率的だと思う 発表のとき便利だが不具合も多い 意見交流がしやすかった 反映が遅いし機能をフル活用できていない プリントの方が扱いやすい PCが固まったりして話合いが進まなくなったりした 手間が掛かる 機械が不得意な人は足を引っ張ることになるので 自分は遠慮したい プリントに記入する方がよい 30% プリントより OneNote がよい 28% どちらともいえない 13% 35% 52% 42% 図 15 知識構成型ジグソー法 で OneNote を使用したことについて 図 16 グループ内で意見を共有する際に学習用 PC を使用することについて 研究の実際 (5)-6