建築基準法違反の物件 借換えはできる? 質問住宅ローンの借換えを考えているお客様の物件に 建築基準法違反が発覚しました この場合 お客様は 借換えができるのでしょうか? 回答住宅ローンの新規借入や借換えにおいて 物件に建築基準法違反があれば融資は受けられません 特に 建ぺい率や容積率 接道基準などが建築基準法を満たしているか 重要事項説明書でしっかり確認しましょう 最近では 借換え時に建築基準法違反が発覚し 借換えできないというトラブルも多いようです たとえ金融機関で仮審査が通っても 担当者が法務局から入手した書類を持って本審査に訪れ そこで違反が発覚すれば借換えができません 新築や建設の場合にはあまり心配ありませんが トラブルが起こりやすいのが 建築基準法違反物件の借換えです 建ぺい率や容積率も改正されていますので 注意が必要です かつては金融機関も規定や審査がゆるく 多少の建築基準法違反物件であっても融資をしていましたが 最近では建築基準法の遵守に対してかなり厳しくなっています したがって 新規で住宅ローンを借り入れた際には問題なくても 借換え時の物件審査で法令違反が発覚し 借換えを断られるというケースが増えています 建築基準法違反の例としては 以下の3 点があげられます 容積率オーバー容積率とは敷地面積に対する建物全体の延床面積の割合で 用途や地域によって制限内容が異なります よく考えられる違反は 設計上は2 階であっても 屋根裏部屋があるために延べ床面積がプラスされ 結果として違反となってしまう事例です 建ぺい率違反法令では 用途地域ごとに敷地面積内の建築可能面積割合が決められていますが これを建ぺい率と言います 建ぺい率は 建築面積 / 敷地面積 100 で算出され 建築物の用途や地域によって異なります 部屋を大きくしていたり あるいは取り壊す予定だった個所を壊さなかっ 6
たりなどといった理由で 建築基準法違反となることがあります 接道義務違反都市計画区域内の物件の敷地は 原則として建築基準法上の道路 ( 幅員 4m 以上の道路 ) に 2m 以上の接道義務があり これに違反した場合 一度建物を壊すと再建築ができません また 接道義務をはたしていない敷地は担保価値がないために住宅ローンの融資を受けることもできません また 敷地の接する道路が法定道路でなければ建物を建てることができません 建築基準法違反は 後で気づいたのでは手遅れです 購入 建設時には重要事項確認書でしっかり確認し 疑問があれば業者ときちんと話し合いましょう マイホームを買い換えたら 損が出ました 特例による控除はある? 質問マイホームを買い換えたら 損失が出ました 特例による控除が受けられると聞きましたが 具体的にはどのような内容ですか 回答所有期間が 譲渡した年の1 月 1 日の時点で5 年を超えるマイホームを売却後 新たなマイホームを取得し 損失が出た場合 一定の要件を満たしていれば 他の所得との損益通算ができるだけでなく 売却の年の翌年以降 3 年間に渡って損失を繰越できる特例があります この特例を受けるための主な要件は以下の通りです 1 売却するマイホームの要件 ( 譲渡資産 ) 敷地面積が 500 m2に相当する損失までを対象とする ( マンションは持分の面積で ) 売却する年の 1 月 1 日現在で所有期間が 5 年超で国内にあるもの 2 買い換えするマイホームの要件 ( 買換資産 ) 居住部分の床面積が 50 m2以上 10 年以上の住宅ローンがあること 3その他の要件 控除を受ける年の合計所得金額が 3,000 万円以下であること ( 給与所得者の場合 年収が 3,336 万円以下 ) 親族等に対する売却でないこと ( この場合の親族とは 配偶者及び直系血族や生計を一にしているもの等を言います ) たとえば 以下の事例の場合はどうでしょう 購入時の代金 :5,500 万円 / 借入金 :4,000 万円 / 売却時の代金 :2,500 万円借入金残高 :3,500 万円 ( 減価償却などは考慮しないものとします ) 7
2,500 万円 ( 売却時の代金 )-5,500 万円 ( 購入時の代金 )= 3,000 万円 ( 譲渡損失の金額 ) 3,500 万円 ( 借入金残高 )-2,500 万円 ( 売却時の代金 )=1,000 万円 ( 繰越通算限度額 ) 3,000 万円 >1,000 万円であるため 結果 1,000 万円が損益通算できる金額となります なお この特例は以下の場合には適用されません 損益通算の特例を受けて損益通算しようとする年の前年以前 3 年以内の年において 生じた他の特定居住用財産の譲渡損失の金額について 損益通算の特例の適用を受けている場合 譲渡資産の特定譲渡をした年の前年または前々年において行った資産の譲渡について次の特例の適用を受けている場合 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例 居住用財産の譲渡所得の 3,000 万円の特別控除 特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例 特定の居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例 相続等により取得した居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例 相続等により取得した居住用財産の交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例 譲渡資産の特定譲渡をした年又はその年の前年以前 3 年内における資産の譲渡について 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算の特例の適用を受ける または受けている場合 この特例では売却年を含めて4 年間 損失を損益通算できますので ある程度所得がある人にとってはかなりの負担軽減効果になります ただし 損失が生じた翌年の 3 月 15 日までに確定申告することが必要です この特例は 今年 12 月 31 日まで有効です * 詳細や実際に利用する際には 税務署や税理士などの専門家にご相談ください 住宅ローンを見直すのに得な時期はある? 質問住宅ローンを利用し始めたばかりですが 借換えや繰上返済などを見直すのに 得な時期はありますか? 回答借換えや繰上返済など 住宅ローンを見直すのに有利な時期は 1 金利変更時期 2 年明け早々 3 ボーナス返済が終了した直後などが一般的には有利と考えられています 以下 それぞれの場合について説明しましょう 8
1 金利変更時期の場合住宅ローンには 全期間固定金利型 変動金利型に加え 3 年固定金利 5 年固定金利などの短期固定金利タイプも含めた固定金利期間選択型があります 固定金利期間選択型の場合 固定金利期間が終了すると その時の市場金利に応じて借入金利が変更されます 金利変更時には その時の残債に対して返済金額が再計算されるので 繰上返済も金利変更時に行うと効率的となります 金利変更時には手数料が安いケースもあります また 繰上返済と同時に借換えを行うと借入期間を短縮できることもあるので この時期に住宅ローンを見直すのは効果が見込めます 2 年明け早々の場合住宅ローン控除が適用される場合 控除額は年末のローン残高で決定されるため 年末ではなく できれば年明けに繰上返済をすることをおすすめします ただし繰上返済額や繰り上げによる利息軽減額 減税額との兼ね合いもあるのできちんとシミュレーションしたうえで実行しましょう 3ボーナス返済が終了した直後の場合借換えをする時に既存ローンでボーナス返済を利用していた際 ボーナス返済分について清算金を支払う必要があるので若干費用がかかってしまいます たとえば2 月 8 月支払いで6 月に借換えをする場合 3 月 ~6 月までのボーナス返済分ついて清算金を支払わなくてはなりません 逆に9 月に借換えをすると 精算金はほとんど必要ありません これらは常に有利とは言えませんが 使い方によっては効果的なので ポイントを念頭に置きつつ上手に利用したいものですね ボーナス返済を利用するうえでの注意点は? 質問住宅ローンを利用する際に 月々の給料からだけでは返済が厳しいので ボーナス返済を利用しようと考えています 注意点を教えてください 回答たいていの金融機関では 毎月の返済だけでなくボーナス返済との併用が利用できます そのため 利用する人の中には 毎月の返済可能額だけでは 必要な金額が借りられない と考え ボーナス返済を利用する人も多いようです しかし 一般的に年間返済額が同じ場合には ボーナス返済分を多くしたときの方が 毎月元金分の返済に充てられる金額が減るので 総返済額が増えてしまいます ですから もしあなたの会社のボーナスが 固定給 数か月 というように決まっている場合には 借入額に対するボーナス返済額は約 20% 程度までに抑える また 成功報酬として支 9
給される場合には できるだけボーナス返済は利用しないことです さらに ボーナス返済を行うには以下の 3 点に注意しましょう 1 ボーナスが減額 遅延 あるいは支給されなくても無理なく返済できるかボーナスは企業の業績がより反映される傾向にあり 支給額が減額されたり また支給時期がずれるということもあり得ます ボーナス時期の住宅ローンの返済額は 毎月の返済分 +ボーナス返済分 となります 万が一 ボーナスの減額 不支給 遅延が起きても返済が可能であるか 返済プランを事前に確認しましょう 2 ボーナス返済を利用しなくても返済できる金額か? ボーナス返済を利用しても しなくても年間返済総額は変わりません 年間返済総額が年収に対して適正な返済比率になっているかのチェックが必要です また最近では 人件費抑制を目的として ボーナスを廃止し年俸制へ移行する企業も増えてきています もしあなたの会社が来月から年俸制になっても 年間を通じて無理のない返済が可能か 返済方法を機動的に変更できる商品がどうかも要確認です 3 転職 退職時のキャッシュフローの変化への対応は大丈夫? 転職した際には 一定期間まではボーナス支給額が少なかったりすることもあります また 退職すると当然ボーナスはなくなるので 退職までにはボーナス返済は減らしておく 繰上返済はボーナス返済分から行うなど将来のリスクヘッジも考えつつ ボーナス返済の利用を考えましょう 10