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の整備を推進し 自転車本来の走行性能の発揮を求める自転車利用者には歩道以外の場所を通行するよう促すとともに 車道を通行することが危険な場合等当該利用者が歩道を通行することがやむを得ない場合には 歩行者優先というルールの遵守を徹底させることが必要である また 制動装置不良自転車運転を始めとする悪質 危

スライド 1

資料 -2 国道 24 号烏丸通 歩行者 自転車通行安全協議会 国道 24 号烏丸通の概要 平成 30 年 3 月 国土交通省近畿地方整備局京都国道事務所

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速度規制の目的と現状 警察庁交通局 1

1

7 主な推進事項 (1) 子供と高齢者の交通事故防止 県民総ぐるみで交通安全意識の高揚を図り 子供及び高齢者等に対する保護意識の醸成を図る 保護者から子供への交通安全教育の推進 通学路等における子供の安全確保 高齢歩行者の死亡事故の特徴を踏まえた交通安全教育の推進 身体機能や認知機能の変化が運転に及

1 みんなに優しくスマートに!! 自転車は便利で環境にも優しい車両です ところが ルールやマナーを無視した乗り方は交通事故につながります 川崎市内では 自転車が関係する交通事故が多発しています みんなへの優しさを持って自転車を利用して 交通事故を防止しましょう 信号を守ろう! 違反すると 3 月以下

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堺市新金岡地区の自転車通行環境整備のアンケート 交通量調査結果について 堺市新金岡地区において 歩行者 自転車利用者が安心して通行できる安全なまちづく り を目指し 自転車通行環境の整備を行いました 自転車通行環境モデル地区において 平成 22 年 ~ 平成 23 年に自転車道 歩道の視覚 分離の整

2019 年春の全国交通安全運動埼玉県実施要綱 1 目的本運動は 広く県民に交通安全思想の普及 浸透を図り 交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣付けるとともに 県民自身による道路交通環境の改善に向けた取組を推進することにより 交通事故防止の徹底を図ることを目的とする 2 実施期間 2019

発表の流れ 新聞記事と要約 自転車専用レーンとは? 自転車の需要と背景 現状の問題と政策 政策提言 メリット デメリット 試算表 まとめ 参考文献

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平成 30 年春の全国交通安全運動埼玉県実施要綱 1 目的本運動は 広く県民に交通安全思想の普及 浸透を図り 交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣付けるとともに 県民自身による道路交通環境の改善に向けた取組を推進することにより 交通事故防止の徹底を図ることを目的とする 2 実施期間 平成

7 主な推進事項 (1) 子供と高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止 子供及びその保護者 高齢運転者を含む高齢者の交通安全意識の高揚を図ると ともに 県民総ぐるみで子供及び高齢者等に対する保護意識の醸成を図る 保護者から子供への安全教育の推進 通学路等における子供の安全確保 ドライバー

問 2 自転車を乗っているときに事故を起こした場合 どのような責任を負います か? 自転車だから大丈夫 事故を起こしたとしても大事にはならない そんな軽はずみな気持ちが 死傷者を出す重大な事故につながります 道路交通法上 自転車も車両の一種( 軽車両 ) です 法律違反をして事故を起こすと 自転車利

7 主な推進事項 (1) 子供と高齢者の交通事故防止子供及びその保護者 高齢運転者を含む高齢者の交通安全意識の高揚を図るとともに 県民総ぐるみで子供及び高齢者等に対する保護意識の醸成を図る 保護者から子供への安全教育の推進 通学路等における子供の安全確保 ドライバーに対する高齢者事故の特徴を踏まえた

久留米市セーフコミュニティ 交通安全対策委員会

1 自転車関連事故の現状と指導取締りの状況 (1) 自転車関連事故の推移 自転車関連事故の全交通事故に占める割合は増加傾向にあり 平成 23 年は約 2 割を占めている状況 自転車対歩行者の交通事故件数は10 年前の約 1.5 倍 全交通事故件数 ( 件 ) ( 件 ) 1,000, ,

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アンケート内容 2

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Microsoft PowerPoint - 2_「ゾーン30」の推進状況について

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Microsoft Word - ●自転車交通安全条例( )

2 条例化が望ましい事項 (1) 交通安全教育等の推進ア県が行う施策 ( ア ) 県は 自転車の安全で適正な利用について 県民等及び事業者の関心及び理解を深めることができるよう 交通安全教育及び啓発を行うこと ( イ ) 県は 学校での交通安全教育が効果的に行われるよう 情報の提供その他必要な支援を

交通事故から 自分自身と家族を守るために

2 また 保護者等の役割 として 子どもへの自転車の安全利用に関する指導について規定している 3 人乗りの自転車に関しては 保護者だけでなく 自転車利用者全体の法令遵守の中での指導となる 市長学校に関して 市立高等学校では乗車用ヘルメット着用は義務化されていないのか 教育長義務化はしていない 高校生

Q3 あなたはどのような目的で自転車を利用しますか ( 複数回答可 ) 通勤 通学 余暇活動 ( サイクリング等 ) 3 買い物 子どもの送り迎え 5 仕事 6 その他 ( ) 通勤 通学 5 余暇活動 ( サイクリング等 ) 買い物 7 子どもの送り迎え 仕事 その他 9 Q あなたは自転車を利用

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江東区 「自転車条例」の手引

( 件 / 人 ) 12, 交通事故の推移 (S4~) ( 人 ) 18 1, 8, 6, 4, 2, 死者数 人身事故件数 負傷者数 S4 S45 S5 S55 S6 H2 H7 H12 H17 H 約 2 倍 6 人身事故件数及び負傷者数は 平成 14 年以降減少傾

自転車の 正しい 乗り方

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損害保険商品の比較ガイドライン(自動車保険)

新規文書1

1-1 交通死亡事故全体の推移 10 年前と比較し の死者は 40.7% 65 歳以上の死者は 24.0% それぞれ減少 死者に占める 65 歳以上の割合は 24 年以降増加 27 年中死者の半数以上 (54.6%) を 65 歳以上が占める 10 年前と比較し 人口当たり死者数は 65 歳以上のい

8略都市スライド東北(郡山市)全部 [互換モード]

自転車の活用の推進に関する指標 ( 案 ) 目標施策将来目指すべき水準 目標 1 自転車交通の役割拡大による良好な都市環境の形成 1. 自転車通行空間の計画的な整備推進 自転車活用推進計画を策定した地 0 団体 (2017 年度 ) 200 団体 (2020 年度 ) 900 団体以上 ( 概ね10

通行禁止道路 について 道路標識又は道路標示によるもの 対象にするもの 車両通行止め道路 根拠規定道路標識 道路標示 ( 例 ) 道路交通法第 8 条第 1 項 自転車及び歩行者用道路 標識 302 同法第 8 条第 1 項 標識 325 の 3 歩行者用道路 同法第 8 条第 1 項 標識 325

第1回 市政モニターアンケート報告書

注 5 指定管理者制度公の施設の管理について 民間事業者を含む指定管理者に施設の管理を委ねることにより 民間事業者等の有する能力 経験 知識等を活用しつつ 市民サービスの向上と経費の節減等を図る手法 注 6 PFI 方式 PFI(Private Finance Initiative): 公共サービス

(第14回協議会100630)

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サンプル(26文字)

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平成 25 年度第 7 回キッズ モニターアンケート 自転車の交通ルールとマナーについて 実施報告 アンケートの実施結果は以下のとおりでした キッズ モニターのみなさん ご協力ありがとうございました アンケート概要 1 実施期間平成 25 年 12 月 13 日 ~12 月 26 日 2 回答者数

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資料 4 自転車版自賠責制度の創設の必要性について 国土交通省自転車活用推進本部


無電柱化法第12条運用勉強会資料

図 2 国道 246 号の自転車ナビライン整備区間 写真 1 バス専用通行帯内に設置された自転車ナビライン 2 点目は 現在発表されている整備計画 ( 図 1) を見ると 整備区間が都内のあちらこちらにちらばっており しかも細切れ状態でネットワークになっていない点です さらに各所の距離も1 2 km

子供と高齢者の交通事故防止 子供とその保護者及び高齢者の交通安全意識の高揚を図るとともに 子供や高齢者等の交通弱者に対する保護意識の醸成を図る 日常生活の中で 安全に道路を通行するための幼児 児童とその保護者に対する交通安全教育 広報啓発の促進 通学路等における幼児 児童の安全の確保 子供と高齢者に

第 2 章横断面の構成 2-1 総則 道路の横断面の基本的な考え方 必要とされる交通機能や空間機能に応じて, 構成要素の組合せ と 総幅員 総幅員 双方の観点から検討 必要とされる道路の機能の設定 通行機能 交通機能アクセス機能 滞留機能 環境空間 防災空間 空間機能 収容空間 市街地形成 横断面構

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目次 はじめに 1 1 全国 北海道 帯広市の交通事故発生件数 死者数 負傷者数の推移 1 2 月別交通事故発生状況 (H22-H26 合計 ) 2 3 時間別交通事故発生状況 (H22-H26 合計 ) 3 4 曜日別交通事故発生状況 (H22-H26 合計 ) 3 5 事故類型別交通事故発生状況

北海道警察本部交通企画課 平成 31 年 2 月

1 趣旨このガイドラインは 日本国内の公道 ( 道路交通法 ( 昭和 35 年法律第 105 号 ) 第 2 条第 1 項第 1 号に規定する 道路 をいう 以下同じ ) において 自動走行システム ( 加速 操舵 制動のうち複数の操作を一度に行い 又はその全てを行うシステムをいう 以下同じ ) を

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Microsoft Word - 06 ワークシート例(高等学校用)

ひっかけ問題 ( 緊急対策ゼミ ) ステップ A B C D 39.4% 学科試験パーフェクト分析から ひっかけ問題 に重点をおいた特別ゼミ! 2 段階 出題頻度 39.4% D ゼミ / 内容 *(2 段階 24.07%+ 安知 15.28%=39.4

自転車活用推進に関係する本市既存計画 例規 (2) 計画名駐車基本計画 (H11 年 3 月策定 ) 都市計画局 大阪都市魅力創造戦略 2020( H28 年 11 月策定 ) 経済戦略局 駐車場法 1999( H11) 年度から 2016( H28) 年度から 駐車政策の基本方針 1

H25総ぐるみ実施要綱

一瞬の緩みが一生の重みに 知っていますか? 自転車事故の現実 学生賠償責任保険で高額賠償は 3,800 万円以上 お問い合わせ先一覧 学生総合共済 ( 生命共済 ) で脳挫傷で入院 200 日 加入手続きのしかた 生協生命共済火災共済 学生賠償責任保険 大学生協の窓口までお問い合わせください 学生賠

自転車活用推進計画に関する法律上の規定 自転車活用推進計画の要件 ( 自転車活用推進法第 9 条 ) 政府は 自転車の活用の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため 前条に定める自転車の活用の推進に関する基本方針に即し 自転車の活用の推進に関する目標及び自転車の活用の推進に関し講ずべき必要

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目 次 1 交通事故の発生状況 1 2 死傷者の状況 (1) 齢層別の状況 3 (2) 状態別の状況 5 (3) 齢層別 状態別の状況 7 (4) 損傷部位別の状況 12 (5) 昼夜別の状況 14 3 交通事故の状況 (1) 齢層別の状況 17 (2) 法令違反別の状況 19 (3) 飲酒別の状況

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Ⅱ 区の概況と自転車利用の現況 課題 1. 区の概況から見た課題 千代田区の概況 日本の中心都市として常に活発な都市活動 夜間人口約 5 万人 昼間人口約 82 万人 1 日の発生トリップ数 380 万 周辺区からの利用が増大 通勤 通学 業務 買い物 観光 リクリエーションなど多様な利用自転車利用

あなたの自転車大丈夫 自転車はマナーを守って安全に 点検しよう 自転車に乗る際 定期的に点検していますか 何もせず使用し続けると ブレーキ不良 などの不具合が生じ 事故につながりかねません 安全に使用するためにも 点検 整 備を行いましょう 10 鍵は付いているか 1 ハンドルに ガタつきはないか

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平成30年度第1回インターネット都政モニター「自転車の安全で適正な利用」

自転車に係る主な交通ルール 以下の自転車に関するルールは主に道路交通法上 普通自転車 と呼ばれる自転車について記載しています 大きさが通常の自転車より大きなもの等については必ずしも当てはまらないものがあります 以下の根拠規定として掲げているものは 特に断りのない限り 道路交通法の条文です 罰則は当該

北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨城県栃木県群馬県埼玉県千葉県東京都神奈川県新潟県富山県石川県福井県山梨県長野県岐阜県静岡県愛知県三重県滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県鳥取県島根県岡山県広島県山口県徳島県香川県愛媛県高知県福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県 4.9 0

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3 指導 ( 参考資料 ) (1) 自転車安全利用

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

本章では 衝突被害軽減ブレーキ 車線逸脱警報 装置 等の自動車に備えられている運転支援装置の特性 Ⅻ. 運転支援装置を 備えるトラックの 適切な運転方法 と使い方を理解した運転の重要性について整理しています 指導においては 装置を過信し 事故に至るケースがあることを理解させましょう また 運転支援装

4.4 基本方針 4: 厳しさ を感じる (1) 違反者に対する指導 取締りの強化警察署と連携した取締り平成 26 年 7 月 1 日に市と警察署とで締結した相互連携に関する協定書に基づき 警察署と連携して自転車利用違反者に対して指導を行います ( 表 ) ( 裏 ) 指導警告票 あなたの運転は以下

Microsoft Word - 表紙

1 見出し1

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資料 7-1 特殊車両の通行に関する指導取締要領の一部改正について 国土交通省関東地方整備局道路部交通対策課 1 (1) 特殊車両通行許可制度 2

Transcription:

自転車走行環境の整備についての緊急提言 公明党自転車等の利用環境整備推進プロジェクトチーム 2011/12/19 自転車事故急増は長年の無策のツケ 自転車は私たちにとって とても身近な乗り物として 日常の生活に根付いている 通勤や通学 買い物など 近場の移動には最適な乗り物と言ってよい 健康志向 経済的理由 エコブームによって それらにメリットをもつ自転車の存在が 近年 大きくクローズアップされている さらに今年 3 月 11 日の東日本大震災がもたらした公共交通機関の乱れが その影響を受けにくい自転車を見直させることにもつながった このように自転車の価値が再認識される一方 わが国における自転車政策はほぼ皆無に等しく 長く放置され続けてきた とりわけ 本来 車両であるはずの自転車を 歩道の走行を可としてしまったことが 自転車の位置づけを極めてあいまいな存在にしてきた 歩道を走らせたことによって 自転車は車両であるにもかかわらず 歩行者に近い存在と認識されるようになり 規則では歩道は徐行すべきところを 猛スピードで走り抜けるようなことが常態化したまま 現在に至ってしまっているのである こうした無政策 課題放置のツケによって 自転車の利用者増に伴う事故の急増を招いてしまっている 警察庁は 10 月 25 日 良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策の推進について とする自転車に関する総合対策を打ち出し 自転車は車両であるとの位置づけを明確にし 車道走行を促す対策に乗り出したが 現状の車道の多くは自転車が走行することを考慮に入れた設計 構造となっていない ( 特に交差点 ) ため だれもが安心して車道を走る環境となっていないのが実情である 車道を走れ といってもスペースがない 自動車保有台数 7800 万台 (2008 年 ) に匹敵する 6900 万台 ( 同 ) の保有台数がありながら 安全な走行空間が確保されていないという課題を一日でも早く解消すべきである 1

警察庁も対策の中で 自転車専用走行空間の確保を従来の車線を削ってでも 自転車レーンを設置すると打ち出してはいるが 警察主導で解決できる問題では到底なく 行政 民間を巻き込んだ国を挙げての取り組みが不可欠である 地方自治体においても 京都市自転車安心安全条例 の制定 ( 平成 22 年 10 月 28 日 ) をはじめ 各地で自主的な取り組みが始まっている そこで公明党は ここ数年の自転車利用者の急増に伴う事故発生への対応として 走行環境整備とルール遵守の教育 徹底に絞った緊急提言をまとめた < 緊急提言 > 自転車のスペースを確保し安全 安心の走行を! 提言 1: 交差点の改善を 交差点( 内 ) に自転車レーンを設ける 交差点に2 段停止線 ( いわゆるバイクボックス ) を設ける 横断歩道脇の自転車横断帯の撤去 ( 例外なしとする ) 自転車専用信号の設置 ( 自転車を先に交差点外へ / クルマのドライバーに自転車車道通行を認識させて巻き込み事故を起こさないようにする教育的効果も狙って主要交差点に設置 ) 自転車事故の約 7 割は交差点で発生しており その原因は自転車が歩道を走ることによる自動車ドライバーの認知ミスである この認知ミスを解消するためには 自転車は車道を走ることで 交差点通過時でも常にドライバーの視界に入るようにする方法が 諸外国の先進例からも効果的と考える したがって 交差点における自転車事故が起こりにくい構造に改善する必要がある 提言 2: 自転車レーンの設置を 車道における自転車の走行空間を確保するため 歩道のあるすべての道路の車道左端に自転車レーンを設置 自転車レーンを設けられない場合は 車線を減らすか一方通行化して対応 路側帯のみの道路や細街路( いわゆる生活道路 ) では制限速度を時速 30km 以下とする ゾーン30 を採用し 車道左端部の路面に自転車通行と通行方向を明示してクルマのドライバーへの注意喚起を行う 自転車レーンをふさぐ違法駐車の徹底取り締まり 2

自転車対歩行者の事故件数はこの 10 年間で 3.7 倍増と急増している これは本来 自転車は車両であるにもかかわらず 緊急避難措置として 歩道走行を可とした (1978 年道交法改正 ) ことが大きな原因である 事実 全国の道路 約 120 万キロメートルのうち 歩行者と自転車が分離された道路は約 2900 キロメートル 約 0.2% にすぎない 歩行者と自転車の空間を分けることが事故を減らす必須の課題となる 提言 3: 自転車の車道走行の安全性が高まるまで 歩道を徐行して通行することは止むを得ないとするが 歩行者が危険を感じる速度で走行したり 逆走するなど 悪質な場合は警告の上 検挙される可能性があることを周知する 車道通行が原則であるとしても 車道を危険と感じる利用者を救済しつつ 自転車 レーン整備など 自転車の安全な走行空間が確保されるまでの例外であることを広く 認識してもらうことが必要 提言 4: 法律による罰則ではなく 条例による取り締まりを 道路交通法を改正し 自転車の違反については 各自治体が定める条例によって 過料請求 取り締まりを可能とする 警告の位置づけ 運用方法 交通反則通告制度の対象範囲などについて 必要な見直しを行った上で 取り締まり体制の再構築を図る 法律に定められた罰則 ( 例 : 信号 標識に従う の違反に対する刑罰は 3 月以下の懲役又は 5 万円以下の罰金 ) は厳しすぎるため 実効性がない 罰則に実効性をもたせるために 道交法を改正し 自治体の条例 ( 例 : 千代田区が全国に先駆けて実施した 路上喫煙条例 ) によって取り締まりを可能とすべきである 提言 5: 絶対ダメ! 自転車の法律違反 キャンペーンの実施 自転車は長年にわたり歩行者寄りの存在と位置づけられ 運転免許も必要ないことから 法律によるルールがあるにもかかわらず 守らなくてもよいといった風潮がまん延したままになってきた しかし 実際は ルール違反は罰則規定もある明確な 犯罪 なのである そこで 一定の効果を挙げている 痴漢は犯罪です! のキャンペ 3

ーンのように 絶対ダメ! 自転車の法律違反 というような啓発キャンペーンをア イドルグループなど起用して全国的に展開することを提案する 提言 6: 警察官がルール遵守のお手本となるような改善策を 自転車を現在の白い自転車( いわゆる白チャリ ) から クロスバイクのようなスポーツタイプのものに ファッション性 機能性に富んだユニフォームに ( 例 : ロンドン市警など ) 警察専用の自転車ヘルメットを着用 模倣すべきルール遵守の乗り手が街にはほとんどいないのが実情 この問題を解消するために 警察官が最高のお手本として ルール遵守の先頭に立つべきであろう 一時停止や信号で停止する警察官を抜いてまで交通ルールを無視する自転車利用者がいるとは考えにくいが その場合は厳しく検挙すべきだ 提言 7: 自転車の利用実態調査と自転車マスタープランの策定を 自転車は身近な乗り物であるが その利用実態については ほとんど把握されていないのが実情 自転車による事故対策 走行環境の整備を図っていく上で 自転車の利用実態を把握することは必須の課題 警察 自治体 民間が共同しての実態調査を実施し 自転車活用の先進国であるオランダの 自転車マスタープラン イギリスにおける 国家自転車戦略 アメリカの 自転車 歩行者アクションプラン のように わが国も自転車を活用した戦略的なマスタープランを策定すべきである さらに各自治体においても 自転車利用環境整備のための 自転車会議 ( 仮称 ) 等を開催し 基本計画を策定すること 提言 8: 子どもたちをはじめ 子育て中の母親 高齢者にも地域での交通安全教育の徹底を 小 中学校など教育現場で子どもたちに 交通安全教育 を積極的に実施するとと もに 子育て中の母親や高齢者などを対象にした各種交通安全教育も 各地域ごとで 実施できるように地方自治体と各県警本部などが連携を取るようにすべきである 4

提言 9: 自転車保険 ( 対人賠償 ) の拡充を 自転車の対人事故での賠償額が高額化する現実に対応するため 自転車保険は任意ではなく 加害者になってしまった場合の賠償にも対応でき 自転車購入時に自動的に加入できる仕組みを検討すべきである その際 継続的に保険を更新できる仕組みづくりに留意すべきである 提言 10: 交通基本法に歩行者優先 自転車優先の理念を 歩行者 車イス ベビーカー シニアカー 自転車 など いわゆる 交通弱者 を優位に位置づけることはもとより クルマ優先社会から歩行者優先 自転車優先社会に転換するという基本理念を交通基本法に明文化すべきである 以上 < 資料写真 > バイクボックス自転車とクルマの 2 段階停止線の例 (NPO 法人自転車活用推進研究会提供 ) 5

ロンドンの自転車警官サイクルパトロールチーム ( ロンドン市警の公式サイトから転載 ) 6