目 次 はじめに 1 1. 大空中学校 ( 大空小学校を含む ) の現状について 1 2. 学校規模の小規模化による影響について 1 3. 適正規模を確保するための 2 取り組み等に関する検討について (1) 通学区域の変更の検討 2 (2) 学校の統合の検討 3 (3) 小中一貫教育の検討 3 4

Similar documents
P5 26 行目 なお 農村部は 地理的状況や通学時 間等の関係から なお 農村部は 地理的状況や通学時 間等から P5 27 行目 複式学級は 小規模化による学習面 生活面のデメリットがより顕著となる 複式学級は 教育上の課題が大きいことから ことが懸念されるなど 教育上の課題が大きいことから P

目 次 Ⅰ 基本計画策定にあたって 1 1. 基本計画策定の趣旨 1 2. 基本計画策定の背景 1 Ⅱ 市立小 中学校の状況と課題 2 1. 児童 生徒数と学校数の推移 2 2. 児童 生徒数の将来推計 3 3. 小 中学校の規模 4 4. 学校の小規模化 大規模化に伴う課題 4 Ⅲ 学校の適正規模

H ( 木 ) H ( 水 ) H ( 金 ) H ( 金 ) H ( 土 ) H ( 月 ) H ( 月 ) H ( 木 ) H ( 金 ) H ( 火 ) H30.6.2

仙台市立小 中学校の 過大規模校化への対応方針

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

<91E F192B290AE88CF88F589EF836A B83582E786C73>

1 調整区域の解消 対策案 1-(1) 案谷八木地区の調整区域を解消し 大久保南小学校の通学区域に変更 1-(2) 案谷八木地区の調整区域を解消し 本来の谷八木小学校の通学区域とする 139 名 139 名 保護者 地域住民等の理解 通学路 通学距離の検証 対応 校区の自治会等加入世帯が多く 地域活

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

Microsoft Word - 学校適正規模基本方針.docx

資料3 小中一貫教育に関するアンケート調査結果

第5回 東大和市学校規模等あり方検討委員会会議録

各説明会別紙一覧表

小中一貫教育モデル校区20のQ&A

(市・町)        調査

<4D F736F F D208D5D938C8BE697A7974C96BE90BC8A CC8A4A8D5A82C98CFC82AF82BD8D6C82A695FB2E646F63>

基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります 基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります (1) 基礎的 基本的な学力の定着児童 生徒一人ひとりが生きる力の基盤として 基礎的 基本的な知識や技能を習得できるよう それぞ

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

目次 はじめに 学校規模と通学区域に関する基本的な考え方... 2 (1) より充実した教育環境をめざして... 2 (2) 基本方針の位置付け... 2 (3) 学校規模と通学区域に関する基本的な考え方 学校規模について 通学区域について

教育調査 ( 教職員用 ) 1 教育計画の作成にあたって 教職員でよく話し合っていますか 度数 相対度数 (%) 累積度数累積相対度数 (%) はい どちらかといえばはい どちらかといえばいいえ いいえ 0

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

持続可能な教育の質の向上をめざして ~ 教員の多忙化解消プラン に基づく取組について ~ 平成 30 年 3 月 愛知県教育委員会

平成 30 年度全国学力 学習状況調査の結果について ( 速報 ) 1. 調査の概要 実施日平成 30 年 4 月 17 日 ( 火 ) 調査内容 1 教科に関する調査 ( 国語 A 国語 B 算数 数学 A 算数 数学 B 理科 (3 年に 1 回 )) A 問題 : 主として知識に関する問題 B

平成 25 年度学力定着状況確認問題の結果について 概要版 山口県教育庁義務教育課 平成 2 6 年 1 月 1 実施概要 (1) 目 的 児童生徒の客観的な学力状況の経年的な把握と分析を通して 課題解決に向けた 指導の工夫改善等の取組の充実を図る全県的な検証改善サイクルを確立し 県内す べての児童

施設名 棟数 延べ床面積 ( m2 ) 建築年 経過年 池上小学校 8 5,410 昭和 55 年 36 年 南池田中学校 15 8,105 昭和 58 年 33 年 光明台北小学校 12 6,364 昭和 60 年 31 年 いぶき野小学校 15 7,683 平成 4 年 24 年 北池田中学校

目次 1 はじめに 1 2 根拠法令 1 3 計画期間 1 4 大綱の基本方針 2 5 主な取組 3 参考資料 7

目 次 はじめに 2 Ⅰ 気仙沼市義務教育環境整備計画の基本方針 1 本市が目指す学校教育 2 気仙沼市義務教育環境整備計画の基本的な考え方 (1) 児童 生徒数の現状 (2) 学校規模と配置の現状 (3) 本市立学校の学校規模 学校配置の考え方 気仙沼市義務教育環境整備計画の推進にあた

第2節 茨木市の現況

鶴ヶ島市    学校再編に関する基本方針


目 次 1 新宿区教育環境検討協議会設置の背景 1 2 現状と課題 2 (1) 通学区域 2 (2) 学校選択制度 2 (3) 学校の適正規模 適正配置 5 3 基本的なあり方 6 (1) 通学区域 6 (2) 学校選択制度 7 (3) 学校の適正規模 8 (4) 学校適正配置 10 < 参考 >

目次 はじめに... 1 西東京市における適正規模 適正配置に係るこれまでの検討経過... 基本的な考え方... 4 (1) 適正規模 適正配置についての市の考え方... 4 () 検討のフロー... 4 本協議会における検討 ( 田無第四中学校 )... (1) 現状と課題... () 田無第四中

新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について(答申のポイント等)

市中学校の状況及び体力向上策 ( 学校数 : 校 生徒数 :13,836 名 ) を とした時の数値 (T 得点 ) をレーダーチャートで表示 [ ] [ ] ハンドボール ハンドボール投げ投げ H29 市中学校 H29 m 走 m 走 表中の 網掛け 数値は 平均と同等または上回っているもの 付き

Q4-1 中 1ギャップから小中ギャップへ A4-1 子供たちが小学校から中学校に進学する際 新しい環境での学習や生活に不適応を起こす現象のことを いわゆる 中 1ギャップ と言います 文部科学省が実施してきた 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査 によれば 不登校児童生徒数 いじめの

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

南陽市登下校防犯プラン 南陽市教育委員会 H30.8 月策定 1 はじめに平成 30 年 5 月 新潟市において 下校途中の7 歳の児童が殺害された事件を受け 今後も 社会全体で子供の安全を守ることが一層求められている そのような中 平成 30 年 6 月 22 日 登下校時の子供の安全確保に関する

<8A778D5A8EBF96E28E862E6D6364>

第 2 部 東京都発達障害教育推進計画の 具体的な展開 第 1 章小 中学校における取組 第 2 章高等学校における取組 第 3 章教員の専門性向上 第 4 章総合支援体制の充実 13

小中連携による豊かな人権感覚と

①CSの概要

町全体の状況を把握 分析するとともに 平均正答率については 全国 全道との比較を数値以外の文言で表現します また 質問紙調査の結果や 課題解決に向けた学力向上の取組を示します (3) 学校ごとの公表小規模校において個人が特定される恐れのあることから 学校ごとの結果公表はしません (4) 北海道版結果

参考資料 校区別小中連携 一貫教育スケジュール表

学力向上のための取り組み

PowerPoint プレゼンテーション

●●(案件名)に対する意見の内容および市の考え方

2 岩国市における小中一貫教育基本方針 (1) 小中一貫教育についてすべての児童生徒の確かな学力 豊かな心 健やかな体を育成し 生き抜く力を育むことは学校 家庭 地域の共通の願いです 岩国市では これまでも小学校と中学校が連携して教育活動を展開する 小中連携教育 を行ってきましたが これをさらに深化

組織目標シート 平成 28 年度 部局 教育委員会事務局局長吉田久芳 1. 部局の使命 児童 生徒一人ひとりを大切にし 豊かな人間性と人間関係を築く力を育むとともに 自ら学び考え行動する子どもの育成を図る学校教育を推進する 市民生活が豊かで活力のあるものになるよう 市民が生涯を通して学習し学び続ける

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

上越市立有田小学校いじめ防止基本方針 平成 30 年 4 月策定 1 いじめの定義といじめに対する基本的な考え方 (1) いじめの定義児童生徒に対して 当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係にある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為 ( インターネット

領域別レーダーチャート 教科の領域別に全国を 100 とした場合の全道及び根室市の状況をレーダーチャートで示したもの 小学校 : 国語 小学校 : 算数 国語 A( 話すこと 国語 B( 読むこと ) 聞くこと ) 国語 A( 書くこと

<4D F736F F D AEE967B934982C88D6C82A695FB81768DC58F4994C52E646F63>

目 次 1 これまでの経緯と今後の高校再編 1 (1) 最終報告 までの経緯 1 (2) 最終報告 以降の経過と現状 1 (3) 今後の高校再編を進めるにあたって 2 2 今後の高校再編の進め方 3 (1) 高校再編の新たな方針 基準 3 (2) 今後の検討方法 3 (3) 凍結した計画の取扱い 3

愛媛県学力向上5か年計画

<4D F736F F D2095BD90AC E937891E F18C9F93A288CF88F589EF89EF8B63985E2E646F63>

目 次 1 実施方針策定の趣旨 P. 1 2 振興計画に基づく取組みと求められる対応 P. 1 (1)Ⅰ 期期間中の取組み (2) 新制度のもと求められる対応 3 当面の実施方針 P. 2 (1) 基本となる考え方 (2) 当面の実施方針 4 新制度のもとでの市立幼稚園 P. 3 (1) 市立幼稚園

< F2D318BB388E789DB92F682CC8AC7979D F >

< F2D8CA48B868B E6A7464>

教員の専門性向上第 3 章 教員の専門性向上 第1 研修の充実 2 人材の有効活用 3 採用前からの人材養成 3章43

12. 仮設校舎を旧東高校跡地に建ててはどうか 13. 体育施設等を共用することで 部活動や行事等に制限が出るのではないか 14. 校舎建替期間中の入学式 卒業式 運動会や部活動はどうなるのか 15. 校舎建替期間中の教育環境や 整備内容について具体案を示してほしい 16. 東と西で開校時の人数に差

<4D F736F F D D AD8DF48D8096DA C82A982C89053>

平成16年度第1回○○区地域協議会次第

p 札幌市小学校).xls

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

< A778D5A8EBF96E28E A778D5A817A5F E786C73>

大明の小中一貫校としての取り組み

地域子育て支援拠点事業について

施策吊

(2) 施設の状況 幼稚園施設は 昭和 50 年前後に建築され 築 30 年以上が経過しています ( 表 2) ( 表 2) 公立幼稚園施設一覧 施設名称 竣工年月 構造 階数 酒匂幼稚園 昭和 48 年 2 月 鉄筋コンクリート造 ( 一部鉄骨造 ) 地上 2 階 東富水幼稚園 昭和 46 年 3

小学校と中学校の連携について

基本方針1 小・中学校で、子どもたちの学力を最大限に伸ばします

本年度の調査結果を更に詳しく分析するため 本道の課題となっている質問紙の項目について 継続して成果を上げている福井県 秋田県 広島県と比較した結果を示しています ( 全国を 100 とした場合の全道及び他県の状況をレーダーチャートで示したもの ) 1 福井県との比較 (~P51) 継続的に成果を上げ

今年度は 創立 125 周年 です 平成 29 年度 12 月号杉並区立杉並第三小学校 杉並区高円寺南 TEL FAX 杉三小の子

<4D F736F F D E9197BF A B83678C8B89CA8A5497AA2E646F63>

鎌倉市関谷小学校いじめ防止基本方針 平成 26 年 4 月 鎌倉市立関谷小学校

情報コーナー用

はじめに 高岡市教育将来構想検討会議 ( 以下 本検討会議 という ) は 本市における学校教育及び社会教育 生涯学習等の振興に向け 教育の充実や学校の再編 施設の有効活用などの諸課題について 今後 10 年を視野に基本的な方向を定める教育の将来構想を策定するため 中長期の視点に立って その諸課題を


(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

基本施策情報活用能力の育成を図ります 幼児教育の推進 にあたっては 幼児期が生涯の人格形成の基礎を培う大切な時期であるとの認識のもと 子どもたちの心身の発達に資する質の高い幼児教育を推進します 2 人との絆や自然との関わりの中で伸びゆく豊かな心の育成 子どもたちが生命を大切にする心や思いやりの心 感


p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

生徒指導の役割連携_四.indd

小学校の結果は 国語 B 算数 A で全国平均正答率を上回っており 改善傾向が見られる しかし 国語 A 算数 B では依然として全国平均正答率を下回っており 課題が残る 中学校の結果は 国語 B 以外の教科で全国平均正答率を上回った ア平成 26 年度全国学力 学習状況調査における宇部市の平均正答

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

1. はじめに 本格的な地方分権の時代を迎え 市民に最も身近な地方自治体は 市民ニーズに応じた政策を自ら意志決定し それを自己責任の下に実行することがこれまで以上に求められており 地方自治体の果たすべき役割や地方自治体に寄せられる期待は ますます大きくなっています このような市民からの期待に応えるた

秋田市小・中学校配置案

2/9 学校 ( 幼稚園 ) 名久保小学校長江小学校土堂小学校 棟用途 棟面積第一次診断第二次診断改修改修後建築年月構造階数区分番号枝番 ( m2 ) 年度 Is 値年度 Is 値年度 普通 特別 管理教室棟 1 1 S8.1 R 3 2,950 旧基準 H H 屋内運動

学校の危機管理マニュアル作成の手引

Taro-自立活動とは

< F2D8FAC928688EA8AD18BB388E782CC8CBB8FF382C689DB91E E6A7464>

平成20年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果(概要)

1

龍ケ崎市通学路交通安全プログラム ~ 通学路の安全確保に関する取組の方針 ~ 平成 27 年 3 月 龍ケ崎市教育委員会

広報ひめじ2012年3月号

Taro-07_学校体育・健康教育(学

県立学校職員 ( 趣旨 ) 第 1 条この要綱は 地方公務員法 ( 昭和 25 年法律第 261 号 ) 第 15 条の2 第 1 項第 5 号の規定に基づき 山形県教育委員会における職員 ( 学校教育法 ( 昭和 22 年法律第 26 号 ) 第 7 条に規定する校長及び教員等 ) の標準職務遂行

人口減少社会における ICT の活用による教育の質の維持向上に係る実証事業の実施概要 事業概要 過疎化や少子高齢化が進む人口過少地域において ICT の活用により 遠隔地間における児童生徒の学びの充実や 社会教育施設等と連携した遠隔講座の実施など 学校教育及び社会教育における教育の質の維持向上を図る

草津市 ( 幼保一体化 ) 集計表 資料 4 幼児教育と保育の一体的提供のための現況調査 ( 施設アンケート ) 速報 平成 25 年 7 月草津市 1

平成21年度「研究の手引き」の解説(案)

Transcription:

資料 34 大空中学校適正規模の確保等 地域検討委員会意見書案 平成 30 年 月 大空中学校適正規模の確保等地域検討委員会

目 次 はじめに 1 1. 大空中学校 ( 大空小学校を含む ) の現状について 1 2. 学校規模の小規模化による影響について 1 3. 適正規模を確保するための 2 取り組み等に関する検討について (1) 通学区域の変更の検討 2 (2) 学校の統合の検討 3 (3) 小中一貫教育の検討 3 4. 学校及び地域の取り組みについて 4 5. 学校施設の整備について 4 おわりに 5 参考資料 6

はじめに 少子化の進行による児童生徒数の減少が教育にもたらす影響が懸念される中 子どもたちにより良い教育環境を提供することを目的として 平成 29 年 2 月に帯広市立小中学校適正規模の確保等に関する基本方針 ( 以下 基本方針 という ) が策定されました 基本方針に基づき具体的な取り組みを進めるため 平成 30 年 4 月に帯広市立小中学校適正規模の確保等に関する計画 ( 以下 基本計画 という ) が策定され 前期対象校として大空中学校が選定されました 学校の役割は 児童生徒が知識や技能を習得することだけではなく 一人ひとりの資質や能力を伸ばすことのほか 機能としては地域コミュニティの核として教育施設以外の側面も併せ持っていることから 保護者や地域住民の代表 学校関係者などで構成する大空中学校適正規模の確保等地域検討委員会 ( 以下 本委員会 という ) を 5 月に設置され 5 回にわたり検討を行い 今後策定される大空中学校の個別実施計画に我々の意見を反映してもらうため 大空中学校適正規模の確保等地域検討委員会意見書 としてまとめました 1. 大空中学校 ( 大空小学校を含む ) の現状について 帯広市立大空中学校は 南帯広 ( 大空 ) 住宅団地開発事業の進捗状況に伴い 帯広第四中学校のマンモス化解消のため 昭和 49 年 4 月 1 日に新設開校しました 大空中学校は市街地の南西の大空団地内にあり 東は南町中学校 北は帯広第八中学校と緑園中学校 南は川西中学校と通学区域が接しています 開校当初の生徒数は 195 人 学級数は 5 学級で始まり 昭和 63 年には生徒数のピークを迎え 649 人 学級数は 16 学級になりました 平成 30 年 5 月 1 日現在の生徒数は 15 9 人 学級数は 8 学級 ( うち特別支援学級 2 学級 ) です 基本計画において 前期計画期間の平成 34 年度の推計では通常学級が 5 学級になる見込みで 市街地の中では最も小規模化の進行が見込まれる中学校です 大空中学校では 教育目標 北の文化を拓く明るく健康な心身と個性豊かな英知を育む に基づき 特色ある教育活動を展開しています 主な取り組みとして 学校では数学科や英語科における習熟度別少人数指導 全校朝読書などを実施するとともに 生徒会ではプルタブやボトルキャップの回収などのボランティア活動やいじめ撲滅運動などを行っています 大空中学校と地域との連携は 民生委員児童委員と生徒会役員が連携した赤い羽根共同募金活動 学校支援ボランティアによる長期休暇中の自主学習会の開催 大空連合自治会の一斉清掃日に PTA と生徒が協力して実施している落ち葉拾いなどを行い 地域にある学校として町内会などの地域住民全体で育む教育環境が構築されています 大空小学校と大空中学校との連携は 現在実施しているエリア ファミリー構想の取り組みを通じて 小中学校合同での新体力テストの実施 生徒指導の連携 小中学校の教職員間の交流などを行っています また 通学区域が大空中学校と一致している大空小学校は 大空団地開発事業の進捗状況に伴い 昭和 45 年 10 月 1 日に稲田小学校から分離新設し 開校しました 開校当初の児童数は 163 人 学級数は 6 学級で始まり 昭和 58 年には児童数のピークを迎え 1459 人 学級数は 36 学級になりました 平成 30 年 5 月 1 日現在の児童数は 326 人 学級数は 17 学級 ( うち特別支援学級 5 学級 ) です 大空小学校では 教育目標 知恵をみがき清い心をはぐくみ体をきたえる子 に基づいた主な取り組みとして 乗り入れ授業や教科担任制の実施 開かれた学校として地域の住民などを講師にするゲストティーチャーの活用や環境教育では 帯広の森 はぐくーむ を 1

活用した学習など特色ある教育活動を展開しています 2. 学校規模の小規模化による影響について 学習面や生活面への影響としては 他校に比べて大人数の中で切磋琢磨する機会や子ども同士の関わりを持つ機会が少ないことが心配されるほか 授業等で様々な規模のグループによる学習が行いづらく多様な考え方に触れる機会や学び合いの機会が少なくなること 学級編制について柔軟な対応ができず人間関係や相互評価などが固定化しやすいことなどがあります ただし 生徒数が少ないことから 教員はより丁寧な関わりができるという良い影響としての意見もありました 部活動への影響としては 設置できる部活動数が少ないことから選択肢が狭まること 複数の学校で練習や試合を行う合同チームでの部活動における往復や送迎などの負担が増えるなどがあります 教職員体制への影響としては 経験 教科 部活動の指導などの面でバランスの取れた教職員の配置がしづらいこと 出張や研修会などに行くことが難しいことがあります 保護者への影響としては PTA 活動などで一人ひとりにかかる負担が大きくなりやすいことなどがあります 3. 適正規模を確保するための取り組み等に関する検討について 本委員会では 小規模化となる大空中学校の学習面や生活面 部活動における影響への緩和または解消について 基本方針の 第 4 章適正な学校規模を確保するための取り組み に掲げられた通学区域の変更 学校の統合 小中一貫教育について 項目ごとに検討を行いました 検討にあたっては 大空中学校と同様に小規模化が進む大空小学校の課題等も併せて検討しました (1) 通学区域の変更の検討 本委員会としては 現在 大空中学校の通学区域が大空小学校と同一の区域になっており 小中連携による義務教育 9 年間を通した学びの連続性や学校 家庭 地域の連携による教育コミュニティの形成していることから 通学区域を見直す場合は 小中学校合わせた検討が必要としました 大空中学校の通学距離は現在で最長約 2.5km 中学校と合わせて見直す必要があるとした大空小学校の通学距離は現状で最長約 2.3km となっています 現在でも 本市における小学校の通学距離の目安としておおむね 2km より遠いことから 拡大された通学区域から通う小学校低学年の児童などの身体的な負担や児童生徒の登下校時の交通事故等の安全面などを考慮しなければなりません こうしたことから 本委員会の結論としては 通学区域を変更することによって 児童生徒の身体的な負担や安全面等の課題が大きいことから 他の方法を検討することが望ましいとしました 2

(2) 学校の統合の検討 近隣校である南町中学校及び緑園中学校との統合について検討を行いました まず 南町中学校との統合については 学校間の距離で約 3.5km 通学距離は最長約 3.8 km となり スクールバスの利用も考えなければならない通学距離となるほか 南町中学校の既存校舎の通常教室数が不足するため 南町中学校校舎の増築を行わなければなりません また 基本方針では中学校の適正規模の基準を 12 学級から 18 学級としていますが 南町中学校と統合した後の統合新校は 学級編制の推計上 21 学級以上の大規模校となることが見込まれ 全教職員による生徒一人ひとりの把握が難しくなりやすいといった大規模化の影響を受けることなどが課題として挙げられました 次に 緑園中学校との統合については 緑園中学校と統合した場合の統合新校は学級編制の推計上 11 学級から 14 学級となり おおむね適正な学校規模になることが見込まれるとともに 緑園中学校校舎を増築せずにそのまま活用できると考えられます しかしながら 学校間の距離で約 4.0km 通学距離は最長約 6.0km となることから 本市における中学校の通学距離の目安としておおむね 4km より遠くなることや 冬期間における通学や交通量が多い道路を通うことなどの通学への安全面の不安が意見として出されました これらを解決する手段としては スクールバスの利用が考えられますが 120 人 ( 平成 39 年度大空中学校推計生徒数 ) 以上になる生徒がスクールバスで通学することは バスの台数確保などの検討すべき課題が多いことが挙げられました 一方 統合することで生徒数が増えて切磋琢磨することや部活動の選択肢が増えることなどの効果が期待できるという意見もありましたが 大空地区及び南の森地区に住む住民としては 地域から中学校がなくなることは 地域の活力の観点からも 受け入れがたいものです こうしたことから 本委員会の結論としては 他校との統合によって 生徒の通学に対する負担や安全面などの課題が大きいことから 他の方法を検討することが望ましいとしました (3) 小中一貫教育の検討 本委員会では 通学区域の変更及び学校の統合を検討した結果 いずれも実施に当たっての課題が大きいことから 基本方針の項目に沿って 小中一貫教育の導入を検討することにしました 現在 市内全域で実施しているエリア ファミリー構想において 大空小学校と大空中学校では 小中学校合同での新体力テストの実施 生徒指導の連携 小中学校の教職員間の交流など 子どもたちの学びと育ちを円滑に接続する取り組みを行っています 小中一貫教育を導入する効果としては 小学 1 年生から中学 3 年生まで幅広い異学年交流が行えること 教職員の多様な人間関係の構築ができること 小学校の英語科授業や学習上のつまずきなどに対し義務教育 9 年間を見通した学習指導及び生徒指導が行えること 学習面や生活面で不適合を起こす中一ギャップの解消につながることなどが期待されます 小中一貫教育の推進についての意見は 小中学校間の系統性 連続性のある教育活動を行う義務教育学校は中 1 ギャップへの対応に有効であること 教科指導と生徒指導の両面で効果を期待できること 中学校の免許を持っている小学校の教員に学力のフォローをしてもらえること PTA の学習会などの活動を合同で行うことで 参加者増が期待できることなどがありました ただし 義務教育学校は転校した場合にフォローアッ 3

プ体制などの課題が生じることがあるとの意見も挙げられました 大空小学校と大空中学校における小中一貫教育を導入する目的としては 小中一貫校になることで 児童生徒 学校 地域の実情などを踏まえたこれまでの取り組み内容の質を高め 様々な価値観を育むことができると考えられることから導入するものです こうしたことから 本委員会としては 大空小学校と大空中学校を対象とした小中一貫教育の導入については 小規模化の影響を緩和するためにも進めるべきとしました 4. 学校及び地域の取り組みについて 大空小学校や大空中学校は これまでも学校支援ボランティアによる長期休業中の自主学習会やわんわんパトロール隊などによる地域の見守り活動など 地域と深い関わりをもった学校経営が行われています 学校と地域との連携についての意見は 地域は学校と情報を共有することで的確な協力が行えること 地域のニーズも合わせてどのような学校を作っていくのかを一緒に考えることなど 地域が学校の取り組みに参加しやすい環境が必要などありました 一方で 課題としては 地域における人材発掘や地域ニーズの把握 地域が協力しやすい校内体制の構築などが挙げられました 今後 これらの活動を効果的に推進することや 学校の小規模化が進行することによる固定化した人間関係への対応の補完するため 学校と地域などが共通の目的 目標を掲げ 連携した取り組みを行うコミュニティ スクールの導入についても併せて検討する必要があると考えました また 大空中学校での取り組みとしては 学校の小規模化による影響を緩和するため 部活動の合同チームとして行える環境を整えることや 異学年との交流だけではなく同学年の交流はやはり大切なことから 中学校間の交流をできるだけ行うことを切に望みます こうしたことから 本委員会としては 学校での取り組みのほか 大空地域におけるコミュニティ スクールの導入に関していくつかの課題はありますが 地域とともにある学校のほか 小規模化の影響を緩和するためにも進めるべきとしました 5. 学校施設の整備について 大空小学校 大空中学校の校舎等の現状としては 一番面積の大きい校舎棟においてはそれぞれ昭和 49 年に建設されています 屋内運動場についてもそれぞれ昭和 48 年と昭和 4 9 年に建設されています 校舎と屋内運動場の耐震改修工事はそれぞれ終了しているものの 施設の老朽化が著しく進んでいます 校舎等については トイレやサッシ 照明などの老朽化した施設の改修並びに安全面を考慮した改修に加え 落ち着いた雰囲気になるような改修などを望む意見がありました 教育課題への対応の面からは 小中一貫教育ができる教室やホールの整備やどこの教室でもパソコンやインターネットが使える環境の整備などを望む意見がありました 地域コミュニティを連携 協働できる校舎等については 老朽化した大空会館の代替機能を持った複合施設の整備 地域連携の活動スペースやエレベーターの設置 学校図書館と地域図書館の機能を持った図書館などを望む意見がありました こうしたことから 本委員会としては 大空小学校と大空中学校を対象とした児童生徒の交流や小学校の一部教科担任制の導入など小中一貫教育を効果的に進められるため 施設一体型の学校整備が望ましいとしたところです また コミュニティ スクールの導入に向け 4

ては 学校と地域が連携するための活動スペースの整備が望ましいとしました なお 老朽化した校舎等の整備に当たっては 可能な限り学習面や生活面 安全面に考慮した施設にすべきとしました おわりに 大空中学校適正規模の確保等地域検討委員会として 大空中学校並びに大空小学校に通う児童生徒の学校生活を第一に考え 意見としてまとめました 帯広市教育委員会におかれましては 今後 大空中学校における実施計画を策定するにあたり 本委員会の意見を反映するなど 特段のご配慮をお願いいたします 5

参考資料 6